著者近影
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こういう仕事をしていると――あ,私ゲイのプロレスラーの男色ディーノです。
週末はだいたい日本全国のリングでプロレスの試合をしております。今週もよろしく。
ええ,こういう人前に出る仕事をしているとですね,
よく昔の知り合いから「出世したな」的なことを言われるのよ。これって,
要は「有名になったな」的な意味合いだとは思うんだけど,それだと素直にうなずけない自分がいるのよね。
確かに昔に比べて局地的には名前を出してもらえるようになったけどね,大衆的にはまだまだ有名ではないだろうと私自身思っているのよね。そもそも
有名=出世ではないだろ,とも思ってるし。お金もないし。人前に出ているから存在が証明されているってだけで,それを出世と言われるとちょっと違うのかなーと思っているのね。
となると,私にとって出世って何だ? って話になるわよね。違うと思ったのであれば,それに代わるものを提示しないとね。というわけで,今回は出世について私なりに考えてみるわ。
ここまでのフリでお気付きかもしれないけど,今回はコーエーテクモゲームスの
「信長の野望・創造 戦国立志伝」(
PC /
PlayStation 4 /
PlayStation 3 /
PlayStation Vita。以下,戦国立志伝)についてご紹介いたそうかと。
このゲイムを一番シンプルに説明するならば,「信長の野望」シリーズで初めて武将プレイができるタイトルってことね。ゲイム性のベースは
「信長の野望・創造」(
PC /
PlayStation 4 /
PlayStation 3 /
PlayStation Vita /
iOS /
Android)。その世界観で,一人の武将になって戦国の世を生きていくってゲイム。
ここからは私の私見になるんだけど,信長の野望シリーズをはじめとする
歴史シミュレーションゲイムって,意外と概念のゲイムなのよね。というのも,例えば織田信長を選んでプレイを始めたとしても,それって織田家という勢力を選んだに過ぎないのよ。つまり,織田家の勢力の棟梁としての織田信長。なので,織田信長の個というか,生き方は描かれない。
もちろん,イベント等で描かれることはあるんだけど,それはあくまでゲイム進行中に起きる特殊なイベントであって,ゲイム自体が一人の人生を描く感じではない。でも,今回の戦国立志伝は違うわよね。戦国の世界の中で,一武将の生き方を切り開いていくゲイムなの。
今までのシリーズでは,自分の勢力がどのように天下を統一していくかっていうゲイムだったのが,今作では自分の勢力の中で自分はどのように貢献していくかっていう遊び方に変わった。
具体的には,自分の勢力が兵糧を求めていたとすると,その主命を誰よりも早く,もしくは誰よりも効果的に達成することがゲイム内では良しとされるわけね。その勢力の中で自分は何ができるか。
もちろん,自分の能力によってそれも変わってくるわよね。戦闘が得意ならば,戦場での働きが必要となるし,政治能力が高いならば国力を高める仕事で勢力に貢献する。
私にとっての出世って,まさにこういうことなのよね。世に出ること。
世に出て世のために何かをすること。あくまで私の意見だけども,有名になることが必ずしも出世ではないわ。もちろん,有名になることで,世の中のために担えるパートもあるんだけど,そうではない担い方もある。
戦国立志伝では,ゲイムの目的として自勢力の天下統一があるから,それに伴う生き方で優劣を競うわ。そりゃまあそうよね。ゲイムなんだから。どういう生き方をしてもいいんだけど,天下統一は目指さなきゃいけない。
その点,現実の人生は楽でもあり厳しくもあるわよね。どういう生き方をしてもいい。でも,生きていく以上,世の中には優劣が発生する。「差別は良くない」っていう意見をよく聞くけど,私は現実に人間と人間の間に差がある以上,差別はあってしかるべきだと思っているの。それを踏まえたうえで,
現実に存在する差に対してどう取り組むかが大切なんじゃないかしら。
