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Rejetが贈る新作シチュエーションCD「OVERNIGHTZ」BGM収録現場レポート。奏者,クリエイター陣から感じる,作品への熱意

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 女性向けコンテンツの制作を行っている「Rejet」から,新作シチュエーションCDシリーズ「OVERNIGHTZ(オーヴァーナイツ)」が,2025年10月より3か月連続リリースされる。

 本作は,虚構と現実が入り乱れる究極のシチュエーションCDとして展開されている。全編ダミーヘッドマイク仕様で,全3種類の異なる結末をランダムに収録しているのが大きな特徴だ。

 本稿では,CD発売に先駆けて行われたBGM収録の様子をレポートしていく。なお,記事後半では,Rejet代表取締役社長の岩崎大介氏へのメールインタビューも掲載しているので,ぜひチェックしていただきたい。

 Rejetでは,作品の世界観や物語を彩る“音楽”にも力を入れており,2025年8月にNintendo Switch移植版が発売されるゲーム「もし、この世界に神様がいるとするならば。」でも,生のオーケストラ演奏によるBGMを取り入れていた。思わず聴き入ってしまうような音色は,ファンの心を着実に捉え,シナリオへの没入感をより高めているようにも思える。

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BGM収録現場に密着


 レコーディングは前後半に分かれており,前半ではヴィオラ,チェロ,コントラバスなどの弦楽器,後半ではクラリネット,オーボエ,フルート,ファゴットといった木管楽器を中心に展開された。

 「OVERNIGHTZ」では,多数のオリジナルBGMが使用される。今回は主題歌「病み星様」クラシックアレンジBGMの収録が行われた。

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 前半では,まず楽曲の通し演奏が行われ,そこから改善点や追加事項が洗い出されていく。原曲のよさを残しつつ,弦楽器が加わることで,まるで映画のような迫力や壮大さが生まれた演奏には,聴いている私たちも思わず息を呑むほどの衝撃を受けた。

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 作品特有のダークな世界観を演出するため,本楽曲はゴシック調のアレンジが施されており,アレンジャーが「横の流れが欲しい」「終わりを幻想的に」と,奏者に的確な要望や指示を伝えていく。曲の強弱や拍数を調整することで,より表現力を増した演奏には,生演奏ならではの臨場感や力強さが感じられ,一気にCDの完成が楽しみになった。

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 後半では,アレンジャーが「OVERNIGHTZ」のPVを実際に映し出し,奏者からは「すごく綺麗な映像」「原曲はテンポが早いね」といった感想も述べられた。ファゴットの低音やクラリネットが奏でる音色には,曲にミステリアスさや彩りが加わり,先ほどとはまた異なる印象を受けた。


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 収録途中には,「もう1回やってもいいですか?」という声も飛び交い,オーケストラ陣の妥協を許さない姿勢が垣間見えた。筆者にとっても,収録現場を実際に拝見するのは初めてだったが,「このように作品が作られていくのか」と感心させられるひとときだった。

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 収録には,アレンジャーのほか,「病み星様」の作曲・編曲に携わった人物も同席しており,楽曲についてのお話もうかがえた。「病み星様」の作曲依頼は,かなり早い段階から寄せられていたそうで,絵コンテや作品のイメージ,キーワードをもとに制作を進めたと語っていた。

 クラシックアレンジを聴いたのはこの日が初めてだったそうで,「世界観がさらに壮大になっていていい曲」「さすが先生(アレンジャー)だなと思って聴いていました」と感想を述べ,強く心を動かされた様子だった。

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 またアレンジャーは,ダーク&ゴシックな世界観を表現するために,ハープシコード(チェンバロ)や鐘の音を取り入れるなど,“怪しさ”の演出に注力したと語っていた。

 今回,金管楽器を一切使用していない理由について尋ねたところ,「金管が入ると華やかになってしまう」「より不気味さを出すなら木管」と語っていた。普段からダークな作品を多く手がけるというアレンジャーの発想とこだわりが垣間見える。

 さらに収録後の感想として,アレンジャーは「生音になるとだいぶ変わりますし,アレンジするにあたり迷っていたポイントを,皆さんが演奏で解消してくださいました。響きの良いスタジオで録れたのも良かったと思っています」と語っており,今回の収録が自身にとっても充実した時間であったことが伝わってきた。

 各クリエイターがさまざまな思いを込めて制作する新作シチュエーションCD「OVERNIGHTZ」は,2025年10月より3か月連続でリリース予定。Rejetならではのダークな世界観を,音楽からもぜひ感じ取ってほしい。

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Rejet代表取締役社長
岩崎大介氏が語る“音楽へのこだわり”


 BGM収録の現場からも感じられた,作品づくりにおける音楽への強いこだわり。そうした姿勢の背景を探るべく,4GamerではRejetの代表取締役社長,岩崎大介氏にメールインタビューを実施した。オーケストラをはじめとする生演奏を大切にする理由や,「OVERNIGHTZ」ならではのこだわりについて,話をうかがった。

――これまで数多くのRejet作品で楽曲制作や作詞などを手がけてこられましたが,そうしたご経験は,音楽へのこだわりやアプローチにどのような影響を与えていると感じますか?

 Rejetの作品は常に音楽と共にあり,影響というよりも,私自身の感覚がどんどん研ぎ澄まされていってる感触はあります。企画するときは常に脳内で鳴ってる“音”があるので,それを周りの頼もしいチームと一緒にイメージを共有し創り上げていきます。

――8月にNintendoSwitch移植版が発売される「もし、この世界に神様がいるとするならば。」でも,オーケストラによる生演奏が多く用いられていました。生音へのこだわりや,その意図について教えてください。

 作品が必要としてるので,生音を採用してます。近年打ち込みのレベルも飛躍的にあがってますが,長年Rejetで愛されてる作品の音楽は,生音で収録したものが多く,こだわりを理解してくれるお客様はたくさんいらっしゃるのかな,と感じてます。

――「OVERNIGHTZ」はマルチエンディング形式のCDという点でも,従来のシチュエーションCDとは異なる構成でした。音楽面でも,従来と異なる点や特に意識したポイントがあれば教えてください。

 この世界観であればオーケストラが映える,というのは企画当初からありました。ドラマ中に使われる一部の曲は,主題歌の「病み星様」をオーケストラアレンジしていくスタイルを今回取りました,主題歌の歌詞も本世界観とリンクしてます。フル尺をぜひ聞いていただきたいです。

――本作では,“歪さ”や“不穏さ”といったテーマ性を感じさせるBGMが印象的でした。音でどういった空気感を描こうと考えていたか,お聞かせください。

 驚くほど,シナリオとぴったりとはまったBGMになってます。作品を通して聞いていただいたときに,なぜこの音だったのか,というのも推察できるような仕掛けもあるので,ぜひ作品を聞いたときに感じる「空気感」を耳で,感じてもらいたいです。

――最後に,作品の発売を楽しみにしている皆さまへメッセージをお願いいたします。

 OVERNIGHTZは,Rejetにしかできない作品にしよう,と素晴らしい作品愛溢れるスタッフと企画してきた作品です。今後の展開も色々と検討しているのですが,まずは本作をお手にとっていただいて,色々な感想をいただけると幸いです。二枚組の大ボリュームでお届けする,カレらとの愛を感じてみてください。聞いたら,忘れられない作品になることを,お約束します。

「OVERNIGHTZ」公式サイト

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