
インタビュー
正式リリースが待たれる「キングダム 覇道」開発者インタビュー。“キングダム愛”から生まれた工夫の数々をキーパーソンに聞いてきた
「キングダム 覇道」はバンダイナムコエンターテインメントが配信を予定している,「キングダム」を題材にしたスマートフォン向け新作アプリゲームだ。最大60人規模で繰り広げられる軍団同士のリアルタイムバトルを特徴としており,コーエーテクモゲームスとの共同開発が進められている。
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先頃実施されたクローズドβテスト(以下,CBT)を終え,今や正式リリースに向けて着実に準備が進められている本作だが,「キングダム」を題材としたゲームとして,また「覇道」シリーズとして,どのような意図の元に企画・開発が進められたのか。また,どのような進化を遂げようとしているのだろうか。両社の開発メインスタッフ陣に話を聞いてみた。
「キングダム 覇道」公式サイト
「キングダム 覇道」予約注文ページ
「キングダム 覇道」事前登録ページ
“キングダムらしさ”を実現するために
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まず本作の制作経緯からお聞かせいただきたいのですが,話はどちらから持ちかけたのでしょうか。
バンダイナムコエンターテインメント A氏:(以下,BNE A氏)
発端としては、社内にファンが多い「キングダム」でなにかゲームを作れないかと企画を練っていまして,その検討を進めている最中にちょうどKTGさんから「覇道」シリーズの企画の持ち掛けがありました。だったら「キングダム」しかないでしょうということになり……。
4Gamer:
飛びついたわけですね(笑)。コーエーテクモさんとしては,「キングダム」を念頭にオファーしたわけではなかったんでしょうか。
コーエーテクモゲームス A氏(以下,KTG A氏):
私たちも「キングダム」がよいのではと考えていました。社内でも「キングダム」のファンは多くて,ジャンル的にも「覇道」との相性も抜群ですから。「覇道」シリーズのアンケートでも,プレイヤーに「キングダム」ファンが多いのも分かっていましたし,そういう思惑もありつつ,「いっしょに何か作りませんか」と声を掛けた次第です。
4Gamer:
確かに「覇道」のゲームシステムの特徴である,いろんな人間の思惑が戦場に渦巻いている感じは,「キングダム」にマッチしているように感じますね。
KTG A氏:
そうなんです。30対30という多人数でリアルタイムの攻城戦や野戦をプレイできるのが「覇道」のウリですが,それってまさに「キングダム」で描かれる戦そのものじゃないですか。「キングダム」という作品が多くの人に届いたのも,そうした戦場の描き方が素晴らしかったからだと思いますし,ゲームに落とし込むのなら,これ以上に相性のいいものはないんじゃないかと。
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BNE A氏:
あと,うちの開発チームに「覇道」をやり込んでいたメンバーが多かったのも大きいかもしれません。攻略情報や,戦に向けた作戦をExcelシートに入力して管理してた人もいたくらいです。
KTG B氏:
その方は相当コアなプレイヤーで,ランクでもかなり上位だったんですよ。
4Gamer:
それはすごい。でもガチになるとExcelが出てくるのは,とてもよく分かる話です。社会人ゲーマーあるあるですよね(笑)。
では,そんな「キングダム」の魅力を再現するに当たって拘った部分――つまりは本作のコンセプトをうかがわせてください。
BNE B氏:
「キングダム 覇道」が目指したのは「キングダム」ファンはもちろんのこと,戦略シミュレーションにこれまで馴染みのなかった人でもプレイしやすいタイトルにすることでした。そのために大軍を率いて戦うマクロな視点と,武将たちが戦うミクロな視点の双方で,システムに改修を加えています。
4Gamer:
まず前者からうかがわせてください。マクロな視点というと,次はどこに進軍するかといった戦略レベルの話ですね。
KTG B氏:
はい。既存の「覇道」シリーズは,戦いを通じて領地を広げていくことに重点を置いたゲームデザインでした。しかし「キングダム」で描かれている戦いは,共通の敵に向かって皆が進んでいくイメージです。なので,まずはマップの進め方に手を入れるところから始めました。
