新作TPS「CROSSFIRE」発表。移動やカバーなどでの地形の利用が生死を分ける
That's No Moonは,本日(2026年6月6日)配信された「Summer Game Fest 2026」で,新作「CROSSFIRE」を発表し,トレイラーを公開した。本作は,男女2人の兵士が戦場を生き抜く姿を描くTPSで,移動とカバーといったアクションによって,地形を利用することが重要になるようだ。
オリジナル版CrossfireのIPを保有するのはSmilegateだが,新作の開発をリードするのは新興スタジオThat's No Moon(TNM)だ。
Summer Game Fest 2026に合わせて開かれたメディアイベントで,そのスタジオを訪問する機会を得た。
本稿では,発表されたばかりの新生Crossfireと,それが生まれたスタジオ,そして本作のキーパーソン2人に実施したインタビューの内容を紹介しよう。
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今回発表されたCrossfireは,Smilegateが擁する同名のFPS IP「Crossfire」をナラティブごと再構築した新作である。元の「Crossfire」は全世界で10億人以上がプレイしたタイトルだが,TNMが目指すのは「Crossfireをまったく知らない人でも楽しめ,かつ長年のファンをも満足させる」作品だ。
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クリエイティブディレクターのTaylor Kurosaki氏は「バットマン」を引き合いに出した。バットマンが異なるクリエイターの手で何度も再解釈されながら生き続けてきたように,CrossfireというIPも「善と悪の二項対立ではなく,どちらも正しくどちらも間違っている」というテーマ性さえ守れば,いかなる形でも成立するのだという。
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ジャンルはタクティカル・アクション・アドベンチャーだ。プレゼンテーションでは,このゲームがやらないことが先に宣言された。マルチプレイは搭載しない。
ライブオペレーション(運営型の継続サービス)も行わない。そしてブランチングナラティブ(ストーリーが分岐するシステム)も採用しない。「開発者が意図して作り込んだ一本道の物語」として完結すると明言された。
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この「一本道」という判断には,Kurosaki氏なりの確固たる哲学がある。
「いい物語とは,終わったときに『こういう展開になるべきだった』と感じるものです。『あっちのルートのほうがよかったかもしれない』と迷わせるものではありません。驚かされながらも,それ以外の結末はありえなかったと思えるような必然性がある。それが本当に質の高いストーリーだと信じています」。
プレイヤーが操作する主人公はレイラ(Layla Qassem)で,彼女は変革と進歩を信じる傭兵だ。そして行動をともにする相棒はデルロイ・クロス(Delroy Cross)。彼は安定と秩序を重んじる男だ。
この2人は思想的に完全に対立しているが,ある実存的な脅威――本作のSF的な核心であり,詳細は今後明かされるという――に直面し,生き残るために共闘を余儀なくされる。なお,プレイヤーが操作するのはレイラのみだ。
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Kurosaki氏はこのゲームを「共感(empathy)の物語」と位置づけた。自分とは違う考えを持つ人間,同意できない人間,価値観を共有できない相手に対して共感する。それがこのゲームの根幹にあるテーマだという。
そしてこのテーマは,ゲームプレイにも直結している。物語上でプレッシャーを受ける2人のキャラクターが「だからこそ協力する」というリアリティを成立させるには,プレイヤー自身も同じプレッシャーを感じていなければならない。物語とゲームプレイが切り離せない形で設計されているのは,この理由からだ。
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プレゼン後半ではJacob Minkoff氏がゲームデザインの核心を説明した。戦闘は「現実的で,かなりチャレンジングになるよう設計している」という。難度が高く,正面から撃ち合って勝てるゲームではない。
Minkoff氏は,「現実世界では,同等の装備・訓練を受けた2つの集団が真正面からぶつかれば,数が多いほうが勝ちます。少人数の部隊が大きな敵に勝つ唯一の方法は,地形を活用し,ゲリラ戦術を使い,ステルスで動くことです。このゲームはそれを求めています」と語る。
そして,ランボーのように立ったまま弾を浴びて撃ち返すゲームではないと,Minkoff氏は明言した。射線を断ち,移動し,フランク(回り込み)で敵の裏をとる。このゲームは「強さより戦略(strategy over strength)」で勝つものだという。
従来のカバーシューターは「カバーに接触すれば安全,離れれば危険」という単純な仕組みだったが,本作にはAdaptive Coverと呼ばれるシステムが用意されている。
このシステムが生まれた背景を理解してもらうため,過去20年のカバーシューターが抱えてきた制約から説明しよう。
