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クリーチャーズ&ゲームフリーク監修! ポケモンのボードゲームは「赤・緑」の世界を見事に表現 昭和・平成レトロボードゲーム大百科 第3回
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印刷2025/05/24 10:00

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クリーチャーズ&ゲームフリーク監修! ポケモンのボードゲームは「赤・緑」の世界を見事に表現 昭和・平成レトロボードゲーム大百科 第3回

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 4Gamer読者なら,「ポケットモンスター」(以下,ポケモン)については説明不要でしょう。「Pokémon GO」「Pokémon Trading Card Game Pocket」といったスマホ向けタイトルをプレイいる人や,この秋リリースの「Pokémon LEGENDS Z-A」を楽しみにしている人は多いと思います。

 「ポケモン」のゲームは次々と新しいタイトルがリリースされているので,レトロ感がないかもしれませんが,初代作品である「ポケットモンスター 赤・緑」がゲームボーイ向けに発売されたのは,今から29年前の平成8年(1996年)ですから,そう考えるとけっこうな歴史があるんですよね。

 多くの方がご存じの通り,「赤・緑」の発売当初はそれほど注目されていませんでしたが,「収集」「育成」「対戦」「交換」といった要素の面白さが口コミで広がり,やがて爆発的なヒットに。かくいう僕も当時働いていた編集部でその噂を耳にして緑を購入し,新婚旅行にまで持って行くほど大ハマリしました。

 そして翌年の平成9年(1997年)には現在まで続くテレビアニメシリーズの放映がスタート。その勢いに乗って同年にトミーから発売されたのが,今回紹介する「ポケットモンスター ボードゲーム」です。

「赤・緑」のポケモン151匹すべてが描かれたパッケージ。進化系ポケモンは線でつないでグループ化されているので,うっかり進化形態を忘れても,ここで確認できて便利
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 パッケージを見てまず驚くのは,箱の左下にある「クリーチャーズ ゲームフリーク監修」の文字。「ポケモン」の開発会社として知られる2社のお墨付きというわけです。実際どこまで関わっているかは分かりませんが,中途半端なボードゲーム化ではないことは,プレイすれば伝わってきます。

 例えば箱絵に描かれている初期のポケモン151匹がすべて登場しますし,多少ボードゲームとしての解釈は加わるものの,先ほど述べた「ポケモン」の要素「収集」「育成」「対戦」「交換」がすべて可能になっているなど,その世界観をボードゲームとしてしっかり表現しています。以下で詳しく紹介しましょう。


ルールはシンプル,だけど奥深い!


 最初にこのボードゲーム版ポケモンの概要を説明しましょう。

カントー地方の全体マップにルートが引かれ,各所にポケモンが分布。「赤・緑」のプレイヤーや,初期のポケモンアニメを見ていた人ならおなじみの地名が名を連ねています
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 登場するポケモンはすべて丸型のチップで表現されており,そこにはポケモンのイラスト,名前,ゲットするときに必要なサイコロの目,攻撃力,そしてポイント数が書かれています。ボード上のマップを巡りながら何匹かポケモンをゲットし,合計のポイント数が20を超えたら,最終ステージで待つポケモントレーナー四天王(カンナ,シバ,キクコ,ワタル)への挑戦権を獲得。そこでラストバトルに挑み,いち早く勝利をおさめたプレイヤーが優勝となります。

チップに書かれている点数と攻撃力は必ずしも一致しておらず,点数より攻撃力が高いことも。また,強いポケモンほど,ゲットの条件が厳しくなっています
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 と,ゲームの流れはいたってシンプル。まして「ポケモン」経験者であれば苦もなく理解できると思いますが,いざプレイすると対戦型のボードゲームならではの駆け引きがあり,一筋縄ではいきません。欲しいポケモンを見つけてもゲットできず,相手に先を越されることもあれば,当然バトルもありますし,場合によっては望まぬトレードも……。このゲームならではの魅力がそこかしこにあります。


最初にもらえるポケモンはあの3匹だけじゃない!


 「赤・緑」は,オーキド博士からポケモンをもらうところからスタートしますが,ボードゲームも相棒となるポケモンの入手から始まります。説明書に「オーキド博士から」という記述はありませんが,おなじみの「フシギダネ」「ヒトカゲ」「ゼニガメ」に,「ピカチュウ」「ピッピ」「ニャース」を加えた6匹の中から,ランダムで1匹がプレイヤーのところにやってきます。

 なぜ6匹なのか? これは本作が最大6人でプレイできるゲームになっているからのようです。こうして,プレイヤーはポケモンを1匹を連れてマサラタウンから出発します。

最初にもらえる6匹のポケモン。アニメの影響か,ピカチュウはもちろん、ロケット団のイメージが強いニャースがいたり,プリンでなくピッピが入っていたりするのがポイント
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マスの種類は3種類。まずはポケモンをゲットしよう!


