本戦開幕! ニコ生による実況中継も行われた「全国大会トーナメント」
スペシャルステージが終わったあとは,いよいよトーナメント本戦が開始となったわけが,実はその模様は,カプコン公式の
「ニコ生」にてストリーミング配信が行われた。以前の
GODSGARDEN #2もそうだったが,家にいながら大会の様子をリアルタイムで観られるなんて,良い時代になったものである。
そういうわけなので,試合内容をすでに把握している人も多いだろうが,ここではハイライトとして,会場を沸かせたいくつかの試合をベストバウトとして紹介しよう。のちに映像を見る機会があれば,ぜひ参考にしてほしい。
第一回戦でもっとも会場が沸いたのは,第4試合,関東予選(2)優勝
「高モチベ」の大将・中足絶唱TKD選手(エル・フォルテ)と,関西予選(2)優勝
「カイザーフェニックス」中堅・MDR選手(ルーファス)の一戦だろう。もともとトリッキーな動きで相手を翻弄するスタイルのフォルテだが,中足絶唱TKD選手の極まり具合は尋常でなく,実況もまったく追いつかないほどのスピードで画面内を駆け回る。対戦相手のみならず,観ているほうまで唖然としてしまう試合運びでMDR選手を下した中足絶唱TKD選手だが,続く大将・ぱみゅ〜選手のバイソンに惜しくも敗れ,チームは敗退となってしまった。とはいえその内容はどちらが勝ってもおかしくなく,とくにGODSGARDEN #2でも見せた,ドロップキックからのワカモーレや,十八番の垂直ジャンプにあわせたギガバスターといった魅せるプレイの連続には,観客から惜しみない歓声が贈られていた。
第二回戦で行われた,中四国予選優勝
「黒豆」中堅・黒魔術師選手(サガット)と,当日予選枠
「チームTRF」先鋒・ハナマルキ選手(サガット)の試合も見逃せない。サガット同士,弾の撃ちあいが見どころとなった一戦だ。両者互角の戦いでもつれ込んだ第3ラウンド。相性がいいのか悪いのか,上と下のタイガーで左右のサガットがシンクロした動きを見せ,相打ちで体力を削りあう。先に動いたのはハナマルキ選手。跳びを通したハナマルキ選手が移動アパカからのウルコンを決め,黒魔術師選手の体力は残りわずか。距離をとったハナマルキ選手がこのまま削りきるかと思いきや,黒魔術師選手も弾抜けのウルコンをお返しして,また五分に戻すという仲良しぶりを見せる。お互い弾一発で沈む体力のなか,両者が取った選択は,これまたシンクロしたアパカぶっぱ,しかも両者ともスカというズッコケ。わずかに先に着地した黒魔術師選手がローキックを一発入れて,ハナマルキ選手を下す結末となった。運が悪かったとしか言いようがないハナマルキ選手は,そうとう悔しかったに違いない。
 ドリームチーム枠での登場となったウメハラ選手(右)。しかし残念ながら今回はいいところなしで敗退となってしまった |
 同じくドリームチーム枠の「ぢぢプロデュース」。先鋒・M嬢選手(ダルシム)が魅せ「おこづかい2000円」の大将・ももち選手(豪鬼)を引っ張り出すも,逆に三縦を食らい,こちらも敗退 |
準々決勝第4試合,東京予選(1)優勝
「HEELS」の先鋒・マゴ選手(サガット)と,
「チームTRF」代表のミゾテル選手(ブランカ)の一戦は,開幕から弾を打ち続けるサガットに対し,それを伏せでかわすブランカという定番の風景からスタート。しかし開幕から30秒たっても試合は動かず。先に焦れたほうが負けと言わんばかりの光景が続く。40秒を過ぎたあたりでようやく動き出すものの,結局はサガットがキャラ差を押し付ける形で勝利を掴む。結果としてはマゴ選手の圧勝ではあったが,徹底して後の先を取ろうとするの両者の冷静さが光った試合だ。その後は流れに乗ったマゴ選手が三縦で
「チームTRF」を下す形となった。BP(バトルポイント)ランキング全国1位の面目躍如といったところだろうか。
決勝に先んじて行われた3位決定戦。中部予選優勝
「えい田リク尊」vs.
