好きなように生きればいい。スマホ向け箱庭ライフアドベンチャー「ワールドネバーランド エルネア王国の日々」インプレッション

　コアゲームスとアルティは2015年8月4日，iOS版「ワールドネバーランド エルネア王国の日々（以下，エルネア王国の日々）」の配信を開始した。
　本作は，これまでPC，PlayStation，PSPなどさまざまなプラットフォームで展開されてきた箱庭ライフシミュレーション「ワールドネバーランド」シリーズの最新作だ。架空の王国の住人として自由気ままに生活できるというシリーズコンセプトは，初のスマートフォン版となる本作にも継承されており，基本プレイ無料（アプリ内課金制）というビジネスモデルを採用することで，プレイのハードルもグッと下げられている。
　本稿では，iOS用に先行してリリースされたAndroid版のプレイをもとに，同作の概要と魅力を紹介していこう。

「ワールドネバーランド エルネア王国の日々」公式サイト

「ワールドネバーランド エルネア王国の日々」ダウンロードページ

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　本作におけるプレイヤーは，水と緑と魔法に満ちた架空の国「エルネア王国」にやってきた旅人。ゲームを始めて最初に行うのは，自身の分身となるキャラクターの作成だ。性別，髪型，髪の色，肌の色，眉毛，目もと，口もと，メガネの有無などを設定し，自分好みにカスタマイズしたキャラクターゲームを楽しもう。性別以外は「おまかせ」で設定することも可能だが，ゲームの性質上，納得のいくキャラメイクをすることをオススメする。


　ゲーム画面は，マップ見下ろし型の俯瞰視点が採用されており，キャラクターの移動はバーチャルパッドで行う。バーチャルパッドでの操作に苦手意識を持っている人もいるかもしれないが，操作性は思いのほか良好で，個人的にはストレスをほとんど感じなかった。タップしたところを中心にバーチャルパッドが表示される仕組みなので，自分にとってラクなポジションでゲームを楽しめるのではないだろうか。


　加えて本作には，自動移動機能が搭載されている。目的地が判明している場合なら，目的地をタップするだけで，キャラクターが勝手に移動してくれるのだ。王国内はかなり広いので，目的が明確な場合は自動移動を積極的に使うといいだろう。


　さて，シリーズおよび本作の特徴は「自由な生活」であると先述したが，ゲーム序盤では「旅人から王国の国民になる（王国に定住する）」という一応の目的を果たす必要がある。正式な国民になると「家」と「畑」がもらえ，畑で育てた野菜や麦を家のキッチンで料理し，それを販売することも可能だ。単純に考えても「やれること」が増え，遊びの幅がグッと広がるわけである。
　王国に定住するためには，5000ビー（エルネア王国の単価）が必要だ。5000ビーと聞くと何となく高そうだが，ミッションをクリアすれば300〜500ビー程度の報酬をもらえたりもするので，ちょっと集中してプレイすればすぐに貯められるはずだ。

物語は，エルネア暦192年3日（ゲーム内時間）からスタート。現実の世界と同じく，エルネア王国でも日時に応じてイベントが発生する

　どのような生活を送るにしても，お金（ビー）は必ず必要になる。そこでお世話になるのが，褐色の肌が素敵な酒場のお姉ちゃん「ウィアラ」と，チェーン付きメガネが可愛い「ミアラ」という2人のNPCだ。エルネア王国に来て右も左も分からないうちは，彼女達からミッションを受注してビーを貯めていくのが基本。序盤のミッションはチュートリアルも兼ねているので，ミッション受注や依頼報告など，ゲームの基礎的な要素も学べるだろう。


　序盤のミッションは，牧場で草や実を採取したり，波止場で魚を釣ったりという簡単な内容になっている。ちなみに釣りは，画面をタップして魚のHPを減らし，弱ったところを釣り上げるというミニゲーム仕立てとなっている。簡単に釣れる魚から，結構手強い魚までさまざまな種類がおり，それぞれ価値や使い道が異なっているので思わずハマってしまうこと請け合いだ。


