第2回「Dune: Awakening」
灼熱の太陽が砂丘の稜線に沈み、二つの月が昇る時刻。アラキスの砂漠は不気味な静寂に包まれていた。かつてこの地を闊歩していたフレメンたちの姿は消え、残されたのは彼らの遺跡と、風に消えゆく足跡だけ。この世界線では、運命の子ポール・アトレイデスは生まれなかった。レディ・ジェシカはベネ・ゲセリットの命に従い、男児ではなく女児を産んだのだ。そして今、生き延びたレト・アトレイデス公爵とウラディーミル・ハルコンネン男爵が、宇宙で最も貴重な資源――メランジを巡って血で血を洗う戦いを繰り広げている。あなたは一人の囚人として、この呪われた砂の惑星に降り立つ――。
人間界のゲームに心奪われた魔王・赤城朱音(あかしろ あかね)。目つきも口調も悪いが実はお嬢様な龍恩寺凛(りゅうおんじ りん)。ボードゲームとミニチュアが大好きな天然ギャル・新山穂香(にいやま ほのか)。――そこは私立四亀学園。放課後の空き教室には,今日も3人の姿があった。
つ、つ、ついに完成したのじゃー!
おおう、どうした急に。
ふっふっふ、これを見てくれ。
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これってたしか、デューンに出てくるやつじゃないか?
そのとおり! オーニソプターじゃ! このトンボみたいなフォルムがたまらんのぉ。
朱音ちゃん、鉄いっぱい掘ってきたよ!
なんだ、穂香も一緒にやってるのか。
うん、朱音ちゃんに誘われて始めたの!
ふ〜ん。で、これはデューンのゲームってことでいいのか?
うむ。これは「Dune: Awakening」といってな、デューンの世界観をベースにしたサンドボックス型サバイバルゲームなのじゃ。
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つまり「ARK」とか「Conan」みたいなものか。デューンの世界だと水がめちゃくちゃ貴重だし、たしかにサバイバルってジャンルと合ってるかもな。
辺り一面が砂の惑星じゃからの。このゲームでも、水なんてものはそう簡単には手に入らん。
朱音ちゃん、遺体もたくさん集めておいたよ〜!
よいぞ穂香。では例の装置に置いてくれ。
遺体と装置ってまさか……。
そうじゃ、水は遺体から搾り取る。映画にもそういうシーンがあったじゃろ?
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あとね、このスーツを着てると勝手に水が作られるんだよ。凄いでしょ!
ああ、それも原作にあったよな。スティルスーツだっけ? 汗とかをろ過してくれるんだよ。
えっ、じゃあ穂香は自分の汗を飲んでるってこと……? うぇ〜。
遺体の水を飲んでるヤツが気にすることじゃないだろ……。
ほかにも敵の遺体から注射器で血を抜いて、それを浄化して水にする――なんてこともできるぞ。
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水への執着が凄いな……。まあ原作に忠実といえばそうなんだけど。主人公のポールは出てくるのか?
出てこないぞ。このゲームはポールが生まれなかった世界線を描いておるからの。
そうなのか。じゃあ、ほかの設定も結構変わってる感じ?
いや、ほとんどの設定は原作から引き継がれておる。ゲームの舞台は「アラキス」じゃし、そこではアトレイデス家とハルコンネン家の間で内戦が繰り広げられておるのじゃ。
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そうなると、プレイヤーはどういう立場なんだ?
ベネ・ゲセリットのエージェントということになっておる。フレメンを見つけ出し、「眠れる者」を目覚めさせるのが使命じゃ。
へえ〜。じゃあ、ボイスも使えるのか?
クラスでベネ・ゲセリットを選べば使えるぞ。
穂香は演算士にしたんだ。一緒に戦ってくれるタレットを設置したり、飛行ロボットを操作して敵を一撃で倒したりできるの〜。
後者のはハンターシーカーってやつだな。映画だとポールに素手で壊されてたけど。朱音は何にしたんだ?
ワシはもちろんベネ・ゲセリットじゃ。声で人を操れるなんて、素晴らしいではないか。まあ、ワシも同じようなことはできるのじゃが。
そういえば魔王って設定だったな。
そうそう……って、設定ちゃうわ!
んで、そのクラスってのは最初に選ぶのか?
