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印刷2026/02/02 19:11

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Access Accepted第850回:「The Elder Scrolls VI」,そして「Fallout」の新作まで待てるのだろうか?

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 本連載の年始恒例企画「2026年注目の海外産ゲームタイトルは,これだ!」では,2回に分けて,計50作もの期待作を紹介したが,今後の期待作で思い出されるのが,Bethesda Softworksの「The Elder Scrolls VI」だ。同社の看板タイトル「Fallout」の新作と合わせて,その現状がどうなっているのか,そしていつ頃発売されそうなのか。現状の報道をあらためてチェックしておこう。


制作のアナウンスからすでに7年経過した「The Elder Scrolls VI」


 日本のゲーマーが持つ「洋ゲー」のイメージを大きく変えたといえるかもしれない,Bethesda SoftworksのオープンワールドRPG「The Elder Scrolls V: Skyrim」がリリースされてから今年で15年を迎える。今でも現役でプレイされるほど愛され続けている「The Elder Scrolls」シリーズだが,その新作である「The Elder Scrolls VI」がアナウンスされたのは,実に7年前(2018年)。同社のもうひとつの看板タイトル「Fallout」シリーズの最新作「Fallout 76」がローンチしたのも2018年のことだ。

「The Elder Scrolls VI」の制作発表が行われた2018年と言えば,「レッド・デッド・リデンプション 2」や「Detroit: Become Human」などがリリースされた年。すごく昔のように感じる……
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 そのあいだ,2021年のMicrosoftによるBethesda Softworks買収を経て,2023年には同社にとって25年ぶりの新IPとなった「Starfield」がリリースされている。ただ,そのセールスが期待外れだったのか,Microsoftは2024年5月までには傘下スタジオの大リストラを断行。「Redfall」のArkane Austin,「Ghostwire: Tokyo」のTango Gameworks,「Mighty DOOM」のAlpha Dog Gamesが閉鎖され,Roundhouse StudiosはZeniMax Online Studiosに吸収されるに至っている。

 Xbox Game Studiosのスタジオマネージャーであるマット・ブーティ(Matt Booty)氏が海外メディアIGNの当時のインタビュー(外部リンク)に答え,「ゲームタイトルとリソースの優先順位の変更」がリストラの理由であったと述べている。つまり,id Softwareの「DOOM」などに加えて,Bethesda Softworksの開発専門部署であるBethesda Game Studiosの看板タイトルである「The Elder Scrolls」や「Fallout」にフォーカスするということだろう。

 では,制作が進められているはずの「The Elder Scrolls VI」,そしてスピンオフ的な「Fallout 76」を除くと前作のリリースから11年ほど経過している「Fallout 5」は,いつ頃発売されることになるのだろうか?

 MicrosoftのActivision Blizzard買収によるアメリカ連邦取引委員会の買収仮差し止め命令に絡む口頭弁論において,Microsoftが提出した資料(外部リンクPDF)が一般公開されており,「The Elder Scrolls VI」の発売については「2026年以降」になることが明記されている。

 ただし,4Gamerで2023年6月付けのニュース記事として触れているように,Microsoftのフィル・スペンサー(Phil Spencer)氏は,「5年以上先」と口頭弁論の期間中で述べている。どれだけリソースを集約させたとはいえ,2026年中にリリースされる望みは薄く,実質的には「2028年以降」というのが妥当なところなのだろう。

 Bethesda Game Studiosは長らく,「開発チームが一丸となってゲーム1本を開発する」という,“1チーム一作主義”を貫いてきた。そうなると「Starfield」がリリースされた2023年になって,ようやく具体的に“次回作”の開発がスタートしたとみるべきであり,そこから3年で新作を作り出してくるのは望み薄と考えられる。

本文で一度も触れていないので後付けしておくと「The Elder Scrolls Online」がローンチされたのは2014年のこと。今年はじめには12年目にしてシーズン制の導入がアナウンスされるなど,こちらもまだまだ現役だ
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Bethesdaの看板タイトル双璧の新作はまだまだ先か?