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「Gears of War」以来,このジャンルのマップ設計には暗黙のルールがあった。プレイヤーが踏み越えられる段差の高さ,低いカバーに使える高さ,高いカバーに使える高さ――それぞれに許容範囲が定められており,その間の高さは「使えない」としてマップの設計から除外されてきた。
必然的にマップはクレートや柱といった四角い箱が並ぶ階段状の地形になる。慣れたプレイヤーは,戦闘エリアに足を踏み入れた瞬間,「あ,ここで戦うんだな」とすぐに察知してしまう。
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20年前は斬新だったカバーシステムも,今では見慣れたパターンに成り果てたわけだ。カバーシューターというジャンルの作品が減少してきた理由の一つはそこにあると,Minkoff氏は指摘する。
UE5のNanite(※)は,この制約を根本から崩せる技術だった。ポリゴン数をほぼ無制限に扱えるこの技術を使えば,自然の岩場のような,複雑で有機的な地形をゲーム内に構築できる。
だが問題が残った。美しい地形は作れても,「その地形でキャラクターをどう動かすか」のシステムが存在しなかったのだ。
※Nanite……ポリゴン数の上限という従来の制約を事実上撤廃するEpic Gamesの仮想ジオメトリ技術で,どれだけ複雑なモデルでも処理負荷を自動的に最適化する
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Minkoff氏は実際に公園へ行き,岩や起伏の多い地面を這い回って人間の動きを研究した。続いて東ヨーロッパのエアソフト(サバイバルゲーム)アリーナの映像を調査した。
本物の人間が複雑な地形でどのように身を隠し,どのように地形を利用して移動するか。その動きを参照として,Adaptive Coverの設計が始まった。
システムの仕組みはこうだ。プレイヤーがカバーボタンを押すと,キャラクターの周囲に半円状の判定領域が生成され(見えはしないが),それと敵の視線方向との交差が計算される。
これによって「敵から見えない安全な体積(グリーンゾーン)」が算出され,そのゾーンに収まるよう,モーションマッチングシステムが自動で最適な姿勢を選択する。
岩のくぼみに身を沈める,斜面に背中を貼りつける,腰をかがめながら射線だけを切る――地形の形状と敵の位置に応じて,無数の姿勢を自動で選び取るわけだ。
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このモーションマッチングのデータベースには数十万通りのアニメーション間の接続が収められており,実際にステージで収録した数千時間分のモーションがその基盤となっている。
重要なのは,カバーオブジェクトに「接触」する必要がないことだ。従来のシステムは壁などのオブジェクトへの張りつきが前提だったが,Adaptive Coverでは遮蔽物から離れた位置でも姿勢を下げることで射線を切れる。
移動しながらリアルタイムに姿勢が変わり,地形の起伏そのものを盾として使う感覚に近い。
Adaptive Coverの存在によって地形での有機的な判断が求められる本作では,プレイヤーは常に周囲を分析し続けなければならない。どの遮蔽物が使えるか,敵の視線はどこか。そこに一種の知的な緊張が生まれるのだという。
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メディアへのプレゼンテーションに続き,Minkoff氏が実際に本作をプレイしてみせた。
プレアルファ段階であることをあらかじめ断ったうえで,レイラとクロスが「まだ互いを信じきれていない」序盤の一場面を披露。2人が敵の展開する野外を突破しながら高台の目標地点を目指すシークエンスで,Adaptive Coverの動作とステルス重視の戦闘の手ざわりを確認できた。
静かな岩場でレイラが素早く姿勢を変えながら敵の視線を断つ動きは,確かに「これまでのゲームでは見たことがない動き方」だ。
今回のプレゼンテーションはTNMの社屋で行われており,Kurosaki氏によってスタジオ施設も紹介された。
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TNMの拠点となっている建物はかつて,「House of Moves」というモーションキャプチャ専門会社の施設だったという。初代「アンチャーテッド」をはじめ,この場所で俳優の動きが記録されたという歴史がある。
その後,施設はディズニーが取得し,実写版「ライオン・キング」や配信ドラマ「マンダロリアン」シーズン1の制作に使われた。そしてディズニーが退去したのち,入れ替わるように腰を据えたのがTNMである。
スタジオの名は「スター・ウォーズ」の台詞「That's no moon, it's a space station(あれは月じゃない,宇宙ステーションだ)」に由来する。2021年に設立され,ロサンゼルスを拠点としながらも,実態はフルリモートの分散型スタジオだ。物理的な建物を持ちつつ,人員は各地に散っているという。
スタジオツアーの目玉は,撮影ステージだった。
ここに導入されているのは,ジェームズ・キャメロン監督の「アバター」でも使われたものに通じる,最新のパフォーマンスキャプチャ技術である。TNMが取り入れているのは「Live Unreal」と呼ぶ手法だ。