そのとおりじゃ。最初に選ばなかったクラスは、そのトレーナーのクエストを進めるとスキルツリーにアクセスできるようになるぞ。いろいろなクラスのスキルを組み合わせて、自由にビルドできるのじゃ。
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サンドボックス型のサバイバルゲームってことは、クラフト要素もあるんだよな?
うむ。さっき完成したオーニソプターもそうじゃが、このゲームでは拠点から武器、設備、乗り物まで、いちから素材を集めて作ることになるぞ。
ねえねえ朱音ちゃん! 早くそのトンボさんに乗ろうよ!
すまぬが穂香、これは一人用なのじゃ。
えぇー! 楽しみにしてたのに!
原作だと3人くらいで乗ってなかったか?
そういうタイプもあるのじゃが、それを作るにはもっと上級の素材が必要でのぅ……。このソプターだって、設計図を開放するのに何十時間もかかっておるのじゃ。
朱音ちゃん! これすごく楽しいよ! アラキスの風を感じる!
穂香はそれでいいのか……? で、設計図はARKみたいに覚えていく感じなのか?
そうじゃ。レベルアップでもらえる研究ポイントを使って習得していくスタイルじゃな。
ふーん。てか、お前らの拠点すごいところに建ってるな……。
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でしょでしょ? ここ、穂香が見つけたの!
ここに限らず、建設が許されている場所であればどこでも拠点を作れるのじゃ。
それにここ、目の前が交易所だからすごく便利なの!
交易所では何ができるんだ?
NPCから素材を買ったり、逆に売ったりもできる。掲示板で依頼を受けることもできるし、タクシーサービスを使って各国家の拠点に飛ばしてもらうこともできるぞ。
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さっきから気になってたんだけど、ほかにも拠点がちらほら建ってるよな。ここってプライベートサーバーじゃないのか?
いや、ここは公式サーバーじゃ。いちおうプライベートサーバーもあるのじゃが、このゲームはMMO的な側面もあってな、なるべく公式サーバーで遊ぶのがオススメなのじゃよ。
MMO? 朱音たちがいる場所って何人くらいのプレイヤーがいるんだ?
ここはハガ盆地といってな、正確な人数はわからぬが、数十人のプレイヤーと共有しているのじゃ。こことは別に、PvPを軸にした「ディープデザート」という場所もあって、そこでは何百人というプレイヤーが貴重な資源を巡って争いを繰り広げておる。
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ハガ盆地はPvE専用って感じなのか?
基本的にはそうじゃな。敵対的なNPCがそこら中におって、研究所という名のダンジョンも各地に点在しておる。どの場所もオープンなエリアじゃから、その場に居合わせたプレイヤーと協力して攻略したりすることもあるぞ。
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なるほどね。戦闘はどんな感じなんだ?
銃を使った遠距離戦がメインじゃが、ビルド次第では剣を持って敵陣に切り込んで暴れまわることもできるぞ。
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でもシールドが厄介だよね〜。
たしか動きの早い物体を弾くんだっけか。それもあって映画だと近接戦が多かったよな。
うむ。ゲームでもシールド持ちを相手にする場合は近接武器で戦うか、専用の銃弾を使う必要があるぞ。
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原作の要素をうまくゲームに落とし込んでるって感じだな。面白そうじゃん。ところでサンドワームは出てくるのか?
もちろんじゃ。穂香、これをあそこに置いてきてくれ。
わかった〜。
お、おい、今渡したのって……。
まあ見ておれ。
置いたよ〜。次はどうすればいいの〜?……って、きゃああああ!
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な? これも原作通りじゃろ?
たしかにそうだけど、穂香で試すなよ……。
あ、危なかった〜。
ちなみにサンドワームに食べられると持っているものをすべてロストするのじゃ。絶対にあれだけには食われたくないのう。
映画みたいに乗れるのか?
残念じゃが、それはできないのじゃ。まああれを見た人間なら試したくなるのは当然じゃし、いずれは実装してもらいたいところじゃな。
凛ちゃんも一緒に遊ぼうよ〜。
そうじゃそうじゃ! てしt……仲間はたくさんいたほうがいいからの。
いま手下って言おうとしただろ?






























