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[プレイレポ]糸を垂らし景色を眺める,釣りの原点を味わう。釣り人も惹かれる「Cast n Chill」の魅力とは
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印刷2026/01/23 12:00

プレイレポート

[プレイレポ]糸を垂らし景色を眺める,釣りの原点を味わう。釣り人も惹かれる「Cast n Chill」の魅力とは

 オーストラリアのインディーデベロッパ・Wombat Brawlerが手がける「Cast n Chill」は,釣りだけではなく“水辺で過ごす時間そのもの”に重きを置いた,独自の空気感を持つ釣りゲームだ。
 PC(Steam)向けに2025年6月にリリースされ,2025年12月18日にはNintendo Switch版およびNintendo Switch 2版が登場した。

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 緻密なドット絵で描かれた湖や河川,そして相棒の犬と並んで糸を垂らす静かなひととき。タイトルにある“Chill=くつろぎ,癒し”を主題としたゲームデザインを特徴とした本作は,腰を落ち着けて画面を眺めているだけでも,不思議と時間が過ぎていく。
 久しく釣りゲームから離れていた筆者だが,“釣らなくても成立する”という本作の佇まいに惹かれ,気がつけば画面越しの水辺に長い時間身を委ねていた。

 本作がどのような体験を提供してくれたのか。「Cast n Chill Nintendo Switch 2 Edition」のプレイを通して,少し釣り人寄りの視点から紹介したい。

筆者が使っていた“古え”のタックルとSwitch2版「Cast n Chill」
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過去の釣りゲームにはあまり例のない,“アンビエント”な釣りゲーム


 ビデオゲームと釣りは昔から相性がよく,1980年代にはスポーツゲームの一ジャンルとしてアーケードや家庭用ゲーム機に定着してきた。
 ゲームタイトル内のミニゲームとしてもおなじみの存在で,オンラインゲームでは“待望の新要素”として追加されることも少なくない。現在では,モバイルゲームのジャンルとしても高い人気を誇っている。

 筆者自身,ファミコンの時代からこのジャンルのゲームに親しむ一方,父親の影響で幼少期から実際の釣りも趣味としていて,現実の釣りとゲームの違いをあれこれ言いながら楽しんでいた。
 これまでに遊んできた釣りゲームを振り返ってみると,釣りの情緒や体験をカジュアルに表現したものと,現実の釣りに近づけてリアリティを追求したもの,大きく分けて2つの傾向があったように思う。

 本作はどちらかといえば前者寄りの内容だ。ペナルティや制限時間,競技性といった要素はなく,後述する「放置モード」を使えば,プレイヤーが操作をしなくても成立する。といってもよくある作品ではない。それは筆者にとっては初めて体験する,“アンビエント系釣りゲーム”だった。

緻密なドット絵で描かれたサイドビューの画面は,どこかの水辺に置かれたライブカメラを見ているような雰囲気がある
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 ゲームは,マップ上に点在する5つの湖や河川,海といった釣り場を行き来し,ボートの上から釣りを行うスタイルだ。
 背景が水面に反射する描写はいずれのロケーションも美しく,それぞれが異なる場所であることがひと目で分かるよう,丁寧に描き分けられている。

 天候や風といった気象表現こそないものの,昼夜の概念は存在し,時間の経過とともに背景は少しずつ変化していく。
 揺らめく水面や,釣り場の象徴として生活する動物たち,時折発生するライズ(魚が水面を跳ねる様子)などの演出もあり,静けさのなかに確かな自然の気配を感じ取ることができる。

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夜の時間帯には記録に残る“伝説級”の大型魚が現れるなど,時間帯が釣果に影響することもある。夜間の淡水域での釣りは現実的とは言いがたいが,ゲーム的で特別な要素
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BGMはなく,釣り場ごとに異なる環境音のみが流れる。出港時や魚を釣り上げたときだけ,バンジョーを基調とした軽やかなサウンドが鳴る

 釣り場の桟橋からは,気のいい店主が営むショップ「ラスティ」へアクセスできる。釣った魚を買い取ってもらい,その資金でルアーやタックル,ボート,釣り場の許可証を購入し,新たな場所での魚釣りに挑んでいく仕組みだ。
 5か所の釣り場は許可証を購入することでアンロックされるが,店主にチップを渡すと,同じ釣り場にある別のポイントを教えてくれることがあるなど,ささやかなイベント要素も用意されている。

