2021年6月に17周年を迎えた本作は,MMORPG黄金期から脈々と続く正統派のMMORPGだ。毎年行われる大規模アップデートでは,サービスごとにコンセプトを持った追加要素が用意され,今も歴史が積み上げられている。では,10月のアップデートではどのような進化が見られるのか。リネージュ2統括プロデューサー新井友和氏に聞いた。
プレイヤーが増加傾向だった昨年から好調を維持
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずは,リネージュ2の17周年おめでとうございます。
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ありがとうございます。プレイしてくださっている皆さまに感謝を申しあげます。
最近は,新しいゲームがたくさん登場する中で,黎明期から長く運営しているリネージュ2は今後どうあるべきか。昨今の状況下で,エンターテイメントとして何かできるのか。考えるべきことや改善することは山積みですが,リネージュ2を遊んでくださっているプレイヤーの皆さんに楽しんでいただけるよう,これからも努力していくことをお約束します。
4Gamer:
周年イベントは毎年特設ページが作られ,記念すべき日を祝う大々的なセレモニーといった感じを受けますが,今年も華々しい雰囲気がありました。
新井氏:
新しいイラストを使ったり,かつてオリンピアードで“英雄”の栄誉を賜ったプレイヤーの皆さんにスポットを当てた,史上最大の英雄帰還イベントを行ったりと,大規模なプロモーションを行いました。幸いなことに休眠していたプレイヤーの方々が多く復帰してくださって,こうしたイベントが毎年実施できるように,より一層運営に力を入れていきます。
4Gamer:
ゲームを取り巻く環境は毎年変わっていくものですが,リネージュ2のここ数年はとくに変化が大きかったと感じます。
新井氏:
大きく変わったのは,やはり自動狩りシステムの実装でしょうか。最近のモバイルMMORPGでは当たり前のシステムではありますが,それがPC版にも入ってくることになり,お客さまの声として,最初は賛否がありました。ただ,ここ最近はMMORPGにおける自動狩りシステムの捉え方も変わってきているのかなとも感じています。
4Gamer:
昔のMMORPGといえば,コミュニティがメインコンテンツと言えるほど人と人とのつながりが重視されていたと思うのですが,自動狩りシステムの導入でコミュティに変化はありましたか?
新井氏:
リネージュ2のコミュニティの中心は血盟です。昨今,プレイヤーの皆さんはSNSなどを活用して,ゲーム外でのコミュニケーションを行われることも多く,MMORPGにおけるコミュニティの形も変わってきていることを感じています。ですが,自動狩りシステムにより1人で気楽にプレイできるようにもなりましたが,血盟で他のプレイヤーと時間を共有しながらプレイするする楽しみ方がなくなったわけではありません。血盟やパーティプレイを通じた人と人とが紡ぐ筋書きのないドラマこそリネージュ2の本分だと思っています。
4Gamer:
そんなリネージュ2の2021年ですが,初頭に大きなアップデート「THE GREAT COLLECTOR-アデン大陸の財宝-」が実装されましたね。
新井氏:
2021年2月3日に「THE GREAT COLLECTOR -アデン大陸の財宝-」アップデートを行いました。このアップデートでは,「コレクション」という新しいシステムを導入しました。コレクションシステムは,特定のアイテムをゲーム内UIのコレクション図鑑に登録することでキャラクターのステータスが上昇するもので,アイテムの新たな活用先の提供とお客様のキャラクター強化のためのコンテンツです。
先に話したようにリネージュ2のように長く運営を続けているタイトルは,長期的に解決しなければいけない課題がいくつかあり,その中の1つがゲーム内の増え続けるアイテムです。現状,休眠中のプレイヤーの所持アイテムなども含めて,ワールド内のアイテムデータの容量が非常に多くなり,サーバーへの負荷という観点で注視していかなければならないと考えています。「コレクション」システムは,こういった運営的な問題を解決しつつ,新しいゲームの魅力を提供する有用なシステムですので,今後も拡張を続けていく予定です。
3つのサービスで同時に大型アップデートが実装
4Gamer:
「THE GREAT COLLECTOR-アデン大陸の財宝-」は,今年6月に追加アップデートが行われるなど大規模なものになりましたが,そろそろ次のアップデートも気になるところです。
新井氏:
次期アップデートは10月20日を予定しています。ライブサービスには新クラスの“デスナイト”を実装する「DETH KNIGHT-IMMORTAL POWER-」,クラシックサービスは「STRUGGLE OF HAIL」,アデンサービスは「ANTHARAS -The Immortal-」というアップデートが行われます。それぞれ,メインとなるアップデートコンテンツから名称が付けられています。
