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東京レトロゲームショウ2015:第6回「カレイジアスペルセウス」で勇敢なるペルセウスと魔の島へレッツゴー
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印刷2015/06/18 12:00

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東京レトロゲームショウ2015:第6回「カレイジアスペルセウス」で勇敢なるペルセウスと魔の島へレッツゴー

画像集 No.001のサムネイル画像 / 東京レトロゲームショウ2015:第6回「カレイジアスペルセウス」で勇敢なるペルセウスと魔の島へレッツゴー

今週のテーマ:オレより弱い奴に会いに行く!(真顔)

 懐ゲーが好きな気持ちを等身大のハートでお伝えしたい「東京レトロゲームショウ2015」の第6回は,コスモスコンピュータの「カレイジアスペルセウス」を紹介する。本作は,アクションRPGの元祖に限りなく近い位置にいながら,何とも形容しにくいゲーム内容だったためか,いつしかひっそりと忘れられ,知る人ぞ知るゲームになってしまった作品だ。しかし,当時本作をプレイした人には,そのあまりにも独特なゲーム性によって良くも悪くも強烈な印象を残したゲームであることは間違いない。

タイトル画面。なぜか生年月日を求められるが1900年代しか入力できないので,2000年以降に生まれた人はここで試合終了……ということはなく,適当に入力すればOK。ぶっちゃけ,何も入力せずにEnterキーを押してもいい。何のために必要なんだろう?
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 本作が発売された1984年は,日本ファルコムの「ドラゴンスレイヤー」,T&E SOFTの「ハイドライド」という,のちのアクションRPGのひな型となったゲームが立て続けに登場した年だった。現在では,この中で最後発のハイドライドをアクションRPGの元祖に挙げる人が多いのではないだろうか。
 確かに,ドラゴンスレイヤーは厳密に言えばアクションRPGではなく,自分が行動するか一定のウェイトが経過すると敵のターンに移るという,ローグライク寄りのシステムのゲームだった(ただし,このウェイトが非常に短いため,プレイ感覚はほぼアクションRPGと言ってもいい)。またドラゴンスレイヤーの場合,キャラクターの育成方法も“拾い集めたアイテムを家に持ち帰ることで行う”という若干RPG的とは言えない部分があった。

真ん中あたりにいる,黒くて小っちゃいのが主人公のペルセウス。勇者である
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 一方,カレイジアスペルセウスではリアルタイムのアクションが実装されており,敵を倒すこととキャラクターの成長がよりストレートに結びついていた。さらに,わずかながらハイドライドより早く発売されているので,こちらを“元祖アクションRPG”としてもいいのではないか,という意見にも一理ある。一理あるのだが……いざそう言われると,素直に頷くのもちょっと難しい。

 当時,筆者がプレイしたのは1985年に発売されたMSXのカセットテープ版だが,そのゲーム内容には子供心に困惑した記憶がある。たぶん,本作を遊んだ多くの人が似たような感想を持ったのではないかと思う。結局,当時はゲームをクリアできずに途中で放り出してしまったので,この機会にプロジェクトEGGで配信中のPC-8801版を最後までプレイしつつ,その絶妙にズレたゲーム内容を紹介してみたい。好きならできるはずさー。

30年の時を超えて,今ここにペルセウス(というか,主に筆者)の冒険が再び幕を開ける。これはスタート直後,いかだに乗ったペルセウスが魔の島に向かうところ。この時点ですでに体力が減っている……マジですか
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 本作のストーリーは,ゴルゴンに支配された魔の島を舞台に,主人公であるペルセウスが美の女神を救うための戦いを繰り広げるというもの。実に王道な設定で,RPGらしさにあふれている。
 いざゲームを開始すると,海の上にいかだに乗ったペルセウスが登場。それと同時にいきなり体力が減り始める。たいていのプレイヤーはここでまず驚くはずだ。なんじゃこりゃあ! 毒を飲んだからというわけではなく,本作では何もしなくてもじわじわと体力が減少していく。ぐずぐずしている暇はまったくない。

