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[ECTS 2002#20]対戦に特化したBlack Cactusの最新作「Warrior Kings:Battles」
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印刷2002/08/31 16:10

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 [ECTS 2002#20]対戦に特化したBlack Cactusの最新作「Warrior Kings:Battles」 - 08/31 16:10

 ロールプレイングの要素を積め込んで「WarcraftIIIの数歩先を行く」といわれている"Warrior Kings"だが(完全日本語版がサンソフトからまもなく発売予定),ゲームが非常に複雑だったこともあり,現在のところは満足のできるセールスを達成できていない。しかし,何百体という数のおびただしい3Dユニットが表示できる「Shogun:Total War」を中世ファンタジーにしたようなゲーム性と,セレスティアル(至上主義),ペイガン(カルト),ルネッサンス(機械派)という3種の勢力が絡み合う世界観の見事な表現で,ヨーロッパを中心に高く評価されている。
 今回発表された「Warrior Kings:Battles」は,"バージョン1.5"とでもいうべきもの。ゲームエンジンやシステムそのものの改良はほとんどないものの,これまで問題とされてきた部分を調整し,さらに思考ルーチンもまったく新しいものにしたことで,ユーザーフレンドリーな作品にまとめられているようだ。
 とりわけ強化されているのがマルチプレイヤーモードだ。最大プレイヤー数は8人ながら,ネットワークコードの最適化によってレイテンシがこれまでの10分の1にまで押さえられているので,非常にスムーズな対戦が楽しめるようになった。新しく登場するユニットは,各勢力に2体ずつとバランスを壊さないように押さえられているが,セレスティアルの樹木や鉱石をエレメンタルに変える魔術師系のユニットはユニークだ。木や鉱石の大きさによってエレメンタルの大きさや強度も変化するのが面白いが,この魔術師が殺されると元の木や鉱石に戻ってしまう。機械を信奉するルネッサンス派には発砲系の遠距離攻撃用の兵士ユニットが追加されたが,このユニットは敵が近くになると銃剣を振り回して戦う。また各陣営の究極ユニットにも,いくつかの戦い方や魔法が加えられており,動きのバリエーションも増えている。

 しかし本作での最大の改良点が,ユニットの思考ルーチンだ。今回からは,"ジェネラル"というリーダーユニットを,ゲーム開始前に数十人の中から3人を選択できるようになっている。これらのジェネラルはそれぞれの戦い方や特性を持っているだけでなく,プレイヤーが関与しなくても勝手に軍事補強やユニットの訓練,経済システムのアップグレードなどを行ってくれるという優れもので,ジェネラルの性格をうまく考慮すれば,ジェネラル達が兵士を蓄える間にプレイヤーが防御や都市拡大に励むことも可能だ。もちろん敵が攻めてきても,プレイヤーが手をかけることなく,ジェネラルたちが最適なフォーメーションを組んで応戦してくれる。RTSでは類を見ないこの高度なAIによって,さらにスピーディなマルチプレイヤー対戦を実現できると期待して良いだろう。

 「Warrior Kings:Battles」は2003年2月の発売を予定しており,現在のところは順調に制作が進められているとのことだ。マルチプレイヤーモード以外にもシングルプレイ用のキャンペーンモードも付く予定だが,現在のところはマルチプレイヤーモードの調整に重点を置いているらしく,詳しく語られることはなかった。ちなみに,本作は発売元がEmpire Interactive社となり,前作よりも広報や販売に力が注がれることになりそうだ。Black Cactus社は,Warrior Kingsで受けた好評価がビジネスに好転したようで,現在では70人の開発者が3つのプロジェクトを進めているという。(Okutani)


  • 関連タイトル:

    ウォリアーキングス バトル 日本語版

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