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2017年1月下旬に体験版第2弾の配信が決定。「GOD WARS 〜時をこえて〜」はどのように遊びやすくなるのか,安田善巳氏に聞いた
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印刷2016/12/28 01:15

インタビュー

2017年1月下旬に体験版第2弾の配信が決定。「GOD WARS 〜時をこえて〜」はどのように遊びやすくなるのか,安田善巳氏に聞いた

 角川ゲームスが2017年春に発売予定のタクティカルRPG「GOD WARS 〜時をこえて〜」PS4 / PS Vita)。当初は2017年2月23日に予定されていた発売日が延期された理由,そして今年9月に配信された体験版からどういった部分が変化していくのかなど,気になるところを同社の代表取締役社長でありディレクターも務める安田善巳氏に聞いた。

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「GOD WARS 〜時をこえて〜」公式サイト



戦闘のテンポアップと敵AIの変更でさらに遊びやすく

2017年1月下旬には体験版第2弾の配信も予定


角川ゲームス代表取締役社長兼ディレクター 安田善巳氏
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4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。まず,これまでの「GOD WARS」関連の施策を振り返ってみたいと思いますが,2015年11月に発表されたあと,2016年8月の再立ち上げまで情報が途切れていた時期がありました。この間は何が行われていたんでしょうか。

安田善巳氏(以下,安田氏):
 発表を行った2015年11月はちょうどプロトタイプ版ができた時期でした。その後,本格的な制作に入ったので,製品版に向けた情報発信は完成時期の目処が立ってから始めようということで,控えていました。

4Gamer:
 なるほど。再立ち上げ後の2016年9月にはPS4版の体験版「厳島異聞録(いつくしまいぶんろく)」が配信され,さらに東京ゲームショウ2016では坂本冬美さんとのタイアップと発売日が発表されるなど順調に進んでいたように思えたのですが(関連記事),今回,発売の延期を決めた理由は何でしょうか?

安田氏:
 開発を進めるにつれて,僕らの感覚がユーザーの皆さんとズレている可能性があることに気付いたんです。

4Gamer:
 と言いますと?

安田氏:
 開発スタッフのなかで,「敵は高度なAIで複雑な動きをするべきである」「力押しでは勝てないところを知恵でカバーするのが面白い」といった考え方がありました。ゲームは一度作り上げてみないとなかなか判断できない部分もあって,まずはそうした方針で開発を進めていたんです。

4Gamer:
 確かに,「厳島異聞録」ではそうした考え方が色濃く反映されていたと思います。

「厳島異聞録」
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安田氏:
 「厳島異聞録」はもともと,ユーザーさんにご指摘いただいたところを製品版に向けてどんどん修正するという前提で配信したものでした。この時点では,2017年2月の発売まで,5か月あれば修正しきれると考えていたのですが。

4Gamer:
 実際に配信を行ってみて,開発スタッフとユーザーのあいだで,どのような部分で大きなズレがあると感じたのでしょうか。

安田氏:
 例えば,バトルにかかる時間が長すぎるといった部分です。

4Gamer:
 確かにそれは感じました。ほかにも,キャラクターの特性を把握していないうちから,小島が点在する特殊な地形で戦わなければならなかったり,敵がどんどん攻めてくるうえに,ダメージを受けると逃げて回復したりといった点で,難度が高いと感じたユーザーも多かったのではないでしょうか。

安田氏:
 そうした点についても反省しています。敵キャラが雑魚に至るまで回復手段を持っていて,ダメージを受けると後方に下がって治療するわけですから,確かに時間がかかってしまいますよね。ゲームシステムとしては精緻かもしれませんが,それが面白さとイコールであるとは限らないということです。

4Gamer:
 高度なAIによる動きが,必ずしもゲームとしての面白さや爽快感に結びつかないと。

安田氏:
 そのとおりです。タクティカルRPGのファンだけでなく,こちらが思っていた以上にたくさんの新規の方に遊んでいただけたという嬉しい予想外もありましたが,そうした方からは「苦行のようだ」という感想をいただいたりもしました。

4Gamer:
 ユーザーからの全体的な反響はいかがでしたか?