赤い服と緑色の髪のキャラクターがたぶんゴルゴン。近づくだけでダメージを受ける強敵だ
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 体力の回復方法は2つあり,1つは島のあちこちにあるベルを取ること。ベルは有限のアイテムだが,取れば取るほど体力が増えるので,見つけ次第拾ってしまっても問題ない。そしてもう1つの方法は,敵を倒すことだ。
 本作ではSpaceバーを押しながら(=攻撃モードに切り替えながら)体当たり攻撃で敵を倒すと,その瞬間に攻撃力と防御力がアップし,その際に体力もほんのちょっぴり回復する。RPGと呼ぶにはダイレクトすぎる成長方法だが,ぎりぎり許容範囲だろう。それよりも注目すべきなのは,本作では“倒せる敵の順番が決まっている”という点だ。

このゲームで最も弱いのが,この水色の兵士。敵は地形に関係なく,うろうろと気ままに動き回っているため,ペルセウスが攻撃できる位置に来るまで待たなければいけないことも。もちろん,その間も容赦なく体力が減少していく。ひどい!
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 こう書くと当たり前のことのように聞こえるかもしれないが,本作では自分より格上の敵からは一方的にダメージを受けるばかりで絶対に勝てないようになっている。どの敵が自分より弱いのかはまったくノーヒントで,殴ってみるまでは分からない。新しい敵に挑戦するときは,とりあえずセーブしておく必要がある。

 ゲームでは,こんな風にして敵の強さを確かめながら島中を歩き回り,自分より強い敵からはとことん逃げ,弱い敵を見つけたら,これをひたすら倒していくことになる。そして,その敵をほとんど絶滅するくらいに狩り尽くすと,ようやく次の敵を倒せる強さになるという仕組みだ。こうなると,もはやRPGというよりは単にパズルアクションと呼ぶほうがふさわしい気がする。

魔の島には巨大なドラゴンもいる。その場から動かないが,たぶんこのゲームで一番強い
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 こうしたゲームシステムの都合上,本作ではゲームを進めれば進めるほど島が無人島化していく。したがって,右も左も強敵だらけで,次にどの敵を倒せるのかも分からないゲーム開始直後が一番難しく,後半になるほど敵が減り,次に倒すべき相手も絞りやすくなってゲームが簡単になるという,実にあべこべの難度設定になっている。えー……。

 また見どころしては,当時としては珍しく,ゲームクリアの方法が2通り用意されていることが挙げられる。その1つは,敵を倒すと時々見つけられる12星座にちなんだアイテムをすべて集めること。そしてもう1つが,これまた敵が持っている3体の女神像を集めることだ。クリア直前の状態でセーブしておけば簡単に両方を見られるので,本作を遊ぶ際は試してみよう。

ゴルゴンを倒して2体めの女神像を手に入れ,星座アイテムもほとんど揃ってクリア目前。この頃には島はほぼ無人島と化している。残る敵はドラゴン(女神像を持っている)とカニ(こちらは,かに座のアイテム)の2種類のみ
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 そんなわけで,素直にアクションRPGと呼ぶには微妙な出来栄えの本作だが,すごく面白いというほどではないにせよ,決してつまらないだけのゲームというわけでもない。
 英雄的な活躍とは程遠い,弱いものイジメをするペルセウスに思うところはあるが,次に倒せる敵を見つけるのが面白く,それまでは逃げ回るだけだった相手を倒せるようになると素直に嬉しい。遊び方の幅がまったくないので,一度クリアしたらもういいかな……という感じはあるが,アクションRPGの黎明期に生まれた歴史的な一本ということで,興味を持った人はぜひプレイしてみてほしい。

そして本作を代表するモンスターといえばカニ! いかだで海を移動中に真下に出現すると問答無用でゲームオーバーになるうえ,たぶんこのゲームで2番めくらいに強い。ドラゴンと並ぶ,実質上のラスボスだ。カニがこんなに強いなんて……
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プロジェクトEGG「カレイジアスペルセウス」紹介ページ

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