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新作ライフシム「inZOI」アーリーアクセス版の価格は39.99ドルに。アップデートやDLCは,製品のフルリリースまで無料での提供を予定
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気になるアーリーアクセス版の価格は39.99ドルになる(※発表時点で日本円での価格は不明)。アーリーアクセス版の公開以降はアーリーアクセスが終了するまで,すべてのDLCとアップデートを無料で提供するという。
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アーリーアクセスの開始に期待が高まるところだが,現時点でのゲームについて,今後の改善が必要な要素として,(プレイヤーが作成した)家族のZOI全員での写真撮影機能や,13か国に対応した言語の完成度(アーリーアクセスでは完成度の割合を表記),モーションキャプチャ,自動車,AIを活用した自動建築,新しい都市,30階程度の高層ビルの建築,鏡などをあげた。具体的に,どのような改善が必要だといった言及はなかったが,今後のアップデートでそれぞれ追加や改善が行われると思うので,アーリーアクセス版であるという点を理解したうえでプレイしよう。
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リリース後のロードマップでは,5月のアップデートでMOD制作に必要な一部機能が公開され,MayaやBlenderのプラグインなどが提供されるとのこと。また,ZOIが運動を行うと体形が変わるといった機能も追加されるそうだ。
8月には猫をコンセプトにした都市,プールや地下,AIによる建築機能,そして死んだZOIを幽霊としてプレイできる機能などが追加されるとのことだ。
こうしたアップデートは3か月単位で実施される予定で,その際に服や家具などを追加しながら完成を目指すという。なお,これらは確定ではなく,プレイヤーからの意見や要望を反映していくそうだ。
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なお,「こちら」の記事でもお伝えしたように,本日(3月20日)よりキャラクターカスタマイズや建築をポイントにした体験版「inZOI: Creative Studio」の配信が開始される。ここでPCスペックが足りているか,どの設定がいいかなどの確認をしておくと,アーリーアクセスを迎えやすいだろう。
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これら情報の公開後,プレイテストに参加したインフルエンサーや配信の視聴者コメントからの質問に,プロデューサー兼ディレクターのキム・ヒョンジュン氏(以下,キム氏)が回答した。また,配信後にも「プロデューサー懇談会」として,メディア向けの質疑応答が行われたので,その模様をまとめてお届けしよう。
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将来的にはマルチプレイ要素の追加も?
――ZOIの睡眠中に,ゲーム内の時間を飛ばせないでしょうか。
キム氏:
シミュレーショゲームで早送りするのは危険な要素であるため(PCの処理能力が必要など),シミュレーションを最適化して,家族のZOIが全員寝ていれば30倍速でプレイできるように開発しました。
――プレイヤーが好きな商店を追加したり,配置したりできる機能を導入する予定はありますか。
キム氏:
アーリーアクセスではまだ職業も足りず,商店にまで手が付けられていない状態です。一方,机のような家具を選択して釣った魚などを置き,それを販売することはできます。商店はのちほど追加する計画です。
――DLSS4への対応など,グラフィックスのアップグレードを行う予定はありますか。
キム氏:
現在はDLSS3を使っていて,DLSS4は研究段階で使われていません。影の最適化を頑張っていて,いまは影のライティングを5つ入れています。
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――ZOIの死について,いろいろな死亡パターンがあるのでしょうか。
キム氏:
トイレで足を滑らせたり,古くなったものを食べたり,家電を修理して感電したりといった原因で死亡することがあります。
ほかにも16パターンほどの死に方があり,代表的なものとして承認欲求に関する死亡があります。例えば誰かと喧嘩して,それが噂になり,メッセージや友達との会話で否定的な内容だったりすると承認欲求が下がり,それが続くと死亡する可能性がある。車にひかれて死ぬ可能性もあるので,気をつけてほしい。
――自動車の運転は実装にどんな課題がありましたか。
キム氏:
inZOI内では300台の車がシミュレートされており,人と車を含めた信号待ちなど交通システムのシミュレーションなどで苦労しています。アーリーアクセス版ではテスト機能としてマニュアル運転を実装していますが,利用するにはオプションで活性化を選択する必要があります。
――オンラインのマルチプレイ機能はありますか。
キム氏:
要求が多いようであれば,具体的に聞き取って開発したいです。
しかし,作るためにはinZOIにある数万以上の相互作用を一緒にプレイヤーに伝播しなければならず負担になります。そうではなく,例えば引き出しは開けられないけれど,家だけを見てもらったり,会話をするだけだったり行動を見守ったりするくらいであれば早い段階で作れます。ですので,方向性について意見をもらって決めたいと思います。
