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親指大のデバイスに住む美少女のためなら,勉強も運動も頑張れる。「Thumbylina」レポート[BitSummit]
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「Thumbylina」公式サイト
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PCやコンシューマ機向けのソフトが多数出展されるBitSummitだけに,「親指サイズのお友達」「伴走型育成シミュレーションゲームデバイス」を謳うLeona Softwareの「Thumbylina」はかなりの異彩を放っていた。親指大の本体はオープンソースハードウェアのThumbyをベースに手作りしたもので,中には美少女が住んでいる。
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プレイヤーが勉強したりエクササイズしたりするとき,デバイスの「学習タイマー」や「運動タイマー」をセットしておけば,中の美少女も一緒に自分磨きをし,報酬としてコインが手に入る。コインを使ってガチャを引けばコスチュームや髪型が手に入り,イメチェンを楽しめるという仕掛けだ。
ThumbylinaにPCを接続することも可能で,現在は3か月に1度のペースで実施されているアップデートで新たな髪形や洋服を受け取れるという。どこにでも持っていける親指大のハードに美少女が住んでいるというのは,ちょっと不思議な気分だ。学習にしろ運動にしろ,彼女のためなら,と頑張れるのは間違いない。
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親指サイズのハードウェアだけに,制限も多いとLeona Softwareの高橋玲央奈氏は語る。時計機能はないし,単体ではネット接続できないため,メールの送受信も不可能だ。また,中間色を出せないので,画面をうまく明滅させることで4色風の表示を実現した。ガチャについても,ハードウェアのリソースをやりくりしてなんとか実装したのだという。
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スマートフォンやタブレットなら,親指サイズとはいかないものの,時計やメールの機能はあるし,表示色の制限に悩まされることもない。ガチャシステムも苦労なく実装することができたはずだ。
それでもあえてThumbyを選んだのは,コロナ禍での体験が理由だという。当時,自宅で勉強や運動をするためのタイマーアプリが流行したものの,スマートフォンにインストールするため,どうしてもメールやさまざまな通知を見てしまって集中が途切れる。しかし,機能が制限されたThumbyならそうした心配もないというわけだ。
開発にあたっては,余分な機能を削ぎ落していく作業それ自体を楽しむことができたという。
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「もっといろいろな人が気軽に,Thumbylinaのようなオリジナルハードを作ってほしい」と高橋氏は言う。
筐体は積層方式の3Dプリンターで作られているが,研究と量産が進めば,さらなるコストダウンも望めそうだということで,パートナーも募集中であるという。オープンソースハードウェアを使うことで,自分好みのデバイスを作れるという話からは,技術の進歩が改めて実感できる。
何をするにしても,多機能・高機能のものを求めがちだが,制約の多いハードで作ることにより,本来の機能に集中できるというのは興味深い。スマートフォンにアプリの1つとして美少女を住まわせるのと,美少女専用ハードを持ち歩くのでは,感情移入も変わってくるはず。さらなる発展を期待したい。
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「BitSummit the 13th」公式サイト
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