プレイレポート
[プレイレポ]ゴリゴリに練られた世界観&長髪男子好きに刺さる「魔女と亡霊のヴォロンテ」。サスペンス色の強い魔法ファンタジー
2025年5月22日にNintendo Switch(ダウンロード専用ソフト)にて配信される「魔女と亡霊のヴォロンテ」は,魔法の存在する世界で神託を受ける巫女として選ばれたヒロインが,第2の人生をつかみ取ろうと奮闘する恋愛シミュレーションだ。サスペンス色の強い物語が好き,がっつり練られた世界観や舞台設定が好き,長髪男子が好き,という人におすすめな,「魔女と亡霊のヴォロンテ」のプレイレポートをお届けする。
「魔女と亡霊のヴォロンテ」公式サイト
いきなり人がバッタバタと死んでいく,
ヒロインも例外ではない
物語は,何の変哲もない田舎にある「マートリ村」の外れで起きた奇妙な惨殺事件から始まる。
村外れの森では,王国の騎士や異教徒の無残な遺体が転がっていた。しかもその遺体はところどころ砂のように体が崩れているというのだから,余計に不気味である。
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その凄惨な現場で唯一の生き残りとして村に拾われた赤子が,本作のヒロインだ。ヒロインに“本物の家族”はおらず,空気のように育てられたが,それでも育ての親や兄弟たちに感謝しながらつつましく暮らしていた。
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しかし,マートリ村の平穏はたった一夜にして地獄へ突き落とされる。王国の騎士たちが村を突然襲撃し,焼き討ちにされ,村人はひとり残らず殺された。ヒロイン,ただひとりを除いて。
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もうとにかく,人がバッタバタと死んでいく。それはヒロインも例外ではなく,選択肢をミスると崖から落ちて死亡エンド,落馬して死亡エンド,彼女の人生はハードモードである。
筆者も選択肢でバッドエンドを引きに引きまくったのだが,本作はオートセーブにも対応しているため,すぐに選択肢の手前から再スタートが可能だ。こまめにセーブするクセがなかった筆者にとって,大助かりな機能であった。
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王国騎士たちからなんとか逃げ出したヒロインは,死にかけていたところをある男に拾われる。そこでヒロインは魔法の存在と,魔法が生活の基盤になっている隠された街「ポルト・ド・ランフェ」を知り,その国で第2の人生を始めることになった,というストーリーだ。
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攻略対象の3/4が長髪という珍しさ
本作の攻略対象キャラクターは4人。最強の魔法使いであるオリヴィエ(CV:興津和幸),貴族で内政官のエマニュエル(CV:梅原裕一郎),騎士で吟遊詩人のメロディー(CV:鈴木達央),魔法医術師のイスマイール(CV:矢本颯真)だ。
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珍しいなと感じたのが,長髪キャラクターの多さだ。乙女ゲームの攻略対象キャラクターというと,だいたいひとりが長髪かな,という頻度だと思うのだが,本作はなんと3/4が長髪である。
長髪フェチの人は,ぜひ本作をプレイしてもらいたい(個人的に唯一短髪であるエマニュエルのビジュアルも優勝,もう全員優勝では? と思っている)。
設定資料集を見るのが好きな人に刺さる世界観
本作の特徴のひとつとして,ゴリゴリに練られた世界観・舞台設定が挙げられる。
プロローグから共通ルートはとにかく世界観を表す単語が多く,物語の設定がきちんとしていればしているほどニコニコになってしまう筆者は,当然満面の笑みを浮かべていた。
例えば,ヒロインが最初に暮らしていたマートリ村はノーヴァンディア大陸のモルロワ王国に存在する。
魔法使いたちが暮らす国「オンブレール王国」は過去,モルロワ王国から迫害を受けたオンブレール地方の貴族や平民から構成されており,独立国家として魔法で存在を秘匿しながら存在している。
モルロワ王国はセントリア教,オンブレール王国はシフリーク教を信仰しており,モルロワ王国側はシフリーク教を邪教だと捉えている。
といったように,とにかく固有名詞が出てくるのだ。
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「そんな横文字がずらっと出てきたら覚えられないかも……」という人でも,安心してほしい。この用語が分からないと話の内容が分からない,というシナリオの作りにはなっていないので,「ふーん,国がふたつあるのね」,「うちでは月が神聖視されてるのね」といったゆるい解釈で読み進められる。
「この単語,どういう意味だっけ……」と分からなくなったときは辞書機能もあるので,世界観オタクの人は活用してみてほしい。
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いろいろなルートをプレイして
初めて物語の全貌が見えてくるタイプの沼シナリオ
シナリオの傾向としてサスペンス色が強い,という話はしたが,ミステリーとしての側面も持っている。
プレイしていくなかで,筆者は思った。「これ,全部のルートをめぐってやっと真相が見えてくるタイプのシナリオだ」と。
ルートに進まないと攻略対象のキャラクターたちが腹の中で何を考えているか全然分からないし,ヒロインって本当のところ何者なの? という疑問も解消されないし,エンディングで急に知らない人出てくるし,とにかく物語の全貌が気になってシナリオを読む手が止まらない,という感じ。
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いったい誰が味方なのか,疑心暗鬼になってしまう。貴族の子女で侍女でオラオラパワー系のマリーが唯一の癒やしである。
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ノンストップで全ルートを駆けめぐってしまいたくなるので,「魔女と亡霊のヴォロンテ」をプレイするときはぜひ時間を確保して臨んでほしい。さて,これからほかのルートも進めに行かなければ……。
「魔女と亡霊のヴォロンテ」公式サイト
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