だから,私的に少しだけ細かく言うならば「悪意のある差別は良くない」かしらね。で,どんな生き方をしてもいい中で,人と人との間に存在する差を楽しめるようになれれば,自分の人生を楽しく生きられるんじゃないかなあって。
嫉妬とか挫折感とか諦めとか,いろいろとネガティブな感情が邪魔をするから,なかなかそんなに綺麗には生きていけないんだけどね。でも,楽しもうと思って生きるのとそうでないのとでは,それこそ差が出る気がするわ。
戦国立志伝でもそう。能力の高い有名な武将でプレイするのもいいんだけど,慣れてきたら一度名もなき武将,例えば自分の出身地にいる適当な武将を選んでプレイしてみることをオススメしたいの。今の自分の能力で何ができるかを考えてプレイしなければならないから。これはこれで楽しいわよ。
と,ここまで書いて気付いたんだけど,戦国立志伝の概念だけ説明してゲイムの魅力を語れていない気がしてきたわ。なので補足で説明するわね。
まず,このゲイムって箱庭なのね。日本という国が,まるごと箱庭になった感じ。で,戦国時代の日本を開墾していくのよ。これがね,地味ながらも楽しい。合戦よりも,むしろ箱庭内政を楽しむ比率のほうが大きいんじゃないかしら。
合戦も,基本的には自分の部隊を率いて参戦するから,戦局を見る必要がある。地位が上がれば複数部隊を指揮できるんだけど,自分の部隊がどう動くべきかを考えるのが楽しいのよね。これもまた,地味な楽しみ方だけどね。
信長の野望シリーズの延長として,ダイナミックな合戦を楽しみたい人は肩透かしを食らう気もするけど,自分の生き方を選ぶゲイムだから,そう思ってプレイすればこれはこれで楽しめるはずよ。実際私がそうだし。結局,自軍が勝つために合戦をするわけで,そのために自分がどう働くかを楽しむのが基本なのね。
そういう意味では,今までの信長の野望シリーズのイメージを壊してプレイしたほうがいいかもしれないわね。だから,シリーズファンもそうなんだけど,それよりはシミュレーションゲイム好き,戦国時代好きに遊んでほしいタイトル。今までになかった信長の野望シリーズの形だと私は思う。何気に挑戦作と言っていいでしょうね。
それにしても「出世」って何なんでしょうね。今週,連載のために出世について考えたはいいけれども,それが正しいとも限らないし,人によって違うもんだとは思う。
でも,やっぱり世に出る以上は,それなりの覚悟と責任感はなきゃいけない。私の場合,有名になりたいっていうよりは,楽しいことを世に提供したいって欲なのよね。まあ,これも私が生きていくうちにいろいろと考え方が変わっていったりするんでしょうなあ。
とはいえ,
私の場合は世に出る前に休日に部屋から出ろって話なんですけどね。そんな感じでまた来週。
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 4:「信長の野望・創造 戦国立志伝」「ウイニングイレブン 2016」
PlayStation 3:特殊なDVD ※死亡確認→復活予定
PlayStation Vita:「金色のコルダ4」
PSP:「サモンナイト5」
Wii U:「Splatoon(スプラトゥーン)」
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」
ニンテンドー3DS:「大開拓時代〜街をつくろう〜」
Xbox 360:「剣の街の異邦人 〜白の王宮〜」
■■男色ディーノ(プロレスラー)■■ ディーノ選手が所属するDDTプロレスは,今週末の4月2日に埼玉・春日部ふれあいキューブ大会「さいたまースラム!vol.10」を,翌3日に静岡・伊豆ぐらんぱる公園水と冒険の広場特設ステージエリア大会「ドラマティック・グランイルミ!」を開催します。伊豆ぐらんぱる公園大会は屋外であり,なおかつ雨天決行らしいのですが,天気予報はあまり芳しい様子ではないらしく……。とりあえずディーノ選手は,「晴れたら絶対楽しいから,てるてる坊主を69個作るわ。……1人余るわね」と語っていました。どういうことなのかは分かりません。 |
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