
プレイレポート
[プレイレポ]マルチプレイ型オープンワールドRPG「七つの大罪:Origin」のTGS試遊版を先行プレイ。ボス戦など3つのモードが楽しめる
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2026年1月にリリースが予定されている本作は,アニメ化もされた人気漫画「七つの大罪」を原作としたオープンワールドRPGだ。同じくサービス中のスマホ向けタイトル「七つの大罪 〜光と闇の交戦(ひかりとやみのグランドクロス)〜」(iOS / Android)から継承された要素もあり,体験会ではTGSに出展される試遊バージョンをいち早くプレイできた。本稿ではそのプレイレポートをお届けする。
「七つの大罪:Origin」公式サイト
3つのモードが楽しめるTGS試遊バージョン
今回の試遊バージョンは,ゲーム序盤のストーリーが体験できる,いわゆるチュートリアル的なシーンからスタートした。試遊時間は約30分で,そのうちの任意のタイミングで,オープンワールドを自由に遊べる「オープンワールドモード」と,3体のいずれかのボスと戦う「ボスチャレンジモード」に切り替えられ,合計3つのシーンがプレイできる。
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操作できるキャラクターは,リオネス王国の王子・トリスタンと,そのパートナー的な存在のティオレーの2人だ。うちティオレーは,原作者である鈴木 央氏が本作のために描き下ろした主要キャラクターで,キングとディアンヌの娘という設定になっている。妖精のような羽を持ち,小さなドラゴンを従えたビジュアルが可愛らしい。
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本作はフィールドに存在する敵と戦いながら人々と出会い,さまざまなクエストをこなしていくオープンワールドRPGで,操作するキャラクターは最大4人のパーティからいつでも変更可能だ。ストーリーモードではトリスタンとティオレーの2人パーティとなっていて,どうもティオレーはトリスタンを振り回すように旅に同行してきたようだった。
装備している武器にも依存するが,トリスタンは剣による接近戦が主体のキャラクターだ。一方のティオレーは,炎の魔法で離れた敵に攻撃できるなど,操作キャラクターによって攻撃手段が変わってくる。このように,場面に応じて操作キャラクターをスイッチするのが戦闘では重要だった。
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キャラクターは通常攻撃のほか,スキルや特殊攻撃を持っていて,さらにはカットイン演出が入る強力な「必殺技」も使用できる。またパーティの仲間と同時に必殺技を繰り出す「合技」も用意されている。
なお攻撃には属性があり,属性の合った攻撃を行うことにより,敵を「バースト」状態にできる。バースト状態の敵は一定時間動けなくなるので,積極的に狙っていきたいところだ。
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戦闘以外では,近年のこの手のアクションRPGでは定番となったスタミナの概念があり,これを消費してほぼすべての壁を登り降りできる。このほかグライダーを使った滑空や,移動におけるダッシュ/回避などにもスタミナは必要なので,すぐに回復するものの,適切に管理する必要がある。
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ストーリーモードでは,以上のような本作の基本システムを体験しつつ,ゲーム序盤と思しきイベントがいくつか体験できた。ダンジョンのギミックを攻略し,ティオレーが召還したドラゴンに捕まって飛行するといった見せ場もあって,本作がどんなゲームなのかが大まかに分かるものとなっている。
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一方のオープンワールドモードでは,トリスタン,ティオレー,スレイダー,ギーラの4人パーティ(変更も可能)で,かなり広い範囲を自由に歩き回り,要所でクエストを受けたり,各地に生息している種族と出会ったりといった,本作の遊びや世界観を体験できた。
ブタのホークなどの「ペット」に乗れば速く移動でき,一定時間なら空も飛べる。ワープポイントもあるので,いろいろな場所を行き来できるが,欲張って動くとあっという間に時間が過ぎてしまうので,試遊にあたっては注意したいところ。また武器やキャラクターが入手できるガチャも試せた。
