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[インタビュー]ラヴィはヒロインじゃなくてヒーロー。TVアニメ「The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War」,小市眞琴さんへの合同インタビューを掲載
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印刷2022/12/24 08:00

インタビュー

[インタビュー]ラヴィはヒロインじゃなくてヒーロー。TVアニメ「The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War」,小市眞琴さんへの合同インタビューを掲載

画像集 No.001のサムネイル画像 / [インタビュー]ラヴィはヒロインじゃなくてヒーロー。TVアニメ「The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War」,小市眞琴さんへの合同インタビューを掲載
 日本ファルコムのRPG「英雄伝説 閃の軌跡」(以下,「閃の軌跡」)シリーズを原作とするTVアニメ「The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War」が,2023年1月8日(日)よりTOKYO MX他にて放送される。

 物語の舞台となるのは,のちにエレボニア帝国との戦い“北方戦役”が繰り広げられるノーザンブリア自治州。祖国を守るために立ち上がった傭兵組織“北の猟兵”の視点からゲームでは語られなかった物語を描く,完全オリジナルのストーリーが展開する。

 今回は,そんな本作の主人公である,ラヴィアン・ウィンスレットこと“ラヴィ”を演じる小市眞琴さんへの合同インタビューが行われたので,その模様をお届けしよう。ラヴィの魅力はもちろん,作品全体の見どころについても語ってもらったので,アニメの内容が気になっている人は必見だ。

小市眞琴さんが演じる主人公,ラヴィアン・ウィンスレット
画像集 No.007のサムネイル画像 / [インタビュー]ラヴィはヒロインじゃなくてヒーロー。TVアニメ「The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War」,小市眞琴さんへの合同インタビューを掲載

「The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War」公式サイト


『The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War』

2023年1月8日(日)放送開始
TOKYO MX:1月8日より毎週日曜日23:30〜
AT-X:1月9日より毎週月曜日23:00〜
BS12 トゥエルビ:1月12日より毎週木曜日26:00〜

1月6日より毎週金曜日22:00〜
DMM TVにて地上波先行配信!


寡黙な少女の豊かな感情を,ひと言に込める

意外なキャスティングで生まれた新しい演技


――本作への出演が決まる前から「閃の軌跡」シリーズのことはご存じでしたか?

小市眞琴さん
画像集 No.008のサムネイル画像 / [インタビュー]ラヴィはヒロインじゃなくてヒーロー。TVアニメ「The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War」,小市眞琴さんへの合同インタビューを掲載
小市眞琴さん(以下,小市さん):
 名前は知っていましたが,実際に遊んだことはなかったんです。当初は「歴史のある有名な作品なんだなぁ」という,漠然とした印象しか持っていませんでしたが,触れてみると世界観設定もキャラクターも膨大で驚きました。これは確かに愛されてきたシリーズなんだと,実感させられましたね。

――かなり息の長いシリーズですから,あとから追うのは大変ですよね。役が決まったときの感想はいかがでしたか?

小市さん:
 嬉しい気持ちも強かったんですが,人気シリーズのオリジナル主人公ということもあり,これまでシリーズを楽しんできたファンの人達の反応を考えると,やっぱりプレッシャーはありました。

――現時点でどこまで収録を終えられているのでしょうか。また,収録を経て,作品に対してはどういった印象を受けましたか?

小市さん:
 すでに,全話の収録が終わっています。シリーズに直接触れたのは初めてでしたが,この12話を通してその良さ,素敵さを存分に感じることができました。放送されたお話を全部見ていただけたら,皆さんにもそれが伝わるんじゃないかなと思っています。

――オーディションでは,最初からラヴィ役を志望していたのでしょうか。

小市さん:
 4人のメインキャラクターの中で,女の子はラヴィとイセリアの2人なんですが,私はその両方を受けていたんです。私的にはイセリアのほうが演じやすかったので,マネージャーさんとは「決まるならイセリアですかね!」という話をしていたんですが,まさかのラヴィ役に決まりまして。