 さてこのボードゲーム,ポケモンでいうところのカントー地方のマップを,すごろく形式でサイコロを使って移動していきます。ルート上には「ポケモンマス」「イベントマス」そしてちょっと大きめの「シティ/タウンマス」があり,基本はこの3種類のマスの指示に従って進行していきます。

 一番大切なポケモンマスは,ポケモンに出会えるもので,このマスに止まると,そのマスの番号に紐付けられた場所にあるポケモンチップがオープン! いわゆるこれが「ポケモンが現れた」状態で,ここでサイコロを振り,ポケモンチップに書かれたサイコロの目が出ればゲットとなり,ポケモンチップを獲得できます。

 なお,ゲットされたマスには新たにチップが追加されるので,別のプレイヤーがそのマスに止まった場合も,新たなポケモンが出現することになります。

マスに止まるまで,どのポケモンが現れるか分からないドキドキ感があります。ゲットに失敗した場合も,再び同じマスに止まれば再チャレンジも可能です
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 続いてイベントマスは,その名の通り,イベントカードを引いてその指示に従うマスです。イベントカードにはアイテムゲットやバトルなどのさまざまな種類があるので,それはのちほど。そして「シティ/タウン」マスは,止まるとアイテムカードが2枚もらえたり,戦闘不能になったポケモンを回復させたりできます。

 スタートのマサラタウンからハナダシティまでは1本道ですが,そこからは分岐して好きな方向に進めるようになりますので,以降はサイコロの目に合わせて止まりたいマスも選びやすくなっています。また,現れるポケモンの強さもここから上がりますので,ゲットの難度もアップ。このあたりのゲームバランスも,クリーチャーズとゲームフリークの監修のおかげか,非常によくできていると思いました。


伝説のポケモンはイベントカードの中に!


 さて,あらためて「イベントカード」を紹介しましょう。大きく分けると「アイテムカードをもらう」「バトル」「『忘れられた洞窟』のポケモンに会う」「ポケモンを交換(トレード)する」「ポケモンセンター」「ラッキー」の6種類です。

あからさまに悪いイベントカードはなく、 “ 1回休み ”の「ポケモンセンター」ですら戦闘不能状態のポケモンを回復させてくれるので、むしろ助かります
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 まず重要なのが,アイテムカードです。これには,おなじみの「スーパーボール」「ハイパーボール」「マスターボール」などもあり,ポケモン出現時に出せば,サイコロの目を“補填”してくれるので,ふつうにサイコロを振っただけでは捕まえられなかったポケモンもゲットしやすくなります。

ボール系アイテムは,欲しいポケモンが現れたら迷わず使いたいところ。特にマスターボールは,サイコロの出た目に1〜4をプラスできるので,ほぼゲットできます
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 アイテムカードには「プラスパワー」もあります。詳しくは後述しますが,バトル時に最大2枚出せる攻撃力アップアイテムで,「+1」から「+5」まであります。ほかにも,その場で戦闘不能を治せる「回復の薬」など役立つアイテムがいっぱい。なお,アイテムカードは最大7枚まで所有できます。

 アイテムの次に重要なイベントカードは「バトル」。このカードを引いたら,戦えるポケモンがいる限り,必ず誰かとバトルしなくてはいけません。バトルのカードを引いたプレイヤーが相手を指名して(いわゆる「ポケモントレーナー●●がしょうぶをしかけてきた」状態),お互いが持っているポケモンチップの中から1つを選んで場に出します。先ほど説明したアイテムカード「プラスパワー」を使うなら,一緒に出して,すべて出揃ったところでいざバトル開始。

 といってもルールはシンプルで,お互いサイコロを1回振るだけ。そのサイコロの目+ポケモンチップの攻撃力+プラスパワーの数値を合計した値が攻撃力となり,その数値が大きかったほうの勝利! 勝ったプレイヤーは相手から2枚ランダムでアイテムカードを奪えます。負けたプレイヤーはアイテムカードを奪われるだけでなく,戦いに出したポケモンチップが戦闘不能状態(裏返し)に。バトルは突然始まるので,常にある程度戦える状態にしておくのが大事です。

