AC「ダライアスバースト アナザークロニクルEX」，最新アップデート「フェイズ2」の全貌が明らかに。針谷Pに聞くその見どころとは

　真っ赤な2画面筐体がひときわ目を惹く，タイトーのアーケード用STG「ダライアスバースト　アナザークロニクルEX」（以下，DBACEX）。全国のアミューズメント施設にて稼働中の同作が，2011年10月6日に「フェイズ2」へアップデートされる。4Gamerでは，すでに「こちら」の記事で先行プレイムービーを掲載しているが，そのアップデート内容について，あらためて紹介ていこう。プロデューサーの針谷 真氏へのミニインタビューもあるので，本作のプレイヤーは必見だ。

タイトル画面の右下，フェイズ2のアイコン表示に注目

「ダライアスバースト アナザークロニクルEX」公式サイト

新機体「ジェネシス シルバーホーク」

「ジェネシス シルバーホーク」

　まずアップデートの最大の目玉である追加機体「ジェネシス シルバーホーク」を紹介しよう。同機体は，名作「Gダライアス」のシルバーホークを，DBACEX仕様にリチューンした，新たなG機体だ。「αバーストビーム」と「サポートユニット」という，いずれも強力な武装を備えた，特徴的な機体となっている。

機体解説

　通称「ジェネシス」。惑星アムネリアで開発された伝説の機体。オリジナルと同等の機能は再現できなかったものの，新型のサポートユニットとαバーストビームを備える。

サポートユニット

　「ジェネシス シルバーホーク」と共に戦う小型機。バーストゲージの量に応じ，最大2機を随伴させることができる。
　バーストボタンを短く押すことで，「シルバーホークの上下に位置」「後方上下に位置」「シルバーホークを追尾」という3つのフォーメーションを取ることができる。ショットボタンを押せば自機と共に弾を発射するほか，敵や敵弾も防ぐのにも有用な，攻防一体のユニットだ。
　なお耐久力が尽きると消滅するものの，敵を倒してバーストゲージが増えると再出現する。火力は低下してしまうが，生存性を高める上では有効な機能といえるだろう。仲間が「ジェネシス シルバーホーク」を使っている場合，その後方に位置してサポートユニットの防弾機能に期待するのも，一つの手かも。

上下配置

後方配置

追尾配置

αバーストビーム

　2機の「サポートユニット」と引き替えに放つ必殺のビーム。バーストボタンを押し続けてから離すことで，極太の光線が発射される。
　敵のバーストビームを吸収する能力を持っており，吸収時間が長いほどαバーストビームの攻撃力がアップ。最大8倍の倍率を得られる。バーストユニットを設置しての多方向攻撃や，バースト同志を重ねてのバーストリンクは不可能なものの，前方へまっすぐ照射されるビームというコンセプトはシンプルで使いやすい。

αバーストビーム

新モード「オリジナルEXモード」

　アップデート2つ目の注目点は，フェイズ2より新たに登場する新モード「オリジナルEXモード」だ。追加となる12のゾーン「ZONE O」〜「ZONE Z」は，これまでよりも高難度で，新たな敵も登場。より遊び応えのあるプレイが楽しめる。

オリジナルEXモードでも，「残機無限エントリー」は利用可能。まずはこれで様子見してみるのがいいかも

新ボス「DREADFUL WHIP」

「DREADFUL WHIP」

　“ゴマフイカ”をモチーフにしたという巨大戦艦。動きは優美だが攻撃は苛烈。アームの耐久力を一瞬で奪う上に，バーストのカウンターすらできないビームや，回転する光弾による包囲攻撃，巨大な足でこちらを包み込んでの十字砲火など，多彩な攻撃パターンを持つ。耐久力低下時の「発狂モード」は必見だ。

新ボス登場時には新たなBGMも。「DREADFUL WHIP」の苛烈な攻撃に合わせて流れる，ZUNTATAらしいハーモニック（？）なサウンドに注目

　またこのほか，期間限定配信されるイベントモードも追加されるとのこと。こちらはアップデート日の10月6日時点では利用できないが，今後順次配信が予定されているそうだ。続報に期待しておこう。

プロデューサー 針谷 真氏ミニインタビュー

タイトー AM事業本部AM開発統括部 針谷 真氏

　さて稼働がいよいよ明日に迫ったフェイズ2。気になる点を，本作のプロデューサー 針谷 真氏にうかがってみた。本作のプレイヤーは，明日の参戦に備えてぜひチェックしてほしい。

4Gamer：
　まずは今回のアップデート「フェイズ2」について，概要からお話いただきたいと思います。

針谷 真氏（以下，針谷氏）：
　ポイントは2つあります。まずは新機体「ジェネシス シルバーホーク」。1997年に登場した「Gダライアス」の自機が，「ダライアスバースト」の仕様に準拠した形で復活しますので，その性能にぜひご期待いただきたいです。
　もう一つは「オリジナルEXモード」の追加です。スタンダードなステージクリア形式である「オリジナルモード」の裏面的な存在で，敵の配置からボスまでのすべてに手を加えています。難度も上級者向けですので，これまでの「オリジナルモード」では物足りなかった人にとっても，新たなチャレンジになるのではないかと。

4Gamer：
　新機体の「ジェネシス シルバーホーク」は，どのモードでも使えるんでしょうか。

針谷氏：
　「オリジナルモード」と「オリジナルEXモード」で使えます。「クロニクルモード」ではまだ使えないのですが……ここについては秘密ということで。

4Gamer：
　なるほど。「ジェネシス シルバーホーク」は「Gダライアス」の自機ですが，ファンとしては，やはりキャプチャーシステム（敵を捕えて味方にできる）が気になるところです。

