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MONSTER×DRAGON
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「MONSTER×DRAGON」は初心者でもガンガン戦える,デメリットの少なさも魅力のリアルタイムSLGだ。クローズドβテストのプレイレポートを掲載
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印刷2011/11/11 00:00

プレイレポート

「MONSTER×DRAGON」は初心者でもガンガン戦える,デメリットの少なさも魅力のリアルタイムSLGだ。クローズドβテストのプレイレポートを掲載

画像集#002のサムネイル/「MONSTER×DRAGON」は初心者でもガンガン戦える,デメリットの少なさも魅力のリアルタイムSLGだ。クローズドβテストのプレイレポートを掲載
 「MONSTER×DRAGON」は,スクウェア・エニックスとヤフーが共同開発するブラウザゲームだ。本作はヤフーが運営するポータルサイト「Yahoo! JAPAN」を通じてのサービスを予定しており,ビジネスモデルは“基本プレイ無料+アイテム課金”を採用する予定。

 シミュレーションゲームにカードバトルの要素を加え,最大で100名ものプレイヤーで同時対戦できるという本作。4Gamerでは以前,本作についてのインタビューを掲載したが,ほかにあまり例のないタイプの作品だけに,なかなかイメージできないという人も少なくないのではないだろうか。そこで本稿では,2011年10月13日から26日にかけて行われたクローズドβテストでのプレイを元に,本作のゲーム内容を改めて紹介していこう。

「MONSTER×DRAGON」公式サイト



シミュレーションゲームにカードゲームの要素をミックス

ブラウザでも動くリアルタイムバトルを実現


 「MONSTER×DRAGON」の舞台となるドラグニカ大陸では,4つの国家が,世界の覇権を握るべく絶えず争いを繰り広げている。各国家はさらなる力を得るために,大陸各地に眠る“クリスタル”を必要としている。そこでプレイヤー(キャラクター)は,いずれかの国家に傭兵として所属し,クリスタルをめぐる戦いへと赴くのだ。

「MONSTER×DRAGON」は,スクウェア・エニックスとヤフーが共同で開発しているブラウザゲーム。この両社のタッグは「戦国IXA」に続くものだ
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 戦場においてプレイヤーは,ドラゴンを武装した“フォートレス”と呼ばれる移動要塞を操ることになる。フォートレスにはさまざまなモンスターが搭載されており,ゲーム内ではそれらを“カード”を使う形で召喚し,戦っていく。
 フォートレスに搭載するモンスターの構成,すなわちカードデッキは,戦場に入る前にじっくり準備できる。一般的なカードゲームと同様,ゲームプレイを経てカードが次第に増え,戦術がさらに広がるという醍醐味がたっぷりと味わえるわけだ。

 戦場における主目的は,30分の制限時間内に,より多くのクリスタルを集めること。そのための手段は大きく分けて2通りある。1つは,地中に眠っているクリスタルを攻撃し採掘することだ。そしてもう1つは,敵対国家のフォートレスを倒し,所持しているクリスタルを強奪するというもの。

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グラフィックスなどのテイストはコンシューマのシミュレーションゲームに比較的近い雰囲気。シミュレーションゲームの経験者ならすんなりプレイできるだろう
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自キャラが操る移動要塞“フォートレス”。中には多数のモンスターがカードデッキとして搭載されている

 クリスタルを採掘・強奪した際は,その半分の量が国家に蓄えられ,もう半分をフォートレスが所持することになる。国家への貢献度が高くなるにつれ,そのフォートレスは大量のクリスタルを所持することになるのだが,プレイヤーキャラクター(フォートレス)のデータは周囲のプレイヤーから一目瞭然になるため,必然的に,敵国家から狙われやすくなるというわけだ。

 なお対戦で死亡した場合は,所持クリスタルを相手に奪われて,本拠地に戻されてしまう。戦争の勝利条件は,国家に蓄えられたクリスタルの貯蔵量の多さが対象になるので,大量にクリスタルを所持しているプレイヤーは,できるだけ奪われないように注意が必要となる。もちろん,同じ国のプレイヤーのサポートも重要になるだろう。
 その一方で,このクリスタルには何かの購入に使うなどといった用途がないため,所持量が少ないときは,倒されてしまっても本拠地に戻されること以外に,国にもプレイヤー個人にも大きなデメリットやペナルティはない。なので,倒されてクリスタルを失ったあとはもちろん,初心者でもガンガン前に出て,戦闘に参加できるのは嬉しいところだ。

