東京ゲームショウ2013におけるビジネスデイの2日間(9月19日,20日),幕張メッセ本館の4ホールに
「インディーズゲームコーナー」が設けられていた。
ビジネスデイの2日間では18タイトルが展示され,さらに一般公開日(9月21日,22日)では,同コーナーを別館(9ホール)に移動したうえで,40以上のタイトルが出展。一般公開日には
“インディーズゲームフェス 2013”も併催され
(関連記事),本館から離れていたにもかかわらず,多くの来場客で盛り上がった。
実はこのような形で,
インディーズゲームのコーナーが東京ゲームショウに本格的に出展されるのは,これが初めてのこと。インディーズゲームと言えば,最近はソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアが,PlayStationプラットフォームにおいてインディーズゲームの配信に積極的に取り組むスタンスを見せているが
(関連記事),今回のゲームショウ出展も,そういった動向を捉えたアクションの一環といえるだろう。
本稿では,ビジネスデイのインディーズゲームコーナーの雰囲気を,写真多めでお伝えすると共に,その中から筆者の目に止まった3つのタイトルをピックアップしてみたい。
Space Qube
台湾の
Qubit Gamesが開発する,三人称視点のシューティングゲーム。自機や敵などのオブジェクトが,
キューブ(立方体)を組み合わせて作られているのが大きな特徴だ。
基本操作はタップで自機の左右移動/射撃,スワイプで旋回しての回避を行い,自動射撃モードもある。途中でアイテムを拾うことで,レーザー,ミサイル,シールドといった装備や,自分以外がスローモーションになる
“バレットタイム”などの効果も得られる。シューティングゲームとしての基本がきっちり押さえられた内容だが,キューブによるキャラクター達にドット絵にも通じるレトロっぽさがあり,プレイ中に温かみを感じたのが印象に残った。
キューブによるグラフィックスは好評のようで,プレイヤーが
自分でモデリングするための簡易ツールも用意されている。Space Qubeの
公式サイトには,現時点で2000弱の力作がアップロードされているので,ドット絵テイストが好きな人はとりあえずチェックしてみるとよいだろう。
ちなみに。アップロードしたデータを元に,
3Dプリンタでフィギュアを出力して郵送してくれるというユニークな有料サービスもある。これもなかなか面白い試みだ。
Pechan
インディーズゲーム制作集団の
TEAM Martiniが手がける,タブレット端末のジャイロ機能を用いたゲーム。タブレットを傾けることで,
カブトムシのマイキャラを左右に動かし,それによって車輪つきのコップをさまざまな用途に使う。たとえば,上から降ってくる液体をコップに溜めたり,コップで敵モンスターを押しつぶしたりできるのだ。
テキストを読むと単純に聞こえるかもしれないが,ボタンではなくタブレットを傾けて操作するというのが,なかなかのくせ者。しかも,
モンスターをコップで押しつぶすときの抵抗感は絶妙で,見事成功した瞬間は“ぷちっ”という確かな手ごたえを感じる(錯覚なのだが)のが面白い。筆者も思わず,必要以上に力を込めてタブレットを揺さぶってしまった。
スライディングエンジェル
台湾
Childhood Studioが開発する,
ウォータースライダーをモチーフにしたゲーム。タブレット端末を傾けて操作し,コース上の障害物を避けたり,途中にあるコインを拾ったり,最速タイムを狙ったりする。お金を集めてマイキャラ用の
アバターアイテムや,ウォータースライダーの
乗り物(浮き輪など)を集める要素もある。
このゲームで気に入ったのは,ウォータースライダーとは別に,
着飾ったマイキャラを撮影するための専用モードがあること。女の子のモデリングもなかなか良く出来ているので,ローカライズすれば結構イケるんじゃないか,と個人的には思った次第。よい意味でインディーズゲームらしい,一発ネタのゲームとしてこれは「あり」だろう。