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4Gamer:
サービスごとに細かく聞いていこうと思いますが,やはり一番気になるのはデスナイトですね。
新井氏:
リネージュ2では現在,7種族36クラスが存在しています。MMORPGにおいて新クラスはアップデートの花形とも言えるものですが,今回,ライブサービス(※)に7年ぶりの新クラスとして「デスナイト」を実装することになりました。
※クラシックサービスが2015年4月に開始され,当時はまだ“ライブサービス”という名称ではなかった
4Gamer:
7年ぶりですか。ライブサービスのプレイヤーにとっては,待望の新クラスということになりますね。
新井氏:
7年前というと,リネージュ2が10周年のときですからね(笑)。当時はまだ月額課金をしていた時期です。デスナイトの前はアルテイアを実装しましたが,オフラインイベントや様々な活動を行った結果,多くのプレイヤーさんにプレイしていただけました。今回のデスナイトにも大いに注目してほしいです。
4Gamer:
ではライブサービスに登場する新クラス,デスナイトの詳細を教えてください。
新井氏:
「デスナイト」は「死さえ許されぬ者,不滅の騎士」というコンセプトのもと設計されています。“火竜ヴァラカス(ワールドレイドボス)からアデンを守る為,ヒューマン種族は,熾烈な戦闘を繰り広げていました。火竜ヴァラカスの進撃は防げたものの,その戦いはヒューマン種族に凄まじい犠牲をもたらし,戦友たちは皆,二度と帰らぬ身になってしまった。だが,彼らの命は尽きることはなかった。いや……死ぬことすら許されなかった”というのが新クラス「デスナイト」のストーリーになります。永遠に続く戦いを繰り広げる新クラス「デスナイト」は,アデン大陸を蹂躙することになるでしょう。
クラスとしての特徴は,「イクリブリアムオーラ」「レイジオーラ」という,2種類のスキル戦況に応じて切り替えて行う戦闘です。
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「イクリブリアムオーラ」を有効にすると,デスナイトのスキルがナイト(タンカー)の特徴特性である防御能力に特化した効果に変化します。「レイジオーラ」を有効にすると,デスナイトのスキルが攻撃に特化した効果に変化し,ウォリアー(アタッカー)としての役目も担えるようになります。このように,2つのスキルを戦況に合わせて使い分けるオールマイティな性能を持っています。
デスナイトはタンカーとアタッカー,2つの顔を持つ特別なクラスです。育成すればきっとその強さを体感することができると思いますので,ぜひ多くの人に遊んでもらいたいのと,デスナイトに対抗できるクラスは何になるのか,コミュニティで活発に議論してもらえると嬉しいです。
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4Gamer:
デスナイトは,リネージュシリーズにおける象徴とも言える存在ですし,弱かったら逆に問題があるかもしれませんね。ちなみに,以前アデンサービスに実装されたデスナイトとは能力が異なるのでしょうか。
新井氏:
まず初めに,アデンサービスのデスナイトと異なる点として,キャラクター作成時の種族はヒューマン,男性で固定となります。キャラクターの見た目もスケルトンのような見た目に,身に炎を纏った姿になります。他の種族では可能だった顔や髪型などのキャラクターメイク要素がない代わりに,身に纏う炎の色を選択することができます。
また,能力的な部分では前述の通り、2つのスキルを駆使して,役割を変化させるのもアデンサービスのデスナイトとは大きく異なる点となります。
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4Gamer:
分かりました。今年6月に放送された「りね2てれび 17周年記念生放送」では,今年のロードマップが公開されていました。そこで今秋に実装予定となっていた新次元コンテンツも,このタイミングで実装されるのでしょうか。
新井氏:
ライブサービスに実装される「ディスローン」ですね。ライブサービスすべてのサーバーが集結する新しいワールド領地で,それがディスローンと呼ばれる場所となっています。ライブサービスは3つのサーバーが稼働していますが,そのワールド同士が競争する次元攻城戦と次元レイドがアップデートと同時に終了となり,ワールドコンテンツはディスローンに集約されることになります。
4Gamer:
ディスローンは,具体的にはどんなコンテンツになるのでしょうか?