「HEELS」の一戦は,前田太尊選手(バイソン)の活躍が光る対戦となった。弾幕を盾に立ち回る
「HEELS」先鋒・マゴ選手を,バイソンのお手本というべき落ち着いたプレイで下した前田太尊選手,続くあきも選手(E.本田)との溜めキャラ対決では,途中ヒヤっとするシーンがありつつも,的確な挿し込みと,ここぞのラッシュで
「HEELS」大将・ときど選手(豪鬼)を引っ張り出す。勢いに乗ってそのまま3人抜きかと思われた前田太尊選手だったが,ときど選手がそこからまさかの逆三縦。3位決定戦を一人でひっくり返してしまった。危ないシーンは度々あり,決して楽な試合運びではなかったが,竜巻から大足で締めてダウンを奪い,起き攻めからスタンを狙う,通称ときど式と呼ばれる攻めパターンがぴったりとハマり,最後は根性で勝利をもぎ取った。
関西勢同士の決勝戦,「おこづかい2000円」vs.「カイザーフェニックス」
 試合前のコメントより。この日に向け,体型をキャラにあわせてきたという金デヴ選手「(今日の自身の活躍が)見た目どおりマスコット的になってしまってるんで,がんばろうと思います」 |
 「カイザーフェニックス」の飛翔選手,「神(ウメハラ選手)も全一(マゴ選手)も倒してきたので,あとは優勝するだけですね」 |
そして迎えた決勝戦。壇上にコマをすすめたのは九州予選優勝
「おこづかい2000円」と
「カイザーフェニックス」の両チームだ。奇しくも関西勢同士(「おこづかい2000円」は九州予選を遠征で勝ち抜いての出場)の激突となった。その試合内容は,まさに決勝戦に相応しい,取っては取り返しのシーソーゲームとなった。
魅せたのはまず
「カイザーフェニックス」中堅のぱみゅ〜選手。1本目,弾幕を張るあーるえふ選手(サガット)に対し,なんとアーマーキャンセルウルコンというレアなテクニックを披露して,会場を大いに沸かせた。しかしこれで一気に弾が撃ちづらくなったはずのあーるえふ選手,2本目以降は通常技とタイガーニーを主体とした立ち回りにきっちり切り替えて,
「カイザーフェニックス」大将・MDR選手(ルーファス)を引っ張り出した。
もうあとがないMDR選手のルーファス,強気に立ち大Kを振るあーるえふ選手のサガットになかなか近づけず,1本目に続き2本目も残り数ドットに追い込まれるも,ここからのが巻き返しがスゴかった。まだ8割は体力が残っているサガットに対し,まったく諦めを感じさせない攻めを見せる。その想いが天に通じたか,固めのタイガーニーに対し,なんと仕込んであったウルコンで割り込み。大バクチに勝って(さすがに反応したわけではないだろう)の大逆転で流れを得たMDR選手,そのまま3本目を取って,勝負は大将戦へもつれ込んだ。
泣いても笑ってもこれが最後の大将戦の相手は,この日負けなしのももち選手(豪鬼)。先ほどまでの流れに乗り,ここは一気に攻め落としたいMDR選手だが,対するももち選手はどこまでも冷静。常に遠中距離の有利な間合いを維持し,少しでも危ない場面はすべて阿修羅閃空で読み合い拒否する徹底ぶり。自然と,逃げる豪鬼を追いかけるルーファスという構図となったが,結局追い詰めることはかなわず,2本先取でももち選手が大将戦を制した。これにより,本大会の優勝は
「おこづかい2000円」の頭上に輝いた。
優勝 「おこづかい2000円」
金デヴ選手(ルーファス)/あーるえふ選手(サガット)/ももち選手(豪鬼)
準優勝 「カイザーフェニックス」
MDR選手(ルーファス)/ぱみゅ〜選手(バイソン)/飛翔選手(サガット)
3位 「HEELS」
マゴ選手(サガット)/ときど選手(豪鬼)/あきも選手(E.本田)
「おこづかい2000円」優勝の瞬間。喜びを隠しきれない金デヴ選手,あーるえふ選手,ももち選手の3名
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表彰式,そして待望のアーケード版「スパIV」がついに発表!
