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心を打たれる音がした――。「Argonavis LIVE 2022 -DIVE into CYAN-」,5人の新たなドラマと熱狂のライブの模様をお届け

 2022年5月7日,神奈川・パシフィコ横浜国立大ホールにて,ボーイズバンドプロジェクトfrom ARGONAVISに登場する5人組ボーイズバンド“Argonavis”のワンマンライブ「Argonavis LIVE 2022 -DIVE into CYAN-」が開催された。

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 本プロジェクトは,ゲームやアニメ,ライブなどさまざまなメディアミックス展開をしており,本公演はArgonavisメンバーのキャラクターボイスを務める演者による,リアルライブとなっている。5人の新たなドラマとともに届けられた,熱狂のライブの模様をお伝えしたい。

左からBa. 前田誠二さん(的場航海役),Dr. 橋本祥平さん(白石万浬役),Vo. 伊藤昌弘さん(七星 蓮役),Key. 森嶋秀太さん(桔梗凛生役),Gt. 日向大輔さん(五稜結人役)
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 Argonavisのフルメンバーが登場するライブは,2022年1月(「from ARGONAVIS 1st LIVE -始動-」)から約4か月,ワンマンとしては2021年11月の函館公演(「Argonavis LIVE 2021 -きっと僕らは-」)以来,約半年ぶりとなる。また,今回行われたライブは事前にボイスドラマが公開されていた。



 5つのバンドがしのぎを削った「LRフェス」が中断され,スポンサーであるダックリバー社からの援助が打ち切られてしまったArgonavis。故郷の函館に帰るか,東京に残るか,残るとしてもどうやって活動していけばいいのか……5人は悩み,それぞれの気持ちを打ち明け合う。

 しかし彼らは,「無理に“希望”に目を向けるのではなく,今のこの不安を曲にしたい」「自分たちを不安にするのは音楽だけど,その不安を乗り越えさせてくれるのも音楽だ」と,ありのままの自分たちで勝負することを決意するのだった――。



 そうした想いを抱えながら,再び彼らが降り立ったステージは,「AGAIN」で幕を開けた。その音はちょっとびっくりするほど力強く,圧倒されてしまった。

 流れるように続いた「Anthem」「可能性」では,ボーカルの七星 蓮(演:伊藤昌弘),ギターの五稜結人(演:日向大輔),ベースの的場航海(演:前田誠二),キーボードの桔梗凛生(演:森嶋秀太),ドラムの白石万浬(演:橋本祥平)の5人それぞれが顔を見合わせて微笑み合い,うれしそうな表情を浮かべていたことに気がついた。

 結人が「皆さん,こんばんは!」と明るい声であいさつし,メンバー紹介へ。「自分たちの“今”を全力で届けたい」という彼らは全員が輝くような笑顔で,ステージに上がれたことを心から喜んでいるように見える。

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 次の「ギフト」は,2019年12月の2ndライブ(Argonavis 2nd LIVE「VOICE -星空の下の約束-」)以来,約2年半ぶりの演奏となる。こうして聴いてみると,筆者がラブソングだと感じていたこの曲の歌詞の「君」が,ファンを指しているように思えた。女性視点で綴られた淡い恋心がいじらしい「Y」,かけがえのないメンバーに向けた言葉が胸に突き刺さる「Pray」と続き,心が揺さぶられる。

 本ライブの新たな試みである“メンバープロデュースグッズ”の紹介で,和やかなムードになったあとは,再び歌の時間へ。「負けられない気持ちを曲にした」という新曲の「Reversal」は,“逆転”の意味のとおり痛快なロックで,クールさと同居する熱さが格好いい。その熱は「STARTING OVER」「JUNCTION」と続き,会場全体をこれ以上ないくらいにヒートアップさせた。

 ライブが終盤に差し掛かり,5人がそれぞれに“諦めない気持ち”を言葉にする。そして「僕らはきっと,まだ旅の途中」と言って届けたのは,「ゴールライン」だった。

 彼らにとっての始まりであるこの曲は,これまでに何度も演奏されてきた。けれど思うのは,この曲は聴くたびに印象が変わるということだ。この日の「そうだ 今がゴールじゃないんだよ」というフレーズには,彼らの強い覚悟を感じる。そして,希望を見つける旅に出る「きっと僕らは」を聴きながら,今日のセットリストの歌詞がすべて今の彼らの心情を描いているのかもしれないと気づいたとき,心に熱いものがこみ上げてきた。

 本編最後の曲の前,蓮が「弱い僕たちの歌を聴いてください」と言った。曲を作れることも,みんなの前で歌うことも,当たり前のことじゃない。だからこそ,みんなとの1秒1秒を大切にしたい。人生にはつらくて悲しいこともあるけれど,そんなときに寄り添える歌を届けたい――そうして演奏された「心を歌いたい」の蓮のロングトーンは,今この瞬間の彼らのありったけの叫びのようにも聴こえた。

