爽快な操作でかわいくも骨太なアクション！ 探索＆パン屋経営のハイブリッドアクションRPG「Aeruta（アルタ）」試遊レポート［TGS2024］

　千葉県・幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ2024」のインディーゲームコーナー，グラビティゲームアライズブースにて“ハイブリッドアクションRPG”，「Aeruta（アルタ）」が出展されていた。


　ハイブリッドとあるように，本作はダンジョン探索アクションとパン屋経営シミュレーションを組み合わせた作品になっており，冒険で持ち帰った素材を材料にパンを作り，それを販売してお金を稼ぐという流れになっている。すでにSteamでアーリーアクセスが行われているタイトルで，今回のTGS 2024では，秋の無料大型アップデートで追加予定の「第二の島」が試遊可能となっていた。

「第二の島」は“香り”がテーマのステージになっているという

　本作の物語は，勇者を目指すキツネ耳の少女「チャヤ」が，冒険者ギルドからのミッション中に，子グマのパン屋さん「イーフィ」の大事なオーブンを壊してしまうことから始まる。チャヤはオーブンを元通りにするため，パン屋で働きながらミッションを進めていたが，「アルタクリスタル」のかけらを発見したことをきっかけに，物語は波乱の展開を見せていく……。


　まずは，ゲームのメインパートである，ダンジョン探索の部分を紹介しよう。基本的な操作はシンプルで，移動とジャンプ，そしてダッシュしながらの回避だ。回避は空中で使用することも可能で，そうすると空中ダッシュのような挙動になり，通常ジャンプでは届かない位置にも飛び移ることができる。ダンジョン探索では必須のスキルだろう。
　チャヤは探索開始時に「鞭」と「麺棒」の2つから武器を選択できる。武器はそれぞれ特有のスキルを使用可能で，麺棒の場合は，強力な一撃を叩き込むスキルや，前方の少し離れた位置にダメージを与える設置物を出すスキルなど，3種類のスキルがセットされていた。

左下に表示されているのがスキルだ

　筆者が本作をプレイしていて一番気に入ったのが，これらの操作がほぼすべてキャンセル可能だという点だ。例えば通常攻撃の終盤をキャンセルしてスキルを発動したり，スキルのスキをそのまま回避でキャンセルしたりと，次から次へと行動をつなげるため，非常にストレスなく操作できる。その分，ステージの地形やモンスターの攻撃がやっかいなことが多いのだが，とっさの操作でそれらを回避できた時はとても気持ちいい。


　なお，試遊でプレイできたのが「第二の島」だからというのもあるが，全体的な難度はやや高めに感じた。地形や敵の攻撃パターンを把握してしっかり対応しないと，苦戦することになりそうだ。ダメージが下がったり，敵の攻撃で怯まなくなるカジュアルモードも用意されているようなので，アクションが苦手な人はそちらで遊んでみるといいだろう。

製品版では，拠点に戻ることで難度を自由に変更できるそうだ

　探索パートでは，ステージをクリアしたら，いくつか用意された次のステージを1つ選択し，そこをクリアしたらまた次を……という具合に，複数のステージを移動する形で進められる。ステージにはいくつかの特徴があり，食材を集めやすかったり，敵が強い代わりに食材も多かったり，休息をとって回復できたりと，その時の状況に応じて適切なステージを選択していこう。


　今回の試遊バージョンでは，おそらく第二の島，最初のボスである「キャプテン・バード」も登場していた。ボスの割になんともかわいらしい鳥のモンスターだ。このように，モンスターの見た目が全体的にかわいいというのも，本作の特徴だろう。今回登場している鳥の軍隊や，猫みたいなスライム，なんかフワフワしてそうなやつなど，つい油断してしまいそうな見た目だが，どいつもこいつもなかなかにやっかいなモンスターである。
　このキャプテン・バードも，その見た目とは裏腹に，画面外から急に突進してきたり，ほぼ全画面で飛び道具を飛ばしてきたりと，なかなか凶暴なボスだ。

道中の敵でも攻撃は激しく，油断しているとすぐやられてしまう

かわいい見た目でもボスはボスというわけだ

　ボスを倒して探索をクリアするか，ゲームオーバーになると，手に入れた素材を使用してのパン屋パートが始まる。パン屋での作業は，まず販売するパンを選び，棚に並べ，レジ打ちをして，掃除もこなし，品切れになったら再びパンを並べて……となかなか忙しい。幸いパンを焼く作業はイーフィが担当してくれるが……ほぼワンオペである。

　稼いだお金は，パン屋のグレードアップはもちろん，チャヤのスキルの強化にも使用可能だ。そうやってキャラクターを育てながら再び探索で素材を集め，パンを売り，イーフィのパン屋を元通り以上に直してあげよう。

パンは探索で手に入れた素材がないと作れない

レジ打ちではちょっとしたミニゲームが用意されている

　「敵キャラクターがかわいい」というのは前述したとおりだが，チャヤをはじめとするメインキャラクターたちも大変かわいい。それはスクリーンショットでも伝わると思うが，動いている姿は格別だ。

チャヤやイーフィはもちろん，モブもかわいい

　例えば，移動中にチャヤの耳や尻尾がひょこひょこ動いていたり，イーフィがパンを焼くときにわちゃわちゃ頑張っていたりと，とにかくドット絵の動きがとてもかわいらしい。特に，表情がころころ変わる点に注目で，筆者はチャヤが回復アイテムのパンを食べる時の顔がお気に入りだ。

なお，表情を撮ろうとした写真は見事に失敗していた……。ぜひ実際のゲームで確かめてみてほしい

　立ち絵のイラストもしっかり用意されており，ドット絵とはまた違ったかわいさを感じられる。試遊では登場しなかったが，チャヤとイーフィ以外にも魅力的なキャラクターが登場するようで，彼女たちがどのように関わってくるのかも気になるところだ。

ドット絵では気付かなかったが，チャヤの衣装はなかなか大胆だ

どのキャラもケモっ子でかわいい

　本作はすでにSteamでアーリーアクセスを開始しており，「第一の島」はすぐに遊ぶことができる。また，試遊で出展されていた「第二の島」は11月ごろに無料アップデートで追加される予定だ。体験版も配信されているので，かわいらしいドット絵のキャラクターで骨太なアクションが遊んでみたい人，アクションゲームと経営ゲームを同時に遊びたい欲張りな人は，ぜひ本作に触れてみてほしい。


　余談だが，本作を試遊しようとブースに並んでいたところ，どんどん試遊の列が延びていき，ブース内の他のゲームを一時アルタに切り替えなければ回せないほどになっていた。やはりかわいいは正義……。