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ボスチャレンジモードでは,「赤き魔神」「灰色の魔神」「アルビオン変異体」のいずれかのボスキャラクターとの戦闘が楽しめる。いずれもかなりの強敵で,多彩な攻撃を行ってくるので,筆者はどれも倒すに至らなかったが,試遊で挑むなら「アルビオン変異体」をオススメしたい。
3体のボスの中でも一番大きいのみならず,ダメージを与えると胸とおぼしき場所に弱点が露出し,そこまで登っていって攻撃するといった,本作ならではのギミックが体験できるからだ。なおストーリーモードとオープンワールドモードにも,それぞれボスが存在するとのことなので,腕に覚えのある人は,こちらも挑戦してみるといいだろう。
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現在も開発中のタイトルということで,完成度という意味ではまだまだ半ばといった印象だったが,原作を再現したグラフィックスも素晴らしく,「七つの大罪」世界に入り込んで旅をしている気分に浸れる本作。正式リリースはまだ少し先になりそうだが,TGS2025に足を運ぶ予定の人は,この機会にぜひ本作に触れてみてはいかがだろうか。
次の世代の出発点となるべき物語を――「七つの大罪:Origin」PD,ク・ドヒョン氏 公式インタビュー
本作のプロジェクトディレクターを務め,開発を総括するNetmarble F&Cのク・ドヒョン氏への公式インタビューを掲載し,本稿の締めとしたい。
なお本インタビューはメールを介して行われ,その性質上,文章には最低限の修正のみを行っている。
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――「七つの大罪:Origin」のゲーム紹介をお願いします。
ク・ドヒョン氏:
「七つの大罪:Origin」は,Netmarbleが贈る次世代オープンワールドアクションRPGで,原作である「七つの大罪」と,その後継作「黙示録の四騎士」をつなぐ新たなストーリーとキャラクターを盛り込んでいます。
広大なオープンワールドでの探検と戦闘,パズルや収集要素を自由に楽しめ,コンソール / PC / モバイルのマルチプラットフォームで,全世界のプレイヤーに向けて同時リリースする予定です。
――本作の世界観はマルチバースとのことですが,原作シリーズにはどこまで準拠しているのでしょうか。
ク・ドヒョン氏:
現在は「七つの大罪」と,後継作である「黙示録の四騎士」のはざまの時代を舞台にしています。
原作のストーリーを尊重しながらも,ゲームオリジナルの新しい時間軸と事件を追加し,プレイヤーが自ら冒険を広げていけるよう構成しました。つまり,既存のファンの皆さんには親しみがありつつも新しいストーリーを提供し,新たなプレイヤーの皆さんも入門しやすい独自の物語を提示したいと考えました。
――本作の主人公はメリオダスではなくトリスタンですが,なぜ彼を主人公に選んだのでしょうか。
ク・ドヒョン氏:
「七つの大罪」が美しく締めくくられた一つの世代の物語だとすれば,「七つの大罪:Origin」で描くべきは,その次の世代の出発点となるべき物語です。
トリスタンは,メリオダスとエリザベスの息子であり,「七つの大罪」と「黙示録の四騎士」をつなげる重要な人物でもあります。彼を主人公とすることで,原作のファンには新たな視点を提示し,初めて触れるプレイヤーには新鮮で親しみやすく,物語に没入しやすくなることを期待しています。
――「七つの大罪」と「黙示録の四騎士」のはざまの時代が舞台とのことですが,なぜこの時代を選んだのでしょうか。
ク・ドヒョン氏:
新たな冒険の起点となるのは,原作ファンの想像力が刺激される時代がよいと考えました。また皆が楽しめるオリジナルのストーリーを展開するには,やはり舞台も新しいほうが適しています。そのためにこの時代設定を選びました。
――本作のオリジナルキャラクターも登場するのでしょうか。
ク・ドヒョン氏:
もちろん登場します。彼らは原作の世界観の空白を埋め,そして新たな視点を提示する役割を担ったキャラクターであり,トリスタンの重要な仲間として,もしくは敵としてプレイヤーの前に現れるでしょう。また単なる「追加キャラクター」に留まることのないよう,原作者の鈴木 央先生とも密に連絡を取り合い,世界観に溶け込むキャラクターデザインを心掛けています。
――原作やアニメとのクロスオーバーなどはありますか。
ク・ドヒョン氏:
はい。原作で愛されている〈七つの大罪〉のメンバーや「黙示録の四騎士」のキャラクターが登場し,物語の中で交差していきます。ストーリーやクエストを通じて,新たな関係性が築かれていくので,原作ファンの皆さんにとっても,一味違った体験がお届けできると思います。
――ジャンルとしてオープンワールドを選んだのはなぜですか。
ク・ドヒョン氏:
「七つの大罪」の世界は,広大で多彩な地域に満ちています。原作に登場した場所を実際に探索できるようにしたくて,それで選んだのがオープンワールドです。プレイヤー自らがフィールドを駆け回り,さまざまな発見をすることで,物語や冒険が進んでいく。その過程で,原作の魅力を再発見できるようにしたいと考えています。
――ゲームのオリジナル要素はどのように組み込まれているのでしょうか。
ク・ドヒョン氏:
原作の世界観を最大限に尊重しながら,ゲームに必要な構成要素を追加することで世界を再構築しています。具体的には,原作で大きく扱われなかった地域やキャラクター,謎に満ちた事件などに再解釈を加え,原作とゲームのオリジナル要素が調和する方向を目指しています。
――どのくらいのキャラクターが登場するのでしょうか。
ク・ドヒョン氏:
具体的な数字はお答えできませんが,リリース時点では原作の登場人物を中心に,さらにゲームオリジナルの人物を加えたキャラクターが登場する予定です。また,リリース後の継続的なアップデートで,キャラクターやストーリーを拡張していく予定ですので,楽しみにしていてください。
――「七つの大罪」をベースとしてゲームはほかにもありますが,それらと本作にはどんな違いがありますか。
ク・ドヒョン氏:
「七つの大罪 〜光と闇の交戦〜」が,原作ストーリーを忠実に再現しながら戦略的な戦闘と収集の楽しさを味わえるものだとしたら,「七つの大罪:Origin」は自ら探検し体験する,自由度の高さがウリのオープンワールドゲームです。漫画とアニメで見知った世界を探索し,キャラクターとの出会いを通じて「この世界に存在している」没入感を得る,まったく異なる楽しさを提供します。
――原作を知らないプレイヤーでも,本作を楽しめるでしょうか。
ク・ドヒョン氏:
原作のファン層を越え,RPGとして魅力的な体験を提供するのが我々の目標です。そのために,自由度の高い探検・収集・戦闘システムを実装しています。
――本作のオープンワールドは,どのくらいの規模になるでしょうか。
ク・ドヒョン氏:
リリース時のフィールドの広さは,約30平方キロメートルになります。
――プレイヤーが楽しめるコンテンツにはどのようなものがありますか。
ク・ドヒョン氏:
自由に楽しめる探検,パズル,収集コンテンツのほかにも,捕獲などの生活要素やサブクエスト,マルチイベントコンテンツなどがあります。これらを通じて,単なる戦闘中心のゲームではない,さまざまな楽しみ方ができるようになっています。
――探検中の隠し要素や,サブストーリーについて紹介をお願いします。
ク・ドヒョン氏:
原作で少ししか言及されていなかった事件や,キャラクターたちの裏話をサブクエストや隠しダンジョンの形で挿入しています。これらを通じて,ファンの皆さんには新しい発見を,原作を知らない人には世界観を理解するヒントを提供します。
――本作のゲーム進行について教えてください。プレイヤーが世界を探索する動機づけをどのように考えていますか。
ク・ドヒョン氏:
本作のゲームプレイは,メインストーリーに沿って進行していきます。加えてクエストの進行や環境パズルの解決,収集要素の探検といったものがプレイヤーの旅を豊かにし,世界を探索する動機にもなります。またキャラクターの育成を通じて,より強力な敵に立ち向かえるようになり,各エリアごとのフィールドボスに挑むといったコンテンツもあります。それぞれのコンテンツには報酬も用意されているので,これらが冒険を続けるモチベーションにもなるでしょう。
――武器の変更でスキルや必殺技が変化するシステムは,どのような意図で導入されましたか。
ク・ドヒョン氏:
原作のキャラクターの戦闘スタイルは実に多種多様です。こうしたものを単純に一つのスキルセットで表現するよりも,武器の変更で戦闘方式が180度変化する体験を提供したいと考えました。これによりプレイヤーはより戦略的に立ち回れるようになり,キャラクターごとの可能性を発見する楽しみが生まれています。
――ギルドやコミュニティコンテンツの実装予定はありますか。
ク・ドヒョン氏:
ギルドや協力プレイ要素の準備を進めています。1人で楽しむコンテンツだけでなく,コミュニティを中心とした長期的な遊びも提供したい考えです。
――モバイルとコンソールで課金要素の構成が異なりますが,どのような方針で調整していますか。
ク・ドヒョン氏:
プラットフォームの特性に合った体験を提供しつつ,核心的な面白さとコンテンツへのアクセス性は均一に維持するのが原則と考えます。課金モデルは現在慎重に設計しているところですが,原作ファンと新規のプレイヤー,また特定のプラットフォームなどが不利になるようなことは避けるつもりです。
――同じジャンルのほかのゲームと比べて,課金モデルに大きな違いはあるでしょうか。
ク・ドヒョン氏:
課金要素は,主にキャラクターと武器の収集になると考えています。ただし,プレイヤー体験を損なわない範囲に収める予定です。