BNE B氏:
これは蛇甘平原のマップですが,ある種のトーナメント表のような構造になっています。勝利したプレイヤーは次の拠点へと進軍し,そしてまた次の拠点を目指して戦いを繰り広げる。まずこの遊びの作り方が,既存の「覇道」と大きく違う点です。
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4Gamer:
なるほど……これは面白いですね。マップの左端から右へと進軍し,道が交差したところの建物に到達すると,軍団同士の戦いが発生するわけですね。
BNE B氏:
はい。ただ一番左側,軍団本拠と一時拠点と呼ばれる建物には,ほかのプレイヤーの軍団は入ってこられないので,まずはそこでゲームの遊び方を学べるようになっています。CBTではこうした安全地帯がなく,軍団同士の戦いが起こらない場所が存在しませんでした。しかしリリース版では,1軍団ごとに一つこうした安全な建物があり,ゲームに慣れながら先に進めるようにしています。
KTG B氏:
このマップの構造に落ち着くまでには,かなりの試行錯誤が必要でした。開発当初から2〜3回は作り直したくらいなので。ですのでこのマップは,先にお話した「キングダム」ファンでも遊んでいただきやすい,本作のコンセプトを強く反映したものになっています。
4Gamer:
確かに分かりやすいですね。
KTG B氏:
それから部隊の動かした方も,従来の「覇道」から大きく変わった部分です。これまでの「覇道」では,複数の部隊をそれぞれ別個に操作して,戦場のあちこちに向かわせることができました。しかし「キングダム 覇道」では,編成した部隊をまとめて一つの軍勢として操作する方式になり,遊びやすくしています。
BNE A氏:
動かす対象が一つだけになったので,操作はかなり楽になりました。とはいえ,それで戦略性が下がったのかというと,そうではありません。この一つの軍勢の中で,どう戦略を組み立てるかが重要になるんです。
4Gamer:
というと?
BNE A氏:
軍勢によって部隊がまとまって動くことになった結果,部隊の並びを決定する「陣形」がより重要になっています。これまでの「覇道」の戦闘は部隊単位であり,マップ上における部隊の並びは指定できなかったので,乱戦になるのが普通でした。しかし今作では,軍勢と軍勢での戦いを基本とすることで,前衛は前衛同士,中衛は中衛同士で戦うことになります。どの位置に配置するかで相手側のどの武将と相対するかが変化し,これが戦闘の有利不利につながっていくのです。
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KTG B氏:
例えば「錐行陣」は前列が1部隊しかいない陣形なので,前列が2部隊の「鶴翼陣」と当たると,前列間の戦いは不利になります。そういった陣形同士の相性が,勝敗に影響するわけです。また陣形には「〇〇タイプの部隊が〇つあると攻撃力がアップする」といった追加効果があって,こういったバフ次第でも差が生まれてくる。
4Gamer:
陣形のどこにどの部隊を置くかは,プレイヤーが決めるんですね。
BNE A氏:
そうです。ただ前列にいるほうが強い武将や,中列でこそ個性が生きる武将といったように得意不得意がある。例えば主人公の信や,大将軍の王騎などは,前列に置くと強い武将ですね。
4Gamer:
戦法は,自動で発動するものですよね。
KTG B氏:
はい。部隊ごとに戦法が発動するまでの時間が設定されていて,発動すると,例えば相手の陣形の縦列を貫通する強力な攻撃を放ったり,同じ列にいる味方にバフをかけたりできるんです。貫通攻撃を持っているなら,敵が並んでいそうな中央に置きたいですし,横列にバフをかけられる部隊なら,同列にほかの部隊を配置できる陣形で使いたい。そういったことを考えながら,陣形を組んでいくのが編成における本作の戦略になっているんです。
4Gamer:
陣形は何種類あるんでしょうか。
BNE A氏:
当初は「基本陣」「錐行陣」「鶴翼陣」「方陣」の4つでいく予定です。まずはオーソドックスなところから始めて,徐々に増やしていければと思っています。作中には珍しい陣形が登場していたりするので,そういうものも追加していきたいですね。
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KTG B氏:
これは上級者向けの機能ですが,実は戦法の発動順もプレイヤー側である程度コントロールできるんですよ。部隊の編成画面に「戦法発動順」というのがあって,これを見るとどんなタイミングで戦法が発動するかが確認できるのですが,部隊の配置を入れ替えると発動順が変わります。また,陣形によっては戦法が発動までの秒数も変化するんです。
4Gamer:
となると,編成はかなり考えることが多くなりますね。
KTG B氏:
そうですね。ほかの「覇道」シリーズでは部隊が敵にぶつかったあとは,いかに戦法を早撃ちするかの勝負になっていたところがありました。しかし今作では,この戦法発動のタイムラインをいかに組むかが重要になってくる。考えることが多いので,突き詰めればかなり奥深いと思います。
4Gamer:
……なるほど。操作が簡単になったぶん,編成で奥深さを担保しているんですね。理解するまでが,ちょっと難しそうですけど。
BNE B氏:
この辺りはチュートリアルで段階的に理解できるように作っています。今説明した戦法のタイムラインなどは,プレイを進めていく中で少しずつ機能がアンロックされていく仕組みなので,使い方が自然と身についていくと思いますよ。
BNE A氏:
最初は「信だから前列に置いて突っ込んでもらおう」くらいのノリで十分楽しめる作りになっています。突き詰めれば考えることは多いですが,難しく考えずに,まずは気軽に遊んでもらえたら嬉しいですね。
一番作りたかった攻城戦と,その導線
4Gamer:
次はミクロな視点でのポイントを聞かせてください。武将たちの戦いということは,バトルが始まってからのシステムということですよね。
BNE A氏:
はい。「キングダム」における戦場の華といえば,やはり「攻城戦」です。今作ではこの攻城戦を大幅にボリュームアップし,これまでの「覇道」にはないシステムを組み込みました。
BNE C氏:
この攻城戦こそが,今作で一番作りたかったと言っても過言ではありません。城壁が立体的になり,これまでの「覇道」シリーズに比べて守るべきポイントが増えています。もちろん井闌車(せいらんしゃ)も登場し,これが勝敗を分ける大きな要素となります。
4Gamer:
「キングダム」といえば,井闌車はやはり欠かせませんね。
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BNE C氏:
井闌車が城壁にたどり着くと,壁上に簡単に登れるようになってしまうので,攻撃側が大きく有利になります。反対に井闌車がないと,攻撃側は梯子をかけるか城門を破るしかないので,厳しい戦いを強いられることになるでしょう。
4Gamer:
攻城戦自体はこれまでの「覇道」にもありましたが,本作の場合はかなり戦場が広い印象ですね。
BNE A氏:
実は開発初期はもっと戦場が広くて,城の四方から攻めることができたんです。でもそれだと複雑になりすぎるので,一つの方向から攻撃する今の形に落ち着きました。
KTG B氏:
当初は城壁の裏側から忍び込んで,内側から城門の鍵を壊して開ける作戦もできたんですが,あまりに強すぎたのでなくなりました(笑)。今は城門か,もしくは城壁の上にある城楼が壊されたら攻撃側の勝利,できなければ負けというルールに落ち着いています。
BNE A氏:
下(城門)から攻めるか,それとも井闌車で上(城壁)から攻めるか。そのどちらを選ぶかでも戦略が違ってくるので,それもまた攻城戦の面白さですね。死に物狂いで城壁を登る兵士たちのビジュアルもすごく「キングダム」らしいですし,立体的な攻防の駆け引きが,「覇道」としての新しさにもなっている。
4Gamer:
なるほど,うまくできていますね。
BNE A氏:
我々としても,すごくいいシステムになったと思っています。あと,もう一つ注目してもらいたいのが「勝機」システムですね。
4Gamer:
「勝機」とはどういったものなんでしょうか。
BNE A氏:
ある種の逆転要素なんですが,攻城戦や砦戦といった軍団戦中に,ときおり「勝機エリア」が発生することがあるんです。このエリアに誰かが入ると火が点いたようなエフェクトが現れ,軍勢が「種火」を獲得するようになります。その状態で戦い続け,火を「炎」や「大炎」まで育てることができれば,エリア内の部隊に大きなバフがかかって戦闘が大幅に有利になるんです。
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4Gamer:
勝機エリアはランダムで発生するものなんですか?