――恋愛や対立といったドラマ要素はどのように実装されるのでしょうか。また,ZOIに対してプレイヤーはどれだけ親切なことや,いじわるなことができるのでしょうか。
キム氏:
例えば,ZOIにいきなり怒るといった機能を入れました。ZOIでは自分で操作することがかなりあります。ですので,友人の家で急に叫んだり,部屋から友人を追い出したりすると,ZOI達はびっくりして部屋から出て行ったりします。こうした人間関係が,よりドラマチックに展開されるように努力しています。
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――ZOIを自分でコントロールできるのは理解しました。コントロールできないZOIにもそういう要素は反映されるのでしょうか。
キム氏:
例えば夫婦であれば,浮気をしたらメールが飛んできたりします。
――マップに隠されたイースターエッグやユニークな場所はありますか。
キム氏:
変な看板だったり,変わったカードや装飾品だったりのイースターエッグはあります。
――Creative Studio(体験版)で作った創作物を,本番のバージョンでプレイできますか。
キム氏:
できます。ただ,セーブデータがエラーを起こす可能性があります。しかし,キャラや建物のデータはCanvas(ゲーム内からアクセス可能なプラットフォーム)にアップロードすれば,データを十分に移動できると思うので,体験版を楽しんでもらって,3月28日に続けてそのまま使っていただけると思います。
――AIを使ったNPCと会話できる機能があります。inZOIに搭載する計画はありますか。
キム氏:
検討したことがあります。ハードウェアの性能さえ合えば,Smart ZOIをテスト機能として楽しめるようにしていますが,アーリーアクセス版には入っていません。
――ロードマップについて,基本マップにオープンワールドが追加されたり,拡張されたりといった計画はありますか。
キム氏:
発表したように,ほかの都市を作っています。あと,今回のビルドのマップも拡張もしていきます。ただ,単純に土地を広くするとか,居住エリアを増やすよりも,機能的に異なる空間を作っていきたいと思います。
――ZOI達の関係,例えば親友とほかの友達との関係の違いなど,関係の種類はどれくらいあるのでしょうか。
キム氏:
こういうところは自信を持っていて,親友という関係はありますし,関係が深まるにつれて対話の内容や行動が変わります。例えば婚約した状態で親友に会うと,「本当にその人と結婚するの?」といった親友だからこその質問をすることがあります。
――フェイシャルキャプチャは,Webカメラを使ってできるのでしょうか。
キム氏:
残念ながらフェイシャルキャプチャは現在iOSでのみサポートしています。モーションキャプチャはWebカメラでも可能です。
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――inZOIが成功したら,コラボしたいブランドはありますか。
キム氏:
inZOIの発表後にブランドの皆さんに声をかけてもらえて嬉しかったです。そのなかには韓国の車や家電のメーカーのほかに,ジュエリーメーカーからの連絡もありました。ジュエリーは豊かな表現ができると思いますので,まず何をしたいかと聞かれたら,ジュエリー会社とのコラボかなと思います。
――フルリリースはいつになりますか。
キム氏:
正確に言いづらいです。inZOIはまだまだ足りないところが多いゲームです。そのため,アーリーアクセスを真摯に考えています。頑張って早くフルリリースしたいですが,「これでフルリリースできる」という意見があれば,そのときになるのかなと思います。
――ゲーム上で飛行機など空を飛べる機能の計画はありますか。
キム氏:
飛行機ができるかは分からないですが……開発者が高い建物を作って,飛び降りて滑空できないかという意見がありました。実は以前にも(滑空するゲームを)作ったことがあったので,滑空であれば作れるかなと思います。
――刑務所に行くことはありますか。
キム氏:
あります。刑務所に入ると,食べたり寝たりになりますが,ずっと出られないようにはしていません。脱走も可能です。絶対に出られないようにすべきという意見もありました。とりあえず悪いことをすれば刑務所には行けます(笑)。
――ヴァンパイアなどファンタジー要素の追加はあるりますか。
キム氏:
内部ではヴァンパイアバージョンを作ったことがあります。アーリーアクセスが終わったら,新しいものを入れていく必要があるので,そういったファンタジー要素も入れられると思います。
――アイドルが職業になって,ライブ公演をするといった機能はありますか。
キム氏:
いつかは職業のアイドルとして成長して,ステージに立ってライブをする機能を作っていこうと考えています。
※以下,プロデューサー懇談会での質問と回答になる
――7か月前のgamescomでアップデートしたバージョンの映像が公開されました。それ以後,開発を進めたことで大きな変化はありましたか。
キム氏:
大きな変化というと建築です。動画でお見せしたように,建築要素をたくさん増やしました。
もう1つは,モーションをAIで生成できることです。自分の持っている画像1枚でポーズも作れますし,アニメーション,動画を入れればZOIを同じように動かすこともできます。発表では全部お見せできなかったですが,これをうまくつなげると,いろいろな方法でゲームをプレイできます。
――例えば,どのようなものがありますか?
