グラビティゲームアライズのBitSummit2024出展タイトルを紹介。自社開発，パブリッシング，レトロゲームの三本柱で多彩なタイトルをリリース

　グラビティゲームアライズは2024年7月19日から7月21日まで京都・みやこめっせにて開催されるインディーゲームイベント「BitSummit Drift」に出展する。本稿では，それに先駆けて開催されたメディア向け試遊会に出展されていたタイトルのうち，新作となる「Light Odyssey」と「THE GOOD OLD DAYS」（PC / Switch）のプレイフィール，そして「神箱」（PC / PS5 / Switch / PS4）の続報をお伝えしよう。

自社開発，パブリッシング，レトロゲームの三本柱

　グラビティゲームアライズは2019年に設立された，「ラグナロクオンライン」で知られるグラビティのグローバル戦略カンパニーだ。自社開発のゲームとインディーゲームのパブリッシング，レトロゲームの復刻やリメイクにも力を入れている。

　自社開発のゲームとしては「東京サイコデミック」が，インディーゲームのパブリッシングではFromDawn GamesのアクションRPG「Aeruta」などのタイトルがそれぞれ配信済みだ。

　また，レトロゲームの復刻では「SNOW BROS.2 SPECIAL」や「はしれへべれけリメイク版（仮）」といったタイトルが予定されている。スマートフォンゲームでも，「ももいろくじら 妖精うぃずの空庭」をリリース予定だ。

試遊会では自社開発「東京サイコデミック」の展示コーナーも用意されていた

「SNOW BROS.2 SPECIAL」の主人公・ニック。1994年に東亜プランが発売したアーケードゲームをリメイク

「はしれへべれけリメイク版（仮）」のキャラクター，へべ。こちらは1994年にサンソフトが発売したスーパーファミコン用ゲームのリメイクだ。まだプレイアブルバージョンは出展されていない

グラビティゲームアライズがパブリッシングするインディーゲームの1つ「Twilight Monk」

「ももいろくじら 妖精うぃずの空庭」はスマートフォン用癒し系放置型ゲーム。可愛らしいうぃずとともにスローライフを楽しむ

　そんなグラビティゲームアライズは，「BitSummit Drift」に新作タイトル「LIGHT ODYSSEY」「THE GOOD OLD DAYS」「神箱」「Twilight Monk」「FINAL KNIGHT」「SNOW BROS.2 SPECIAL」を出展する。

　試遊会では「Light Odyssey」「THE GOOD OLD DAYS」「神箱」をプレイできた。

神秘的なモノクローム世界で巨像と戦う「Light Odyssey」

　「Light Odyssey」はSSUN GAMESが開発中のボスラッシュ系アクションゲームだ。現時点での対応機種はPC（Steam）で，発売日は2024第4四半期が予定されている。本作の舞台となるのは，没落した古代文明だ。モノクロームの薄闇に包まれたこの地で，主人公は巨像と戦い，光を取り戻していく。


　主人公は小さく，巨像は本当に巨大。自分の数十倍もの身体を持つ巨像が敵意をむき出しにしてこちらを襲ってくるのだ。サイズ差が大きいだけに巨像には死角も多く，背面に回り込んだり，脇の下に潜り込んだりと攻撃を回避する手段は多い。しかし巨像の攻撃も強烈で，腕をなぎ払ったり，地面を叩いたりするだけでなく，天から光線を降らせたりもしてくる。

　主人公が頼みとするのは，周囲をなぎ払う攻撃と素早いダッシュだ。巨像の攻撃をかいくぐり，ヒットアンドアウェイを決めてサイズ差のある敵を翻弄するのは爽快だ。しかし，攻撃もダッシュもスタミナと思しきリソースを消費するため，無闇な突撃は厳禁。激しい攻撃に気圧されることなく，スタミナを管理してクレバーに戦おう。
　今回試遊した開発版では，ダメージを受けてもゲージを消費すれば回復が可能だった。回復に使用するリソースは時間で増えていくため，時には回復のために堪え忍ぶことも必要となる。この機能は，現在もゲームバランスを調整しながら開発しているそうで，製品版でもこのまま採用されるかは分からないが，今後の展開を楽しみに待とう。


　目を奪われるのが，モノトーンの世界とそこで起こるスペクタクルである。巨像との戦いはドラマチックに展開し，細い橋の上を巨像に追われつつ走るような局面もあってスリル満点だ。公称ジャンルが「ボスラッシュアクションゲーム」となっている辺り，アクションゲーム好きにはたまらないゲームになりそうだ。

