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インディーズゲームの小部屋:Room#258「Karateka」
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印刷2012/12/05 10:00

連載

インディーズゲームの小部屋:Room#258「Karateka」



 自宅のPCを新しくしたついでにOfficeも最新バージョンにしてみたら,見た目が大きく変わってまごまごしている筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第258回は,Liquid Entertainmentのアクションゲーム「Karateka」を紹介する。もうね,この年になると長年親しんだものを離れて新しく覚えるのがつらいです……。

画像集#001のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#258「Karateka」

 4Gamerでも何度か取り上げているとおり,本作は1984年に発売された同名タイトルを,開発者であるジョーダン・メックナー氏自身がリメイクした作品だ。日本でも「カラテカ」として1985年にファミコン版が発売されており,そちらをプレイしたというオールドゲーマーも多いだろう。

 本作のストーリーは,オリジナル版と同じく,アクマ(という名の悪者)にさらわれたマリコ姫を救うべく,主人公のカラテカが単身,敵の根城に乗り込むというもの。「どう見てもマリコって一般人の名前だよね」とか,「いくらなんでもアクマって安直すぎだろう」とか,当時のツッコミがそのまま今でも通用する世界観が残されているのが,個人的なツボだ。

画像集#002のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#258「Karateka」 画像集#003のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#258「Karateka」

 基本的なゲーム内容も,敵の空手家(?)と1対1で対戦しながら先へ進んでいく点は,オリジナル版と同様。もちろん,一歩下がると真っ逆さまの崖っぷちからゲームがスタートするというお約束も健在だ。オリジナル版では,ここで後ろに下がると,たちどころに落下してゲームオーバーになってしまったが,リメイク版では後退動作がなくなっているため,当時のような理不尽さはちょっぴり減退している。なんてこった。

 このように,当時のゲーマーには懐かしい要素を受け継ぎつつ,リメイク版では3Dグラフィックスが採用され,見た目の雰囲気は大きく変化している。一見すると今風の対戦格闘ゲームになったように思えるが,実際にプレイしてみるとかなり違うと分かるだろう。カラテカにはパンチとキックの2種類の攻撃と,ガードが用意されているが,むやみに自分から攻撃を繰り出しても,ほぼ相手に当たらない。

画像集#004のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#258「Karateka」

 では,どうするのかというと,まずは何もせずに相手の攻撃をじっと待ち,タイミングよく防御した隙を突いてこちらの攻撃を当てるのだ。すなわち,カウンター攻撃こそが本作におけるカラテの極意ということになる。序盤のうちは敵の攻撃も単調だが,奥に進むほど嫌らしいフェイントや連続技を繰り出してくるようになるので,明鏡止水の境地で見極めてほしい。また,戦闘中にゲージが溜まると,相手を気絶させるスペシャルアタックが出せるので,一気にラッシュを叩き込んでやろう。

画像集#007のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#258「Karateka」 画像集#008のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#258「Karateka」

 オリジナル版との相違点としては,本作には3人の主人公(=プレイヤーキャラ)が登場することも挙げられる。1人はもちろん,マリコ姫の恋人であるカラテカだが,残る2人はどこかの寺でマリコ姫に見初めた修行僧と,道ですれ違ったマリコ姫に一目ぼれした巨漢だ。ぶっちゃけ,2人とも赤の他人としか言いようがないし,ましてや空手家でもない。これでいいのか?

画像集#005のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#258「Karateka」 画像集#006のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#258「Karateka」

 この3人は自由に操作キャラとして選べるわけではなく,カラテカが倒されると修行僧が,修行僧が倒されると巨漢が順番に登場する。もちろん,巨漢が倒されてしまうとゲームオーバーだ。マリコ姫と結ばれるのは,最終的に彼女を助けたキャラクターとなるので,本当の恋人であるカラテカがハッピーエンドを迎えるには,ただの1度の敗北も許されない。


 主人公達が敵に負けると,どこで戦っていようと,なぜか必ず崖から真っ逆さまに落ちていったり,どういうわけか敵が鎧兜に身を固めた素手の武士(?)だったり,そもそもどのキャラクターも確かに東洋人ではあるが,どう見ても日本人っぽくなかったりと,そこかしこに“バカゲー”っぽい雰囲気がぷんぷんしている本作だが,面白いか面白くないかで言えば,筆者は素直に面白いと思う。もともとのオリジナル版自体,ある種の理不尽さが持ち味でもあったので,これはこれで十分にありと言えるだろう。そんな本作は,Steamにて9.99ドルで発売中だ。

■ジョーダン・メックナー氏の公式ブログ
http://jordanmechner.com/

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