――小市さん的には意外性のあるキャスティングだったと。

小市さん:
 ありましたね。イセリアは感情を表にはっきりと出す子で,ラヴィとは対象的な部分があるんです。私が担当するキャラクターは,どちらかというと感情を出すタイプが多かったので,ラヴィ役で受かったと聞いたときは「そっちなんだ!」と驚きました。

――公開されたビジュアルや設定を見ると,ラヴィはクールで格好いい印象を受けます。実際に演じてみて,彼女はどんなキャラクターでしたか?

小市さん:
 寡黙でクールなのは第一印象のとおりなんですけど,実は年相応な部分もあるんです。独断で単独行動しちゃったり,でも戦いが終われば「アイス食べたいな……」とか言ってみたり,その料金を相方のタリオンに払わせちゃったりとか(笑)。

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――ちゃんと少女としての一面があるんですね。

小市さん:
 当然,傭兵としてはメチャメチャ強いんですけどね。少女っぽいところも残しつつ,戦士としての強さを持ったキャラクターかなって考えてます。物語の中でどんどん成長していくので,その過程を一緒に楽しんでいただけると嬉しいですね。

――演じているときに意識した点,大切にしていた点などがあれば教えてください。

小市さん:
 いっぱいしゃべるキャラクターなら,いろいろな場面に感情を入れられるんですけど,ラヴィはそれが難しいんです。「ここしか,しゃべるところがない!」となると,その中でどうやって感情を表現すればいいのか,よく考えていました。
 周囲のみんながしゃべっていても,ラヴィはそれに相槌を打つだけとか,なんなら完全に黙って1人で行動しちゃったりする子なので,言葉を発する機会自体が少ない。だから,ひと言がすごく重要になってくるんです。

――少ない機会の中でキャラクターを表現するのは,確かに難しそうです。

小市さん:
 アニメには絵があるので,そこで感情を表現している部分はあると思います。でも,私が演者としてキャラクターの感情を表現できる部分は,その少ないセリフの中だけなんです。声で気持ちを表現したいけど,出し過ぎたらそれはそれでラヴィではなくなってしまう。
 そのうえで,後半では少ない言葉の重みも大きくなっていくので,「このひと言には絶対に感情を乗せたい!」っていう瞬間もありました。ラヴィが持っているクールさを崩さず,どこまで感情を表現するのかは,監督達とも話し合いながら作りました。

――そうした少ない機会にどういった感情を込めたのでしょうか。

小市さん:
 ラヴィは寡黙ではあるんですが,感情自体は豊かな子なんです。声の芝居だけじゃなく,アニメーションや音楽で演技が付けられているので,それは伝わってくると思います。ただ,声としてそれを表現するとなると「もうちょっと喜んでもいいかな」とか,「これは感情を出しすぎかな」とか,いろいろと考えちゃうんですね。
 アクションシーンで叫びすぎると,そこには“熱さ”みたいなものが乗ってきて,キャラクターから外れていってしまうじゃないですか。必要な場面では声を張ることもあるんですが,あくまでクールなキャラクターという軸はずらさないように,表現を調整していました。

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――ラヴィはその出自からも,いろいろな葛藤を抱えていそうですよね。それを演技に反映するにあたり,どうやって理解を深めていったのでしょうか。

小市さん:
 ラヴィの人生の中では,私の実生活では起こり得ないような出来事がたくさん起こっているので,そこを自分に置き換えるのは難しかったですね……。
 でも,ラヴィの悩みの中にも理解できるものがあるんです。親の反対を押し切って入隊したとか,それでも親離れしきれない精神の未熟さとか。自分に重ねて共感できる部分から,徐々に自分では絶対にできないであろう経験の部分も含めて,ラヴィの気持ちを咀嚼(そしゃく)していけたかなと。