俳優のパフォーマンスキャプチャと同時に,Unreal Engine 5をリアルタイムで動かす。照明やVFXがその場で反映され,収録現場で完成形に近い絵を確認できる。
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撮影監督は,モーションキャプチャ用のマーカーを取り付けたバーチャルカメラを手に,俳優の演技をライブでフレーミングしていく。動きを記録するだけでなく,その動きをどう「画」として切り取るかを,現場で同時に決めていくという。
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ステージにはワイヤースタント用のトラスが組まれ,ゲーム内に登場するものと同じ形状をした,柔らかい素材の小道具も用意されている。これらは俳優が安全に,かつ実物の感触を伴って演じられるようにするための工夫だ。
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映像制作の現場をそのままゲーム開発に持ち込んだような環境であり,この建物がモーションキャプチャ施設として歩んできた歴史と,見事に地続きになっている。
スタジオツアーのあと,クリエイティブディレクターのTaylor Kurosaki氏とゲームディレクターのJacob Minkoff氏の合同インタビューが行われた。2人はいずれも「アンチャーテッド」を手がけたNaughty Dogの出身で,18年来のコンビだという。
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──2021年のスタジオ設立発表から長い沈黙が続きましたが,これくらいの開発期間がかかることは最初から想定していたのでしょうか。
Taylor Kurosaki氏:
最初からそう思っていました。新しいゲームだけでなく,新しいスタジオと新しいテクノロジーを,全部同時に作っていたので。以前のゲームより時間がかかることは,最初から計画していました。
──スタジオの設立はUnreal Engine 5の発表と同じ頃ですが,Unreal Engine 5を見てこのゲームを作ろうという確信に至ったのでしょうか。
Taylor Kurosaki氏:
もともと自分たちでエンジンを作るつもりはなく,どのエンジンを使うかを探っていました。Unreal Engine 5を手に入れたとき,NaniteテクノロジーのおかげでAdaptive Coverというイノベーションが可能だと確信したんです。Naniteがなければ,Adaptive Coverは生まれませんでしたね。
Jacob Minkoff氏:
私はSIGGRAPHや研究論文が大好きで,Phase-Functioned Neural Networksという手法に出会いました。これは歩行などの動きを地形に応じて生成する機械学習手法です。UE5のレンダリング技術と組み合わせれば,Adaptive Coverが実現できると確信していました。
多くのチームはUE5を使っても従来の四角い設計でゲームを作り,Naniteで見た目だけを綺麗にしています。私たちはNaniteを,見た目の問題解決ではなくゲームプレイそのものを変える技術として使いました。それがこの革新の核心です。
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──CrossfireというIPを題材に選んだのはどういう経緯からですか。
Taylor Kurosaki氏:
最初にSmilegateから接触があり,「グローバルに通用する高品質なゲームを作ってほしい,あなたたちの情熱のあるものを作っていい」と言われました。
私たちはもともと,善と悪だけではない,どちらも正しくどちらも間違っているというコンセプトのゲームを作りたいと思っていたので,オリジナルCrossfireの開発者に「Crossfireは善チームと悪チームではなく,どちらも正しくどちらも間違っているという意図だったか」と聞いたら,そうだという答えが返ってきたんです。
なので,自分たちのテーマと完璧に一致するIPだと思いましたね。Smilegateからは「好きに作っていい,マイクロマネージしない」と言われたので,IPを預けながらも作り手を縛らないというのが,この新作の土台にあります。
──Crossfireはもともとマルチプレイゲームですが,シングルプレイに変えるにあたって苦労はありましたか。
Taylor Kurosaki氏:
マルチかシングルかにこだわりはなかったです。IPとして大切なのは,正反対の2つの勢力がどちらも正しくどちらも間違っているという世界観です。
それは本でもいいし,映画でも,シングルでもマルチでも表現できます。Crossfireにはもともと,両勢力が共通の敵に立ち向かうモードもあります。だからこの形態になることへの恐れはまったくなかったですね。
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──フルプライスのシングルプレイ専用タイトルとなると,ボリュームや価格に見合うかという疑問が必ず出てきます。現時点で言えることはありますか。
Taylor Kurosaki氏:
まだ開発中なので,具体的なプレイ時間については話せません。ただ,時間を水増しして長くしようとは考えていません。マルチプレイゲームに時間当たりのコスパで勝とうとしても意味がありません。「The Last of Us」には価格に見合うかという疑問は出ないですよね?
