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PCいらずでお手軽HDキャプチャ。ゲーム特化のキャプチャデバイス「AVT-C281」レビューを掲載
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印刷2012/05/03 00:00

レビュー

PCいらずでお手軽HDキャプチャ。ゲーム特化のキャプチャデバイス「AVT-C281」レビュー

AVT-C281(GAME CAPTURE HD)

Text by 西川善司


AVT-C281(GAME CAPTURE HD)
メーカー:AVerMedia Technologies
問い合わせ先:公式サイト
実勢価格:1万2980円(2012年4月25日現在)
画像集#039のサムネイル/PCいらずでお手軽HDキャプチャ。ゲーム特化のキャプチャデバイス「AVT-C281」レビューを掲載
 自分のゲームプレイを記録しておきたい。そう考えたことがある読者は,少なくないはずだ。日記どころか朝昼晩に食べたものを写メで撮って記録しておくといった,パーソナルログを残す文化が定着している昨今では,ゲームプレイを記録しておきたい欲求はごく自然に生まれてしかるべきものだし,格闘ゲームやシューティングゲームなどでは,上達のための手段として欠かせない存在でもある。
 しかしゲームプレイをいざ自分で記録してみようと思うと,そのハードルはいささか高い。リプレイ機能が標準搭載されたタイトルならいざしらず,そうでないタイトルの場合には,決して安価とはいえないビデオキャプチャカードを用意しなければならないし,トランスコードなどの作業効率を含めれば,それ専用のPCを用意すべき,という結論になりがちだ。

 今回取り上げるAVerMedia Technologies(以下,AVerMedia)の「AVT-C281」(GAME CAPTURE HD)は,ゲームに特化したキャプチャデバイスである。PCを用いることなく,単体でゲームプレイの録画が行えるので,手軽さという意味ではまさに究極形にある製品といえる。価格も実勢価格にして1万2980円(税込,4月25日現在※)とかなりリーズナブルだが,今回試用させてもらったところ,かなりコストパフォーマンスの良い製品と感じられたので,紹介してみたい。

※4月25日に掲載した記事でお伝えしたとおり,4月28日から5月6日までの9日間,Amazon.co.jp限定で,9980円(税込)での特価販売が行われている。

※5月3日12:00頃追記
Amazon.co.jpでは在庫切れになっているが,この点についてAVerMediaから「5日か6日に再入荷する予定だ。それに合わせてキャンペーンを13日まで延長する」という連絡が届いている。


画像集#040のサムネイル/PCいらずでお手軽HDキャプチャ。ゲーム特化のキャプチャデバイス「AVT-C281」レビューを掲載

「AVT-C281」公式サイト

「AVT-C281」をAmazon.co.jpで購入する(Amazonアソシエイト)



開封から準備まで。初代PS〜PS3,Xbox 360,GC/Wiiからの録画に標準対応


 ではまず,本製品のパッケージの中身をチェックしていこう。本製品には,AVT-C281本体のほかに,ACアダプタや操作リモコン,両端に赤白RCA端子が付いたアナログオーディオケーブル,ゲーム機接続用ケーブル,取扱説明書が封入されている。

付属物。ACアダプタは入力:100〜200V/50〜60Hz,出力:12V/1.5A。一通りの現行機に対応したゲーム機接続用ケーブルが付属する
画像集#045のサムネイル/PCいらずでお手軽HDキャプチャ。ゲーム特化のキャプチャデバイス「AVT-C281」レビューを掲載

本体の大きさは164(W)×124(D)×57(H)mm。重さは約335g
画像集#041のサムネイル/PCいらずでお手軽HDキャプチャ。ゲーム特化のキャプチャデバイス「AVT-C281」レビューを掲載 画像集#042のサムネイル/PCいらずでお手軽HDキャプチャ。ゲーム特化のキャプチャデバイス「AVT-C281」レビューを掲載

 ゲーム機接続用ケーブルは,一端はRCAピンプラグからなるコンポーネントビデオだが,ゲーム機側に接続する側は三又に分かれ,それぞれ初代PlayStation/PlayStation 2/PlayStation 3に対応した端子,Xbox 360に対応した端子,ゲームキューブ/Wiiに対応した端子となる。さすがに3つを同時に使うことはできず,接続したいゲーム機に合わせて,その都度切り替える必要はあるものの,機種ごとにケーブルを用意しなくていいのは嬉しい配慮だ。