KTG B氏:
確実に発生するタイミングが二つあって,一つは攻撃側が井闌車を城壁に到達させたとき。もう一つは防御側が井闌車を壊したときですね。あとは何らかの施設を壊したときなどに,確率で発生するようになっています。戦況に変化をもたらすためのシステムですね。
4Gamer:
となると,勝機エリアが発生すると,敵も味方もそこに殺到するのでは。
BNE A氏:
一直線に勝機エリアを目指すか,あるいは少し待つかはプレイヤー次第です。戦場は広いので,必ずしもすぐに辿りつけるとは限りませんし,エリアに入ってすぐにバフが発動するわけでもないですから。
BNE B氏:
最初の種火の状態から炎や大炎にまで育てるには,敵軍勢と戦い続けなくてはならないので,タイミングは見極める必要があります。
4Gamer:
バフというのは,具体的にどんなものなのでしょうか。
KTG B氏:
とにかく防御面の効果が強いですね。一種の無敵に近い状態になるので,部隊一つで戦局を変えてしまうことも不可能ではありません。
BNE A氏:
作中の武将さながらの活躍ができるので,かなり気持ちいいですよ。とくに「キングダム」ファンの人には,ぜひ体験してもらいたいですね。
4Gamer:
攻城戦が本作のウリである一方で,公式サイトで公開されているCBTレポートでは,約4割のプレイヤーが攻城戦を体験するところまでゲームを進められなかったと書かれています。対応策は何か考えているでしょうか。
BNE A氏:
CBTでは,軍団に所属するのに抵抗感があるプレイヤーが多かったので,正式サービスでは,まずこのハードルを下げる施策を加える予定でいます。その一つが「軍団司令」です。
4Gamer:
これは……いわゆるチュートリアル的なお助けNPCでしょうか。
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BNE C氏:
イメージは近いですが,チュートリアルが終わってもずっと軍団をサポートをしてくれるんですよ。軍団指令はプレイヤーに対して「ここを攻めるのが良さそう」とか,「あっちに軍を進めた方がいいだろう」といったアドバイスをくれるNPCです。王騎や楊端和といったキャラクターが割り当てられていて,作中の雰囲気を楽しみながら遊べるようになっています。
BNE B氏:
CBTは従来の「覇道」シリーズに慣れたプレイヤーには好評だった一方で,本作で初めて「覇道」シリーズに触れたプレイヤーの皆さんからは,軍団を作っても何をすればいいかのか分からず,その先に進めないといった声が少なくありませんでした。軍団司令は,こうしたプレイヤーの助けとなるべく用意したものになります。
4Gamer:
確かに,いきなりほかのプレイヤーと交流しろと言われても,難しいかもしれません。
KTG B氏:
とはいえ,軍団戦に参加するところまで進めたプレイヤーからは,既存作品のプレイ経験に関わらず,かなりの高評価をいただいています。ですので正式リリース後は,軍団戦に至るまでをしっかりフォローするシステムにしたいと考えています。
BNE A氏:
CBTではチュートリアルが終わった直後に,次は軍団に入りましょうという流れだったんですよね。ですが,もう少しゲームに慣れてから軍団に触れもらうほうが抵抗感が少ないと思いますので,軍団に入る前に遊べるミッションも用意するつもりです。
KTG A氏:
そのミッションが終わったら,改めて「あなたにオススメの軍団はここです」といったような提案が表示される仕組みです。
4Gamer:
どんな軍団がオススメされるのでしょうか。
KTG B氏:
例えば最初の関門に挑戦しようとしている軍団や,最初の戦地での戦いを終えて,次に向かおうとしているアクティブな軍団などが優先的に選ばれます。
BNE A氏:
軍団周りでは,軍団戦の参戦人数が足りない場合に,NPCが参戦してくれる仕組みも新たに組み込みました。プレイヤーが入ってきたら自然にフェードアウトしていく形ですので,より軍団戦が楽しみやすくなったと思います。
KTG B氏:
軍団周りはゼロから作り直すぐらいの改修を加えていますので,CBTで挫折してしまったという人も,ぜひもう一度チャレンジしてもらいたいですね。
「キングダム 覇道」ならではのビジュアルを目指して
4Gamer:
ここからはキャラクターについてうかがわせてください。本作では,アニメともまた異なるテイストのビジュアルを採用していますが,これはどのように生まれてきたのでしょうか。
BNE A氏:
本作のこのビジュアルは,実はかなり試行錯誤したうえで辿り着いたものだったりするんです。ファンの皆さんが慣れ親しんだテイストと,本格的な歴史シミュレーションらしさの間で,うまくバランスを取りたかった。なので,「これはアニメに寄りすぎる」「これだとリアルすぎる」といったように,コーエーテクモさんともかなり議論した覚えがあります。