新井氏:
ディスローンは,ライブサービスのすべてのサーバーが集結する新しいワールド領地での競争型コンテンツです。Lv110以上のキャラクターが参加でき,毎週金/土/日曜日の午後8時〜翌日午前2時まで利用できるコンテンツとなります。ディスローンのコンテンツ周期は,毎月1日午前2時〜翌月1日午前2時までとなっており,周期終了後に報酬が支給されます(※9月14日時点での情報となり,周期/時間などが変更される場合がある)。
参加キャラクターは,ディスローン専用の新しいキャラクター名設定を行い,ディスローンの占領状態に応じてサーバーごとの専用外見と専用能力が適用されます。また,既存サーバーの血盟/同盟の関係は適用されません。そのほかに,ディスローン専用新レイドボス「アイギス」が登場し戦場を盛り上げます。なお,新コンテンツ「ディスローン」実装に伴い,「次元攻城戦」「次元レイド」は廃止されます。
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4Gamer:
面白い試みですね。ディスローン専用のキャラクターは,また1からレベルを上げていかなければならないのでしょうか?
新井氏:
いえ,ディスローンでは新規にキャラクター名を設定しますが,既存サーバーのキャラクターのレベル,装備,アイテムが維持されます。ぜひディスローンでの激しい戦いに身を投じていただければと。なお,ディスローン専用新レイドボスとして「アイギス」も登場しますので,刺激的な戦場になることは間違いないでしょう。
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4Gamer:
続いてクラシックサービスのアップデートについて教えてください。
新井氏:
クラシックサービスでは,新しい時間制狩場「氷の君主の城」の追加を予定しています。最高レベルの時間制狩り場で,狩り中に出現するレイドボスを討伐することで,さまざまなアイテムを獲得できます。そのほかにも,いくつかのアップデート予定しています。現在,レベル80前半のキャラクターが多く,氷の君主の城が良い狩場になると思います。今後も新しいコンテンツをぜひお待ちいただければと思います。
4Gamer:
アデンサービスについてはどうでしょうか。
新井氏:
アデンサービスでは,ワールドレイドボス「アンタラス」の追加を予定しています。「アンタラス」は3段階に分かれており,最初の1段階めの「アンタラス」を討伐すると,次回挑戦時には強化された2段階めの「アンタラス」が,2段階めの「アンタラス」を討伐すると,次回挑戦時にはさらに強化された3段階の「アンタラス」が登場します。討伐に失敗した場合や,3段階めの「アンタラス」討伐成功後の次の討伐時には1段階めの「アンタラス」になります。
※追加情報として,各段階の「アンタラス」を討伐した連合は「アンタラス遠征証票(仮)」が獲得でき,特殊製作を通じて「+5 Aグレード最上級武器箱」などが確率で製作できるようになる。そのほか,クラス調整や狩り場調整を予定しているとのことだ。
4Gamer:
ほかのワールドの横槍が入らないとなると,倒しやすそうなイメージもありますが。
新井氏:
実際にアンタラスを倒すのは相当大変だと思います。
ちなみに,ここで紹介したコンテンツはあくまで大きなものだけで,ほかにも細かなスキル調整や新アイテムの追加などもありますので,そこはご安心ください。また,前回の「りね2てれび」にて公開した「バトルパス」ですが,こちらは今回のアップデートがひと段落した後で実装する予定です。
大型アップデートに合わせて新サーバー「アナキム」がオープン
新井氏:
10月20日のアップデートの概要は以上ですが,もう1つプレイヤーの皆さんにお伝えしておきたい情報があります。ライブサービス4番めのサーバーという位置付けで,今回のアップデートに合わせて新サーバー「アナキム」をオープンします。
4Gamer:
なぜ,この時期に新サーバーなのでしょうか。
新井氏:
ここ最近のライブサービスは,特定狩り場にキャラクターが集中して混雑している問題,新たにゲームを始めたお客様や復帰されたお客様と,これまで継続的にプレイされていたお客様との間での装備やレベルの格差,血盟などのコミュニティに入り難いことなどが原因となり,新規/復帰プレイヤーの継続/定着が難しいという問題が長期的に継続しており,改善についてサービスチーム内で議論を進めていました。
議論の結果,やはりMMORPGにおいてはお客様同士のコミュニティ形成やコミュニケーションが楽しめることがゲームを継続する最大の要因であり,それに加えて,ゲーム内で装備を揃えキャラクターを育成してさまざまな目標を達成する楽しさなどが挙げられると考えました。