キム氏:
私が座っている椅子の外見をほかのものに変えられます。また,椅子の上でジャンプする様子を撮影した動画を入れれば,椅子がアトラクションになるなど,そういう風にいろいろ変えてゲームを楽しめます。
また,育児(の要素)にも集中しました。赤ちゃんがハイハイしたり,ソファでつかまり立ちしたり,お母さんが赤ちゃんを抱っこして動いたりなど,そういう面の開発に力を入れました。
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――「Co-Playable Character(CPC)」を活用し,NVIDIAと共同開発した「Smart ZOI」が発表されました。まだ早期バージョンなので3月28日の早期アクセス以降も改善を進めていくと思いますが,具体的にどのような方向性なのかについて教えてください。
キム氏:
Smart ZOIは大きく2つの方向で企画しています。
1つはZOIが自分の周りの環境と感情状態を探索して適切な心理を話す,ということを大事にしています。過去のゲームは,企画者,いわゆるゲームの開発者が入れたデータをベースにキャラクターが思考しますが,AIを使えばinZOIの中で対話情報を得ることで,ZOIが自分で考えられることが分かりました。それを開発してSmart ZOIを作りました。
もう1つはゲームを始めるとZOIの性格,感情,気質といったものを設定するのですが,それらを無視して皆さんがGPTなどのAIを使う際に入力するプロンプト,例えば「私はとても意地悪なキムPDでご飯をよく食べない」とか,「学校に行きたくない」とかを入力すると,それにあったZOIになるようなものを開発しています。
inZOIはいまあるゲームの中では,とてもAIと相性がいいゲームだと思います。なぜなら,inZOIは周りのものすべてに情報があるので,リアルに適応できるゲームだと思うからです。
――話を聞いていると,ゲームのベースをそのようにきめ細かく設定するのは難しいと思うのですが,のちほどいい結果がありそうですね。
キム氏:
運が良かったと思います。(inZOIを)作っていたところに,ちょうどタイミングよくAIが盛り上がってくれました。
――KRAFTONの過去作をみますと,シミュレーションゲームがまったくありませんでした。これはKRAFTONだけでなく,韓国全体の傾向ではあるのですが,本作でKRAFTONのゲーム開発のメリット,特殊性が生かせたところがあれば教えてください。また,難しかった点はありましたか。それを乗り越えた経験についても教えてください。
キム氏:
皆さんはKRAFTONはあまり多様なゲームを作っていないとお考えですが,それは違っていて,いろいろなゲームを作っています。ただ,それが成功してないだけです。
KRAFTONは,開発文化的にはとてもオープンだと思います。いろいろなトライをするので,見ようによってはinZOIというゲームがKRAFTONから出たという理由も,その文化ゆえだと思います。
開発初期にinZOIを作ると話したとき,当然会社として馴染みがないため,このジャンルは何なんだという懸念を抱いたと思います。にもかかわらず,この開発をトライできるようにしてくれました。
こういったKRAFTONの開発哲学,文化は,インフルエンサーの皆さんにご協力をいただいてinZOIを作り上げるうえで,大きな役割を果たしていると思います。
――「The Sims」のように,年齢変更などのアイテムを導入する計画はありますか。また,自分が操作するZOI以外に,ほかのZOIを修正する機能の開発も行われますか。
キム氏:
早期アクセス前にインフルエンサーとコミュニケーションを行ってきたのですが,そのときにもたくさんあった質問でした。
それについては,すでに反映されています。ただ,誤解してほしくないのですが,年老いたのに若返るとかではなくて,現在の外見を固定するというものがオプションに入っています。
The Simsと違って本作には“群衆”という概念があります。群衆100人あまりが,ほかのZOIと同じようにそれぞれの意思をもって街を歩いていますが,このZOIたちの外見を変更する機能を開発しています。
アーリーアクセスには入りませんが,“都市編集”という機能で街の草木を変更したり,群衆の衣装を変えたりできるよう検討中です。また,プレイヤーが操作するZOIを見るだけで急に殴りかかってくるように,群衆の機嫌を設定/調整したりと,自分以外のZOIもコントロールすることが可能になります。
――inZOIは初心者でも簡単に楽しめますか。それとも身につけなければならないチュートリアルが多いゲームですか。
キム氏:
このジャンルのゲームは,初心者に優しくはないと思います。ゲーム開発者として24年,25年めなんですけれども,自分で作ったいかなるゲームよりも複雑だと思います。