白熱した決勝戦の余韻冷めやらぬまま,ステージはすぐに表彰式へ移り,優勝,準優勝,そして3位の各チームに,小野プロデューサーより賞状と,トロフィー代わりのグローブ,そして称号の授与が行われた。
3位
「HEELS」チームには,ブロンズグローブと
「2010 至高の闘士」の称号が,準優勝
「カイザーフェニックス」チームには,シルバーグローブと
「2010 大元帥」の称号が,そして優勝の
「おこづかい2000円」チームには,ゴールデングローブと
「2010 王座認定者」の称号,そして副賞として「Xbox Live 12ヶ月ゴールドメンバーシップカード」,そして発売日にあわせてXbox 360版「スーパーストリートファイターIV」が贈られることが伝えられた。
 3位 「HEELS」 |
 準優勝 「カイザーフェニックス」 |
優勝 「おこづかい2000円」
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金デヴ選手「うれしすぎて何も言えません。ありがとうございました」
あーるえふ選手「去年準優勝だったんで,今年は絶対勝ちたいと思ってました。チームメイトのおかげです。ありがとうございました」
ももち選手「寒い試合にするはずが,なぜか熱い試合になっちゃって……よかったです」
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そしてここで,小野プロデューサーより語られた大会の総評の中で,本日最大のサプライズが発表された。これまでPlayStation 3版とXbox 360版のみのリリース予定となっていた「スーパーストリートファイターIV」の,
アーケード版の開発が決定したとの報である。これまでも噂としてはあったものの,カプコンから正式に発表されるのは初のことで,この突然の発表に,会場からは大きなどよめきと拍手が巻き起こっていた。
とはいっても,これから開発に入るとのことなので,実際に遊べるようになるのは,まだまだ先になりそうではある。小野プロデューサーによれば,コンシューマ版の売り上げ如何によって,アーケード版開発チームの人数も変わってくるそうなので,アーケードのプレイヤーもぜひ4月28日のコンシューマ版で腕を磨いてほしい。
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小野プロデューサー 今回の大会は,各キャラクターの開発が進み,ホントにいい試合が沢山見られたと思います。この1年から2年,「ストリートファイターIV」のアーケード版を応援していただき,ありがとうございます。おかげさまでコンシューマ版も世界で無事270万本を売り上げることができました。本当にありがとうございます。 今年も皆さんの声あってこそ,「スーパーストリートファイターIV」を4月28日にリリースすることができます。そしてストリートファイターに火を付けてくれた皆さんを,ここでおいていくことはできないと思っています。 半年以上前からそんな噂はありましたが,実はその時点では,社内にそんな気配はまったくありませんでした。僕だけが声をあげていた状態です。今から1か月半ぐらい前,ついに皆さんの声が届きました。「スーパーストリートファイターIV」アーケード版の開発が決定しました! この声援があってこそ,アメリカに行って説得したかいがありました。コンソール版のダウンロードコンテンツの仕込みもこれからありますので,どういう形で提供できるのか,これからチームで考えていくことになりますが,この応援を無駄にしないものを提供しようと思っていますので,次のリリースも楽しみにしてください。本当に応援ありがとうございました。 |
今年は辛さ控えめ? 「K.O.コラボ飯」試食会レポート
最後に,大会終了後にメディア向けに行われたイベント,
「K.O.コラボ飯」試食体験会の様子もお伝えしておこう。「スペシャルステージ」の紹介中でも触れたとおり,このタイアップキャンペーンは,
「紅虎餃子房」と
「万豚記」の各店舗(一部店舗を除く)で,「スパIV」キャラクターにちなんだ各種特別メニューが発売されるというものだ。
今回用意されたメニューは全部で10種類(うち一つは店舗限定)で,前回の4種類から倍以上のパワーアップを遂げている。
昨年のメニューはズバリ
「辛さ」をコンセプトにしており,辛い物が苦手な人にはちょっとつらいメニューが多かったのだが,今回はいずれも辛さは控えめで,激辛レベルのものはないとのこと。そうはいっても
「リュウのピリッ!とカレー麺(880円)」「タコイカ豪快唐辛子やきそば(980円)」「ブラックチャーハン(880円)」あたりは,試食した感じそこそこ辛めの味付けと感じられた。辛いのはちょっとなぁという人は,注意したほうがいいかもしれない。
個人的には,
「うま辛コリアンかけごはん(980円)」あたりが実にいい案配で,お代わりしたいくらいだったのだが,諸々の事情で断念した。プライベートで立ち寄ったら,ぜひ注文したい。
店舗限定のメニューも存在する。甘辛ダレの丸鶏料理で見た目のまんまの名前が付けられた
「ダークチキン(1480円)」は,
「紅虎餃子房」銀座店/有楽町店/池袋店と,
「万豚記」ヨドバシ秋葉原店の4店舗限定とのこと。
「K.O.コラボ飯」は,
4月7日から5月末日まで限定メニューとなるが,「万豚記」ヨドバシ秋葉原店のみ,7日に先んじて昨日からのスタートとなっている。
別にお世辞でも何でもなく,どのメニューも普通以上に美味しかったので,最寄りの店舗に心当たりがある人は,この機会にぜひ立ち寄ってみよう。先にも書いた
「コラボ記念オリジナルピンバッジ」ももらえることだし。
また試食会とあわせ,こちらも先に紹介した,
Xbox 360版限定特典「オリジナルアニメーション」の試写会が行われた。内容的にはジュリvs.春麗/キャミィ/ガイルといった内容で,ストリートファイターシリーズのファンにはニヤリとできるキャラクターも登場するので,Xbox 360版を購入予定の人は,楽しみにしてほしい。また小野プロデューサーの紹介どおり,ヒールとしてのジュリの魅力が目一杯詰まっているので,ドMな人にもぜひオススメしておきたい。
水を得た魚のような喜多村英梨さんの演技に注目。そのほかの声優さんも,実に豪華キャストだ
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