結のほえほえゲーム演説：第251回「池袋PARCOの『違う冬のぼくら展』に行ってきました」

　ごきげんよう。タレントとして活動しております。結です。

　東京・池袋PARCOで開催中の「違う冬のぼくら展」の内覧会にお邪魔させていただきました。「違う冬のぼくら」「違う星のぼくら」の初となる展示会ということで「これは絶対に行かねば……！」と思っていたところ，PARCO GAMESさんからご招待いただきました。嬉しすぎる。

　というわけで行ってきました！

　通常こういったイベントって，「新作グッズが買える！」「アートやビジュアルを堪能できる！」といった楽しみ方がメインになると思うのですが，この展示会，私をもっともっと奥深くまで連れていってくれました……。冒頭でハッキリとおススメします。本作のファンはもちろんのこと，個人的には「クリエイターになりたい人」や「ゲーム作りに興味がある人」には必見の展示会だと思います。

　というのもですね，この展示会には，講談社ゲームクリエイターズラボに応募された際の「ゲームの企画書」が展示されているのです。この企画書の何が凄いって，コンセプトどころかゲームの仕組み，遊び方，ストーリー，企画意図など……ほぼすべての要素が載っているんです。

　あまりの完成度に驚いて「ゲームって，最初からこんなに完成しているものなんですか……！？」と，内覧会にいらっしゃったお二人（作者のところにょりさんと，講談社ゲームラボの片山裕貴さん）に思わず尋ねてしまいましたが，やはり滅多にないことだそうです。読めば読むほど読み物としての完成度も高く，隅から隅まで熟読してしまいました。

　ほかの誰かがこのアイデアに気付き，先にゲームをリリースして「今作が二番煎じになってしまうことが今はなによりも恐ろしい」という一文を読んだとき，思わず泣きそうになってしまいました。


　私事ですが，以前からゲームにまつわる「とあるテーマ」で本を出すことが夢です。フリーランスになり，これから出版に向けてしっかりアプローチせねば！　と思って準備しているところですが，他の誰かが私より先に，同じアイデアで先に動いてしまったら……と焦燥感に駆られっぱなしです。

　そんな自分自身が抱える焦燥感にカッコ悪さを感じていたのですが，ところにょりさんの企画書を読みながら，こんなにキラキラした焦燥感があるんだ……と衝撃を受けました。こんな風に想いをまっすぐ伝えられるのって，とてもカッコいいなぁと。しかも企画書から1年でゲームのリリースまで実現させているわけで。背筋がのびるような気持ちでした。

　ところにょりさんのゲーム開発デスクの再現＆本棚の展示も見どころ抜群です。人の本棚を見るのって楽しいですよね。友達の家の本棚とかね，ついジロジロ見ちゃいますよね。


　本棚の一番上に並んでいたのは，本作のビジュアルも担当されている久米田康治先生の「さよなら絶望先生」と，手塚治虫先生の「火の鳥」でした。復活編とゲーム本編の共通点に気付いて思わずニヤリ。日本文学の古典や戯曲と並んで，私の大好きな漫画であるTAGRO先生の「マフィアとルアー」を見つけて思わず声をあげてしまいました。好きなゲームクリエイターの本棚を眺めるのってこんなに楽しいんですね……。

　見れば見るほど，作者ところにょりさんの頭の中を覗いているような感覚になる，ファンにとってはたまらない展示でした。販売されているグッズの種類も豊富です。中でもグッズの特典である「違う冬のぼくら」シナリオ集が素晴らしかったです。一人でもゲーム本編をそっと思い出せるものになっていて，掌におさまるサイズや，手触りの良い紙も宝物にするのにぴったり。


　「違う冬のぼくら展」は，池袋PARCO特設会場にて，2025年10月10日から11月3日まで開催中です。みなさんもぜひ。

一部を除く会場の写真はこちらのイベントレポート記事のものから。そちらにはところにょりさん，片山さん，PARCO GAMESの石井健斗さんのお話も

■■結（女優・タレント）■■
女優・タレントとして活動中。国内映画祭にて主演女優賞を多数受賞。幼少期からのゲーム好きが高じ，数多くのゲーム番組でMCを務め，イトキチ（糸吉）の愛称で親しまれている。

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