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つまみ持ちのゲーマーにとって,マウスの“後ろ側”って必要あるの? 「R.A.T. 1」(の先端部分だけ)を使って考えてみる
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印刷2016/04/23 00:00

テストレポート

つまみ持ちのゲーマーにとって,マウスの“後ろ側”って必要あるの? 「R.A.T. 1」(の先端部分だけ)を使って考えてみる

 4Gamer読者には釈迦に説法かと思うが,マウスの持ち方には「かぶせ持ち」「つかみ持ち」「つまみ持ち」の3種類がある。このうち,最もマウス選びに困るのは,おそらくつまみ持ちではないかと思う。
 つまみ持ちは,「マウスを指先のみで保持し,指先以外はマウスに一切触れない」という持ち方だ。指先だけの操作になる都合上,軽量なマウスが使いやすいのだが,基本的に海外製品が多いゲーマー向けマウスの場合,まず小型のものが少ない。サイズが大きくなれば,そのぶん重量も……となり,軽いマウスを探そうにも選択肢が限られることになる。

R.A.T. 1
メーカー:Mad Catz Interactive
問い合わせ先:製品サポートページ
価格:3780円(税込)
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 かくいう筆者もつまみ持ち派なのだが,この持ち方をしているせいか,以前から考えていることがある。それは「つまみ持ちするのに,マウスの手前側(=本体後方側)って必要あるの?」ということだ。ほかの持ち方と違って,マウスの“後ろ側”には触れないのだから,ここを削れば,さらに軽いマウスが使えるのではないか。
 もちろん,そんな変な形状のゲーマー向けマウスは存在しない。いや,しなかった。Mad Catz Interactiveの「R.A.T. 1」が登場するまでは。

 R.A.T. 1は,左右対称形状の光学センサー搭載ワイヤードマウスだ。最大の特徴は,センサーおよびボタン部をモジュール化した「Detachable Sensor Module」(以下,メインモジュール)に,シャシーとパームレストを取り付ける機構を採用していること。ボディ部分が空洞なため,非常に軽量となっている。
 本製品で面白いのは,マウスの機能としてはメインモジュールだけで完結しているため,シャシーとパームレストを取っ払っても,マウスとして利用できるところである。つまり,「後ろ側が存在しないマウス」になってしまうというわけだ。

 果たして,軽さだけを求めて必要最低限しか搭載しないマウスは,つまみ持ち派の選択肢としてアリなのか。前置きが長くなってしまったが,試してみよう。

先端部分を取り外して,単体でマウスとして使える面白い仕様。「後ろ側いらないよね?」という長年の疑問を,ぶつけるときがきた! ちなみに製品情報ページでは,単体での使用は「モバイルに最適」と書いてあり,ゲームでの利用は想定していない様子。……あえて単体で試したいとか考えているのは筆者だけだったらどうしよう
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分解するとこうなる。今回はシャシーもパームレストも使わないので,必要なのは写真左下のメインモジュールだけだ。なお,執筆にあたってこれを使ってゲームをプレイしたのは15時間ほど。普段は「G303 Daedalus Apex Performance Edition Gaming Mouse」や「G300s Optical Gaming Mouse」といった,小型軽量なマウスをつまみ持ちで使っている
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小さい! そして軽い!

でもさすがにこれは……あれ,意外とイケる?


 まずはメインモジュールの仕様を軽く確認しておこう。搭載ボタンは,左右メインボタンとセンタークリック機能付きスクロールホイール,そしてホイール手前に,前後に倒して入力するスイッチという構成だ。搭載する光学センサーはPixArt Imaging製のエントリーモデルで,製品情報ページを確認する限り,その主なスペックは,最大トラッキング速度80IPS,最大加速度20Gとなっている。

 肝心の重量は,ケーブル込みで実測58.5g,ケーブルをどかした参考値で同35.0g前後。軽さをウリにするゲーマー向けマウスでも,一般にはケーブルを含めれば100gを超え,どかしても85g前後になるので,圧倒的に軽いと言えよう。

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 そんなメインモジュールのゲームでの使用感はどうかというと……なかなかにしっくりくるではないか。とにかく軽いので,指先だけの操作でも,少しの力で素早く動かせるのが利点と言える。
 また,筆者は主に「League of Legends」をプレイしたが,右クリックを頻繁に連打する都合上,軽すぎるボディと小さな接地面のせいで,マウスがブレないか不安だった。しかし,マウスの手前側がないことで,手首とマウスの距離が近くなるため,机の上に手首を置いて操作すれば,安定感のある操作が可能だったのだ。

正直,「アンバランスすぎて厳しいかな?」と思っていたのだが,メインモジュールだけでも意外とイケる。マウスの後ろ側がないので接地面は小さいものの,手首を支点とすることで,問題なく安定した操作ができた。ただ,いわゆるローセンシを好む人など,手首を机に付けない場合は,ちょっと厳しいかもしれない
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 メインモジュールのみでの使用に難点を挙げるとすれば,握れる部分が非常に小さいので,窮屈な持ち方になるということ。筆者の場合,違和感なくつまみ持ちをするには長さが1cmほど足りず,メインボタンを押す指を少し曲げないと保持できなかった。それでも操作自体は問題ないのだが,若干疲れるという印象がある。

 評価としては,メインモジュールのみでの使用は,軽さを追い求める人にとってアリだ。
 この軽さのマウスを探そうと思ったら,ゲームと関係のないモバイル向けマウスが候補に挙がってきてしまう。その点R.A.T. 1は,エントリーモデルのセンサーを搭載するとはいえ,ゲーマー向けを謳う製品として最低限のスペックを備えているのが安心できる。どう考えても人を選ぶ使い方ではあるが,ゲーマー向けマウスとしては間違いなく最軽量なので,軽さ至上主義のゲーマーは一度お試しあれ。

メインモジュール単体だととにかく軽い。筆者が普段使っているG303は,ケーブル込みの重量が132g,ケーブルなしが約81.5gと,そこそこ軽量なのだが,メインモジュール使用後はあまりの違いに「重っ!?」と感じるほどだった
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もしメインモジュールだけでは小さすぎて持てないという場合は,もちろんシャシーとパームレストを装着して使用してもいい。これでも,ケーブル込みの重量はたったの76gだ。ただ個人的には,今回試したことで「つまみ持ちなら,マウスの手前側はやっぱり不要」と考えているので,つまみ持ち派諸姉諸兄には,ぜひメインモジュールだけで試してみてもらいたいと思う
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「R.A.T. 1」製品情報ページ

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