 実際に本製品を使用する場合には,付属のゲーム接続ケーブルを用い,ゲーム機からの映像/音声をAVT-C281側の入力端子へ接続。そして本製品の出力端子から,映像/音声をテレビ側に接続する。いうなれば,ゲーム機とテレビの配線の真ん中に本製品が割って入るイメージだ。

画像集#047のサムネイル/PCいらずでお手軽HDキャプチャ。ゲーム特化のキャプチャデバイス「AVT-C281」レビューを掲載
ゲーム機とAVT-C281は下側の端子で接続。テレビ側とは上の接続端子でつなぐ。PCベースのキャプチャシステムとは違って,用意すべき画面はテレビだけ。PCディスプレイは不要だ
画像集#022のサムネイル/PCいらずでお手軽HDキャプチャ。ゲーム特化のキャプチャデバイス「AVT-C281」レビューを掲載

 冒頭でリーズナブルな製品と書いたのだが,ひとつ断っておかなければならないことがある。AVT-C281は確かに本体のみでゲームプレイの録画がおこなえる製品で,しかも比較的安価であるものの,記録用のメディアは製品に含まれていない。つまりメディアは別途用意しなければならないのだ。

 AVT-C281は,保存先メディアとして2つのデバイスに対応している。
 1つは,本体内にビルトイン(内蔵)できる2.5インチ型ストレージドライブで,本製品の2.5インチスロットには,Serial ATA接続で9.5mm厚,もしくは12.5mm厚のHDDやSSDを搭載できる。
  最大容量に関する公式な言及はないものの,取扱説明書には容量2TBのHDDを使った場合の最大録画時間が記載されていることから,2TBまでは問題なく動作すると思われる。なお,今回のテストにはIntel製のSSD「X25-M Mainstream SATA SSD」(型番:SSDSA2080G2GC)を用いているが,問題なく動作するのを確認済みだ。

2.5インチHDDを1基内蔵可能
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 2つめは,USB 2.0接続の外付けストレージデバイスで,AVT-C281は,USB 2.0接続したHDDやSSD,USBフラッシュメモリに対して直接録画できることが謳われている。ただ,USB接続のストレージデバイスは搭載するコントローラによって転送速度がまちまちなので,基本的に高速なコントローラが採用されるデバイスを選んでおいたほうが無難だろう。HDDやSSDなら,よほどのことがない限り,相応の速度が得られるはずだ。

 なお,Serial ATAかUSBかといった方式にかかわらず,AVT-C281と接続されるストレージデバイスは,FAT32ないしはNTFSでフォーマットされていなければならないことに注意しておこう。既にこれらの形式でフォーマット済みのストレージを接続した場合は,特別な前処理をしなくても直接アクセスができる。
 なおAVT-C281単体でも接続したディスクのフォーマットは可能だが,パーティションの再構築までは行えない。例えばかつて使用していた不要ドライブなどを流用する際には,事前にPC側でパーティション解放をしておかないと,AVT-C281は律儀にパーティション単位でアクセスしてしまう。

画像集#012のサムネイル/PCいらずでお手軽HDキャプチャ。ゲーム特化のキャプチャデバイス「AVT-C281」レビューを掲載
複数のパーティションからなるHDDにもアクセスは可能だが,パーティションの仕切り直しまではAVT-C281では行えない
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HDDのフォーマットはAVT-C281単体でも行える

本格使用の前にファームウェアのアップデートを忘れずに
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 また利用を開始する前には,AVerMediaのサポートサイトで,ファームウェアのアップデートをチェックしておきたい。2012年5月3日現在では,Ver.1.7.3が公開されている。アーカイブファイルを解凍すると,いくつかのファイルが展開されるが,日本版を意味する「JP」を含むファイル名のものだけをインストールすればいいようだ。
 ファームウェアのアップデートは,「設定」メニューの「ファームウェア更新」から行える。ファームウェアファイルをUSBフラッシュメモリにコピーし,これをAVT-C281に接続してアップデートすることになるわけだが,そのUSBフラッシュメモリもFAT32かNTFSでフォーマットされていなければならない点に注意。
 またUSBフラッシュメモリには,ファームウェアのファイルだけが存在する形でなければダメなようで,余計なファイルは削除しておかなければならい。この辺りはちょっとデリケートなので,注意しておこう。


