ポスアポ系の美少女ミリタリー「Gate of Gates」。10人の機械仕掛けな少女の戦闘服＆日常服姿に，1つは刺され［G-STAR 2025］

　韓国・釜山で開催中のG-STAR 2025に，LiTRAILが開発，Webzenが配信する新作「Gate of Gates」（iOS / Android）が出展された。

　公式の略称は「G.O.G」となる。口語だとゴグかゴゲだろうか。


　本作は，ポストアポカリプス×美少女ミリタリー×ディフェンス系ストラテジーという要素で構成されたタイトルだ。設計の組み合わせとしては手堅いシナジーがあり，実に盤石なセットアップといえよう。

　一方，同じジャンルの海には「ドールズフロントライン」や「アークナイツ」らが長らく遊泳している。ジャンル違いでも，世界観的な類型として「勝利の女神：NIKKE」などもたゆたっている。そのため，船出に備えるG.O.Gの進路は，青々とした大海原とは言いがたい。

　どんな帆を張って縫い進むのか。そこが問われる1作でもある。


　開発元のLiTRAILは，韓国の新興ゲームスタジオだ。

　しかし同社の顔役は，SHIFT UPの「DESTINY CHILD」を共同開発したNextFloor，ならびに韓国LINE GAMESの代表取締役も歴任したキム・ミンギュ氏で，業界で辣腕を振るってきた1人である。本作も同社のデビュー作となることから，気合の入れようが推し量れよう。


　謎のエネルギー資源「ブラックマター」により，第二の黄金期を謳歌していた時代。人々はブラックマターの影響で生まれた「ゲート」と，そこから現れた謎の生命体によって滅亡寸前に追い込まれた。

　生き残った人類は，精密兵器であり傭兵でもある「戦術義手」を生み出し，人類救済の反抗戦争を計画した。
　あなたの使命は，第49特殊災害統制班で戦死した上官の代わって「司令官」となり，（メインメンバー的な）カーラ，ベル，アストリード，トリーネといった戦術義手たちの分隊を指揮することだ。

　世界観はポストアポカリプスらしく，文明も社会もほどほどに終わっている。ヒロインである少女たちも，戦争の道具として作られた兵器だ。細かな設定がどうなのかは不明だが，それぞれ人格もあり，愛嬌もある。司令官だの指揮官だの担当官だのを歴任してきたツワモノであれば，どのように親愛を育んでいくべきかは，きっと慣れたものだろう。



　バトルはトップビュー画面で，シミュレーションゲームらしいマス目で区切られた盤面を俯瞰し，戦術義手たちを指揮する。
　基本的にはオートバトル進行だが，いろいろできるキャラクター配置やスキル使用などで，操作機会はそれなりにある。

　バトルの流れは，画面右側で湧いて侵攻してくる敵に，画面左側の作戦限界区域を抜かれないよう，「戦術義手の配置コスト（エネルギー）をためて，盤面の任意の場所に戦術義手を配置し，タワーディフェンス的に敵を迎撃していく」といったものだ。
　敵に作戦限界区域まで到達されるとゲームオーバーである。

　初手の基本は，盤面に「リピータ（中継器）」を設置すること。これは一定時間でエネルギーを生成してくれるもので，タップして回収することで戦術義手の配置コスト，彼女らのスキルコストになる。

　1つのリソースに複数の使い道があることで，どの戦術義手を出すか，スキルのために温存するかなど，うまく悩ませてくる。

リアルタイム進行中，画面左側に編成させた戦術義手をタップし，出撃させる配置マスと，配置時の「向き」を選ぶ。向きの要素が絡むステージには触れなかったが，どういう作用がありそうかは，同ジャンルの経験者なら推察できるだろう

　時間制限のある試遊版ゆえに，詳しいシステムに触れられなかったが，編成画面では「戦術義手×12体」「スキルカード（的なもの）×6枚」「アイテム×3種」を選んだ。組み合わせの数は膨大そうだ。

　戦術義手には，エネルギー生成をブーストさせる「支援」。迎撃の主役「強襲」。広範攻撃の「爆撃」。硬い敵に有利な「狙撃」。回転率のいい範囲攻撃の前衛「打撃」。そして防御の要「タンク（日本語訳は不明）」がおり，それぞれ当たり前のように能力やスキルが異なる。

　慣れるまでは強襲の遠距離射撃で一掃が楽そうだったが，難度が上がるにつれて考えどころが増えることは想像に難くない。

潜水艦という息苦しいロケーションで出会う巨大ボス

　戦術義手は複数のスキルを備えているが，大別すると低コストの「強化スキル」，カットイン演出ありで大コストの「必殺技スキル」がある。盤面の手数を考えると使用を控えたいが，一騎当千や一発逆転を狙うならスキルに回したいなどと，ここも楽しいジレンマだ。

　バトルエリアも地形やギミックがさまざまで，編成や操作の柔軟さが問われる。盤面に干渉できる要素が多いだけに，タワーディフェンスとしての操作負荷は高めに思えた（試遊版ではオートバトル機能はなし）。

　ただ，リアルタイムシミュレーションバトル，あるいはストラテジーと言い換えてもいいが，G.O.Gならではの醍醐味は短時間でも十分に理解できた。これは装いのとおり，じっくり深みにはまるタイプだ。



　キャラクタービジュアルにもこだわりを感じた。戦術義手たちは作戦時の戦闘服のほかに，「日常服」が用意されている。

　日常服姿のほうは，いずれも普通の女の子にしか見えない。それでいて各キャラクターのファッションの嗜好が垣間見えてくるため，（以下に）これだけ画像を見せれば，誰かしら好みに引っかかるだろう。

　なお，戦術義手は「頭身低めのデフォルメビジュアル」も完備されるようだったが，残念ながら試遊中は気付かなかった。すみません。


　ゲームのコンセプトとしては，「デッキをサクッと整理し」「ローグライク要素も含めたコンテンツ進行」も狙っているという。どちらも類例のゲームデザインを想像しやすいため，遊びの拡張にも期待できる。

　あとはそう。やはり，このポスアポ美少女ミリタリー戦国乱世で，どこまで打って出られるのか。そこがG.O.Gの最大の課題だろう。

　とはいえ，そんな不安はよそに，ブースの試遊列は開場直後に長蛇を作っていた。この味が好きな人は，どこにでもいるもんだ。むしろ韓国はその最有力地域だけに，現時点で狙いは確かだったと評せる。

険しい目つきの女性上官好きも安心してほしい