――監督と演技について話し合ったということですが,具体的にあった指示や,ご自身からされた提案などがあれば教えてください。

小市さん:
 一番印象に残っているのは,第1話を収録するときに監督さんに言われた「ラヴィはヒロインじゃなくてヒーローです」という言葉ですね。
 役をいただいた当初は,やっぱりラヴィも15歳の女の子ですから,声も若干高めの可愛い感じで作ってきていたんです。それは,私もラヴィをヒロインとして見てたからそうなったんです。でも,監督からは「ラヴィはヒーローとして活躍していくから,可愛さは無しでいいです」と。
 そこで自分がラヴィ役に選ばれたことに納得ができました。それまで抱えていた不安感がなくなって,私の中での方向性が定まったんです。だから,あのひと言は嬉しかったですね。

――“可愛い”より“格好いい”を目指した,といったイメージでしょうか。

小市さん:
 格好良さもそうですが,強さもあります。守られるより「私がみんなを守る!」っていうあり方ですね。周囲の仲間がいるからこそ,そう振る舞えている部分もあるんですが,本人はそうなれるように頑張ってる。私の中でのラヴィは,そういうイメージです。

――メインキャラクターとして4人の猟兵達が登場しますが,今回は掛け合いでの収録はできましたか?

小市さん:
 できました! とくに最初のほうは4人で行動することも多くて,一緒に行動しているメンバーとは掛け合いで録ることもできて良かったです。

――アフレコ時の雰囲気や,現場でよく話されていたことなどがあれば教えてください。

小市さん:
 収録に入るにあたって,掛け合いをする4人とも「このシリーズはシリアスな話になるぞ」と覚悟して来ていたんですが,意外と楽しく収録できるシーンも多かったんです。現場では「コメディ要素も強いんだね」なんて話をして,盛り上がったりしてました(笑)。
 原作を知っている人は分かると思うんですが,ノーザンブリアって最終的には帝国に侵略されてしまいますよね。だから,すごく重い話になると予想してる人も多いと思うんですけど,それ一辺倒ではないんです。
 メインキャラクターの4人が集結して,まず仲良くなるところからストーリーが始まって,チームとして仲間になっていくところが描かれていくので,そこはとくに楽しく見られると思います。

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――台本はその都度,受け取る感じだったのでしょうか。

小市さん:
 そうなんです。私達もまったく先が分からない状態で,3話くらいの頃は「このままコメディな感じで貫くのかなぁ」とか話してましたね。そして,後半には怒涛のシリアス展開が待ち受けているわけですが!

――視聴者が作品を見るのと,ほとんど同じ立場で演じられていたんですね。

小市さん:
 まさにそうです!

――掛け合いの中で,演者として刺激を受けた部分などはありましたか?

小市さん:
 すっごくありました。それこそ,私以外のメインキャラクターを演じられている皆さんは全員先輩ですからね。一緒に芝居をするだけでも勉強になりますし,いろいろな刺激をいただきながら演じることができました。
 それぞれのお芝居に対するスタンスだったり,監督とのやり取りだったり。「なるほど,そうやって作り上げていくのか」って,直接見ながら学べたのは大きかったです。
 というか,出演されている方全体で見ても私が一番年下だったんじゃないかな。(台本のキャスト欄を確認して)そうだ! うわぁ,今になって気づきました。ラヴィと一緒で,本当に助けていただきながら演じていたんだなって,改めて思いました(笑)。

――毎回必死で思い至らなかったんですね。

小市さん:
 演じているときは,自分が年少だからどうこうとか,そういうことは考えなかったんですけど……。毎回めちゃめちゃ周りから刺激をもらってたことを考えると,そのとおりなんでしょうね。

――とすると,収録を終えてみて成長を感じられたこともあるんじゃないですか?

小市さん:
 ありますね。このお話の中で,主人公のラヴィはめちゃくちゃ成長するんです。たぶん,私も同じくらい一緒に成長しているんじゃないかと思います。きっと! 自分のことなので分かりませんが! ラヴィと一緒に成長できたんじゃないかと思います!