 楽器の音が消えて蓮の声だけになり,再び4人の音が寄り添うように重なっていく瞬間。この曲はあまりにも,あまりにも心に響いた。曲が終わったあと,少しの間拍手を忘れてしまったくらいに。

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 アンコール1曲目は「リスタート」。歩みを進めるようなリズムは,ずっとみんなのそばにいてくれるようなあたたかさを感じる。そして未来へとエールを送る「逢のうた」と続き,最後に5人からひと言ずつあいさつがあった。

五稜結人
「Argonavisが壁にぶつかるたびに,自分の弱さと向き合いました。俺たちはまだまだです。でも,俺たちは終わりません。これからもみんなの前でArgonavisの音楽を届けていきます」

的場航海
「歌詞をとおして,今の僕らのありのままが伝わっていたらうれしいです。僕らは決して強くないからこそ,皆さんの弱さに寄り添うことができます。これからも,共に生きていきましょう」

桔梗凛生
「俺たちが音楽を続けることの意味を,今この場で実感できた気がします。俺は挫折を経験しましたが,だからこそ次の夢はどんなことがあっても手放さない。そう誓います」

白石万浬
「不安なことも苦しいことも,みんなの笑顔を見たら吹き飛んだよ。いつも支えてくれてありがとう。バンドで稼ぐにはもっとかかりそうだけど,絶対諦めないから。末永くよろしくね!」

七星 蓮
「僕は,感情を表現することが苦手です。でも,結人が道を示してくれて,航海が言葉にしてくれる。凛生が形にしてくれて,万浬が支えてくれる。そうやってできたArgonavisの音楽を,これからも大切に届けます。どんなことがあっても進み続けます」

 そしてこの日の最後に,新しい一歩を歌った「命のクリック」を演奏した。生まれたばかりのこの曲は,きっとまた聴くたびにさまざまな表情を見せてくれるのだろう。歌い終わった彼らは,マイクをとおさず肉声で「ありがとうございました!」と客席に向かって叫んだ。どこかホッとしたような笑顔だったのが印象的だった。

 「命のクリック」の歌詞に,「選べないのは選ばないから」「超えられないのは挑まないから」という言葉がある。聴く人の背中を押してくれるような歌を作ってきた彼らも,私たちと同じように悩んだり,不安になったりもするのだ。でも,こうして彼らの胸の内を言葉にしたものを聴き,歌を受け止めたことで,より深く「Argonavis」とつながれたような気がしている。

 「Argonavis」というバンド名は,ギリシャ神話に登場する船にちなんだ星座の名前が由来だ。どんなにつらいことがあっても,悲しくても,夜空を見上げれば星はいつでもそこにある。それは函館でも東京でも同じだ。私たちにとっての彼らは必ずそばにいてくれる星座であり,見たことのない場所へと旅をさせてくれる船でもある。ここからの旅は,どんなものになるのだろうか。その旅を,旅を彩る素晴らしい歌の数々を,これからも楽しみにしている。

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Argonavis LIVE 2022 -DIVE into CYAN-
セットリスト

◆出演
Vo. 伊藤昌弘(七星 蓮役)
Gt. 日向大輔(五稜結人役)
Ba. 前田誠二(的場航海役)
Key. 森嶋秀太(桔梗凛生役)
Dr. 橋本祥平(白石万浬役)

◆セットリスト
01.AGAIN/Argonavis
02.Anthem/Argonavis
03.可能性/Argonavis
04.ギフト/Argonavis
05.Y/Argonavis
06.Pray/Argonavis
07.Reversal/Argonavis
08.STARTING OVER/Argonavis
09.JUNCTION/Argonavis
10.ゴールライン/Argonavis
11.きっと僕らは/Argonavis
12.心を歌いたい/Argonavis
En1.リスタート/Argonavis
En2.逢のうた/Argonavis
En3.命のクリック/Argonavis




TV出演情報

Argonavis初のドキュメンタリー 「Argonavis LIVE 2022 -DIVE into CYAN- Live & Documentary」がオンエア決定!

番組名:「特別番組」Argonavis LIVE 2022 -DIVE into CYAN- Live & Documentary
放送日時:初回放送 6月4日(土) 22:00〜23:00
     リピート放送 6月12日(日) 23:00〜24:00
視聴方法:スペースシャワーTVプラス
https://www.spaceshowertvplus.com/program/special/2206_argonavis.html
スペースシャワーTVプラスは,全国のケーブルテレビスカパー!他でご覧いただける音楽専門チャンネルです。


※2022年6月2日14:55,初出時に「視聴方法:スペースシャワーTV」と記載しておりましたが,正しくは「視聴方法:スペースシャワーTVプラス」のため記事内容を一部修正いたしました。



「from ARGONAVIS(メディアミックスプロジェクト)」公式サイト

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