 2026年1月16日付けでリリースされたPC Gamer誌のインタビュー記事に登場したのが,20年以上にわたってBethesda Game Studiosで“ロアマスター”として活躍し,2023年に辞職したカート・カールマン(Kurt Kurlmann)氏だ。

 ロアマスターとは,ゲームのストーリーを細かく調査し,関連小説や過去の開発者の言動なども踏まえて,その世界感を統一させる「設定考証」係であり,次回作やDLCのストーリー設定が飛躍し過ぎて,熱狂的なゲーマーに不備が指摘されないための門番である。

 20年以上にもわたって「The Elder Scrolls」シリーズの設定考証にかかわってきたカールマン氏が辞職した理由は,「Fallout 4のあと,The Elder Scrollsの新作を作ることなくFallout 76に着手した。その後あらためてすっ飛ばされて時間をかけてStarfieldを作った。つまり,その時点で僕からすれば10年以上も待たされていた」からだという。

 さらに続けて彼は,「The Elder Scrolls V: Skyrim」の開発がひと段落ついた時点で,エクゼクティブ・プロデューサーであるトッド・ハワード(Todd Howard)氏から,口頭のみながらも「次のリード・ゲームデザイナー」に指名されたとも語っている。

 そうなると,「Starfield」の開発が終わったのにカールマン氏が辞めてしまったのは,カールマン氏が次回作のリード・ゲームデザイナーに昇格できなかったことに失望したためとも解釈できる。カールマン氏が,「エルフ至上主義勢力のサルモールが,タムリエルでの覇権を目指して活動する“帝国の逆襲的なストーリー”にしたかった」という設定まで語られているインタビュー記事は興味深いが,その辞職については「開発環境が昔と大きく変わった」と述べられているのみ。「The Elder Scrolls VI」についての具体的な内容や開発状況については触れられていない。

「Starfield」ではリード・システムデザイナーとして活躍していたカールマン氏だが,「The Elder Scrolls VI」では,サルモールがタムリエル制覇をかけて暗躍し始めるというストーリーを構想していたとか
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 では,まだ正式発表も行われていない「Fallout 5」はどうなるのだろうか? 2025年12月16日にScreen Rantが掲載したインタビュー記事においてトッド・ハワード氏は,「The Elder Scrolls VI」の開発は順調に進んでいることに言及しつつ,「Fallout 5」についてはそれがリリースされるまでは始動しないと発言している。開発を行う意思があるのは確かであるが,2028年に「The Elder Scrolls VI」がリリースされ,それから早くて5年後だとしたら,2033年以降になるだろう。

 こうした大作ゆえのスケジュール感に驚愕するファンも少なくないようで,調べてみるとSNSサイトRedditのr/Falloutコミュニティには,「俺が養老施設の中でプレイできたらラッキーかな」とか「もうSkyrim向けにリリースされているはずのAlexa版を3万時間もプレイに費やしている頃だ」とか「そのリリース前までに本物のアポカリプスが発生している可能性が高い」などといった,何ともシニカルで笑えるコメントが溢れている。

単純計算して「The Elder Scrolls VI」のリリースから5年として,2033年ごろになりそうな「Fallout 5」。その頃にはライター業から足を洗っていそうな筆者だが,養老院に入居する前にプレイできることを願うばかりだ
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「Fallout」ファンの望みをつなぐObsidian Entertainmentという存在


 面白いことに,Bethesda Softworksは2016年の時点で,「Fallout: New Orleans」という商標をEU圏向けに取得しており,Obsidian Entertainmentのジョシュ・ソイヤー(Josh Saywer)氏が,自身のニューオリーンズへの旅行写真を同時期に自分のSNSへ投稿している。そういった背景もあって,その開発をいまだ信じ続けているゲーマーコミュニティは少なくない。

