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ヘックスで繰り広げられる戦術の妙。タイの新鋭スタジオが贈るローグライトターンベースストラテジー「Conquest Tactics : Realm of Sin」
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「Conquest Tactics : Realm of Sin」は,六角形のヘックスマスを採用しており,ユニット配置時の方向設定が戦術的に重要だ。ユニットを配置する前に,プレイヤーは各ユニットを回転させて向きを決定する。この仕組みにより,攻撃する方向と防御する方向を事前に設定することが可能になっている。つまり,ユニットの配置と向きの組み合わせによって,自陣のスペースを構築していくわけだ。
戦闘の目的はシンプルで,敵の旗を破壊すれば勝利となる。しかし,その過程は決して単純ではない。画面上に表示される矢印マークは,通常の攻撃とは異なる遠距離攻撃の射程を示している。プレイヤーはコマンドポイントを管理しながら,自軍の戦旗を守りつつ敵陣への攻撃を展開しなければならない。
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Choosith氏は,敵もプレイヤーと同様にあらゆる行動を取れると説明した。ターンベースの戦闘だからこそ,一手一手の判断が重要になる。プレイ可能なエリアを拡大し,敵側を攻撃するために,ユニットの配置と方向転換を駆使する必要があるのだ。
本作はプレイするたびに異なる展開が待っている。特徴的なのは,昼夜のサイクルシステムだ。各ユニットは固有の能力を持っており,日中に力を発揮するユニットもいれば,夜間に真価を発揮するユニットもいる。時間帯によってユニットの性能が変化するため,デッキ構築の段階から戦略を練る必要があるわけだ。
プレイヤーはランごとに冒険を進めていく。その道中で発生するイベントでの選択が,プレイヤーの力に影響を与える仕組みだ。イベントで誰かを倒すと,バフやデバフのような効果が発生。これらの要素を自分でマネジメントしながら,デッキを強化していく流れになっている。
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この冒険の過程で,プレイヤーは新しいユニットをリクルートし,デッキを再構成できる。戦闘に勝利するたびに通貨を獲得し,その通貨を使って次に挑むルートを選択。マップ上の各ノードには固有の目的が設定されており,酒場で新たなユニットを発見したり,ショップで消耗品や装備を購入したりと,ランごとに異なる選択肢が提示される。
とりわけ注目すべきは,トラベルショップの存在だろう。ここでは一時的なパワーアップアイテムや装備を購入できるだけでなく,新しいユニットの入手も可能だ。防御的なプレイスタイルに関連する要素も用意されており,プレイヤーの戦術的な好みに応じて成長の方向性を決められる。つまり,戦闘そのものの戦術性だけでなく,ラン全体を通じた戦略的な資源管理も求められるのだ。
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Choosith氏は,「戦略ゲームが好きな人であれば本作を気に入ってもらえるはずだ」と語った。多くのメカニズムが柔軟に組み合わさっており,プレイヤーは独自の戦術を構築できる。これこそが本作の目指す「奥深い戦略性」の核心だろう。
ヘックスという幾何学的な制約の中で,ユニットの向き,配置,能力,そして昼夜のサイクルという複数の要素が絡み合う。パッと見はよくあるストラテジーゲームに見えがちだが,実際にプレイしてみると,その組み合わせの妙が生み出す戦術的な深さに気づかされるはずだ。
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Singular Sunshine Studiosは5人のチームで,本作の開発期間は約1年。開始当初は2人でスタートし,現在の体制に至ったという。小規模なチームながら,戦略ゲームとしての本格的な作り込みが感じられる作品だ。
現在,Steamでデモ版が公開されており,誰でもプレイ可能となっている。正式リリースは2026年1月を予定しており,日本語版も用意されるとのこと。ちなみに,開発チームは東京ゲームショウ2025にも出展しており,日本市場への意欲が感じられる。
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「Conquest Tactics : Realm of Sin」公式サイト
「gamescom asia」公式サイト
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Conquest Tactics : Realm of Sin
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