――開発チームの人数や,開発期間を教えてください。
ク・ドヒョン氏:
大規模オープンワールドRPGなだけに,開発は数年間におよび,開発も関わる人材も大規模なものになっています。開発初期からグローバル市場を念頭に制作を進めていて,現在も安定性と完成度を高める調整を行っています。
――現在の進捗はどの程度ですか。また,リリース時期はいつ頃になるでしょうか。
ク・ドヒョン氏:
現在は最終安定化段階であり,グローバルサービスの開始時期も,内部的には目標を定めて開発を進めています。ですがプレイヤー体験を最優先にするため,リリース時期は利便性と安定性を十分に確保してから発表したいと考えています。
――G-STAR 2023の試遊バージョンと比べて,現在はどのような点が変わりましたか。
ク・ドヒョン氏:
G-STAR当時は,核となるゲームシステムとビジュアルに焦点を置いて開発していました。現在はコンテンツの量と深さを拡張するフェイズであり,具体的には新エリア,多様なモンスターパターン,協力コンテンツなどを追加し,さらにプレイヤーのフィードバックの反映を行っています。また操作感と戦闘のテンポも改善しています。
――コンソールのプラットフォームとして,PS5を選んだ理由を教えてください。
ク・ドヒョン氏:
PlayStationは世界中のゲーマーにとって最も身近なコンソールプラットフォームの一つであり,アニメ版「七つの大罪」のファン層との接点も多いと考えています。ですので,プレイヤーが最もアクセスしやすい環境の一つとして選択するのは自然な流れでした。また今後は,より多くのプラットフォームに拡張したいとも考えています。
――本作はモバイルとPC,そしてコンソールで同時リリースされますが,操作方法やユーザーインタフェースはどうなるのでしょうか。
ク・ドヒョン氏:
モバイルでは直観的なタップ操作に合わせて単純化されたインタフェースを,PCとコンソールではコントローラとキーボード&マウス操作に最適化されたインタフェースを提供する予定です。ですが,核心的な体験は変わらず,プラットフォームを跨いでプレイしても違和感を感じにくいように設計しています。
――クロスプラットフォームにも対応するとのことですが,体験の一貫性を維持するうえで最も重視しているポイントは何ですか。
ク・ドヒョン氏:
操作方法は異なりますが,プラットフォームを越えても違和感のないよう,インタフェースとUIを最適化しています。
――快適にプレイするのに必要な推奨スペックはどの程度になりますか。また低スペック環境向けの最適化は行っていますか。
ク・ドヒョン氏:
ハイスペック環境では最高のクオリティを,低スペックでもスムーズなプレイが可能なように,マルチスケール最適化を行っています。 これにより,より多くのプレイヤーが参入できるアクセシビリティを確保しました。
――クローズドβテスト(以下,CBT)の実施が予定されていますが,この内容はどんなものになるでしょうか。
ク・ドヒョン氏:
CBTの主な目的は,戦闘バランスや探検の難度,パズル構造,サーバーの安定性といったプレイヤー体験について重点的に検証にあります。テストの範囲は,序盤のストーリーと要となる戦闘システム,一部のオープンワールドエリアの探検になる予定です。プレイヤーの皆さんに本作の面白さを体験してもらい,フィードバックを募りたいと考えています。
――プレイヤーからのフィードバックは,どのように収集するのでしょうか。
ク・ドヒョン氏:
CBTはもちろんのこと,正式リリース後も継続的なフィードバックチャネルを設ける予定です。 グローバルコミュニティの運営,SNSコミュニケーション,公式フォーラムなどを通じて,プレイヤーの声を絶え間なく聞き取り,定期的なアップデートに反映していきます。
――リリース後のアップデートでは,どんなものが計画されていますか。
ク・ドヒョン氏:
定期的なアップデートを通じて,新しいエリア,ストーリー,キャラクター,ボスコンテンツを追加していく予定です。また,シーズン制のチャレンジミッションと協力プレイコンテンツを提供し,プレイヤーの皆さんが継続して楽しめるようにしていきます。
――原作者である鈴木 央先生とは,どんなやり取りがありましたか。
鈴木先生とは,今も密に連絡を取り合っています。オリジナルキャラクターの設定や原画も描いていただきましたし,メインストーリーの展開にもアドバイスいただきました。原作に準拠しながらも,ゲームだけの独創的な解釈を加えるのに協力いただいています。
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- ライター:稲元徹也

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