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新型Xboxの一端が明らかに。次世代DirectX向けのカスタムSoCを搭載し,ニューラルネットワークでレンダリングやデータ圧縮を制御[GDC 2026]
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「初代XboxのHDDやEthernetポート搭載,Xbox 360のデジタルマーケットプレイス,Xbox Oneの互換性,そして現在のSeries X|Sにいたるまで,私たちは常にプレイヤーが何を望んでいるかを指針にしてきました」と振り返るロナルド氏。その次世代機である「Project Helix」については,「コンソール,ハンドヘルドデバイス,PC,クラウドのすべてにわたってシームレスに動作する共通のシリコン・ファミリーを設計するという,全く新しいアプローチです」と語った。
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今回のセッションで「Project Helix」の具体的な性能について触れられたのは,以下の3つの要点だ。
●カスタムAMD SOC
次世代のDirectXに最適化し,GPU直接実行(GPU Directed Workload)をフィーチャーする。これは,CPUのボトルネックを解消し,GPUがリアルタイムでワークロードを生成して,膨大なシミュレーションと複雑な世界の構築ができるようになるという。
●ニューラル・レンダリング
AMDの次世代「FSR(FidelityFX Super Resolution)」をシステムレベルで統合。従来の圧縮規格(BC7など)に代わり,「ニューラルテクスチャ圧縮(NTC)」が採用される見込みだ。機械学習(ML)を用いたアップスケーリングやフレーム生成だけでなく,さらにはパス・トレーシングのパフォーマンスを劇的に向上させる。
●Deep Texture Compression (DTC)
ストレージとメモリの効率を極限まで高め,大規模なアセットをSSDから直接ストリーミングできるようになる。
Xbox Series X|Sから導入された「DirectStorage」が,Project Helix世代ではさらに進化。標準圧縮アルゴリズムとしてZstd(ゼットスタンダード)がネイティブサポートされ,ハードウェア・デコンプレッサー(解凍専用チップ)がこのZstdをリアルタイムで処理する。
データを瞬時に解凍し自律するGPUに送り込むことで,ロナルド氏が「最もイライラする」と語った,PCゲーム起動時の長いローディング時間に別れを告げることになるようだ。
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ロナルド氏が強調したのは,テクノロジーはあくまで「プレイヤーを最優先するため」の手段である,という点だ。消費者が購入したタイトルを,いつの世代の据え置き機でも,外出先の携帯機でも,職場のPCでも,セーブデータや進行状況が完全に同期された状態で楽しめるようにすること,デバイス間の「人工的な壁」を取り払うことが「Project Helix」の役目になるという。
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つまり,Xboxというブランドを,一つのハードウェアの名称から,あらゆるデバイスで動作する「究極のゲーム実行環境」へと昇華させるという,「PlayAnywhere」のコンセプトを突き詰めたプロジェクトだと言えるだろう。
特にCPUへの負担を気にすることなく,GPUを自律化させる試みは,例えばGoogleが提唱する次世代型モデルで,AIや物理シミュレーションでリアルタイムに圧倒的なゲーム環境を構築する「Living Games」(生きたゲーム)とも同調する考え方と言える。
現代のコスト問題や成長の停滞を打破するのはAI。Googleのゲームビジネス担当者が語る「リビングゲーム」の未来[GDC 2026]
GDC Festival of Gaming 2026では,基調講演に変わる新しい試みとして開催されるセッションシリーズ「Luminaries」にて,Googleのゲーム部門の統括責任者であるジャック・ビューザー氏が登壇した。開発費の増大や成長停滞を打破するためにAIを活用し,ライブサービスを「Living Games」(生きたゲーム)に変革させていくことを提唱している。
つまり,Googleの「Living Games」が,AIによる開発や制作補助,AIエージェントによるコンテンツ生成をの核に据えたソリューションだと定義しているのだとすると,Xboxはニューラル・レンダリングやDTCという新しいテクノロジーを用いて,クラウドから届いた大量の「生きたデータ」を,まるでローカルのメモリにあるかのように遅延なく処理し,描画にフィードする。グラフィックス・パイプライン自体に,「知能(Intelligence)」を直接組み込むことを発表したわけだ。
なお,ロナルド氏によると,この「Project Helix」は2027年からデベロッパ向けに実機のアルファバージョンが配布される予定とのこと。これは2028年頃の発売と噂される次世代機の本格始動に向けた重要なステップとなるはずだ。
今年の夏から秋にかけては,Xbox Series X|Sが主体となる新作ゲームの発表に終始し,ファーストパーティから次世代機向けタイトルのティザーが公表されるのは2026年末,サードパーティは2027年夏ごろに新作ゲームを公表するというようなスケジュール感と見ればいいだろうか。
なおロナルド氏は,今回のセッションの中で,2026年4月より,Windows 11に「Xbox Mode(Xboxモード)」を導入することをアナウンスした。ROG Xbox Allyの成功に基づき,デスクトップやノートPCでもコンソールのような快適なユーザー体験,ライブラリへの即時アクセス,電力管理を実現するという。
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また,この25周年を機にMicrosoftは「ゲームプレザベーション」(クラシックタイトルの保存)に向けた専用チームを立ち上げ,過去の象徴的なタイトルをAuto HDRやFPS Boostなどの最新テクノロジーを用いて復活させる準備を進めているとも語っている。
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