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南欧最大規模のゲームイベント「BCN Game Fest 2025」,スペイン・バルセロナから現地レポート
商都バルセロナを擁するカタルーニャ自治州については,当連載の第834回「BitSummit the 13thで気を吐いていたCatalan Arts Digital Cultureブースを取材」でも詳しく紹介したことがある。州政府機関である「Catalan Institute for Cultural Companies」が主導する文化振興機構「Catalan Arts Digital Culture」が音頭を取り,これまで8年間続いてきたインディーゲームイベント「IndieDevDay」を今年からリブランド化したのが,BCN Game Fest 2025(正式名称:BCN Game Fest 2025 by IndieDevDay)である。
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BCN Game Fest 2025は3日間(初日はビジネスデイ)の開催で,延べ1万7000人の一般来場客を見込んでいる。9000平方メートルのスペースに,25か国からゲーム業界関係者1500人が集い,多数の商用ミーティングが行われ,さらに地元バルセロナやスペインを拠点とするデベロッパが約200のブースを設置して新作を紹介していた。
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B2B/B2C型のイベントとしては決して大きいとはいえないが,アートスタイルやゲームプレイの面では日本のクラシックタイトルをリスペクトしたようなセンスを感じられるのは興味深い。
スペインのゲーム産業はまだ成長過程にあるが,ステルス系タクティカルストラテジーのサブジャンルを築き上げた「Commandos」(1998年)のPyro Studiosをはじめ,「Deadlight」や「RiME」でインディーシーンをけん引したTequila Works(2024年に破産申請),最近でも「Moonlighter」シリーズで知られるDigital Sun,ハック&スラッシュ「Blasphemous」シリーズから「NINJA GAIDEN: Ragebound」へと順調にステップアップを果たしているThe Game Kitchenなど,クリエイティブな作品を生み出すスタジオは少なくない。
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スペインを中心とするインディーゲームのショーケースとして今年から新たな装いとなったBCN Game Fest 2025では,4Gamerを含む日本の代表団を主賓として迎え,マトリックスの大堀康祐氏によるトークセッションも実施する。
つまり,カナダやポーランドといった成功事例を参考にして,国際的なイベントとして認知されるべく踏み出そうとしており,バルセロナを中心とするゲーム開発シーンやゲーマーコミュニティのさらなる成長と飛躍が期待される。
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本稿は初日終了時点で執筆している。会場には気になる新作群が発表されているものの,イベントの核となるようなプラットフォームホルダーや大手パブリッシャの参加がなく,小ぶりなブースが連なる様子はIndieDevDay時代の面影を留めている印象だ。
それでも,ポルトガルやアンゴラ,南フランスといった近隣地域をはじめ,スペイン語圏であるラテンアメリカ諸国にもアピールできるようになれば,さらに注目を集めることになるだろう。
BitSummitやgamescom,東京ゲームショウなどの会場で見られたタイトルや開発者の顔ぶれもあり,海外のゲームを追いかけてきた筆者にとっては,わりと馴染みのある雰囲気のイベントだ。引き続き,BCN Game Fest 2025の現地レポートをお届けしていく。
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BCN Game Fest 2025 公式サイト
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