 戦場は常時リアルタイムで進行し,プレイヤーはタイミングを見計らって,基本的に好きなときに行動できる。ただし移動や攻撃などのアクションの際は,“AP”と呼ばれるリソースが必要で,消費後は時間と共に回復していく。また,行動した後は,次の行動までに,30秒のインターバルが設けられている。
 こういったシステムのため,いわゆる“RTS”(リアルタイムストラテジー)のように忙しくはない。

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ほかのプレイヤーも同様にフォートレスを所持している。フォートレス同士で戦場に点在するクリスタルを奪い合うのだ
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最大の特徴は,シミュレーションゲームでありながら,多人数でバトルが繰り広げられること。最大で100ものフォートレスが入り乱れる様は圧巻だ


デッキを組んでバトルへと赴く

カードの能力とAPコストの見極めが勝敗を分ける


本作にはカードゲームの要素も盛り込まれている。新たなカードを手にするたびに,戦術の幅が広がっていく
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 続いて,カード周りのシステムをもう少し詳しく見ていこう。プレイヤーは手持ちのカードの中からデッキを組み,フォートレスに搭載して戦場へと赴くことになる。プレイ中はデッキの中から,常時4枚のカードが候補として選出される。各カードは1回限りの使い捨て。このあたりは,ほかのカードゲームの経験があればイメージしやすいだろう。

 一つのカードは,大きく分けて攻撃/補助/防衛の3通りのアクションに用いることができる。カードの強さによって,消費するAP量が異なり,その量は大体3〜5といったところ。フォートレスが蓄積できる最大APは9なので,行動し続けているとすぐにAPが底を尽きてしまう。

 そのためプレイ中は,AP回復の待ち時間に,周囲の状況を見てじっくり考える余裕がある。例えばクリスタルの採掘時は,そのクリスタルに止めを刺したフォートレスが総取りするシステムなので,敵対プレイヤーが近くにいないか注意しなければならない。逆に,敵対プレイヤーがクリスタルを採掘していたり,交戦中だったりする場合は,すかさず介入することで戦局を有利に運べるかもしれない。自軍の味方キャラクターと,チャットで連携することも大切だ。

 APの使い方についても,9まで溜めてから強力なカードを立て続けに使うか,それとも低コストのカードを数多く使い,小回りを利かせるかなど,プレイヤーが取れる戦術の幅は広い。手持ちのカードが増えることで,こういった戦術はさらに広がっていくことだろう。

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あらかじめ用意したデッキの中からランダムで4枚のカードが抜き出され,“山札”になる。これらのカードを攻撃/防衛/補助のアクションに用いる
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カードの見方を簡単に説明。右上の数字はAPコスト,左上は属性,一番下は特殊スキル。その上は攻撃力・防衛力,レベルとなっている
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初めてプレイするときに,ある程度のカードがまとまった“スターターデッキ”が受け取れる。これをベースに,入手したカードを入れ替えていけば良いので,序盤のハードルはそれほど高くない
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敵のフォートレスを撃破し,クリスタルを強奪


 次にカードを使っての3種類のアクションをざっと説明しよう。

【攻撃】
 カードの用途で最も多いのが「攻撃」だ。具体的にはクリスタルの採掘や,敵フォートレスへの攻撃を行う。

 攻撃力はカードのAPコストに比例するが,ここでもう一つ重要となるのは,各モンスターが使える“特殊スキル”の存在だ。戦場マップにおける各マスにはそれぞれ“属性”が定められており,カードも固有の属性を持っている。両者の属性が合致した状態で攻撃を仕掛けると,さまざまなスキルを使ってくれるのである。

 スキルの効果は大きいので,できれば有利なフィールド上を渡り歩くように動きたいところ。逆に敵との交戦の際は,相手のカード構成を見て,スキルを受けないような場所へ行くのも一つの手だ。プレイ中は,そういったお互いの情報を読み合っての,位置取りが重要となっている。

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赤い枠は,フォートレスが攻撃可能な範囲を示している。1度の行動時に,移動+攻撃が一緒に行えるので,攻撃可能距離はかなり広い。さすがはドラゴン
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ナイトウォーカーのカードを使い,“無”属性スキルの“死の宣告”を繰り出したところ。攻撃時はスキルを使うために,できるだけ位置取りを重視したい

