業界動向
任天堂,連邦最高裁の判断を受け,関税の返還を求めてアメリカ政府を提訴
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IEEPAとは,国家の非常事態に際して大統領に幅広い権限を与える法律で,アメリカ政府はこれを根拠に2025年2月以降,各国からの輸入品に対して高い関税を課してきた。
IEEPA関税に対しては複数の訴訟が起こされており,2026年2月20日,連邦最高裁判所は無効判決を下し,大きなニュースになった。この判決によってアメリカ政府はIEEPA関税の徴収を停止したものの,すでに徴収したぶんについては触れていない。
任天堂はIEEPA関税で大きな影響を受けた企業の1つだ。Nintendo Switch 2の予約受付を延期せざるを得なくなったほか,本体価格はなんとか予定を維持したものの,アクセサリー類は5〜10%値上がり。さらに,Nintendo Switchファミリーも値上げされた。
任天堂の訴状では,最高裁判決や政府がほかの訴訟で返還を認めているといった事実を挙げたうえで,「訴訟を起こさなければ返還が保証されない」と訴えている。実際,徴収した関税の返還に対してアメリカ政府は消極的な姿勢だ。
任天堂だけでなく,ほかの多くの企業も返還を求める訴訟を起こしており,被告の1つである税関・国境警備局(CBP)によれば,IEEPA関税の徴収総額は約1660億ドル(約25兆円)で,返還対象の輸入業者は33万社を超えるという。
国際貿易裁判所は3月5日,返還手続きの開始を命じたが,CBPは直ちには応じられないとし,代替案として新たな返還処理システムを稼働させる方針を示していた。これが実現すれば,訴訟の結果を待つことなく,申告手続きだけで返還が実現する可能性がある。任天堂を含め,返還がいつ,どのような形で実現するか,今後の動きに注目する必要があるだろう。
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