いざ録画開始。画質設定は静止画,動画ともに3段階


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 さてゲーム機本体とテレビへの接続が完了し,保存用のメディアも準備が整ったところで,AVT-C281の電源をオンにしよう。さらにゲーム機とテレビ側の電源もオンにすれば,テレビにゲーム機の画面が映し出される。初回起動時には,ゲーム機の映像の上にAVT-C281の初期設定画面がオーバーレイで表示される形だ。ここで時刻の設定と録画用メディアの選択を終えれば,後はもう[録画]ボタンを押すだけで録画を始められる。リモコンから操作してもいいし,本体側にある赤丸ボタンを押してもよい。本体側の赤いLEDの点滅で,録画中であることを確認できる。使い方は本当にシンプルで簡単だ。

背景の水色の画面はPS3のメニュー画面。AVT-C281の操作メニュー画面はゲーム機の映像にオーバーレイ表示される
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初期設定画面
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 録画形式は映像がMPEG-4 AVC(H.264)で,音声はMP3(128kbps,2chステレオ,48kHz)のハードウェアエンコードだ。静止画と動画それぞれに,画質設定は3段階用意されていて,希望する品質を「設定」メニューであらかじめ選択しておく形になっている。静止画は「最高-良い-通常」の3段階,動画は「最適-良い-録画時間を最長にする」の3段階だ。語感として違和感があるが,動画の場合,「最適」が最上位設定となる。言うまでもないが,録画中の画質変更は行えない。

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録画ファイルの画質
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静止画の画質

(マニュアルより)録画画質とビットレートの関係
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 録画以外の機能としては,スクリーンキャプチャ(静止画の保存)やファイル操作などがあり,これらは付属のリモコンから行える。空き容量のチェックや画質変更メニューなどもリモコンから行えるので,非常に便利である。
 また[RECALL]ボタンを押せば,録ったばかりの動画や静止画を,そのまますぐに再生ができるのも使いやすいといえる。PCベースのキャプチャ環境では,撮った動画を確認するだけでも,ゲーム機の前からPCの前に移動しなくてはならないなど慌ただしいが,本製品の場合は,ゲームをプレイしているテレビで,そのまま録画関連の基本操作を行えてしまうのだ。

リモコンの操作仕様(クリックで拡大)
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 動画再生中の操作は,普通のビデオ機器と同じようにリモコン側の再生ボタンや早送り/早戻しボタンで行える。スロー再生ボタンは一回押すと1/2倍再生となるがもう一度押すとコマ送りモードになり,十字キーの左右でコマ送り,コマ戻しまでおこなえる。録った動画をすぐにコマ単位で解析……といったような,かなりハードなゲーム攻略にも役立ちそうである。

画像集#010のサムネイル/PCいらずでお手軽HDキャプチャ。ゲーム特化のキャプチャデバイス「AVT-C281」レビューを掲載
録画が開始されると画面に録画開始アイコンが数秒間表示される
画像集#009のサムネイル/PCいらずでお手軽HDキャプチャ。ゲーム特化のキャプチャデバイス「AVT-C281」レビューを掲載
静止画をキャプチャした際には,そのレスポンスとして画面にカメラアイコンが数秒間表示される
再生したいファイルを選択するための録画リスト画面。サムネイル表示,ファイル名表示の切り替えが行える
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実際の画質はいかほどのものか


 では実際に,今回のテストでキャプチャしてみた映像をお目にかけようと思うのだが,その前に。本製品で録画した映像をPC上で扱う場合の方法について説明しておこう。 最初にPCとの接続は不要……と書いたのだが,AVT-C281は,そもそもPCとの接続手段が用意されていない。筆者も勝手に「できる」と思い込んでいたのだが,本製品はPCと直接は接続できないのだ。そのため,録画ファイルを保管する,編集するなどといった場合,動画データをUSBストレージデバイスに移したうえで,PCに転送する必要がある。

AVT-C281のファイル操作画面。左ウィンドウがビルトイン・HDDドライブ,右ウィンドウがUSBストレージデバイスを表している
画像集#004のサムネイル/PCいらずでお手軽HDキャプチャ。ゲーム特化のキャプチャデバイス「AVT-C281」レビューを掲載