KTG A氏:
「キングダム」の世界に入り込んだような感覚が欲しくて,作中のテイストは残しつつ,できるだけリアルに寄せたいという狙いがありました。なので最初はもっとリアル寄りで,王騎の髭が風になびいて,関羽みたいなビジュアルだったときもあったんですよ。ただ,それだともう王騎じゃないよねってことになり。
KTG B氏:
王騎ですべてが決まった感はありましたね。このビジュアルが決まったところで,すべての方向性が定まったというか。
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KTG A氏:
実際,完成した王騎のイラストを社内で回覧したら,ものすごく好評でした。これが我々の目指したものだと。ただ「キングダム」ファンがこれを許してくれるかは,正直不安だったんですよ。しかしCBTでもビジュアル面は好評で,胸をなで下ろしたところがあります。
4Gamer:
確かにアニメとは異なりますが,違和感はないですね。
BNE A氏:
鎧の傷の付きかたなんかもリアル寄りで,キャラクターによっては腕に生傷がいっぱい付いている者もいます。作中にはない表現ですが,版権元様にも本作のコンセプトを理解していただき,了承を得ることができました。本作ならではの表現として,手応えを感じているものの一つです。
4Gamer:
では王騎以外で,とくに注目してもらいたいキャラクターというと,誰になりますか。
KTG B氏:
個人的にはバジオウですね。仮面の材質が陶器なのか石なのか,それとももっと柔らかいものなのか全然分からないという。版権元様に確認したら石の焼き物とのことだったので,ゲーム内ではそれっぽい色合いにしています。
BNE A氏:
バジオウだけじゃなく,ほかのキャラクターも装備の材質が分かるくらいまで描き込まれているので,注目してもらいたいです。例えば河了貂(かりょうてん)が着てるミノの素材だったりとか。
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KTG A氏:
嬴政の妻の向(こう)なんかも,着物の柄まで表現していてすごいですよ。版権元様と打ち合わせを重ねまして,漫画に近いデザインにしています。
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BNE C氏:
キャラクターの話からはちょっとズレますが,作中では戦闘に参加しない,向のような立ち位置のキャラクターも,本作では部隊に編成したり,「救援武将」として編成したりできます。救援武将に編成しておくと,戦場には立ちませんが任意のタイミングで部隊の兵力を回復したり,攻撃力をアップしたりできるので,なかなか重要な役どころになります。
KTG A氏:
救援以外でも,例えば武将に資源の調達を命じられるのですが,こういったミッションでは向のような後方で支援するキャラクターのほうがよく働いてくれます。登場するキャラクターは,なるべく全員に活躍の場があるようにしているので,「キングダム」ファンは期待していてください。
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BNE A氏:
あと,ムタもいいですよね。けっこう序盤に出てくる毒矢を使うキャラクターなんですが,イラストだとめちゃくちゃかっこいい(笑)。
KTG A氏:
イラスト制作段階でも,吹き矢か手斧か,どちらを持たせればムタらしくなるかで喧々諤々でした(笑)。
KTG B氏:
ムタとかもそうですが,漫画やアニメだからこそ成立するキャラクターってあるじゃないですか。ランカイとか。ああいうキャラクターが本作でどう描かれているかも注目してほしいポイントです。
4Gamer:
リリース版では,ボイスもすべてのキャラクターに付くと考えていいですか。
BNE A氏:
はい。CBTでは信と王騎しかボイスがありませんでしたが,リリース版ではすべてのキャラクターにボイスがつく予定です。とくに戦闘中はかなりキャラクターがしゃべるので,「キングダム」らしい戦場になると思います。
KTG B氏:
あとすごく細かい話ですが,山の民のセリフはボイスこそ日本語ですけど,画面上は「キングダム」の作中どおり“山の民語”で表示されます。苦労したポイントなので,ぜひ見ていただきたいです(笑)。
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4Gamer:
分かりました(笑)。では,キャラクター(武将)の入手方法はどうなるのでしょうか。いわゆるガシャはあるわけですよね。
BNE A氏:
