「Unreal Engine 5.6」正式リリース。Lumen最適化とストリーミング改良で，複雑なシーンでも広大なオープンワールドでも60fps安定維持

　Epic Gamesは2025年6月3日，「Unreal Engine」の最新バージョン「Unreal Engine 5.6」の正式版をリリースした。オープンワールドのパフォーマンス向上，アニメーションツールの大幅な強化，MetaHuman機能の統合などが盛り込まれている。



　ハードウェア・レイトレーシング機能が改良され，動的なグローバルイルミネーション技術「Lumen」のパフォーマンスが向上し，複雑なシーンでLumenを使用しても安定して60fpsを維持できるという。

We want Unreal Engine 5.6 to scale to large and rich worlds while preserving graphic quality and delivering 60 FPS.

What better world to do this in than that of The Witcher?

Tap in: https://t.co/W3KfuoU10w pic.twitter.com/ALT2LkKp6m

— Unreal Engine (@UnrealEngine) June 3, 2025

　また，ワールド内に大量の静的なジオメトリを配置しても，高速かつ一定のフレームレートでロードできる「Fast Geometry Streaming プラグイン」も実験的機能として登場した。
　60fpsに最適化されたデバイスプロファイルも登場し，各プラットフォームにおけるパフォーマンス要件のチェックやセットアップの工数も削減できるという。

「The Witcher IV」の技術デモ（関連記事）

　アニメーション制作機能も強化され，視覚的かつ直感的にアニメーションを編集可能となった。ビューポート上で直接，アクタの動きや間隔を調整できる。実験的機能として「コントロール リグ物理」や新しいラグドール機能などが追加され，キャラクターリグに手続き型の物理モーションを追加したり，自然で良いリアクションを簡単に作ったりできるようになったという。


　さらに，フォトリアルなキャラクターの制作ツール「MetaHuman Creator」は，正式リリースとともに，UEへの統合が行われ，UE上で直接モデルを作成できるようになった。エンドユーザーライセンス契約書の新しいオプションも追加され，Unreal Engine以外のゲームエンジンやDCCツールなどで使用可能となる。

MetaHumans at State of Unreal!

MetaHuman Creator is coming to 5.6 alongside the new Parametric Body System, allowing you to adjust everything from height to muscle mass, with clothing that adapts to changes.

Higher-fidelity, production-ready MetaHumans? Now that’s some serious… pic.twitter.com/2YMtHjyheU

— Unreal Engine (@UnrealEngine) June 3, 2025

　「MetaHuman Animator」も進化し，一般的なウェブカメラやスマートフォンのカメラなどを使用し，リアルタイムで演技をキャプチャできるなど，数多くのアップデートが行われている。

Live from space… Blu is Cory? Cory is Blu? MetaHuman Animator makes it all possible…in real time! But whatever you do - don’t let Blu do his standup.

Want to know what else is out of this world? MetaHumans are being added to the Unreal Engine License. You can use MetaHumans… pic.twitter.com/T7Rc0UB4nl

— Unreal Engine (@UnrealEngine) June 3, 2025

「Unreal Engine」公式サイト
Unreal Engine 5.6 がリリースされました

YouTube「State of Unreal 2025」配信アーカイブ