
イベント
「MTG」×「FF」コラボセットは過去最大級の印刷数で対応。プレイ製品の供給は「ご心配なく」。開発裏話も語られたPRイベントをレポート
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会場にはMTGのエグゼクティブ・プロデューサーであるザキール・ゴードン氏や,「FINAL FANTASY VII」シリーズのプロデューサーを務める市川翔一氏に加え,新カードのアートを手掛けるクリエイターたちが登壇。新カードのコンセプトや,開発秘話などが語られた。
■登壇者
・Wizards of the Coast
エグゼクティブ・プロデューサー:ザキール・ゴードン氏
プログラムマネージャー:ジョセフ・レイス氏
・スクウェア・エニックス
「FINAL FANTASY VII」シリーズ プロデューサー:市川翔一氏
アーティスト:板鼻利幸氏
アーティスト:松田俊孝氏
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「マジック:ザ・ギャザリング――FINAL FANTASY」商品ページ
「マジック:ザ・ギャザリング」公式サイト
クオリティを追い求め,開発期間は50%増
リリース後の販売体制の整備も検討中
まずは,現在までに公開されている情報を軽く振り返っておこう。「マジック:ザ・ギャザリング――FINAL FANTASY」は,MTGのコラボレーションブランド「ユニバースビヨンド」シリーズの最新作だ。
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今回は「FINAL FANTASY」シリーズ16作品がMTGの世界に参戦し,人気キャラクターや名場面がカードとして表現される。その力の入れようは相当なもので,シリーズを支えてきた人気のアーティストたちのイラストを採用した「FINAL FANTASY・アーティスト」ボーダーレス版カードが収録されるなど,非常に豪華な仕様になっている。
システム面にも特色があり,装備品が持つ誘発能力「ジョブ選択」や,召喚獣を表現する「英雄譚・クリーチャー」,支払うマナの量に応じて効果が変わるキーワード能力「段階」など,本セット独自のメカニズムが登場する。ファイナルファンタジーシリーズのファンのみならず,MTGファンにとっても新鮮な感覚でゲームを楽しめるはずだ。
「マジック:ザ・ギャザリング」公式サイト
読み物『マジック:ザ・ギャザリング――FINAL FANTASY』のメカニズム
さらに重要なのは,本セットがスタンダード・フォーマットに対応しているということ。同フォーマットに対応したセットは長期にわたって利用でき,発売以降は継続的に販売が行われることが多い。
単発のコラボ商品としてだけでなく,競技シーンでも使用されることを想定された商品であるため,本セットからMTGに本格参入することできるのだ。もちろん,デジタル版にあたる「マジック:ザ・ギャザリング アリーナ」でも購入できるので,そちらで触れてみるのもアリだろう。
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「マジック:ザ・ギャザリング――FINAL FANTASY」,収録カードやメカニズムなど最新情報が一挙公開に

ウィザーズ・オブ・ザ・コーストは本日(2025年5月11日),トレーディングカードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング」のユニバースビヨンドシリーズから,2025年6月13日に発売する新セット「マジック:ザ・ギャザリング――FINAL FANTASY」の続報として,多数の新カードやメカニズムを公開した。
イベントが始まると,本セットの開発を主導したWizards of the Coastのザキール・ゴードン氏と,「FINAL FANTASY VII」シリーズのプロデュースを行う市川翔一氏が本セットに登場する新カードや,それらを開発するにあたっての流れなどを紹介してくれた。
ステージでは,3枚の収録カードに加えて,板鼻利幸氏と松田俊孝氏の描きおろしによる「FINAL FANTASY・アーティスト」ボーダーレス版カード,6月10日に発売される「Secret Lair x FINAL FANTASY」,人気イラストを用いた「FINAL FANTASY・継承史カード」が発表された。
各カードのイラストについて,市川氏は「ゲーム内の特定タイミングを意識したものが多い」と語っていた。たとえば《モーグリたちの奮闘》は,「FF6」でモーグリたちが協力してティナを助けるシーンがモチーフとなっており,背後には倒れたティナの姿が見える。
こうしたコンセプトは発表済のカードにも共通しているので,各カードが“何を表現しているのか”を考えるだけでもなかなか楽しい。それ以外にも,能力とアートの両面から作品を楽しめる仕掛けが用意されているとのことなので,原作を知る人は各カードをじっくりと観察してみよう。
![]() 《桃源郷の探求者,チョコ》 |
![]() 《モーグリたちの奮闘》 |
![]() 《召喚:リヴァイアサン》 |
「Secret Lair x FINAL FANTASY」には,ヴィランの攻撃をモチーフにした「Game Over」,お馴染みの武器を収録した「Weapons」,多彩な魔法を発動する「Grimoire」の3セットが登場。さらに,プロモカードとして《金粉の睡蓮》が登場する。
《金粉の睡蓮》については,もともと英語版のみの販売になる予定だったとのことだが,市川氏をはじめとする開発チームの交渉により,日本語版の制作が決まったのだという。「FF7」でエアリスと再会する重要なシーンをモチーフにしたカードだけあって,日本語版を確保しておきたい人は少なくないだろう。
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発表のあとには,「FINAL FANTASY・アーティスト」ボーダーレス版カードを手掛けた板鼻利幸氏と松田俊孝氏がステージに登場。それぞれが手掛けたイラストのコンセプトや,思い描いたストーリーなどが語られた。両氏共にMTGには思い入れがあったようで,カードイラストにストーリーやキャラクター性を織り込むにあたって,かなり思い悩んだようだ。
ゴードン氏いわく,本商品は通常のカードセットと比較して50%ほど開発期間が長くなったとのこと。その理由は「より正確にIPを再現するため」であり,開発チームは何度も日本に来日し,アートやカード能力に関する協議を重ねてきたのだという。それだけに,カード1枚1枚の再現度やクオリティは,非常に高いものになっているように感じられた。
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ただ,すでに商品の購入を検討していた人は知っているかもしれないが,本セットは多くの販売店で予約完売状態になっている。魅力的な商品であるが,そもそも購入できないのでは意味がない。最後に行われた質疑応答の場面で,今後の入手状況についてゴードン氏に質問してみたところ,以下のような回答を得られた。
ゴードン氏:
非常に重大な問題であると理解しています。我々にとって最も重要なのは,プレイヤーが遊ぶための商品を入手し,楽しめることです。したがって,入手環境については対応を進めています。
本セットは現時点でも過去最大級のボリュームで印刷を行っており,発売後も(製品が行き渡るように)努力をしていきます。スタンダードカードセットはもちろん,統率者戦も含め,プレイ向け商品については,真摯に対応を進めていきます。ご心配なく。
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品薄状態についてはゴードン氏も把握しており,発売後の販売環境の整備も検討しているようだ。また,こうした“対応”に統率者戦の商品が含まれていることがハッキリと言及されたのも大きい。こういった商品が再販される機会は非常に少ないので,再販を待つ人は続報に備えておこう。
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以上の内容をもって,本イベントは終了となった。MTGとファイナルファンタジーの双方を好むゲームファンとしては非常に“アツい”カードセットなので,今後はぜひとも入手しやすい環境を作ってほしいところだ。
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