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[GC 2008#09]世界初公開。Ubisoftの隠し球はドイツ人大喜びの「Anno 1404」だった
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印刷2008/08/21 14:15

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[GC 2008#09]世界初公開。Ubisoftの隠し球はドイツ人大喜びの「Anno 1404」だった

画像集#002のサムネイル/[GC 2008#09]世界初公開。Ubisoftの隠し球はドイツ人大喜びの「Anno 1404」だった
 GC 2008が始まるまで「New PC Title」とのみラインナップに掲載しており,さんざん気をもたせてくれたのがフランスのUbisoft Entertainmentである。カンファレンスのアポイントを取るときの話で,「で,それはなんなのですか?」と何度聞いても,「PCゲームの新作を発表する」としか言われなかったのである。うーむ。
 気になって仕方ないのは,我々4GamerがPCをもっぱらとするメディアであること以上に,5月にパリで行われた同社のイベント“Ubidays”にも,7月のE3 Media and Business Summitにも出さず,このGCでワールドプレミアを展開するタイトルとはいかなるものか? と気にならずにはいられなかったのだ。そうでしょ,ご同輩。

画像集#003のサムネイル/[GC 2008#09]世界初公開。Ubisoftの隠し球はドイツ人大喜びの「Anno 1404」だった

 そんなわけで,取る物も取りあえず出席したわけだが,蓋を開けてみれば,それは箱庭系都市建設シム「Anno 1404」だったのである。ははあ,なるほど。日本では「創世紀」として有名で,けっこうな固定ファンがいるシリーズ。2000年に登場した初代「Anno 1602」,2003年の「Anno 1503」,そして2006年の「Anno 1701」に続く最新作は,年代を15世紀にぐぐっと戻した一本になった。お膝元で,なおかつ箱庭大好きという国民性を持つドイツにとってはビッグニュースというわけだ。Ubisoftがもったいぶるわけである。
 ちなみに,開発を担当しているのは2001年にUbisoftの傘下に入ったBlue Byte Softwareで,ここは同じく箱庭系の人気シリーズ「The Settlers」をずっと手がけてきたメーカーだ。

「Annno 1404」のExecutive Producer,Chiristopher Schmitz氏とはこの人のこと
画像集#011のサムネイル/[GC 2008#09]世界初公開。Ubisoftの隠し球はドイツ人大喜びの「Anno 1404」だった
 さて,2008年8月21日12:30PMから,ライプツィヒメッセのビジネスセンター内,Ubisoftブースの第1シアターに7〜8人のメディアを集めてワールドプレミアが開始されたわけであるが,書いている途中で気がついたけど,“ワールド”というにはちょっと地味かもしれない。
 ともあれ,Annoシリーズを引き継いだBlue Byte SoftwareのExecutive Producer,Chiristopher Schmitz氏は,グラフィックスの強化を最大の努力目標として挙げた。これは,単に彼が考えていることではなく,メディアやコミュニティがシリーズの最新作に何を望んでいるかについてのリサーチの結果だそうである。
 ドイツにはAnnoシリーズの大きなコミュニティがあり,彼らが望むものを作ろうとしたわけだ。もっとも,そうしたコミュニティのメンバーの多くは「Annoのプロ」(?)という感じだろうから,プレイヤーの間口を広げようとすれば,ベテランの意見だけを聞いているわけにはいかないはずで,このあたりにはバランス感覚が要求されそうだ。

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画像集#008のサムネイル/[GC 2008#09]世界初公開。Ubisoftの隠し球はドイツ人大喜びの「Anno 1404」だった
 それはともかく,狙いどおりグラフィックスは見事の一言。このために一から作り上げたというゲームエンジンは,前作の4倍以上の広さを持った街の制作を可能にし,従来作もかなり細かいと思ったけど,今回はそれに輪をかけた精細なグラフィックスが特徴だ。山肌をパララックスマップで描くなど,さりげなく最新技術が導入されている。
 かくして,中世風の意匠の建物の間を人々が歩き回り,家の庭では子供が遊び,牧場では牛がいななくといった街がディテール豊かに描かれることになる。やがては,壮麗なカテドラルを中心に,石造りの建物が並ぶ大都市になっていくのだ。
 RTSジャンルにおいて「Company of Heroes」がグラフィックスの大胆なグレードアップで新境地を開いたのと同じことを,箱庭系ゲームでやろうとしているといった雰囲気である。

 さて,それなりの街を作り上げたら海へ出よう。まだ見ぬ大陸を目指すのだ。本作では,ヨーロッパの文明のほかに,オリエント文明が用意されていることも特徴だ。
 オリエントと交易を行うことで,多彩で複雑な貿易が楽しめるし,交流によってヨーロッパにはない技術が学べることもある。さらにそこが気に入れば,オリエント地方に移住することも可能だ。なにより,単純にアラビア風の街々を眺めることが面白く,バザーからラクダの隊商が出発したりとエキゾチックである。
 このあたりの雰囲気は,掲載したスクリーンショット(わずか2点ではあるが)と,GCに合わせて公開されたムービーからもよく分かるはずだ。というか,分かってください。

 詳細についてはまだ未定ということだが,戦闘に関してもリニューアルされる予定で,より戦略的なプレイが楽しめるようになるという。マルチプレイに関しても決定していない事項が多く,詳細は後日となっている。ただ,ドイツのコミュニティではプレイヤーが自慢の街のスクリーンショットをアップしてコンテストを行うのが盛んらしく,そうしたUCC(User Created Contents)的なものを簡単にアップロードできるようにする予定だとの話であった。

 現在,100人以上のスタッフが開発に当たっているというUbisoftの隠し球,Annno 1404の発売は2009年の3月頃が予定されている。



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