 そしてもうひとつの重要なイベントカードが「『忘れられた洞窟』のポケモンにあう」。これがいわゆる伝説の鳥ポケモンや,ミュウ,ミュウツーと接触できる唯一の手段です。このカードを引いたら盤上の端に並べられた裏向きのチップ5枚の中から1枚を選択し,そこに書かれたサイコロの目を出せばゲット! となりますが,当然入手難度は高く,ゲットできるのはサイコロの6の目だけです。みな攻撃力9というかなり強いポケモンなので,ここぞとばかりにマスターボールを使いたいところです。

伝説のポケモンだけは,ゲットに失敗すると再び裏向きに戻してシャッフル。やはりほかのポケモンに比べて入手条件が厳しくなっています
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 ですが,そうやって苦労の末手に入れた伝説のポケモンも,イベントカード「トレード」であっさり交換させられてしまうことも。もちろんそれを避けるアイテムカード「ピッピ人形」(バトル,トレード回避)もあるので,このあたりの戦略も勝負のカギになります。


四天王+1が待つ,セキエイ高原でラストバトル!


 最初に書いた通り,このゲームの勝利条件は四天王を倒すことです。おそらくポケモンの合計点数が20点を超える頃にはそれなりに強いポケモンも捕まえているでしょうし,アイテムカード「プラスパワー」の準備もできているはず。

 ただ,それでも四天王は手ごわい相手です。そして,実はもう1人待ち構えているトレーナーが……。それがライバルトレーナーこと「シゲル」で,こいつが超強い。彼ら5人に勝つには,やはり伝説のポケモンか,もしくは進化したポケモンが必要不可欠です。

 ということで,最後に進化の話を。このゲームのポケモン進化はちょっと変わっています。例えば,ヒトカゲ→リザード→リザードンの場合なら,この3匹のポケモン,つまり3枚のポケモンチップをゲットすれば進化したとみなされます。

 なお,進化すると攻撃力が増加します。2枚揃えば2段階進化で攻撃力+3,3枚すべて揃えば3段階進化となり攻撃力+5に。単体のリザードンは攻撃力8ですが,3段階進化したリザードンなら攻撃力13と,伝説のポケモンより強くなるのです。

実際にプレイしてみると,2段階(2枚チップを集める)まではけっこう行くものの,3段階進化(3枚チップを集める)は難しい。それだけに達成したときの喜びは大きいです
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 四天王とシゲルは,セキエイ高原でプレイヤーを待っていますが,その中の誰と戦うかは,裏向きのライバルカード5枚から1枚を選択して決めるので,運次第です。カンナのラプラス(攻撃力10)を引いたらラッキーですが,シゲルのウインディは攻撃力15なのでかなりの強敵。

四天王&シゲルは,それぞれの攻撃力に,サイコロの目によるプラスパワー(6〜8)が追加されるという強さ
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 ただ,こういった運の要素があるのもこのゲームの面白いところ。強いポケモンを作るため,セキエイ高原に行かずポケモン探しばかりしていると,そこそこ強いぐらいのポケモンを連れたプレイヤーが先に挑んで勝ってしまうこともあるので,そのあたりの見極めが勝敗のカギになってきそうです。

 そんな「ポケットモンスター ボードゲーム」は,ジムトレーナーやポケモンの属性など,導入が見送られている要素もありますが,それでも「ポケモン」の面白さが十二分に表現できていると思いますし,何より最大6人が一緒に「ポケモン」を遊べるのが最大の魅力だと思います。よかったらプレイしてみてください。

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 なお,今回紹介したこのゲームも,筆者が経営している「Book CAFE ヨミヤスミ」のイベント「8時だョ!レトロボードゲーム」でプレイできます。よかったらご参加ください。

■■Book CAFE ヨミヤスミ■■
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京王線の京王多摩川駅から徒歩6分ほどの場所にあるブックカフェ。1980〜90年代の本や雑誌,漫画に加えて,パソコン雑誌やゲームブックなども揃っています。

毎週末開催されるイベント「8時だョ!レトロボードゲーム」では,本連載で紹介したものをはじめとしたレトロボードをプレイできますので,下記のイベントサイトでお申し込みのうえ,ぜひご来店ください。

公式サイト:https://www.instagram.com/yomiyasumi
公式イベントサイト:https://sites.google.com/view/yomiyasumi-8jidayo
公式X:https://x.com/yomiyasumi

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