連載
顔を見せたら即死の世界を旅する「Verho - Curse of Faces」(ほぼ日 インディーPick Up!)
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あなたは,そのマスクの下に何を隠し,この呪いの根源に何を見るのか。暗く荒廃した世界で,真実を探す旅が始まる。
本日は,呪われた世界「ヤリブ」を一人称視点で進む探索RPG「Verho - Curse of Faces」を紹介しよう。プレイヤーは「マスク」をつけた主人公となり,顔を見せれば死ぬという呪いの謎を追う。
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このゲームの軸は,暗い世界を自らの足で歩き,隠された道や秘密を見つけ出す探索にある。その道中には危険な敵が待ち受け,戦闘では武器の重さや攻撃が届く間合いを意識する必要がある。
ただボタンを押すだけではダメージが通らず,タイミングを見計らったチャージ攻撃や,敵の動きを見極める立ち回りが求められるわけだ。
魔法を放つ「ルーン」も存在するが,MPのやりくりは常に考えなくてはならない。
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冒険の拠点となる「像」では,セーブや回復,レベルアップができる。ただし,ここで休むと倒した敵が蘇るため,探索の緊張は途切れない。
荒く,それゆえに濃い空気感
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視界に広がるのは,意図的に荒く作られたポリゴンと,カクカクとしたアニメーションが織りなす世界だ。これはPlayStation 1時代のゲームを強く意識したもので,現代の滑らかな映像とは違う感触を与える。
だが,この粗さがかえって世界の暗さや重苦しさを際立たせている。ぼんやりとした視界の先から何かが現れるかもしれない,という不安をかき立て,探索の隅々まで張り詰めた空気が漂う。
マスクに縛られない成長
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ゲーム開始時に選ぶ「マスク」は初期の能力を決めるが,プレイヤーの育て方を縛るものではない。レベルアップで得たポイントは,力や知性といった能力値に自由に振り分けられる。さらに,新しい技はレベルが上がるたびに提示される候補から選び取る形だ。
どの技を伸ばし,どれを新しく覚えるか。この選択が悩ましくも楽しい。戦士風に育ててもよし,魔法使いにしてもよし。途中でマスクを壊し,育て直すことさえ許されている。
武器の重さを知る戦い
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このゲームの戦闘は重量感を意識した作りになっている。武器を振るには「チャージ」が必要で,その振りには重さや間合いがはっきりと感じられる。
敵の攻撃も手加減がなく,序盤から慎重な立ち回りが求められる。どう間合いを取り,どのタイミングで重い一撃を叩き込むか。力押しが通じないからこそ,敵を倒した時の手応えは確かなものになる。
顔を隠して進む暗い世界。本作は,PS1時代を思わせる独特の空気感と,自由なキャラクター育成,そして手応えのある戦闘を体験させてくれる。便利さや手軽さとは正反対の作りだが,だからこその感触がある。
「キングスフィールド」のような,自分で一歩ずつ道を切り開いていく感覚が好きな人,あるいは,最近のゲームにはない不気味さや不便さをむしろ楽しみたいと考える人にこそ,この呪われた「ヤリブ」の地を訪れてみてほしい。
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Verho - Curse of Faces - この記事のURL:



