　ミッションを順調にこなしていくと，森や洞窟といったダンジョンを探索するミッションが登場する。ダンジョンはモンスターとのバトルが発生する危険な場所だが，突入前にグループ編成画面が表示され，仲間としてNPCを加えることもできる。その場に誰もいないと1人で突入することになるので要注意だ。国民NPCと仲良くなると，ダンジョンへ誘うこともできるので，後々のことを考えつつ，国民とのコミュニケーションを重ねておくといいだろう。
　……とは言っても，序盤に登場するモンスターは大して強くないので，必要に以上に警戒する必要はない。チュートリアル感覚で，まずは気軽に挑戦してみよう。


　本作のバトルはターン制で，打撃攻撃，魔法攻撃，防御といった行動の使い分けがポイント。　戦闘中に使えるスキル（行動）にはそれぞれ必要な「CP」が設定されており，威力や攻撃範囲の広いスキルはより多くの「CP」を使うことになる。消費CPを抑えた攻撃を連続で繰り出し手数を増やすか，多くのCPを使う強力/広範囲の攻撃で敵を一気に殲滅するかは自由だ。なお，コンボをつなげるほど与ダメージが高くなっていくので，低CPの攻撃を何度か繰り出し，トドメに高CPの攻撃を放つというのが基本的な戦術になるだろう。

　ダンジョン内は，画面をタップすることで探索できる。探索の進行度が100パーセントになるとエリアクリアとなり，次のエリアへ進むかどうかを選択することになる。エリアをクリアするとアイテムを入手できるが，冒険中に全滅すると入手したアイテムがすべて消えてしまう。エリアの奥には強敵（ボス）が待ち受けているので，戦力に自信がないときは，キリの良いところで引き上げることも大切なのだ。

「悔恨の砂時計」を使用すれば，バトルをスタート時点に戻すことができる。なお「悔恨の砂時計」を含むアイテム類は，ジェムで購入可能だ。ジェムは有料で購入することが可能

　エルネア王国ではそのほかにも，収穫祭や新年祝賀といったイベントが楽しめる。面白いのは，プレイヤーキャラの地位によってイベント時の“役割”が変わるという点だ。プレイヤーの行動が，ゲーム内容にさまざまな影響を及ぼすというのは，ワーネバシリーズならではの魅力であり，継続してプレイしようという意欲をかき立ててくれる。
　また，王国の住人達とのコミュニケーションを深めることで，プレイヤーキャラとの関係性が知り合いから友達，親友といったように変化する点にも注目。異性のNPCと仲良くなれば，恋人関係を経て結婚し，子供を儲けて家族を形成することも可能だ。もちろん，自分の畑を育てていき，1人で悠々自適な暮らしを満喫してもいい。繰り返しになるが，本作では「自由な生活」が楽しめるのだ。

武器は，強化素材「シャード」や「ビー」を使って強化できる。クラフト要素が豊富な生活形オンラインRPG的な遊び方も可能だろう

妻子ある男性の家に忍び込んだりもできる。ゲームとはいえなかなかの緊張感

　エルネア王国の日々を実際にプレイしてあらためて感じたのは，常に携帯しているスマートフォンというデバイスと，ワーネバシリーズの相性の良さだ。筆者は，移動中や休憩中に，数分〜数十分間プレイするというスタイルで本作を遊んでいたのだが，生活シミュレーションゲームである本作は，そんなマイペースなプレイでも十分楽しめる作りになっている。レベル上げや曜日ダンジョンの攻略といった要素に急かされることなく，自分のペースでまったりと過ごせるエルネア王国は，実に居心地がいいのだ。
　本稿を読んでエルネア王国の日々に興味を持ったという人は，ぜひダウンロードして，エルネア王国でのスローライフを満喫してみよう。

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