何倍かで例えると,10倍以上かな。シミュレーションゲームというのはとても多くのシステムが組み合わさっていて,1つのシステムを作るときにほかのシステムに影響を及ぼします。
例えば最近発生したバグですが,「妊婦の女性が運転しているときに産気づいた」という状況を処理するのにとても大きな問題がありました。このように,いろいろなケースに対応してゲームを作っているので,プレイヤーの皆さんも当然,慣れるのには時間がかかると思います。
ただ,これを1つの面白さと主張したいのです。このジャンルは複雑なシステムで構成されているので,最初はちょっと辛いかもしれませんが,根気強くプレイして,システムの組み合わせによる要素のつながりが分かってくると楽しさを感じられると思います。
なので,最初は難しいけれども,慣れていくごとに楽しくなるゲームだと皆さんに伝えたいです。
――本作では,Unreal Engine 5が採用されていますが,ゲームを開発しながら感じたこと,難しかったことがあったら教えてください。
キム氏:
Unreal Engine 5が出てあまり経っていませんし,使われたゲームとしては最初か二番めぐらいに発売されるものになります。ですから,エンジンについて勉強もたくさんしましたし,最大限に利用するためにEpic Gamesとも協力してR&D(研究開発)をたくさん行いました。
Unreal Engine 5はとてもいいエンジンだと思います。いい表現が思いつかないのですが,世代の頂点であり最終形であると感じています。技術的に解決できなかった間接光,ルーメンというものですけど,これを使うとゲームがとても重くなりますが,グラフィックオプションを細分化することで低スペック帯のPCでもうまく再現できるよう調整に力を入れました。
――ゲーム内でZOIが使うSNS,ソーシャルメディアは,ほかのアプリのようにスマホの機能に関するさまざまなアップデートが計画されていますか。
キム氏:
どんどん追加していく予定です。2人が出会って自分たちの相性がいいかどうかを判断するアプリを開発していましたが,時間が足りなくて今回は入れられませんでした。
もう1つ,いま使っているスマホと同じような「Bubbly」というSNSがあり,そこで誰かと喧嘩をしたらBubbly上で噂が広がったり,メッセージが届いたりします。さらにBubblyでコメントを残すことや,Bubbly上での会話や喧嘩を実装したかったのですが,そこはまだできていません。
あと,位置追跡,GPSのようなアプリも順次作っていきたいと思います。
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――おっしゃった内容はいまは実装されていなけれども,これからは期待できるんですね。
キム氏:
相性を調べるアプリはすぐに入ると思います。
――キャラクターへ自然言語でメールを送れるよう開発されていると思いますが,ロードマップではその話がなかったので気になりました。
キム氏:
動画を見て推測されたかどうか分かりませんが,自然言語で入力する機能を開発していましたが,ちょっと限界を感じました。
inZOIが思ったよりも複雑な思考システムを持っていて,ZOI一人ひとり,400人あまりが都市の中を動いているのですけど,一人当たり600個以上の精神オプション,感情,気質,価値観などを持っているんです。
そのような状態で何かメッセージを受け,自然言語を理解してZOIたちの感情状態,考えを反映させようとすると,とても複雑になるんです。ZOIの人数も多いので演算量も多くなります。
次のアップデート,3,4か月後のアップデートでは決められたメールだけを送れるようになりますが,今後,AI技術が発展して,それらの判別がしやすくなり,コンピューティングパワーが向上すれば,そういったものも開発していきたいと思っています。
――実際の人生と似ているものの,実際には挑戦できないことがゲームではできると思います。
開発者として,このゲームは現実をたくさん反映しようとしたのか,それとも仮想現実として実際生活ではできない新しいチャレンジをできる機会を提供したのか,そのバランスについて教えてください。
キム氏:
最初にゲームを作っていたときは,現実以上の行動をできるように作ったつもりでした。
例えば,街中で大声で叫んだり,友達をたくさん作ったり,ギターを演奏したりと,自分ができなかったことをゲームの中ですることだけでも十分,新しい挑戦であり,現実でできないことをやっていると感じていたんです。
けれど,プレイヤーの皆さんとコミュニケーションを取っていたところ,全然そうではないことが分かりました。
例えばヴァンパイアになったりとか,壁をすり抜けられる魔法を使ったりとか,アーリーアクセスでそういうファンタジー要素を反映させるように,変わっていくのではないかと考えています。