安田氏:
 賛否は半々くらいでしたね。好評だったのは,日本神話をテーマとしており,キャラクターの個性も神話に即した形で表現されているところです。「タクティカルRPGの新作がしばらく出ていないので,期待している」「緻密に作られているので遊び応えがある」といったお声もいただきました。一方で,プレイアビリティに関しては「もっと遊びやすくしてほしい」というご意見をいただいています。

「厳島異聞録」
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4Gamer:
 では,製品版ではどんな部分が改善されるのでしょうか。

安田氏:
 詳細は公式サイトにてお伝えいたしますが,主なところでは,「戦闘のテンポアップ」「敵AIの変更」ですね。エフェクトやキャラクターのアニメーションをオフにするオプション機能を追加し,移動速度もアップさせることで,戦闘が軽快になります。また,イージーモードではボス級や回復職の敵以外は回復しないようにします。

「GOD WARS 〜時をこえて〜」公式サイト
「今後の改善方針と発売日変更のお知らせ」


4Gamer:
 なるほど。戦闘がテンポアップすると,かなり遊びやすくなりそうです。

安田氏:
 また,UIのいろいろな部分を見直します。キャラクターの出陣時に「初期位置を決めてからキャラクターを選んでいた」のを「キャラクターを選んだあとに場所を決める」ようにするほか,使用するスキルやアイテムを決定する前に効果範囲を表示するなどの変更を加えます。

4Gamer:
 ユーザーの意見を反映した多数の調整が行われていくわけですね。

安田氏:
 ええ。こうした調整に対してお時間をいただくため,発売を延期することとなりました。お待たせして申しわけありません。ただ,ゲームのテンポはかなり良くなると思います。

4Gamer:
 製品版のノーマルモードは,体験版のノーマルモードよりも難度が下がると考えていいのでしょうか。

安田氏:
 そのあたりは今後の調整次第です。

4Gamer:
 では,今後の展開について教えてください。

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安田氏:
 2017年1月下旬に体験版の第2弾を配信する予定です。前回の体験版では専用シナリオのステージを収録していましたが,今度は製品版の序盤がそのまま楽しめるような仕様にする予定です。
 もちろん,先ほどお話したような改善や調整が適用されており,プレイデータは製品版へ引き継いでいただけます。あと,プレイ特典も検討しています。

4Gamer:
 次の体験版はどれくらい遊べるものになりますか?


安田氏:
 序盤のチュートリアルから,少しテクニカルな攻略が必要になるところまで,じっくりプレイしていただけます。フリーでミッションを受注することもできますので,やり込めば10時間くらい楽しめますよ。

4Gamer:
 体験版で10時間というのは太っ腹ですね。

安田氏:
 元々,ボリュームに自信のあるゲームですから。いろいろとてんこ盛りで作った結果,クリアまで楽に100時間以上かかるボリュームになってしまったので,そこからシェイプアップして製品版では70時間くらいでクリアできるように収めています。

4Gamer:
 それでもかなりの遊び応えだと思います。

安田氏:
 70時間というのはメインストーリーのみを追ったときの想定時間なので,やり込み要素を含めれば150時間は遊び続けられますよ。

4Gamer:
 タクティカルRPGといえばやり込みが楽しみの一つですからね。そうして鍛えたキャラクターの強さを発揮できる場所は用意されるのでしょうか。

安田氏:
 予約特典として,ゲームクリア後にプレイできる「後日談」2話をご用意しますので,そちらにご期待ください。
 ゲーム全体の見どころとしては,巨大ボスとの戦いを実現しましたので,ぜひとも見てほしいですね。動きも迫力がありますし,高低差を利用した戦闘が楽しめますよ。

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4Gamer:
 新たな発売予定は「2017年春」とのことですが,春のいつ頃になりそうですか。

安田氏:
 桜の舞い散る季節を目標に発売したいと思います。

4Gamer:
 では,最後に2016年の角川ゲームスの総括と,2017年へ向けての抱負をお願いします。

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安田氏:
 2016年は,新たなマーケットやお客様へ向けて舵を切った挑戦の年でした。そのなかで,僕らが作りたいものをお客様にも楽しんでいただけそうだという手応えを得られたのが大きな成果でした。来年は,こうした経験を活かし,海外へ向けて挑戦していきたいですね。

4Gamer:
 新たなマーケットへの挑戦という意味では,12月に「STARLY GIRLS -Episode Starsia-」iOS/Android)の正式サービスがスタートしていますが,今後はスマートフォンにも力を入れていくのでしょうか。

安田氏:
 個人的にはコンシューマゲームに思い入れがありますし,角川ゲームスではこれからもコンシューマ向けのタイトルを作り続けていきますが,スマートフォンゲームにも同様に力を入れていきます。また2017年には,すでに「ProjectCode -堕天-」として発表しているタイトルや,角川ゲームスならではの新作についても発表できると思います。

4Gamer:
 今後の発表を楽しみにしています。本日はありがとうございました。

「GOD WARS 〜時をこえて〜」公式サイト


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(2016年12月13日収録)
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