針谷氏：
　今回の「ジェネシス シルバーホーク」ではキャプチャーはできませんが，その代わりに「サポートユニット」というシステムを取り入れています。「Gダライアス」ではキャプチャーした雑魚を自機に追従させて攻撃できましたが，それに近いものなっていると思います。


4Gamer：
　仲間として自機に追従するタイプですか。となると，これまでの「ダライアスバースト」にはなかった趣向ですね。

針谷氏：
　プレイヤーの皆さんが，原典通りのキャプチャーシステムを期待されていることは分かっていましたから，そこは我々開発スタッフの間でも，議論がありました。ただDBACEXは，バーストシステムに焦点をおいたタイトルですので，「Gダライアス」のキャプチャーシステムをそのまま持ち込むと，まったく別のゲームになってしまうんです。なので，今回は「サポートユニット」という形で「ダライアスバースト」のシステムに寄った実装をしています。

4Gamer：
　ずばり，「ジェネシス シルバーホーク」のウリはなんでしょうか。

針谷氏：
　「αバーストビーム」ですね。敵のバーストを吸収することで，ビームがより太く・強力になるんです。点数倍率もアップしますので，点数稼ぎの際には重要になります。

αバーストビーム

4Gamer：
　この辺りは原典である「Gダライアス」を踏襲した仕様になっていると。「Gダライアス」といえば，ある意味伝説のタイトルだと思うのですが，プレッシャーなどはありましたか？

針谷氏：
　プレイヤーさんはもちろん，我々開発としても「Gダライアス」を継承する要素というのは，ある意味欠かせないだろうと思ってましたしね。あの独特のシステムと演出をどこまで取り入れられるのか，という意味ではプレッシャーだったかもしれません。実は私が入社したての頃，「Gダライアス」の開発がスタートしたんですよ。当時部署が違って開発に関われなかったのが残念だったので，今回の「ダライアスバースト」，そして「ジェネシス・シルバーホーク」の登場には，感慨深いものがあります。

4Gamer：
　ああ，長年の念願が叶ったわけですね。ええと「オリジナルEXモード」についても，お聞きしたいのですが，かなり高難度のようですね。これは上級者プレイヤーからの，「もっと難しく！」という要望に応えた形ですか。


針谷氏：
　DBACEXは，アーケード用STGとしては，元々そう難度は高くはないんです。だからもう少し歯ごたえのあるものをコア向けに用意しておきたかった，というのはあります。ただ残機無限エントリー（4クレジットで残機が無限になるモード，必ずエンディングまで進むことができる）がありますので，誰にでも楽しめるようにはなっていると思います。「クロニクルモード」も様々な難易度のエリアがありますが，選択できるエリアが沢山あるので，どこから遊んでいいのか分からない，というケースがありました。 ですのでステージクリア型の「オリジナルモード」に準拠した形で，より色々な遊びをしてもらいたい，ということで今回の「オリジナルEXモード」になっています。

4Gamer：
　そこには新たなボス，巨大戦艦「DREADFUL WHIP」が追加されています。

針谷氏：
　そうですね。“ゴマフイカ”をモチーフとしたボスキャラクターで，「MASSIVE WHIP」の同系艦ですが，攻撃方法はまったく異なっています。終盤になると発狂モードになって派手な攻撃をしてきますので，見ていても楽しいものになっていると思いますよ。新曲もありますので，そちらもご期待ください。

MASSIVE WHIP

4Gamer：
　話は変わりますが，前回のアップデートである「フェイズ1」の反響はいかがでしたか。

針谷氏：
　新機体である「アサルト シルバーホークバースト」への反響が凄かったですね。「思ったよりも強かった」「得点稼ぎがしやすい」というご意見を多数いただいています。実際に我々の想定よりも高いハイスコアがたたき出されてまして。稼ぎ方が想定外というより，地道に稼いだ結果で差がついているようです。

4Gamer：
　プレイヤーの研究とテクニックが，若干想定を上回ったわけですね。そうするとスコアラー的には機体の下方修正が気になるところですが……。

針谷氏：
　それは現時点では考えていません。不具合に近いようなものなら，もちろん修正しますが，本作はハイスコアも機体別になっているので，機体ごとの差を気にしない遊び方もできます。なのでそこで吸収できるものなら，なるべくバランスなどは変えるべきではないと考えています。機体性能として尖っている部分を削るのは，ゲームの面白さをスポイルすることにもなりますので，基本的にはやりたくないですね。


4Gamer：
　なるほど。ではスコアラーの人も安心して腕を磨いてほしいと（笑）。フェイズ2でも研究のしがいがありそうです。ちなみにアップデートの感想などを開発スタッフに届けるには，どういうった方法が一番良いのでしょうか。

針谷氏：
　開発スタッフが一番よく見ているのはTwitterですね。ハッシュタグ「#DBAC」を付けてTweetしていただくと，目にとまりやすいと思います。公式サイトのつぶやきヘッドラインでも拾われますし。

4Gamer：
　おお。ではTwitterをやっている人はぜひ，という感じですね。今回のフェイズ2，そしてDBACEXの更なる展開に期待したいと思います。本日はありがとうございました！

おまけ：「フェイズ2」スクリーンショット集

「ダライアスバースト アナザークロニクルEX」公式サイト