深いストーリー,キャラクターとの絆,人を変えるような体験,友達と語り合いたくなる感動,それがシングルプレイの価値です。始まりがあって,中盤があって,終わりがあります。その体験に満足してもらえるものを作っています。
──デモを拝見した印象では,かなり難しそうに見えました。ストーリーが気になるのに先に進めないというジレンマを感じるプレイヤーもいると思います。
Taylor Kurosaki氏:
複数の難度設定を実装します。ただし,難度の下限は設けたいと思っています。難しすぎるのは困りますが,簡単すぎるのはもっと困ります。
キャラクターが絶体絶命の状況だからこそ敵と手を組むという設定を,プレイヤーが信じるには,プレイヤー自身もある程度の苦境を体験していないといけません。
ゲームが簡単すぎると,そのストーリーをプレイヤーが信じられなくなります。それに,Adaptive Coverや戦術的なオプションをすべて使ってほしいので,ある程度の難しさは必要なんですよ。
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──Adaptive Coverはボタン一つで自動的に最適な姿勢をとってくれると理解しています。プレイヤーが自分で判断して隠れたという手応えが薄れてしまわないでしょうか。
Jacob Minkoff氏:
私はミリタリーシミュレーションゲームがとても好きで,スタンスを細かく設定できるような複雑なゲームもよく遊んでいます。でもそういうゲームは学習コストが高くてニッチになってしまいます。
あの複雑な戦術体験を,もっと多くの人に届けるにはどうすればいいかというのが,本作の出発点です。システムを簡略化することで,より多くの人にタクティカルゲームの満足感を届けられるでしょう。
Taylor Kurosaki氏:
プレイヤーが身につけるべきスキルは「スタンスを管理すること」ではなく「環境を分析すること」です。どこに隠れるかを判断し,ここは隠れられる,ここは無理と考えることに知性が問われるのです。
かくれんぼで,いい隠れ場所を見つけたときの喜びと同じですね。アクションのボタン操作は簡単でも,考えることは多いです。
──プレイヤーが操作するのはレイラだけですが,クロスに指示は出せるのでしょうか。
Jacob Minkoff氏:
できません。これは意図的な設計ですね。プレイヤーが相棒に命令できてしまうと,相棒はツールになってしまい,人間として感じられなくなるからです。自律的に動くAIとして設計することで,感情的なつながりが生まれるでしょう。
Taylor Kurosaki氏:
クロスは時に協力的で,時に協力してくれません。なぜならレイラと世界観が違うからです。それが2人のドラマになります。「クロスに謝ってほしい,仲直りしてほしい」とプレイヤーが感じるようになれば,それは完全に没入できている証拠です。
プレイヤーがレイラに感情移入しているから,彼女の視点でクロスとの関係に一喜一憂できます。命令できないという「不便」が,物語への没入装置になっているんですよ。
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──DLCやシーズンパスの予定はありますか。
Taylor Kurosaki氏:
このゲームについては,現時点でそういった計画はありません。始まりがあって,中盤があって,終わりがあります。一本で語り切るスタンドアロンの体験ですね。将来については何ともいえませんが,このゲームはそういう形で完結します。
──進捗や次の情報公開のタイミングについて,言える範囲で教えていただけますか。
Taylor Kurosaki氏:
具体的なスケジュールはまだ言えませんが,ゲームのローンチまで,情報は出し続けていきます。
──ありがとうございました。
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かつて「アンチャーテッド」などのモーションが刻まれた施設で,その作品たちを作った人間たちが,まったく新しいゲームを組み上げようとしている。
技術的な土台はUE5のNaniteであり,物語の土台は「どちらも正しくどちらも間違っている」という,善悪二項対立を拒む世界観だ。
20年続いたカバーシューターの文法を壊す,と彼らは言う。そのための道具としてAdaptive Coverを開発し,そのための物語としてレイラとクロスの脆い同盟を設計した。
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印象的だったのは,Kurosaki氏とMinkoff氏の2人が,技術の話と物語の話を常に一体のものとして語っていた点だ。Naniteが地形を変えたからAdaptive Coverが生まれた。Adaptive Coverが戦闘に致死性を与えたから,2人のキャラクターが「命がけで手を組む」という設定にリアリティが宿る。
ゲームプレイが物語を支え,物語がゲームプレイを支える。それが18年来の2人が掲げる「North Star(目的)」だという。言葉にすれば単純だが,それを実現しようとするとスタジオごと作り直さなければならなかった,という話でもある。
ライブサービスでもなく,マルチプレイもなく,ストーリー分岐もない。一本道の買い切りで,完結する。そういうゲームが今の市場でどう受け入れられるのだろうか。本作の成否によっては,今後のゲーム業界の流れが大きく変わるかもしれない。








































