
インタビュー
サンドボックス型MMOへの回帰を目指して。「Dune: Awakening」の開発者に,原作へのこだわりや見どころを聞いた
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本作は,1965年に発表されたSF小説「デューン砂の惑星」と,それをベースに2021年に公開された映画「DUNE/デューン 砂の惑星」を原作としたサバイバルMMORPGだ。
プレイヤーは不毛の惑星である「アラキス」に降り立ち,厳しい自然や強大なサンドワーム,あるいは危険な無法者たちから生き延びつつ,メランジと呼ばれる超物質や宇宙の覇権をめぐる領家の戦いに巻き込まれていく。
また2026年にはコンソール版の発売も決定しており,サバイバルゲームの新境地として注目を集めているタイトルでもある。
本稿では,この発売に際して行った開発者へのメールインタビューをお届けする。
回答いただいたのは,Funcomのチーフ・クリエイティブ・オフィサーで,本作のクリエイティブ・ディレクターを務めるJoel Bylos(ジョエル・バイロス)氏だ。
SFジャンルの金字塔たる「デューン」を原作とした理由や,そこへのこだわり,またゲーム中盤以降のコンテンツについて話を聞いているので,本作のプレイヤーはぜひご一読いただきたい。
「Dune: Awakening」公式サイト
サンドボックス型MMOへの回帰を目指して――クリエイティブ・ディレクター Joel Bylos氏メールインタビュー
4Gamer:
「デューン砂の惑星」のゲーム化にあたり,とくにこだわった部分を教えてください。またMMORPGというジャンルを選択した理由はなんでしたか。
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こだわった部分はすべてです! 本物の「デューン」のゲームを作るために,物語や映画の本質をとらえることを目指しました。砂漠のサンドワームや過酷な環境,そして帝国上層部の政治や陰謀に至るまで。これは非常に大規模な取り組みでした。
一点だけ補足すると,私たちは「MMO」というジャンルを選びましたが,「RPG」というジャンルを謳ったことはありません。実際には,サバイバルとMMOを融合させるという,まったく新しいアプローチに挑戦しています。
なぜその道を選んだのか? それは非常にシンプルです。私たちはかつての「スター・ウォーズ ギャラクシーズ」や「ウルティマ オンライン」のような,サンドボックス型MMOの大ファンだからです。
私たちは,サバイバルゲームこそが,こうした“プレイヤー主導”のサンドボックス型ゲームへの回帰だと考えています。「Dune: Awakening」は,まさにそのスタイルを“再び呼び起こす”チャンスなのです。
また,Funcomは長年にわたりマルチプレイヤーオンラインゲームの開発を行ってきた経験があり,この方向性は私たちのスキルセットとも非常に相性が良かったのです。
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4Gamer:
本作は,どんなタイプのゲーマーに向いたタイトルでしょうか。例えばソロ志向のプレイヤー向けであったり,PvPが好きなプレイヤーに向くといった,大まかな方向性を教えてください。
Bylos氏:
本作はソロプレイヤーにもグループプレイヤーにも対応できる内容になっていると思います。というのも,本作には一人でも,仲間と一緒でも楽しめるさまざまなコンテンツが用意されているからです。
クラフターやビルダーにとっては,深みのあるクラフトや建築システムがあり,十分にやり込める要素が揃っています。冒険好きなプレイヤーやサバイバル志向のプレイヤーにとっては,危険やサンドワームを避けながらアラキスを探索する体験が待っています。戦闘を好むプレイヤーには,PvEでもPvPでも充実したバトルを楽しんでもらえるでしょう。そして最後に,ソーシャル志向のプレイヤーは,本作のロールプレイや政治的駆け引きを存分に楽しむことができるでしょう。
このように,どんなプレイスタイルのプレイヤーでも,あるいはその組み合わせを好む人も,きっとそれぞれ本作を楽しんでいただけるはずです。
4Gamer:
CBTをプレイしましたが,本作はとくにクラフトに力を入れたタイトルだと感じました。競合するタイトルも多いジャンルだと思いますが,これらとの差別化でとくに意識したことはありますか。
Bylos氏:
「Dune: Awakening」は,「デューン」ならではのクラフト要素に特化しています。
プレイヤーは,「デューン」特有のサバイバル状況に対応するため,特殊な用途のアイテムの作成を促されます。例えば,サンドワームを誘き寄せて別の場所に移動させるためのサンパー※をクラフトするといった体験は,ほかのサバイバルゲームでは味わえないものです。また,花から水分を採取するための露刈り器を作ることもできます。
私たちは,「DUNE」の中でもとくに魅力的で独自性のある要素に焦点を当て,開発を進めてきました。
※音を感知するサンドワームを引きつけるため,地面を叩き続ける装置のこと。
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4Gamer:
序盤は水の確保や熱射病対策など厳しくて,サバイバルの比重がかなり高いと感じました。これはゲームが進行すると緩和されるものなのでしょうか。
Bylos氏:
本作では,「階段式」あるいは「段階的」の進行スタイルを採用しています。つまり,プレイヤーがある程度の困難を乗り越えると,新たな課題が提示される仕組みです。例えば,保水スーツを手に入れれば個人の水分管理はそれほど重要ではなくなりますが,今度はクラフトのための「水資源」の管理が求められるようになるのです。
4Gamer:
本作は原作の世界観に忠実なタイトルですが,その一方で,原作を知らないプレイヤーにとっては説明が足りないと感じる部分もありました。この辺りのフォローは何か考えているでしょうか。
Bylos氏:
本作には,映画に登場するいくつかの概念を解説する「コーデックス(用語集)」が用意されています。そしてもう一つ,私たちが期待しているのは,プレイヤーが「デューン」の世界観をゲームの文脈の中で自然に学んでくれることです。ゲームプレイを通して,プレイヤー自身がそうした概念や世界観を探求できるように工夫しています。
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4Gamer:
反対に原作ファンに注目してほしいポイントはどこですか。例えば原作のキャラクターと邂逅するようなクエストやイベントなどはあるでしょうか。
Bylos氏:
本作には,原作に直接関係するキャラクターやクエストが数多く登場します。あまり多くを語るとネタバレになってしまうので控えますが,「デューン」のファンであれば,メインストーリーにはとくに強く惹きつけられると思います。
4Gamer:
CBTでは体験できなかった,ゲーム中盤から終盤にかけての見どころを教えてください。ディープデザートにおけるPvPが中心とのことですが,それ以外にも何かあるでしょうか。
Bylos氏:
マップ内の特定のエリアである「砂漠の奥地(ディープデザート)」は,「コリオリの嵐」と呼ばれる巨大な砂嵐が吹き荒れる場所で,砂嵐によって毎週リセットされる仕組みになっています。ここでは特殊な資源が見つかるため,ギルドによる争奪戦が繰り広げられる重要な係争地となります。PvPエリアであるため,ここでの行動は基本的にチームで行うことが前提になるでしょう。
そして,もう一つのエンドゲーム要素が「領主会議」です。これは各派閥に大規模な目標を与え,政治機関の支配を目指して活動し,週ごとにサーバー全体に影響を与える投票を行うシステムとなっています。
4Gamer:
本作を楽しみにしている日本のファンにメッセージをお願いします。
Bylos氏:
日本のファンの皆さま,いつも温かいご支援を心より感謝申し上げます。
「Dune: Awakening」を皆さまにお届けできることを,私たちは大変うれしく思います。そして,皆さまからのご意見・ご提案を受け止め,今後の改善に活かしてまいります。本当にありがとうございます。
4Gamer:
ありがとうございました。
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- ライター:津雲回転

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