 なおその際に留意しておきたいのは,「USBストレージデバイス側にコピーされたファイルのタイムスタンプの時刻が,AVT-C281側の設定時刻からずれる」という点と,「NTFSのUSBフラッシュメモリへの書き出しが時々不正確なことがある」という点。
 前者はシンプルにファームウェアの問題と思われ,後者はUSBフラッシュメモリをPC側でスキャンディスクすることで解決した。最初はUSBフラッシュメモリの問題か,あるいはFAT32やNTFSといったフォーマット種別の相性かと思ったのだが,複数のUSBフラッシュメモリ,複数のフォーマットでテストしても似た症状が発生していたので,これはAVT-C281側の問題なのだろう。いずれファームウェア更新で対応されると思うが,データをUSBストレージデバイスにコピーした際は,念のため再生してみて,正しくコピーされているかを確認しておいたほうが良さそうだ。

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 それでは撮影した映像を画質ごとにわけて掲載していこう。今回使用したプラットフォームはPlayStation 3で,使用したゲームタイトルは「グランツーリスモ5」だ。また本製品の画質を確認するために,AVT-C281側の設定による3段階に加え,PlayStation 3側の映像出力を1080iにした場合と720pにした場合を検証している。

 まずは1080iから。最低画質でも10Mbpsはあるので,主役となる車の描画が著しく劣って見えることはない。違いは,縁石や路面のような粒の細かい(周波数の高い)表現でのブロックノイズの多い/少ないに現れる。流れが分かればよいような映像ならば最低画質でも問題ないだろうが,細かい模様や文字情報が多い映像を正確に記録しておきたい場合は最高画質が絶対的にオススメだ。
 720pにおいては,最低画質でもビットレートが足りているためか,著しく画質が落ちることはない。標準画質と最高画質の差は小さいので,720pでの録画は標準画質での常用でも不満は出にくい思う。
 それぞれ,以下に実際にキャプチャした動画ファイルを掲載しているので,ダウンロードして確認してみてほしい。

(C)Sony Computer Entertainment Inc. Manufacturers, cars, names, brands and associated imagery featured in this game in some cases include trademarks and/or copyrighted materials of their respective owners. All rights reserved. Any depiction or recreation of real world locations, entities, businesses, or organizations is not intended to be or imply any sponsorship or endorsement of this game by such party or parties.
Produced under license of Ferrari Spa. FERRARI, the PRANCING HORSE device, all associated logos and distinctive designs are trademarks of Ferrari Spa. The body designs of the Ferrari cars are protected as Ferrari property under design, trademark and trade dress regulations.
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1080i-最適(動画ダウンロード:1080i_high.avi
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720p-最適(動画ダウンロード:720p_high.avi
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1080i-良い(動画ダウンロード:1080i_mid.avi
画像集#032のサムネイル/PCいらずでお手軽HDキャプチャ。ゲーム特化のキャプチャデバイス「AVT-C281」レビューを掲載
720p-良い(動画ダウンロード:720p_mid.avi
画像集#030のサムネイル/PCいらずでお手軽HDキャプチャ。ゲーム特化のキャプチャデバイス「AVT-C281」レビューを掲載
1080i-録画時間を最長にする(動画ダウンロード:1080i_low.avi
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720p-録画時間を最長にする(動画ダウンロード:720p_low.avi

 静止画JPEGでは,画質設定の違いがかなり大きな幅で現れるようだ。一番下の画質レベルでは,なだらかなグラデーション表現がブロッキーになり,文字のような周波数の高い情報にも毛羽立ちが目立ち始める。よほどの理由がない限りは,静止画の記録は最高画質で運用するのが良さそうだ。

※サムネイルは部分拡大。
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1080i-最高
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720p-最高
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1080i-良い
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720p-良い
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1080i-通常
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720p-通常


SD映像のキャプチャももちろん可能。録画ファイルの編集も問題なし


 本製品は1080iや720pのようなHD映像を簡単に録画できることがウリの製品だが,コンポーネントビデオ接続ができるのであれば,480pのようなSD映像も,もちろん録画できる。初代PlayStationやPlayStation 2,初代Xbox,ゲームキューブ,Wiiなどがこれにあたるわけだが,PSPもそのうちの一つだ(ケーブルは別途用意する必要がある)。PlayStation Vitaが発売された今でも,とくに対戦系や協力系のゲームなどでは,まだまだPSPでのプレイが盛んなもこともあり,仲間とのプレイを動画として残したいと考えるプレイヤーは少なくないはず。そこでSD映像をキャプチャした例もお届けしておこう。
 使用したゲームタイトルはPSP版「グランツーリスモ」で,HD映像のテストと同様,3つの画質で動画,静止画を記録してみた結果を下にまとめてみた。

