プレイレポート
[プレイレポ]白虎隊の悲劇を変える歴史ファンタジー「BYAKKO」。恋のお相手は15歳から45歳,年の差ロマンスも注目
幕末の会津を舞台に,少年たちの悲劇を変える使命を背負った主人公と,個性豊かな青年たちとの絆を描く「BYAKKO 〜四神部隊炎恋記〜」の先行プレイレポートをお届けする。本作は,オトメイトより2025年5月29日に発売予定のNintendo Switch向け恋愛アドベンチャーゲームだ。![]() |
本稿は共通ルートのレポートとなるため,それぞれの恋の結末に関するネタバレはないものの,物語に関する記載やスクリーンショットが含まれる。ネタバレを避けたい人は,注意してほしい。
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白虎神に“少年たちの悲劇”を阻止するように告げられて……
本作は江戸時代の幕末を舞台に,会津藩が組織した白虎隊,朱雀隊,青龍隊という年齢別の部隊に所属する男性たちとの恋が描かれる。なかでも,少年部隊である白虎隊は,さまざまな舞台や映画の題材になっており,名前を聞いたことがあるという人も多いだろう。
主人公の佐野ゆずりは(名前変更可能)は,会津藩の武家に生まれ,16歳のときに兄を戦争で亡くし,天涯孤独の身となる少女だ。ある晩,“兄が切腹に使用した刀”を抱いて眠りについた主人公は,会津を古くから見守る四神の一柱「白虎神」の夢を見る。
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白虎神は近い未来,会津が戦いの場となることを告げ,主人公にひとつの使命を与えた。
「銃を使い、いずれ生まれる『少年たちの悲劇』を防いでください。もし成し遂げた暁には、どんな願いでも叶えましょう」
そして目覚めた主人公のもとには,兄の刀が一挺の銃「当千銃」へと姿を変えて残されていた。
「当千銃」は,尽きぬ無念を弾丸として撃ち出せる,戦いでは大きな戦力となる特殊な銃だ。
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とても不思議な出来事だったが,当千銃が残っていたことで,それがただの夢ではなかったことは明らかだった。主人公は悲劇を阻止するため,砲術の修行を始める。
大きな使命を背負ってはいるが,隣家で砲術を教えている岡本八重など,相談できる人が身近にいる環境に,少しだけほっとする。また,史実を知っている筆者からすると,この戦いは戊辰戦争のなかで起きた会津戦争のことであり,“少年たちの悲劇”が白虎隊を指していると分かっているぶん,これから起こる未来を思うと,胸が締めつけられるような気持ちになった。
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白虎神の夢を見てから3年後,主人公はひょんなことから神崎宗十郎の刀を「当千銃」に変えてしまう。当千銃は一挺だけではなく,切腹に使用された無念が残る刀――切腹刀に主人公が触れることで,新たに作り出せることが明らかになる。
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この事実を知った会津藩家老の長男である山瀬大蔵の案で,秘密裡に“当千銃”を藩の戦力として活用する計画がスタートする。
また,“少年たちの悲劇”を気にする主人公に,大蔵は若者たちが学ぶ藩校「日新館」に足を運んでみてはどうかと提案するのだった。
主人公は会津藩を思う青年たちと交流したり,日新館で若者たちと共に過ごしたりしながら,来るべき悲劇の歴史を変えるため,懸命に生きることになる。
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動乱の幕末が舞台となっているため,全体的に戦いや葛藤など,シリアスなシーンが多い。そのぶん,男性たちとお酒を飲んだり,恋バナや昔話に花を咲かせたりといった,平和な時間の大切さも実感できる。
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また,伝統工芸品・赤べこや日新館の什の掟なども印象的なエピソードに登場し,他藩出身の筆者として,会津藩についてより深く知ることができたのもうれしかった。
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3つの隊から,運命を共にする隊を決めよう
物語の途中には選択肢が登場し,選んだ内容によって好感度が変化する。オトメイト作品おなじみの愛キャッチシステムも搭載されており,好感度の変化がひと目で分かるのがありがたい。
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共通ルートの最後では,白虎隊,朱雀隊,青龍隊のどの部隊と行動を共にするかを選択する。部隊ごとに交流できる人物が異なるため,恋の結末を見届けたい相手がいる部隊を選ぼう。
メニューの行路では,一度開放したシナリオならいつでもプレイできるため,周回プレイも快適だ。
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【白虎隊】日新館で共に学ぶ年下の男の子たち
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主人公は若者たちのことを知るために,性別を隠して日新館に通うことになる。その協力者が,石谷虎之助と飯山貞吉だ。
真面目な虎之助とマイペースな貞吉はタイプこそ反対だが,とても仲良しだ。年下ではあるけれど,主人公に男性として見てほしいという気持ちが見え隠れする言動が,どこか微笑ましい。
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17歳/石谷虎之助(CV:堀江 瞬)
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15歳/飯山貞吉(CV:小林千晃)
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【朱雀隊】幼いころ一緒に過ごした幼馴染たち
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朱雀隊に所属する岡本三郎と山瀬大蔵,そして主人公は,幼いころからお互いを知っている幼馴染の関係だ。三郎は昔から主人公のことを特別に思っているようだが,うまく気持ちを伝えられずにいる。
若くして家を継いだ大蔵とは久しぶりの再会となったが,親しい関係は変わっていないようだ。
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21歳/岡本三郎(CV:岡本信彦)
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24歳/山瀬大蔵(CV:木村良平)
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【青龍隊】使命に取り組むなかで出会った年上の男性たち
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大蔵の考えで“当千銃”を会津藩主に紹介するため,主人公は京都を訪れる。そのときに,神崎宗十郎と秋月栄次郎と深く交流することになる。
宗十郎は,もとは栄次郎の護衛役を務めていた。関係性は今でも変わらず,強くてクールな宗十郎を,穏やかな栄次郎が御している構図が面白い。
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38歳/神崎宗十郎(CV:安元洋貴)
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45歳/秋月栄次郎(CV:興津和幸)
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共通ルートでは主人公の視点だけでなく,男性たちの目線で描かれる場面もある。彼らの本音に触れることで,人物への理解が深まり,ますます好きになっていった。
無事に悲劇を退け,男性たちと未来をつかみ取ることができるのか――ぜひ,その結末を見届けてほしい。
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本作は通常版に加え,特典小冊子やドラマCD「私立愛津高等学校・青春奪還録」が付属する豪華な特装版も用意されている。さらに,予約特典や店舗別の購入特典も展開されているため,詳しくは公式サイトをチェックしてほしい。
「BYAKKO 〜四神部隊炎恋記〜」公式サイト
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