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量子ドット有機ELは500Hz表示がトレンドに? ASUSのディスプレイ「XG27AQDPG」をチェックしてみた
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それと同時に,2024年のトレンドであったアレがどうなったのかも取材したので,合わせてレポートしたい。
量子ドットの高画質に500Hz表示を実現
XG27AQDPGは,27インチサイズで解像度2560×1440ピクセルの有機ELパネルを採用したゲーマー向けディスプレイだ。北米市場でのメーカー想定売価は899ドル前後(税込,約13万円)の予定。日本での発売も予定しており,量産は好調とのことで数ヵ月以内に発売するという。
有機ELパネルには,色再現性に優れたSamsung Display製の量子ドット有機EL(QD OLED)パネルを採用する。パネルドライバーは,8bit+FRC方式ではなく,リアル10bitを謳う。
デジタルシネマ向け色空間規格「DCI-P3」の色空間カバー率は99%で,VESAのHDR映像規格「DisplayHDR True Black 500」認証も取得している。最大輝度は500cd/m2ではあるが,自発光パネルである有機ELパネルならではの特性を生かして,暗部方向に厳しい規格要件の「True Black」を取得しているのは特筆に値する。
ゲーマー向けディスプレイ製品ながら,画質性能は一定レベルに到達していることは間違いない。
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ASUS「AI機能の使いどころを見直します」
有機ELディスプレイは,焼き付きを心配するユーザーも多い。この点に対処すべく,ASUSは「ASUS OLED Care Pro」という機能をXG27AQDPGに搭載している。
具体的には,ディスプレイ前面に組み込んだ近接センサーを活用して,画面の前にユーザーがいるか,いないかを高精度に判別することで,長時間いない場合は画面表示を消すという機能だ。
有機ELディスプレイでは,表示映像に変化がないときは映像を消したり,あるいは映像を1ピクセル単位で微妙に回転やスクロールさせるような,少々やりすぎな有機EL焼き付き抑止機能を搭載する製品がある。映像は動かずとも,ユーザーが画面を凝視している状況はあるはずで,OLED Care Proは,こうした状況にも対応できるというわけである。
ASUSブースの展示機では,ASUSが力を注いで機能を強化しているディスプレイ製品向けアプリ「ASUS DisplayWidget Center」が搭載するAI支援機能のデモも行われていた。
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ASUSのディスプレイ向けAI支援機能と聞いて,2024年のCOMPUTEX 2024における同社の展示を思いだした人もいるかもしれない。
ASUSは2024年に,プレイ中のゲーム映像を解析して,動的に画質を調整して暗闇に隠れている敵を見やすくなるように調整したり,画面内に設定した一定範囲(※照準近く)に動体が接近すると,スコープを覗いているかのように,その部分を自動拡大したりする機能「AI Sniper」を紹介していたことがある。
ASUS担当者によると,AI Sniperは「AIチートだ」といった多数の批判を受けたとのことで,そうしたアグレッシブなAIサポート機能を中止した。2025年では,自然言語による対話でディスプレイの調整を行えるような,穏やかなAI支援機能の提案に路線を切り換えたそうだ。
AIによるゲームプレイアシスト機能は開発中止となったが,基礎機能部分の作り込みは,無駄ではなかったということか。
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2024年には,ASUSと同じようにアグレッシブなAIゲームプレイ支援機能に取り組んでいた同業他社も,同じような方向性に進んでいる。今後はそうしたマイルドなAI支援が主流になるのだろうか。
ASUSのXG27AQDPGに関するプレスリリース(英語)
4Gamer.netのCOMPUTEX 2025特集ページ
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- ライター:西川善司
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