斜め見下ろし視点のトラック運転配達ゲーム「Truckful」は，マシンを操作している感が強い。初心に帰って運転を楽しめる［WePlay2025］

　「WePlay Expo 2025」の会場で，ポーランドのインディースタジオ・MythicOwlが開発中の「Truckful / トラックフル」の体験版をプレイした。


　本作は，斜め見下ろし視点のドライブゲームだ。カメラはトラックに合わせて移動するが，向きは回転しない。多くのドライブゲームでは，車の進行方向（正面）とカメラの向きが一致しているのが一般的で，左に行きたければ左に，右に行きたければ右にハンドルを切ればいい。


　カメラが回転しないことで，操作感が独特なものとなっている。トラックが画面右方向に進んでいるとき，画面上方向へ進みたければ左スティックを左に，画面下方向へ進みたければ右に倒さないといけない。

　右に進み続けるだけなら簡単な気がするが，そうはいかない。道がふさがれていて進めない場合，トラックを切り返して道を戻り，脇道を進む必要がある。方向転換が連続して，ちょっと難しい。

羊の群れが道を塞いでいる。グロテスクな結果を想像しながら突撃したが，仕様的に進めないようになっていた

狭い道で起伏やカーブもそこそこある

　スティックを「どっちに倒せば，どっちに進むんだっけ」と混乱しながら，道を踏み外すことも多かった。ふと，筆者がアクセルをベタ踏みしているのが悪いということに気づいてからは，けっこう動きが安定した気がする。

　また，プレイしていると，マシンを自分自身で操っているという感覚がかなり強い。自分が慣れていないだけで，トラックはこちらの入力を素直に受け取って動いてくれる。自動車教習所で教官に言われた言葉を思い出しつつ，一つひとつの動作を丁寧に，落ち着いてやっていくと，何か掴めていけるような気がする。


　ぎこちなさが多少軽減された状態で道を進むと，配達員の女性・ロッティが立ち往生していた。車が壊れたようで，主人公が代わりに荷物を運ぶことになる。


　ここで運転しているトラックが「61年式のGT-DPEX」という古く珍しい車であること，主人公が運転席に閉じ込められていることが，しれっと明かされる。主人公のセリフは表示されないので，口下手な雰囲気を感じる。

NPCが喋るときは，ピロピロという話している風な効果音が鳴る

　外に出られないため，ロッティの車に荷台側を寄せて荷物を積み込むことになった。積み込みは，グリッド状のマスにアイテムを配置する仕組みだ。
　自由に積めるが，物理演算が搭載されているので，荷物が落ちないように安定する配置を考える。ロッティも荷物と同じように荷台のマスに座らせて配置する。


　荷物を積み込み終わったら出発だ。自信のないふらふらしたハンドル捌きだと，荷物がすぐに落っこちてしまう。荷物を1つでも落としたり，道から外れてしまったりすると直前のチェックポイントからやり直しになる。
　ロッティに頑張って支えてほしいが，体育座りのロッティには難しそうだ。


　ゆっくりと落ち着いて操作しながら，さらに道を進んでいくと，配達先にたどり着く。トラックを駐車スペースに入れることになった。前向き駐車はできないので，前後に車を動かしながら切り返し，調整する。

　これが難しい。切り返しってどうやるんだっけ，今車はどっち向いていて，どっちにハンドルを切ればいいんだっけ，というのを考える。家に確実にダメージを与えながら，無事駐車する。


　家主のテレサは不甲斐ない運転に怒ることなく，荷物を受け取るとトラックの修理をしてくれた。ヘッドライトとクラクションが使えるようになる。
　クラクションは，道をふさぐ動物を追い払える。追い払えるといっても，びっくりして逃げ出すというよりは，仕方ないなという感じで，道路脇に寄るだけだ。ちょっと邪魔である。


　夜道だし，安全運転で進もうとしたら，背後からものすごい音とともに，巨大な車が迫ってきた。安全運転なんてしている場合ではない。


　これまでのプレイで少し慣れていたので，ある程度速度を出してもスムーズに進めるようになっていた。イライラ棒のようにうねった道をスムーズに進めると，気持ちいいし，何より上達を強烈に実感できる。

コースアウトしたり，追いつかれたりするとやり直しになる

　場所によっては多少滑りやすさも違うようだった。ハンドルとアクセルを操り，無事森を抜ける。この谷にはどうやら秘密が隠されているようだ，というところで体験版は終了した。


　本作は，2025年4月7日に，パルワールドで知られるポケットペアのパブリッシング部門・Pocketpair Publishingとの提携が発表され，同10月9日に日本語にも対応した体験版が公開された。
　パブリッシャの獲得をきっかけに，グラフィックスの強化やローカライズ対応も進んでいるという。公開されているトレイラーでは，トラックのカスタマイズや，タイヤが浸かるくらいの水位の水路を進む場面も確認できる。
　正式リリース版では，さらに新鮮な体験が期待できそうだ。