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プレイヤーが手にするのは鍬でも鎌でもなく,一束のカードだ。
畑を耕し,種を蒔き,カカシを立てて嵐を凌ぐ。実りの秋に大家へ税を納められなければ,
すべては露と消える。一枚のカードに,季節の重みが宿る。
本日は,元プログラマーから一念発起してインディー開発者へ転身したPiotrek氏が手掛ける「Cropdeck」を紹介しよう。
本作は牧歌的な農村を舞台にした農業ローグライトデッキ構築ゲームだ。
プレイヤーは新米農夫となり,カードを駆使して畑を切り盛りし,シーズンごとに訪れる強欲な大家「Sir Landlord」へ税金を納めながら農場経営を続けていくことになる。
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本作の特徴は,農業シミュレーションの工程をすべてカードに落とし込んだプレイ感覚にある。障害物の除去,土を耕す作業,種まき,水やりや施肥,そして収穫といった一連の流れが,手札から切り出される一枚一枚のカードによって進行していくのだ。
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畑のマス目をどう使うか,限られたエネルギーをどの作業に振り分けるかという判断が,ターン制ストラテジーさながらの思考をプレイヤーに要求してくる。
それでいて見た目は終始ほのぼのとしており,仕事終わりに「もう一区画だけ」とつい手が伸びてしまう中毒性も併せ持っている。
カカシのパッシブが生むシナジー
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本作の戦略性を支える最大の要素が,個性豊かなカカシたちの存在だ。
それぞれが独自のパッシブ効果を備えており,畑に配置することで作物の成長や収益にさまざまな恩恵をもたらす。
複数のカカシを組み合わせれば効果同士が連鎖し,思いもよらないコンボが完成することもある。
デッキの方向性をカカシ起点で組み立てるのか,それとも理想のカカシを求めてパックを引き続けるのか。一回のランごとに異なる手札と出会いが生まれ,毎回違ったビルドを試せる懐の深さがある。
容赦なく襲い来る天候とハザード
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平和な農村風景に油断していると,畑は容赦なく天災に晒される。雷,干ばつ,竜巻,さらには氷の塊まで降ってくる始末で,これらをいかに防ぎ被害を最小限に抑えるかが運営の肝となる。
バイオームごとに発生するハザードも異なり,環境に応じてデッキ構成や畑のレイアウトを組み替える柔軟さが求められる。
「のどかな農業ゲーム」と侮ってかかると,あっという間に作物が全滅して借金漬けになるシビアさが本作にはある。
市場と鍛冶屋によるデッキ強化
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ステージをクリアして得たジェムは,市場でカードを買い揃えるために使える。
テーマごとに組まれたカードパックを引いて当たりを狙うか,店主の品揃えから堅実に選ぶか。リスクとリターンを天秤にかける駆け引きが楽しい。
さらに鍛冶屋ではカードのアップグレードが可能で,同じカードを複数枚マージすることでより強力な一枚へと鍛え上げられる。
不要なカードを除去してデッキを引き締める要素もあり,デッキ構築ゲーム好きが期待する要素がしっかりと押さえられている。
「Cropdeck」は,農業シミュレーションの心地よさとローグライトデッキ構築の戦略性を巧みに融合させた一作だ。
可愛らしいビジュアルに反して天候や大家といった脅威はかなり手強く,毎ランごとに異なるカカシとの出会いがプレイヤーを次の挑戦へと駆り立てる。
仕事終わりに腰を据えて遊べる手軽さを求める人,「Slay the Spire」や「Balatro」のようなデッキ構築の駆け引きが好きな人,そして癒やしとシビアさが両立したゲームを探している人にオススメだ。






