480p-最適(動画ダウンロード:480p_high.avi)/ 480p-良い(動画ダウンロード:480p_mid.avi)/ 480p-録画時間を最長にする(動画ダウンロード:480p_low.avi
(c)Sony Computer Entertainment Inc. Manufacturers, cars, names, brands and associated imagery featured in this game in some cases include trademarks and/or copyrighted materials of their respective owners. All rights reserved. Any depiction or recreation of real world locations, entities, businesses, or organizations is not intended to be or imply any sponsorship or endorsement of this game by such party or parties.Produced under license of Ferrari Spa. FERRARI, the PRANCING HORSE device, all associated logos and distinctive designs are trademarks of Ferrari Spa. The body designs of the Ferrari cars are protected as Ferrari property under design, trademark and trade dress regulations.
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※サムネイルは部分拡大。
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480p-最高
画像集#027のサムネイル/PCいらずでお手軽HDキャプチャ。ゲーム特化のキャプチャデバイス「AVT-C281」レビューを掲載
480p-良い
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480p-通常

 SD映像の画質モードと実際の画質の関係性はHD映像の720pのそれとよく似ていて,最高と標準の差はそれほど大きくはない。差がないわけではないが,標準でも十分な品質が得られている。静止画はSD映像においても最高画質以外は劣化が強いので常用はお勧めできないだろう。

 なお,PSPからキャプチャした映像では,上下左右に黒枠が付いてしまっているのが気になる人もいるだろうが,これはなにもAVT-C281のせいではない。PSPの映像出力プロセッサがこのような映像を出力しているためで,どのキャプチャデバイスで撮ってもこうなってしまうのだが,このままだといささかみっともないのも確かだ。
 残念ながらAVT-C281自体には映像のクロッピング機能などはなく,動画編集ソフトなども付属していないため,この黒枠をどうにかするなら,PCにコピーしたうえで,手持ちの動画編集ソフトでクロッピングするしかない。

 筆者は「TMPGEnc Video Mastering Works 5」(以下,TMPGEnc VMW5)を愛用しているので,これに読み込ませてみたところ,本製品でキャプチャした映像は問題なく認識できた。MPEG4-AVC(H.264)の映像なので当たり前ではあるのだが,コーデック周りでトラブルがなさそうなのは,安心できる要素の1つだろう。

「TMPGEnc Video Mastering Works 5」での動画編集風景
画像集#035のサムネイル/PCいらずでお手軽HDキャプチャ。ゲーム特化のキャプチャデバイス「AVT-C281」レビューを掲載

 TMPGEnc VMW5には,上下左右の任意の領域をクロップして出力する機能があり,これを使って,先の素材をPSPの本来の解像度である480×272ドットに切り出したのが以下の映像だ。


 クロップして映像前後にフェードイン/アウトを付けただけなので,どうということはないのだが,AVT-C281で録画した映像が簡単に編集できることはお分かりいただけるのではなかろうか。


表示遅延ゼロのリアルタイムモードを搭載


 さて,ここまでで本製品の基本的な使い方はご理解いただけたと思うのだが,1つだけ気になることが残っている。……そう「遅延」についてだ。
 本製品は,ゲーム機とテレビの間に割り込ませるように接続する形態を取っており,かつメニューをゲーム画面にオーバーレイ表示さている。つまり,ゲーム機からの映像信号は,AVT-C281内部で画像処理されていることになる。となればここで何らかの遅延が発生するわけで,格闘ゲームや音楽/リズムアクションゲームのような反応重視,タイミング重視のゲームでは命取りになりかねない。

 というわけで,4Gamerの映像系レビューではお馴染みとなりつつある,「LCD Delay Checker」と,カシオ製ハイスピードカメラ「HIGH SPEED EXILIM EX-FC150」を使った遅延計測を行ってみた。
 テストに用いたテレビは,低表示遅延で名を馳せる「REGZA 26ZP2」(以下,26ZP2)と「REGZA 55ZG2」(以下,55ZG2)の2台だ。筆者の私物なので,同じ機種でないのはご容赦いただきたい。なお,東芝は表示遅延の公称値を公開しているので,その値を参考にすれば,異なる表示遅延スペック同士の比較でも,測定した値はそれなりに参考にはなる。ちなみに,公称値は26ZP2は1080p入力時,約0.2フレーム(約3ms),55ZG2は1080p入力時,約1.1フレーム(約18ms)だ。