――同性のZOIで恋愛関係を結ぶことはできますか。時間が経つにつれて,それも変わることができますか。
キム氏:
性的指向というものは,流動的ではありません。inZOIはグローバルユーザーを顧客としているので,同性愛も可能になっています。その変化も反映されています。
ZOIを生成するところでは,自分の性的アイデンティティを決められる欄があります。自分で直接設定できるようになっていて,ゲーム内にある程度反映がされます。これもアーリーアクセスの目的でもありますので,フィードバックを受けながら改善します。
――inZOIの世界で自分が存在する地域を離れて,海外の友達と仲良くなれる機会はあるのでしょうか。また,ほかの地域への引っ越しや移動ができるようになりますか。
キム氏:
発表したロードマップに実は日程がありますが,12月ぐらいに「ドウォン」から「ブリス湾」に引っ越しできるようになります。システム的には,別の街に友達を作るなど関係を築くといったコミュニティ機能が追加されると思います。
――現在は自動車を直接運転して移動できませんが,その理由はマップが広くないからですか。それとも調整中だからですか。
キム氏:
inZOIのマップは,皆さんの考えるレーシングゲームなどと比べるととても狭いです。自動車のマニュアル運転ができないのは,実は26年ぐらい前に私が初めて作ったゲームがレーシングゲームだったのですが,それにくらべてinZOIの自動車はとてもクオリティが低いものだからです。
努力はしたのですが,現在の完成度に満足できていないので,マニュアル運転ができないようにしています。オプションで自分で運転できるように変えられますが,レースやドライブに特化したゲームと比べるとレベルは低いです。
――最近のゲームの多くは,クロスプラットフォームエクスペリエンスで提供されています。inZOIもさまざまなプラットフォーム,家庭用ゲーム機やモバイル機器でゲームをリリースする計画はあるのでしょうか。
キム氏:
モバイルはやっていませんが,家庭用ゲーム機とほかのOSでプレイできるものを開発中です。時間はちょっとかかると思うんですけど,遅すぎないタイミングで完成させる予定です。開発の進捗については,タイミングになりましたら記者さんにお伝えします。
――建築物のデザインは,現代のものに合わせたのでしょうか。それとも,未来の方向に焦点を合わせているのでしょうか。
キム氏:
建築リソースは,これまでは現代の基本的な建築物を作ってきました。今後はさきほどのロードマップにあったように,未来型のもの,超現実的な家具や建築物,衣装,また田舎の風景にあうレトロな衣装,家具も提供する予定です。ロードマップに沿って,そういったもののアップデートを行っていきます。
――公開された家族の映像が幸せに見えました。最近,少子化が世界的な問題になっていますが,inZOIがゲームを通じていい効果を与えることができると思います。これは企画と開発の段階から考慮されていたものですか。
キム氏:
とても鋭い指摘だと思います。inZOIはとても重要なUIとして,マップに家族愛というボタンがあります。家族がどれだけ幸せであるかというのを表示するものです。
開発者は誰もがそれぞれ哲学を持ってゲームを作っていますが,私は何よりも家族が一番大切だと思っているので,それを重要視しています。ゲームを通じて少子化に貢献できるかどうかは分かりませんが,皆さんが家族について考え直す機会になったりすれば私は幸せだと思います。
――予想外の出来事のような,コントロールできない人生の出来事に対処できる方法はありますか。
キム氏:
inZOIは野望を持ってプレイすれば,ヤンポイントというものを稼いでドーナツを買えます。それによって何かを要求したり,寝なくても生きていけたりする機能があるのですが,そこに老化や死亡に関するものを入れたらいいのかなと思います。
inZOIはMOD制作をしなくとも,いろいろなものを変えられるように作ってあります。都市編集でZOIをコントロールして,みんなが健康になるよう調整できますし,誰もが喧嘩しないという設定も可能です。
感電死だったり事故死だったりの発生頻度を下げれば,おっしゃったような“コントロールできない人生の出来事”に対応できると思います。
――最後にひとことお願いします。
キム氏:
皆さん,今日は本当にありがとうございました。
inZOIはこれから世に出ていきます。これからの道は険しい道かもしれませんが,私たちは勇気をもってゲームを作っていきたいと思うので,ご声援のほどよろしくお願いします。
「inZOI」公式サイト
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