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[プレイレポ]最後にとびきりの迷惑をかけてやろうと思った――令和初頭の“界隈”と異世界がクロスする「トー京Xtrip」が描く,危ういトリップの行方
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印刷2026/03/23 11:45

プレイレポート

[プレイレポ]最後にとびきりの迷惑をかけてやろうと思った――令和初頭の“界隈”と異世界がクロスする「トー京Xtrip」が描く,危ういトリップの行方

 2026年3月18日,インディーゲーム界隈で注目を集めていたアドベンチャー「トー京Xtrip」(トーキョークロストリップ)が配信された。

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 本作は,個人制作者のあまつ3A(あまつさえ)氏が手掛けた見下ろし視点のアドベンチャーだ。現在Steamのほか,自作ゲーム投稿サイト「PLiCy」でも無料公開されており,PCブラウザやスマートフォンから,気軽に触れられる。


 舞台は架空の都市「トー京」における“トー横界隈”。令和初期の閉塞感,“あの場”に生まれたコミュニティ,異世界というフックを用いて,プレイヤーへ問いを投げかける。ファンタジーというものは常にそうだが,それは絵空事という意味ではない。本稿でその内容を詳しく紹介しよう。

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「それを飲んだら異世界に行けるんだって」
2023年をモチーフにした,界隈のギリギリの日常


 物語の舞台は,感染症の影響がいまだ尾を引き,誰もがマスクを手放せない2023年の「トー京」の繁華街。記憶を失った主人公の少年(白マスク。プレイヤーが名前をつけることもできる)が目覚めるところから物語は始まる。

主人公を見つけたのは,自称インフルエンサーのりぃにゃ(@rinya)
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 そこで出会うのは,どこか浮き世離れした風貌(かわいい)のインフルエンサー,路上ダンスで人気を集める性別不詳のストリーマー,地雷系推し活女子,沼らせ風な元ヒモ,NOと言えない量産系女子,自分でも何を運んでいるか知らない“闇”な配達員……などなど,ひとクセもふたクセもある少年少女たちだ。

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 セケンからは「補導対象」と一括りにされる彼らだが,ボランティアの社会派記者が配る炊き出しを食べ,お金がないときは段ボールを集めて寝床にし,画面が割れたり割れてなかったりするスマホを握りしめつつ,どうにもならない状況の中で,懸命に生きている。

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――「それ」を飲んだら異世界にいけるんだって

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 そんな彼ら彼女らの間で噂になっているのは,飲んだら異世界にトリップどころか,直行できるらしい“ヤバいヤツ”。
 互いの気持ちの行き違いがきっかけで,界隈のひとりが行方不明になったとき。「異世界トリップ」の噂はにわかに現実味を帯び始める──。

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 基本的には読み物感覚で楽しめる本作だが,ユニークかつ少しいじわる(?)なシステムもある。それが画面上部に表示されている「自制心ゲージ」だ。

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 会話中に選んだセリフや,探索中の行動によって,このゲージはリアルタイムで増減する。デリカシーやモラルに欠ける発言をすれば減り,相手のことを考えた振る舞いをすれば回復もする。

「皮だけ20枚」を選んでみたら,魁琉(かいる)が嫌な顔をした
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 だが自制心というネーミング通り「ゲージが減ると,考える余裕そのものが失われていく」ことに注意したい。
 ゲージが減少すると,選択肢に制限時間が現れたり,プレイヤーの意思に反した「衝動的な行動」を強制されたりする。自制心がゼロになればゲームオーバーだ。

そこまでシビアな短さではないが,答えに迷ったときは少し焦る
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 だが,実はこのゲージは本作を「ロールプレイ」っぽく楽しむ場合,なかなか面白いファクターにもなる。
 なにも「相手が望んでいる言葉」を選び続けなくたっていい。あえて「自制心低め」のギリギリなバランスで,流れに逆らうように泳いでみる。そのとき見えてくる景色は,「いい子」にして生きているだけでは,おそらく見られないものだ。

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 また,ストーリーを進める中でちょっとした推理要素も楽しめる。ヒントに頼ることもできるが,バックログ機能を活用し,じっくりと会話を振り返ってチャレンジすることもできる。
 もちろん,それらに頼らなくても済むように,じっくりと読み進めてみるのもいいだろう。

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地雷系ファッションと涙袋。記号を透過して伝わる人間味


 また,本作のメインキャラクターたちは,いずれも現代的な「生きにくさ」あるいは「特性」を抱えているように描かれている。それは主人公すらも例外ではない。

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夢の中では,主人公の幼少期と思われる光景が
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 そこにSNSの「いいね」や,システムログを思わせる演出が挟まることで,プレイヤー自身の承認欲求も無事では済まされない。要するに,なかなかに情緒を揺さぶってくれるのだ。

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 また,夜が訪れると,彼らの周りには「ひずみ」と呼ばれる黒い幽霊のような怪物が姿を見せる。

ひずみを倒したり,回避したりして進むシーンも
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 それはゴミを投げつければ消える程度の脅威だが,普通の人――つまり“界隈”の外にいる人間には,「少年少女がゴミを投げて遊んでいる」ようにしか映らない。この「見えている世界の断絶」もまた,本作が描こうとしているもののひとつかもしれない。

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 作者のあまつ3A氏によれば,本作はあくまで「異世界ファンタジーをフックに,プレイヤーの価値観を揺さぶる体験」を重視した物語だという。

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 確かに本作は,あくまで2023年の「あの場所」をモチーフにしてはいるが,純粋なフィクションでもある。
 2026年現在,かつて「あの場所」にあった光景は,少なくとも簡単に目に触れるような場には残っていない。社会問題として取り沙汰されたことで,監視の目は強まり,彼らは街の隙間へと霧散していった。

 だが,本作をプレイしながらふと思う。
 あのとき,炊き出しの列に並び,段ボールに座ってだべりながら夜を明かしていた界隈の子たちと同じように。寄る辺ない孤独を抱えた子たちは今もどこかにいるはずだ。
 姿を変え,場所を変えて,どこかに。

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――最後にとびきりの迷惑をかけてやろうと思った

 「トー京Xtrip」が,そんな言葉が心をよぎった彼ら彼女らにとって束の間の拠りどころになるとしたら,それは表現としてとても素敵なことだと筆者は思う。

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 本作はマルチエンディング形式を採用しており,クリアまでの所要時間は約2時間ほど。短編映画のような感覚で物語体験を楽しめる。
 キャラクターたちのビジュアルや世界設定に惹かれたなら,この記事を読んでいるスマホで「トー京」へと足を踏み入れてみてほしい。

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