画像集 No.010のサムネイル画像 / [インタビュー]ラヴィはヒロインじゃなくてヒーロー。TVアニメ「The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War」,小市眞琴さんへの合同インタビューを掲載

――では,作品の内容についても触れていきたいと思います。ネタバレにならない範囲で,注目してほしいキャラクターの組み合わせなどがあれば教えてください。

小市さん:
 イヴァーノとタックっていうキャラクターが登場するんですが,彼らはシリアスなストーリーの明るい部分を担ってくれている2人なので,その掛け合いはぜひ注目してみてください。
 あと,原作で主人公だったリィンがラヴィとどう関わっていくのかは,やっぱり見どころになるんじゃないかと思います。2人がどうやって出会い,関わっていくのか。ぜひ注目してみてください!

――猟兵という組織は,原作では敵対する存在として描かれることが多いですよね。内情が描かれることは少ない組織なので,その中心で活動したラヴィを演じた立場から,どんな印象を受けたのかが気になります。

小市さん:
 正直,ラヴィとして演じていて「猟兵はこうあるべき」みたいな考え方をしたことはありませんでした。彼女は町を守りたいから猟兵という立場にいるだけで,組織の中でどうなろうとか,そういうことを考えるタイプの人ではないですから。
 原作で猟兵が敵の立場になりやすいのは確かですが,むしろ今回は帝国が敵なので,ラヴィの視点から……というか私から見ると,帝国ってめちゃくちゃ悪い奴らなんですよ。原作を知っている人にとっては,また違った視点から見る楽しさもあるんじゃないかと思います。

――これまでの主人公サイドの視点とは,かなり違う世界が見られそうですね。

小市さん:
 違いますねぇ。リィンとかもう脅威でしかないですもん。味方だと心強いんですけど,敵になるとめっちゃくちゃ強いですから。

――「閃の軌跡」シリーズは,とても緻密な世界観設定が特徴になっています。演じる中でシリーズの歴史を感じるシーンなどはありましたか?

小市さん:
 たくさんありました。初っ端に“塩の杭事件”というキーワードが出てくるんですが,最初は何のことだか分からなかったんです。それでネットで調べてみると,事件に関連する情報がブワーッと出てくる。そこから派生して知らない単語が出てきて,それを調べている間にまた派生する単語が……となっていって,本当に途方もない世界だなって思いました。
 それって現実世界もそうじゃないですか。例えば織田信長について知ろうとしたら,織田信長にまつわる人物や事件がたくさん出てきて,それがいろいろな情報につながってますよね。まるで現実みたいに情報が重なり合っていて,塩の杭事件一つをとっても,世界の深さを感じ取れました。

画像集 No.006のサムネイル画像 / [インタビュー]ラヴィはヒロインじゃなくてヒーロー。TVアニメ「The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War」,小市眞琴さんへの合同インタビューを掲載

――直接的には物語に関わらなくとも,原作を知ってる人にこそ刺さるシーンも多そうです。

小市さん:
 シーンはもちろん,リィン以外にも原作のキャラクターが出てくるので,原作を知っている人はそこも注目です。楽しみにしていてください!

――では最後に,放送を楽しみにしている視聴者に向けたメッセージをお願いします。

小市さん:
 私は少しだけ原作に触れたものの,しっかり遊んでいる人と比べれば圧倒的に知識が少ない方だと思います。そんな中でも,この12話を経て感動したり,面白さを感じたり,いろいろな感情を体験できました。
 原作を知らなくても楽しめるお話で,アニメにも原作のキャラクターが登場するので,これをきっかけにしてゲームにも触れられる作品になってます。アニメからゲームに,ゲームからアニメにと,相互に盛り上がってくれたら嬉しいなと思います!

「The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War」公式サイト


(C)2023 Nihon Falcom/「閃の軌跡NW」製作委員会
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