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ラスティ店主の愛嬌のあるおじさん。ルアー,タックル(ロッドとリールのセット),ボート,許可証を販売している
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魚を釣ったり,カウンターのボトルにチップを入れたりすることで,ショップの品揃えが増えていく

 釣りは主にルアー(疑似餌)を使って行う。まずは魚種に対応したルアーを選び,水面へキャストするだけでOK。どの魚にどのルアーが有効かは[Y]ボタンで確認できる図鑑に明記されており,必ずしも指定されたルアーでなくても釣れることがあるため,専門的な知識は求められない。

 一方で,ルアー選択時の「手法」の項目など一部に専門的な用語があり,そのフォローがないことはちょっと気になるところだった。
 といってもそこまで気にすることなく,ルアーと魚の相性を理解さえすれば魚は釣れるのだけど。

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ルアーが着水するまで水のなかは見えないが,相棒の犬が水面に向かって吠えることで,その直下に大物がいることを示してくれる。ちょっとした魚群探知機のような役割?
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ルアーは「サスペンド」(ボバーという仕掛けの浮き釣り),「リトリーブ」(リールを巻いてルアーを泳がせる),「ジグ」(真下にルアーを落とす)の3つの手法があり,魚の鼻先で動かせばヒットする。根掛かりでルアーを失ってしまうようなことはない
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魚がかかったら[A]ボタンでリールを巻くだけ。魚が暴れるとコントローラの振動で知らせてくれるので,そのときはボタンを放し,落ち着くまで泳がせておこう

 魚は現時点で68種類と豊富だ。魚種ごとに泳層が異なり,特定の層を泳ぎ回る回遊魚と底のほうで同じ場所に居着いている定着魚が存在する。
 また,大型のフィッシュイーター(ほかの魚を捕食する肉食魚)がプレイヤーの針にかかっている小さな魚を狙って食いつくことも。自然環境や魚の生態に関する表現も盛り込まれており,釣りという題材への理解と観察が,さりげなくゲームデザインに落とし込まれている点は印象的だ。

1つのポイントに生息する魚は5種で,ほかのポイントと種類が被った魚もいる。新種は自動で図鑑に登録され,レア度が高いほど買い取り価格も上がる
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 大型魚には強いロッドが,深場を泳ぐ魚には長いラインが必要になるといったように,魚のサイズや泳層に応じたタックル選びも重要だ。“大は小を兼ねる”という考えは通用せず,大きなルアーや強力なロッドでは小型の魚種が釣れない点も考慮しなければならない。

魚種ごとに「トロフィー級」や「伝説級」といったサイズが存在し,小型魚にもこれらの等級が設定されている
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 このように本格的な要素がある一方,冒頭でも伝えたとおり釣りの雰囲気や空気感そのものを楽しむ仕組みがある。それが本作を象徴する機能「放置モード」(表記によっては「のんびりモード」)だ。

 これはプレイヤーが操作をしなくても,自動で釣りを行ってくれるフルオート機能で,画面内のプレイヤーが所持している最適なタックルを選び,釣りを続けてくれる。
 放置モードには挙動の段階が用意されており,「制限なし」「伝説級なし」「トロフィー級なし」「スクリーンセーバー」といった設定が可能だ。資金稼ぎとして活用することもできれば,環境映像のようにただ眺めて楽しむこともできる。この柔軟さこそが本作ならではの特徴と言えるだろう。

画面のプレイヤーが勝手に釣りをする放置モード。このとき水中の様子は見えない。釣りをする時間を設定でき,設定した時間だけ自動で魚を釣ってくれる
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 最初にプレイを始めたころは,現実の釣りを知る者として「ルアーの名称と絵柄が一致しない」「実物のルアーとは挙動が異なる」「対象魚とルアーの関係に違和感がある」と感じる場面も確かにあった。
 ただ,それらはいずれも些細なことで,本作がどのような体験を目指してデザインされたゲームか,どんなテーマや味わいを大切にしているのかが見えてくるにつれ,自然と気にならなくなっていた。

知識があると「それは『クランクベイト』ではなく『バイブレーション』では?」みたいなツッコミを入れたくなるところもある。あまり気にせずに楽しもう
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 釣果や効率を追い求めるのではなく,水辺の空気や時間の流れに身をゆだね,何もしないことすら肯定してくれる体験――釣り,ひいてはアウトドアライフの原点とも言える感覚を,静かに思い出させてくれる作品だった。
 釣りを知る人やアウトドアが好きな人はもちろん,そうでない人にも,自然や魚との穏やかな触れ合いを楽しんでほしいと思えるゲームだ。

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