これが令和の「Desert Strike」。物理演算を武器に戦場を蹂躙するヘリSTG「Cleared Hot」（ほぼ日 インディーPick Up！）

　本日は，Cfinger Gamesが手掛ける「Cleared Hot」を紹介する。本作は，ヘリコプターを操り，敵地を制圧しながら任務を遂行するトップダウン視点のシューティングゲームだ。


　最大の特徴は，徹底した物理演算にある。自機にはロープと強力なマグネットが装備されており，戦場にある車両やコンテナ，果ては敵兵まで，あらゆる物体をつり上げることが可能だ。これらを単に運ぶだけでなく，上空から敵の頭上へ落とす質量兵器として扱えるのが面白い。


　もちろん，ミニガンやロケット弾といった火器による攻撃も健在。ミッションで稼いだ報酬を使えば，機体の購入や武装の強化が行える。対空兵器が並ぶ地帯にはロケットを多めに積むなど，状況に応じた装備選択が攻略の鍵を握るだろう。
　かつての名作「Desert Strike」を彷彿とさせる，シンプルながらも歯ごたえのあるアクション体験が味わえる一作だ。




　本作の醍醐味は，戦場にあるものを「おもちゃ」のように扱える点だ。そこらへんの岩や廃車をつり上げ，敵の戦車にぶつけて破壊する。あるいは敵兵を空高く連れ去り，別の敵集団へ投げつける。

　この物理法則を利用した悪ふざけこそが，単なる撃ち合いとは異なる独特の手触りを生んでいる。爆風でオブジェクトが次々と誘爆して吹き飛ぶ様は見ていて痛快であり，プレイヤーの発想次第で攻略の幅がどこまでも広がるだろう。



　本作には，90年代の「Strike」シリーズを知る者ならニヤリとしてしまう要素が満載だ。限られた燃料と弾薬を管理しつつ，マップを飛び回り，重要施設を叩く。この往年のゲーム進行は，現代のグラフィックスと操作性によって洗練されたものへと生まれ変わっている。

　レトロな懐かしさを感じさせつつも，古臭さは微塵もない。当時のファンが求めていた「あの頃のヘリゲー」が，最新の技術で蘇ったと言えるだろう。



　陰謀渦巻く軍事サスペンスでありながら，その空気は驚くほど軽い。無線から聞こえてくるのは，緊迫した戦況報告ではなく，仲間たちの皮肉やジョークばかり。80年代のB級アクション映画を思わせるこのノリが，激しい戦闘の合間に程よい清涼剤となる。

　シリアスになりすぎないカラッとした物語は，派手に暴れ回るゲームプレイと完璧に噛み合っており，プレイヤーを飽きさせない。

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　「Cleared Hot」は，物理演算というスパイスを加えることで，往年のヘリシューティングを現代に復権させた一作といえる。頭を空っぽにして派手な破壊を楽しみたい人や，かつて砂漠やジャングルでミッションに明け暮れたベテランパイロットたちに，自信を持って推したい。