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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第241回「『逆転裁判』は演出のゲイム」
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印刷2013/08/08 11:00

連載

男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第241回「『逆転裁判』は演出のゲイム」

画像集#001のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第241回「『逆転裁判』は演出のゲイム」

著者近影
画像集#002のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第241回「『逆転裁判』は演出のゲイム」
 私は基本的に「人生は無駄を楽しむもの」であると考えているのね。想像してみてよ。まったく無駄のない人生の,なんと寂しいことか。
 だから私は,無駄の極致であるプロレスを生業にしているわけだし,無駄の極致であるゲイムを趣味にしているわけだし,とくに目を見張る情報が詰め込まれているわけでもないこの連載を書くことができているわけね。
 そんな人生の「無駄」という名のひとつなぎの秘宝を集めすぎて,結局のところ何が無駄ではなくて,何が大切なことなのかすら見失いかけている私こと男色ディーノがお送りする「男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ」……なんだけど,今週は珍しく無駄を省いて単刀直入に「逆転裁判5」について語らせていただきましょうぞ。無駄は無駄で無駄なんで,たまには無駄が無い感じにしとかないと無駄が生きてこないというか。

画像集#003のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第241回「『逆転裁判』は演出のゲイム」
 というわけで逆転裁判5なんだけども,プレイしながら思ったのは,「これだけの人気シリーズだったら,過去作と比べられるんだろうな」ってこと。
 もちろん,過去作との比較ってシリーズものの宿命だから,それ自体は仕方がない側面はあるのよ。プレイヤーの多くも,前作までの経験を踏まえて期待を膨らませつつ,最新作を買うわけだから,比較しちゃうのも分かる。
 で,逆転裁判シリーズの場合は,とくに比較されやすいんだろうな,と思ったわ。というのも,RPGやほかのジャンルのタイトルだったら,システムやら何やらを変えてしまうという手が使えるけど,逆転裁判シリーズだけはそうもいかないわけじゃない。
 もちろん,作品ごとに「カガク捜査」だったり「心理学」だったりといった独自要素は用意されているんだけど,根本的に裁判をショーアップしたゲイムであることは変わらないわけ。だから,裁判で「ムジュン」を見つけて被告人の無罪を勝ち取るっていうゲイム性を変えるわけにはいかない。
 となると,単純にシリーズが進んだとしても変化がつくポイントって,登場するキャラクターとそれに伴うストーリーなのね。そのインパクトの大小で,ゲイムの評価が決まるといっても過言じゃないわ。
 そういう意味で逆転裁判5は,ちゃんとシリーズを踏襲するタイトルに仕上がっていると言うことができるでしょう。あとは好きずき。

画像集#004のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第241回「『逆転裁判』は演出のゲイム」 画像集#005のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第241回「『逆転裁判』は演出のゲイム」

 私個人の感覚では,従来作よりも簡単になっているかな? という印象ね。良いとか悪いとかではなく。そして,今回もまた「探偵パート」と「法廷パート」があるんだけど,探偵パートでかかる手間が,従来作より減ったような気がするわ。これもまた,個人の好きずきでしょう。私はずっと法廷パートのほうが好きだったから,この変更は歓迎よ。
 でもまあ,これはフラットに考えると難しいところよね。探偵パートがコンパクトになったことによって,法廷パートも簡単になっている部分があるから。今作はヒント機能も含めて,シリーズ初心者にとって,非常にとっつきやすいタイトルを目指した気がするの。だから,これから逆転裁判シリーズを始めてみようっていう人は,この作品で入ってみてもいいのかもね。

画像集#006のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第241回「『逆転裁判』は演出のゲイム」 画像集#007のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第241回「『逆転裁判』は演出のゲイム」

 そして,今回の逆転裁判で一番いいなと思った点は,「演出が豪華になっている」ってところ。しかも,まあまあ自然に。話の要所要所にアニメーションムービーが入るんだけど,これがあることで世界観のイメージがしやすくなっているのね。現実からゲイムの世界に引き込んでくれる感じ。
 エンターテイメントの世界では,演出って大切よ。同じ選手の紹介にしても,「179cm,100kg,男色ディーノ」より「リング上で快楽をむさぼるゲイレスラー 男色ディーノ」のほうが,その選手をどう見ていいかイメージしやすくなるでしょ。演出ってそういうこと。
 逆転裁判の魅力って,もともと裁判というものを面白く演出するところにあるわけ。だって普通の裁判って,そこまで面白いもんじゃないと思うのよ。知らない人達が言い争ってるのを聞いたところで……って話じゃない。それをゲイムにするのって,想像以上に難しいことだと思うわ。
 知らないはずの人達がどんな人物で,どういう背景があって事件に及んだのか。それをコミカルに表現してミステリー小説風なストーリーに乗せて遊ばせるのが,逆転裁判なのね。
 つまり,本質的に面白がれる要素の少ないものを題材に,演出の力で最大限に面白味を抽出しているわけ。言い換えれば,演出が命のゲイムなのよ。逆転裁判シリーズって。
 そう考えると,今回の5は正当進化した作品であると言えると思うの。音楽,SE,エフェクトなどなど,今までのイメージを残しつつ,ちゃんと鼻につかない演出をしてくれているわ。難度やキャラクターに対する好みはあるだろうけど,逆転裁判の最新作として遊びやすいタイトルになっていると,私は思う。未プレイの人も,シリーズファンも「とりあえずヤっとけ」と言える作品ね。

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 さっき「逆転裁判は演出のゲイムだ」と言ったけども,何も逆転裁判に限ったことではないわ。物事の面白さって,演出にあると思うのよ。対戦相手を倒すのが格闘技の本質だとすれば,プロレスはその格闘技の本質に演出を加えたものだと私は考えているわけ。ほかのこともそう。例えば「鼻血が出た」という事実だけだと,ああそうなんだって思うだけだけども,「サウナで鼻血が出た」のほうが,急に生々しくなって面白味が増すでしょ。
 もちろん,演出で誰かに迷惑をかけるような嘘をつくのは良くない。演出に重きを置きすぎて,本質がないがしろになるのも良くない。どの程度の演出を施すかっていうのは,結局のところ個人のセンスって話になるんだけど,人生において演出っていうのは,あっていいと私は思う。
 つまり,それが私が大好きな「無駄」の正体なんじゃないかと。これからも適度に演出という名の無駄を楽しもうかと。そういう思いでお盆休みに入ろうと思います。人様が休んでいる時期に働く仕事だから,まったくもって休めないけどな。ではまた来週。

今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 3:「バイオハザード リベレーションズ アンベールド エディション
PlayStation Vita:「ドラゴンズクラウン
PSP:「サモンナイト5
Wii U:「ZombiU(ゾンビ U)
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン
ニンテンドー3DS:「逆転裁判5
Xbox 360:「Minecraft:Xbox 360 Edition

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
ディーノ選手は8月10日(土)14:00〜15:30に,カードキングダム秋葉原駅前店の1Fにて開催される,カードゲーム「キングオブプロレスリング」販売&トークショーイベントに出演します。ディーノ選手はこのイベントについて,「私はそういう意味での人気や集客力はないから,足を運んでくれた人が気を使ってくれる様子が想像できちゃって,つらいのよ。大勢来てくれたらそれは嬉しいし,閑古鳥が鳴くような状態だとそれはそれで面白い。でも,中途半端が一番つらいの」と悩んでいました。
  • 関連タイトル:

    逆転裁判5

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