Switch向けの物理演算パズルゲーム
「Q REMASTERED」が,リイカより
2022年7月28日に発売となる。ニンテンドーeショップでのダウンロード専売で,価格は
999円(税込)だ。
本作は2015年に登場し,現在までに1200万ダウンロードされたという人気スマホアプリ
「Q」(
iOS /
Android)のリマスター作品で,Switch向けにさまざまなパワーアップが施されているとのこと。
今回4Gamerでは,リリースに先駆けSwitch版を実機でプレイする機会を得たので,本稿ではその手触りと,本作が謳う物理演算パズルの魅力を改めて紹介してみたい。
Switchで甦る物理演算パズル「Q」
すでに「Q」をプレイ済みの人も多いとは思うが,本作の概要を改めて説明しておこう。本作はタッチパネルを使って遊ぶパズルであり,画面に図形を描くと,その形がそのままゲーム内にオブジェクトとして生成。出現したオブジェクトは,ゲーム内の物理法則――重力や摩擦力に従い,落下したり転がったりする。これを利用して,提示される
“お題”をクリアしていくというのが,一連のゲームの流れとなっている。
このように描いて生成したオブジェクトは,“指を離すと”落下していく
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ポイントはやはり,この物理演算だ。生成したオブジェクトは,画面内にあるほかのオブジェクトと干渉するので,ときにひっかかったり,回転したりもする。プレイヤーは
「てこの原理」や
「加速度」「入射角と反射角」といった物理法則を頭に浮かべながら,お題に挑んでいくわけだが……それでもすんなり解法が導けるとは限らない。むしろ解法が分かっていても,正しい位置に正確に図形を描けるかという問題もあって……なかなかママならない。
生成したオブジェクトがボールに衝突し,ボールが左に転がりだす。勢いさえ十分ならクリアだが……?
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「ロボットをイスに座らせろ」「お相撲さんを地面につけてごらん」など,ちょっとシュールなお題も
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一方で,想定外のアプローチであっさりクリアできてしまうこともあって,毎回のプレイに特別感があるのも本作ならではの感覚だ。物理演算が生み出すカオスを楽しむのも,本作の醍醐味の一つと言える。
棒をうまく崩してボールを地面につける問題だが……毎回同じ崩れ方をすることはまずない
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とはいえ難しく考えすぎることはない。ゲーム内の物理法則は現実世界と基本的に変わりないので,あれこれ試していけばほとんどの問題は解けるはず。一人でコツコツ挑むのも悪くないが,家族や仲のいい友人と一緒に頭をひねりながら遊ぶと,かなり盛り上がること請け合いだ。
どうやってコップを上向きにすればいいのか,まずそこから意見が分かれそうなお題
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ちなみに試行錯誤に手数の制限はないが,一手でクリアすると「You did it!」(やるじゃん!)のメッセージがカラフルに表示される。別に一手クリアにこだわる必要はないが,狙って達成できるとかなり気持ちいい。反対にうまくいかず沼にハマったときも……「悪あがきしていれば何かが起こるかも」と思えるのが,本作のうまいところだ。
手数に制限がないが,図形を描きすぎるとスペースが埋まってしまう。そういうときはリトライでやり直そう
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リマスターで軽快になり,やり応えが増したSwitch版
今回のSwitch版「Q REMASTERED」には,スマホ版から移植された1000以上の問題に加え,新たに用意された超難問
「HELL」が収録されている。チュートリアルが終わればすぐに選択できるようになるが,こちらは「Q」から遊び続けている人向けとのことで,かなりの高難度となっている。初心者はまず,ほかのモードから挑戦するのがいいだろう。
「HELL」に収録された問題はかなりの高難度。初心者は途方に暮れること請け合いだ
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またSwitch版は本体やJoy-Conのジャイロ機能,またアナログスティックを使って遊ぶことも可能で,これを利用してTVモードで画面をディスプレイに出力しながらプレイできる。しかしジャイロやスティックで正確な図形を描くのはかなり難しく,これは“一応できなくもない”くらいに考えておいた方が良さそうだ。あるいは一種の縛りプレイとして楽しむものかもしれない。
多人数プレイ時は便利そうなTVモードだが,ジャイロ操作はなかなか厳しいものがある。本体を傾ければボールが転がるんじゃないかと思うが,当然そんなことはない
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スティック操作はAボタンを押している間だけ図形を描ける仕組み。慣れれば案外いけるかも?
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Switchの本体機能を使ってSNSに動画を投稿することも
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なおSwitch版とスマホ版を遊び比べてみたところ,Switch版は動作や描画が明らかにスムーズで,かなり遊びやすくなっていると感じられた。リイカによれば,リマスター版はSwitch向けに最適化が施されたとのことで,もちろんスマホ版にあった広告表示なども省かれている。
ただしスマホ版にあったヒント機能は削除されているので,完全に行き詰まったときは攻略サイトなどの力を借りることになりそうだった。
以上のように,「Q REMASTERED」はかつて「Q」をやり込んだという人,そして初めて本作に触れる人のどちらにもオススメできる,集大成的なタイトルとなっている。どの問題もそこそこ手強く,かつ物理演算ならではの不思議な感覚が味わえるパズルとなっているので,この機会にぜひプレイしてみてはいかがだろうか。