 まず測定したのは,1つのテスト映像を分配して26ZP2と55ZG2に直結した接続ケースだ。これは26ZP2と55ZG2の両者の表示遅延スペックの違いをあらかじめ把握しておく意味合いのテストになる。単純計算で55ZG2の方が約0.9フレーム遅く映るはずで,実際にも26ZP2のほうが僅かに進んでいる結果を見て取ることができる。


※小さい画面が26ZP2,大きい画面が55ZG2
※テスト映像に1280×720ドット…という記載が見えるが映像自体は1080iで出力している。1080pにしていないのは,今回の計測対象であるAVT-C281の最大入力解像度が1080iのため


 続いて,ゲーム機の映像を分配機に入れ,その分配の一方をAVT-C281経由で26ZP2に接続し,もう一方を55ZG2に直結して計測した。すると26ZP2側に約3フレーム(50ms)の遅延が確認できた。26ZG2の方が,55ZG2よりも0.9フレーム分,先行しているはずなのに約3フレーム分の遅延が計測されるということは,実際の遅延は,約3.9(≒約3.0フレーム+約0.9フレーム)フレーム分ほどと推察できる。


 ここで「なんだ遅延があるのか」と思った人は気が早い。実は,AVT-C281には低遅延モードに相当する「リアルタイムモード」が搭載されているのだ。このモードへの移行は,リモコンの右最上段の[MODE]ボタンを押すだけ。リアルタイムモード時は,AVT-C281側のメニューや情報表示のオーバーレイが消失するのだが,実はこれこそが本製品のパススルー機能に相当する。
 このリアルタイムモードにて表示遅延を計測してみたところ,結果は約0.9フレーム差。なんと分配機で26ZP2に直結したときとほぼ同じ値となった。すなわち表示遅延が極めてゼロに近いということだ。


 リアルタイムモードでは一切のメニュー操作が無視され,録画の開始と停止,静止画の保存のみになる制限はあるものの,遅延にまで配慮しているのは非常にありがたい。表示遅延にシビアなゲームを録画する場合は,録画開始前までは標準モードでメニュー画面をみながら操作し,録画開始直前にリアルタイムモードに切り換えるなどの運用がオススメだろう。


これ1台でどこでもHDキャプチャができる便利さ


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 価格が1万円台前半ということもあり,正直なところ機能面ではあまり期待していなかった本製品だが,これがなかなかどうして。ゲームプレイの録画という用途にはかなり魅力的な製品と言えるのではなかろうか。なによりコストパフォーマンスは非常に高く,使い勝手が良いのも価値を高めている。
 PCとの連動をあえて行わない割り切りは大胆だが,本体側での録画の安定性を重視すれば,PCからの切り離しは必要な仕様だったのだろう。USBストレージデバイスを介さなければならないのは若干不便ではあるものの,PCへのデータの受け渡しも可能で,大きな問題ではない。むしろHDキャプチャがPCを使わずできるようになったことで,これまでになかった機動性が備わった事を称えたい。なにせ使いたいシーンへAVT-C281単体を持っていけば,その場で録画できるのだから,便利というほかはない。

 本製品で,唯一不安があるとすれば,入出力がアナログのコンポーネント端子のみである点だろう。マイコンソフト製のアップスキャンコンバータ「XRGB-mini」レビューしたときにも述べたが,AV機器のアナログビデオ入出力端子は,おそらく将来的には全廃されることになる。AVT-C281は現行のゲーム機と組み合わせて使う分には必要十分な性能を持っているが,映像機器がデジタルに完全移行した将来においては,使えなくなる可能性が高いのだ。
 ではHDMI端子に対応すればいいのかといえば,そうともいえないのが難しい。HDMIを始めとしたデジタル映像は,基本的に保存できないのが普通だ。事実PlayStation 3のゲーム映像も,HDMI経由ではキャプチャは行えなくなっている。そう考えると,アナログ経由でHD映像が記録できる本製品は,今だからこそ存在し得る,時代のあだ花的な製品といえるかもしれない。

「AVT-C281」公式サイト

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