とくにリネージュ2の場合は,ゲームシステム上,血盟というコミュニティを中心に進行するコンテンツが多く,即戦力を求めるような血盟については新規/復帰プレイヤーの参加ハードルが高い面もありますので,これらをいかに解消しサポートできるかを検討していました。そういったタイミングでの大型アップデートとなりましたので,併せて新サーバーを追加して,新規/復帰プレイヤーをコミュニティが形成される前の状態からご案内することで,コミュニティ形成をアシストできると考えました。
しかし,新サーバーと聞くと思いだされるのが「パプリオン」サーバーだと思います。2018年5月にオープンした「パプリオン」サーバーは,運営体制の未熟さや,装備格差是正を急いだための販売施策などにより,多くのプレイヤーの定着には至らず,約1年で統合する形になりました。「パプリオン」サーバーにてプレイされたお客様には多くのご迷惑をおかけしました。
この「パプリオン」サーバーでの失敗にはさまざまなご指摘や厳しいご意見も頂戴しており,新サーバーの追加にはさらに多くの議論を重ねましたが,今回,アップデートにより新クラスや新コンテンツが導入されるタイミングで誰もが同じスタートラインに立てる「新サーバー」をご用意し,以前の失敗の反省点を踏まえて経験を活かした運営を心掛けることで,新規/復帰のお客様にもリネージュ2を十分に楽しんでいただける環境を提供できると判断し,新サーバー「アナキム」のオープンを決定しました。
4Gamer:
完全に新サーバーにするのか,あるいは,統合を見越して成長が速いシーズンサーバーにするのか。運営としては迷ったと思うのですが。
新井氏:
直前まで相当悩みました。私自身いろいろなMMORPGをプレイしていますが,シーズンサーバーは急激なレベルアップなどで爽快なゲームをプレイができるのですが,既存サーバーに復帰後コミュニティへの接続がしにくいことや既存サーバーのお客様との装備格差などが起因して離脱してしまう傾向が高いと感じています。こういったプレイ経験やさまざまな状況をもとに多くの議論を重ねて,コミュニティを大事にしていく方向性が固まったため,今回の新サーバーは,完全新規サーバーとして運営することを決めました。
4Gamer:
統合に至ったパプリオンサーバーの経験を踏まえて,しっかりと対策したうえで新サーバーを立てる,と。
新井氏:
その通りです。コミュニティが形成される前の状態から新サーバーをご案内することで,コミュニティ形成をアシストしていくつもりです。新クラスや新コンテンツが導入されるタイミングで,ゲームを始めやすい時期でもあるので,新サーバーを立てるなら,今しかないだろうと。もちろん,新サーバーが公開された後は,プレイヤーの皆さんの成長に合わせて,きめ細やかなフォローも必要だと思ってます。
4Gamer:
新クラスのデスナイトを,新サーバーで新しく始めるのも良いかもしれませんね。
新井氏:
今回,アップデートにより新クラスや新コンテンツが導入されるタイミングで誰もが同じスタートラインに立てる「新サーバー」をご用意し,以前の失敗の反省点を踏まえて経験を活かした運営を心掛けることで,新規/復帰のお客様にもリネージュ2を十分に楽しんでいただける環境を提供していきます。
ただ,先にお話しした新コンテンツ「ディスローン」はLv110からのコンテンツであり,新サーバー「アナキム」での皆様の成長状態を確認してからオープンする計画ですので少しだけお待たせする形になります。
4Gamer:
分かりました。最後に4Gamer読者に向けてメッセージをお願いします。
新井氏:
最近多くのお客様よりクラス間のバランス調整についてのお問い合わせをいただいておりますので,バランス調整についてこの場を借りてお話いたします。
今回のアップデートでライブサービスについては,多くの調整を予定しておりますが,クラス調整やダメージ調整はそれぞれのお客様のキャラクター育成方針などを左右する非常に敏感な部分です。1つのクラスを育てるために多くの時間や費用を投資していただいていることから,私たちとしては責任感をもって,最大限の努力を今後とも重ねていく所存です。お客様が大事に育てているキャラクター1つ1つに込めた心が,決して意味のないことにならないようにこれからも最善を尽くしてまいります。
今回のアップデートでは,新クラスと新サーバーをキーワードとしたライブサービス中心のアップデートとなっています。しばらくぶりのクラス追加で多くのお客様にリネージュ2の魅力を体感していただけるように,運営チーム一丸となって準備しています。新規/復帰のお客様は新サーバー「アナキム」でぜひ新クラス「デスナイト」を体感してほしいです! もちろん既存のお客様も新クラス「デスナイト」で新しいスキルエフェクトやマルチクラスでの新しい戦闘を体験してもらって,さらに新コンテンツ「ディスローン」で新たな戦いに挑んでください。
リネージュ2は今年17周年を迎え,これからも皆さまに親しまれるゲームを目指していきたいと思います。皆さまにとって遊びやすい環境を作るべくアップデートを続けてまいりますので,今後ともよろしくお願いします。
4Gamer:
本日はありがとうございました。

