 今はMicrosoft傘下の同門となったObsidian Entertainmentだが,2003年に設立された同社はInterplayというパブリッシャの開発部隊だったBlack Isle Studios時代に,シリーズオリジナル作品である「Fallout」と「Fallout 2」を開発した。ソイヤー氏,そして現CEOのファーガス・アーカート(Feargus Urquhart)氏ら,そのオリジナルメンバーもいまだに在籍している本家本元だ。たった1年で開発されながらシリーズ最高傑作のひとつとの呼び声も高い「Fallout: New Vegas」を手掛けたのも彼らであり,ファンの信頼は厚い。

 そこで思い出されるのが「Fallout: New Vegas 2」だ。根拠のないウワサは2017年ごろから囁かれているようだが,2022年に元Obsidian Entertainmentでジャーナリストに転身したメンバーが,自身のポッドキャストで「MicrosoftとObsidian Entertainmentが,2作目について早い段階の話を始めていた」と発言している。

 今ではBethesda SoftworksもObsidian EntertainmentもMicrosoftに買収されていることもあり,両社が協力しやすい環境が整っているのは事実だし,Microsoftの“鶴の一声”もあり得るわけだ。

正式発表はないものの,「Fallout 3」のリマスター版や「Fallout: New Vegas」のリマスター版,あるいは「Fallout: New Vegas 2」の開発に望みはありそう
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 しかも,2月4日にシーズン2のフィナーレを迎えるドラマ版「Fallout」の人気と評価も高く,フランチャイズの育成というマーケティング的な側面から見れば,このまま「ゲーム新作は2033年まで……」などとノンビリと気長に構えているのは,もったいなさ過ぎると言わざるを得ない。

 実際,「Fallout」に関しては,2025年11月にゲーム系エンターテインメントサイトのDexertoが,Bethesda Game Studiosが1チーム一作体制をやめ,「Fallout 76」の開発チームが2つに分かれたというハワード氏の発言を元に,「Fallout 3」のリマスター版が開発中とのウワサを紹介している。

 これに対して,Windows Central誌のライターのジェズ・コーデン(Jez Corden)氏が,「心配するな。New Vegas新作も作られてるってば」とコメントし,それがNew Vegasの続編なのかリメイクなのか,はたまた彼の願望なのかリーク情報なのか,不鮮明な情報ではあるが,ゲーマーコミュニティは色めき立った。

 同じく11月には,Obsidian Entertainmentの運営担当副社長であるマーカス・モーガン(Marcus Morgan)氏が,海外メディアThe Game Businessのインタビューを受けており,「皆がNew Vegasの続編について聞いてくるけど,我々は自分たちのIP作りを楽しんでいます」とシリーズ作品開発への関与を否定しつつも,「Microsoftは非常にフレキシブルにやらせてくれる」と話し,こちらもどちらつかずの発言でコミュニティをやきもきさせている。

 「リマスターより,やっぱ続編!」と願っているゲーマーも多いはずだが,Microsoftは先日配信したXbox Developer Direct 2026で,「Forza Horizon 6」の5月19日発売や,ゲームフリークの新作アクション「Beast of Reincarnation」,Playground Gamesによる「Fable」リブート作品の年内リリースなど,幸先のいい2026年度ラインナップを告知している。はたして,さらなる隠し玉を用意しているのだろうか?

「Fallout: New Vegas」を開発したObsidian Entertainmentには,「バルダーズ・ゲート」や「Fallout」などを手掛けた古参メンバーたちが今も在籍する。Xbox Game Studiosの判断で,彼らがFallout新作に関わってくれることを願うゲーマーも少なくない
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著者紹介:奥谷海人
 4Gamer海外特派員。サンフランシスコ在住のゲームジャーナリストで,本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,2004年の開始以来,4Gamerで最も長く続く連載記事。欧米ゲーム業界に知り合いも多く,またゲームイベントの取材などを通じて,欧米ゲーム業界の“今”をウォッチし続けている。
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