　そして，ゲーム中に散りばめられている謎も目を引く。謎めいた文字が刻まれた大壁や，神秘的な建造物の数々が，古代文明への興味を掻き立ててくれるのだ。プレイできた範囲ではメッセージらしいメッセージは存在しなかったが，Steamページによればインタフェースや字幕が日本語に対応するとのこと。

冒険映画へのオマージュに満ちた「THE GOOD OLD DAYS」

　日本のヨコゴシステムズがNintendo SwitchとPC（Steam）用に開発中のアクションゲームが「THE GOOD OLD DAYS」。Steamページによれば「近日登場」となっている。



　本作は，「19XX年“あの頃”を駆けるジュブナイルメトロイドヴァニア」と題されたタイトルだ。主人公の少年ショーンは，父親の借金を返すために田舎町アロスティアを駆け巡ることになってしまった。同時に，借金取りに掴まった冒険団「ヌーギーズ」の仲間・フーディ，ブルース，ドクも助け出さなければならない。

　アロスティアは広大で，地上や地下にさまざまな秘密が隠されている。果たしてショーンはタイムリミットまでにお金の調達と仲間の救出をこなせるのだろうか。


　あらすじを見てピンと来た人も多いと思うが，本作は1980年代の冒険映画やそのゲーム版へのオマージュに溢れた作品だ。オマージュはシステム面にも及んでおり，主人公のショーンは爆弾を武器に道を切り拓いていく。地下にある扉を吹き飛ばせばさまざまなアイテムが手に入る辺りも冒険映画のゲーム版を踏襲しており，当時プレイしたことがある人なら懐かしさにジンとくることだろう。


　もちろん本作は単なる模倣ではない。アロスティアを巡るためにはしっかりと謎解きや探索をしていかなければならず，メトロイドヴァニアの色が強い。そのためには，主人公の能力や爆弾の性質をフルに生かしてのプレイが求められる。

　例えば，ある場所では地面にビッシリとトゲが生えており，そのままでは出口にたどり着けない。それではどうするかというと，トゲに爆弾を置いてその上に乗り，爆発するまでの間にジャンプで出口へと向かわなければならない。
　また，崩れる床や目印のない隠し通路などファミコン時代を彷彿とさせるトラップも散見され，アクション面と合わせてやりがいがあるゲームという印象だ。ドット絵スタイルのグラフィックスも懐かしく，ブラウン管のような画面効果と相まって，プレイしているとコンセプト通り“あの頃”の記憶も蘇ってくる。


　今回の出展バージョンでは仲間たちの救出までプレイできなかったが，フーディ，ブルース，ドクはそれぞれに固有の能力を持ち，これを使いこなすことで行動範囲が広がっていくとのこと。メトロイドヴァニア好きであれば期待大のタイトルだろう。

自分で世界を作り上げるRPG「神箱」

　これまでにも何度か情報をお伝えしてきた「神箱」の発売日も2024年8月29日に決まり，BitSummit Driftの会場では最新のデモ版をプレイ可能だ。対応機種はNintendo Switch ，PlayStation 4及び5，PC（Steam）。

　「神箱」は「断片化」した世界を修復していく「ワールドクラフトRPG」だ。モンスターとの戦いはリソースや属性相性を管理しつつのセミオートバトル，土地の修復はパズル，世界のクラフトはシミュレーション……とさまざまなジャンルが融合している。
　中でも世界のクラフトは自由度が高く，川が行く手を阻むなら橋を架け，食糧の補給が面倒ならその場に町を作る……というように，自分の思うまま世界を変えていける。


　特にやり込みがいがありそうなのが，町の構築だ。ある程度の広さがある土地を壁で囲えばそこは町になる。その後に住居や武器屋，パン屋といった建物を建ててやれば，住人が住むようになり，町として機能するようになるのだ。

　地方ごとに獲れる作物が違うことを利用して，特産品特化型の町を作ることもできるし，町どうしを道でつないでやれば特産品もあちこちで流通するようになる。この辺りは町作り系シミュレーションゲームの流れだ。
　町のNPCからもらえるヒントや料理のレシピも地域ごとに違うため，RPGのプレイを円滑にするために町を作ってもOKなのが面白い。


　RPGとしてのやり応えもあり，メインクエストとキャラクエストは合わせて270種，サブクエストと自動生成クエストは332種が用意されているという。プレイ時間は制作者自身がメインストーリーをクリアするのに約80〜100時間，町作りをやり込むのであればそれ以上に遊べるとのこと。

　また，クラフトした武器はランダムで性能が決められ，その総数は260万パターンに及ぶし，ランダム生成のダンジョンが27種用意されているなど，RPG的なやり込み要素も多数用意されているという。各機種用の体験版も配信されているため，気になる人はチェックしてみよう。

「神箱 - Mythology of Cube -」公式サイト

「グラビティゲームアライズ」公式サイト