【防衛】
 手持ちのカードを使って,フォートレスを防衛(護衛)させることも可能。防衛させると,フォートレスの被攻撃時にカードがダメージを肩代わりしてくれる。これを事前に使っておかないと,フォートレスはあっさりと墜とされてしまうので,例えば多くのクリスタルを所持している場合などは忘れずに使っておきたい。前線への移動時は比較的APに余裕がある(攻撃する機会が少ない)ので,その最中に防衛させておくのも良い。

画面右側が攻撃を受けている状況だが,“リッチ”のカードが防衛しているため,3478ダメージのうち,フォートレス自身には658しかダメージが届いていない
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【補助】
 フォートレスのHP回復やバフなど,補助効果全般に関わる。今回はCBTということで,カードのバリエーションはそれほど多くなかったが,今後のラインナップ拡充で,戦術の幅が広がることに期待したい。

補助が行えるカードは決まっている。補助効果が必要なときに,そのカードが山札に含まれているかどうかも,戦局を大きく左右することになる
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 各カードのグラフィックスやスキルは,「ファイナルファンタジー」シリーズでお馴染みのものが多く登場する。お馴染みのモンスターや魔法に加えて,カードを使い込むことで成長するシステムもあり,FFシリーズの魅力を上手く持ってきている様子だ。
 プレイヤーは戦果に応じて“ギル”を獲得し,それを元手に新たなカードを入手していく。今回のCBTでは,ランダムでカードが入手できる“ギルガチャ”なるコンテンツが用意されていた。

「ファイナルファンタジー」シリーズのファンなら,馴染み深いモンスターやスキルがちらほら。このあたりは課金も絡んできそうだが,通常のゲームプレイで獲得した“ギル”でも,お馴染みのモンスターカードは得られる
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初心者でも勝つチャンスがあるハードルの低さは魅力

基本ルールの分かりづらさの解消が課題か


見た目などの演出はブラウザゲームとは思えないクオリティ。暫くの間ブラウザゲームに触れていない人なら,その進化に驚くことだろう
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 今回,クローズドβテストに参加して思ったのは,ブラウザゲームとしては意外なほど作りこまれているということだ。BGMはさすがスクウェア・エニックスと言えるものだし,ナビゲーターがボイスで随時喋ってくれるなど,重厚感のある演出が好印象。ロード時間は短めでUIも軽快,スクロールもカクつかないなど,一昔前の“ブラウザゲーム”とはまったく別物といった感じだ。近年のブラウザゲームは技術進歩が著しいが,「MONSTER×DRAGON」もその良い例の一つと言えるだろう。

 ゲームバランスに関して見ると,APの制限がそれなりにあり,行動後に30秒のインターバルが設けられているため,たとえばRTSジャンルのように,常に急かされる感じはしない。とはいえ30分間の戦闘中,クリスタル獲得に向けてまんべんなく動き続けるため,それなりに疲労感はあるのだが,全体的にシミュレーション好き,あるいはカードゲーム好きな人であればプレイに差し支えのない範囲だと思われる。
 また,シミュレーションゲームにしては運が介在する要素も多く,先行組にまったく勝てないといった,初心者にとってのハードルを感じさせないようにする配慮もなされている。
 ただ,チュートリアルは用意されているものの,現状では戦争の基本ルールが若干分かりにくい。かなり独特なゲームシステムということで,この分かりにくさをいかにして解消できるかが,今後の課題となりそうだ。

 現状では,そうした分かりづらさはあるものの,「MONSTER×DRAGON」は,昨今のブラウザゲームの中でかなり意欲的な作品と言える。シミュレーションゲーム好きは,近日行われる予定のオープンβテストに注目しておこう。
 なお公式サイトでは,クローズドβテストで行われたアンケート結果を受けて,今後の開発方針が公開されている。11月4日には「第1回」が掲載されており,第2回も本日(11月11日)に掲載予定となっているので,本作を楽しみにしている人は,こちらも確認してほしい。

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ゲーム中は敵対プレイヤーも含め,さまざまなデータが一望できる。こういったデータを元に戦術を考え,味方プレイヤーと共闘するのが面白そうだ
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たとえ低コストのカードで攻撃を行っても,“クリティカル”が発生すると敵の防衛カードを一撃で打ち破れる。この確率が総じて高く,初心者でも貢献しやすい
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ほかに似たタイトルがあまり無く,初心者に向けた適切な導線は必要だと思われる。シングルプレイでも戦場を一通り経験させるなど,チュートリアルの充実に期待
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現在は次のベータテストに向けて鋭意開発中。シミュレーションゲームやカードゲームのファンは,次の展開に注目しよう

「MONSTER×DRAGON」公式サイト

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