ガシャが基本ですが,それ以外の入手方法もあります。例えば内政の「軍備」の中に「親睦」という,キャラクターと仲良くなることで報酬が得られる機能があるのですが,ここでもキャラクターが入手できます。余談ですが,親睦ではキャラクターとのちょっとした会話劇も楽しめるので,「キングダム」ファンはとくに楽しんでいいただけるコンテンツになっています。
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KTG B氏:
ほかにも,ガシャでキャラクターが被ったときなどに得られる「友好度」ポイントを変換して得られる「交流Pt」を使って,任意の武将を獲得する「交流」という機能もあります。未所持の武将のポイントを1000貯めると,その武将を「勧誘」できるようになるんです。なので,時間をかければ欲しい武将も手に入れやすくなります。
BNE A氏:
あとは定期的に行われるイベントでもキャラクターを配布する予定です。なので無理に課金せずとも,部隊を編成する楽しさを味わうに十分なキャラクターは揃えられると思いますよ。
4Gamer:
登場するキャラクターは,どの範囲になるのでしょうか。
BNE A氏:
アニメに登場したキャラクターが基本ですが,ガシャのラインナップはゲーム内のシーズン進行に合わせて変化するので,必ずしも時系列順にはなりません。どの時期のどのキャラクターが登場するかは,楽しみにお待ちいただけたらと思っています。
4Gamer:
いわゆる期間限定キャラクターのような,例えばクリスマスにサンタの格好をした王騎に会えたり……とかはありませんか。
KTG B氏:
可能性はありますが,世界観は大事にしたいので,クリスマスとかハロウィンはちょっと難しいかもしれません(苦笑)。
KTG A氏:
ちなみにキャラクターのガシャのほかにも,商店(有料アイテムショップ)ではバトルを進めるのに必要な「兵糧」や,軍勢を動かすための「軍令書」といったアイテムを購入できます。
4Gamer:
いわゆるスタミナ回復アイテムでしょうか。
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BNE A氏:
そうですね。内政や軍勢の移動を行うごとに,アイテムやスタミナの消費が発生します。一方で,戦闘中に消費されるものはありません。基本は放置でアイテム集めをしつつ,スタミナが溜まったら行動するといったスタイルを想定していて,常に画面に張り付いてプレイし続けるようなバランスにはなっていません。
4Gamer:
なるほど。サービスインの時期は未定とのことですが,今後のスケジュールについて,現時点で何かお話いただけることはありますか。
BNE A氏:
現在は事前登録の受付を行っていますが,サービスの開始時期はまだお知らせできません。ですが近日中には,何かしらの発表ができると思いますので,お待ちいただければと思います。
BNE B氏:
登録者数に応じてゲーム内報酬がもらえるキャンペーンや,事前登録ガシャといった施策も実施しています。正式リリースに先駆けて楽しめる要素も用意していますので,ぜひご参加ください。
「キングダム 覇道」,事前登録の受付をApp StoreとGoogle Playで開始。ゲーム内容にフォーカスしたPVも公開に

バンダイナムコエンターテインメントは本日(2025年9月1日),スマホ向け新作アプリ「キングダム 覇道」の事前登録をApp StoreとGoogle Playで開始したことを発表した。これに合わせて,登録者数に応じてゲーム内報酬を受け取れる事前登録キャンペーンもスタートしている。
4Gamer:
最後に読者に向けたメッセージをいただけますか。
BNE A氏:
手前味噌になりますが,本作は「キングダム」の戦場を,これまでで一番リアルに描いたタイトルになったと自負しています。プレイヤー自身が「キングダム」の世界に入って,将として活躍する体験ができるゲームになっていますので,ぜひリリースを楽しみにしていてください。
KTG A氏:
「キングダム」に愛を持ったメンバーが作ったタイトルですので,ぜひ「キングダム」を愛する人たちにプレイしてもらいたいです。そのために,従来の「覇道」よりも遊びやすく,分かりやすいゲームにしたつもりです。
一方で,従来の「覇道」ファンにも満足いただけるように,本作ならではの戦略性や奥深さも突き詰めました。「キングダム」ファンと「覇道」ファン,どちらにも満足していただけるタイトルになっていますので,リリース後はぜひ遊んでみてください。
4Gamer:
ありがとうございました。
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- ライター:丸谷健太

(C)原泰久/集英社・キングダム製作委員会
(C)Bandai Namco Entertainment Inc.
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