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CEATEC JAPANに初出展のAMDが次世代モバイルGPUを展示。ATI Radeon HD 4600の品不足は「PCB製造の遅れ」が原因と明らかに
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印刷2008/09/30 22:23

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CEATEC JAPANに初出展のAMDが次世代モバイルGPUを展示。ATI Radeon HD 4600の品不足は「PCB製造の遅れ」が原因と明らかに

 「CEATEC JAPAN 2008」が,幕張メッセを舞台に,2008年9月30日から10月4日の日程で開幕した。

AMDブース。日立製作所ブースの隣という,かなり目立つ場所にある
画像集#002のサムネイル/CEATEC JAPANに初出展のAMDが次世代モバイルGPUを展示。ATI Radeon HD 4600の品不足は「PCB製造の遅れ」が原因と明らかに
 CEATEC JAPANで主に出展される製品は,映像や通信関連機器。具体的には,液晶やプラズマといった高解像度テレビや,携帯電話などが“主役”だ。ただ,今年はAMDの日本法人である日本AMDが初出展しており,東芝や日立といった,家電の巨人達がブースを構える一角に,かなりのスペースを使ってブースを設けている。
 CEATEC JAPANにCPU/GPUメーカーが大きなブースを用意するというのは珍しいのだが,それだけAMDは,コンシューマ市場に注力しているということなのだろう。

 面白いのは,(CEATEC JAPAN 2008に出展していない)Intelが,家電向けのCPUを製造するなど,CPUメーカーらしいアプローチを取っているのに対して,AMDは今回のブースで,ATI Radeon,つまりGPUを武器に,コンシューマ市場を狙う姿勢を鮮明にしていることだ。


未発表のATI Mobility Radeon HD 4000を搭載した

ノートPC用開発機が展示される


 さて,そんなAMDのブースで目を引いたのが,「次世代モバイルGPU」を搭載した開発機である。これは,日本AMDの土居憲太郎氏によると,「世界初公開」とのこと。具体的な製品型番やスペックなどは明らかにされなかったが,未発表の「ATI Mobility Radeon HD 4000」ベースであるとは述べられている。

ATI Mobility Radeon HD 4000ベースの「次世代モバイルGPU」を搭載した,ノートPCの開発機。CPUは「Turion X2 Ultra ZM-82/2.2GHz」が用いられているという
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ATI Mobility Radeon HD 4000ベースのGPUを搭載したグラフィックスカード
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 AMD M780Gベースのシステムに,PCI Express x16スロットを介してつながっている次世代モバイルGPUは,現時点で消費電力が30Wほどあるとのこと。実際,展示されていた次世代モバイルGPU搭載グラフィックスカードには,ミドルクラス製品もかくやという,かなり大がかりなGPUクーラーが取り付けられていた。
 土居氏によれば,現在は製品化に向けて,消費電力を抑えるべくチューン中だそうで,製品化スケジュールについては「年内にはアナウンスがあるのではないか」(同氏)との見解が示されており,期待が高まる。

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グラフィックスカードは,「インタフェース基板+GPU搭載MXM」の構成で,すでにMXMへのGPU実装が済んでいることが見て取れる。土居氏のいう「アナウンス」は,製品発表の可能性がありそうだ
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こちらは,ブースに置かれていたTurion X2搭載ミニノートPC「Everun Note」。けっこう軽く,面白そうだったのだが,ブーススタッフからは日本で販売予定かどうかも含め,とくに情報は引き出せなかった


ATI Radeonを用いたDVDのアップスケールと

ゲームライクなI/F採用のビデオ編集ソフトにも注目


 CEATEC JAPAN 2008の初日となる30日には,報道関係者向けのセッションが開催された。登壇したのは,先ほど名前が出てきた土居氏で,氏は,

日本市場で大きなシェアを持つノートPCでは,そのほとんどでGPUの機能を利用できなかったと土居氏。その状況を変える存在が,AMD M780Gであると位置づける
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  • 日本では,ノートPCが市場の大半を占めており,ハイエンドのデスクトップPCはニッチに過ぎない
  • ノートPCのなかで,リッチなグラフィックス機能を搭載するのは,ごく一部のハイエンド機に留まっている

事実を指摘。グラフィックス機能統合型チップセットであるAMD M780Gで「一般的なノートPCでもGPU(※編柱:GPU相当の機能)を利用できるようになった」(土居氏)と,その革新性をアピールしてみせた。

毎度お馴染み,“兄貴”こと土居憲太郎氏が登壇した
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 この話に関係してくるのが,日本AMD独自のロゴプログラム「AMD HD! エクスペリエンス」(以下,AMD HD)である。AMD HDは,AMD製のグラフィックス機能統合型チップセットなどを用いることで,ハイエンドでない,一般的な価格のPCでも,3Dゲームの満足な実行や高解像度ビデオの閲覧&編集を可能にしようというもの。CEATEC JAPAN 2008では,それに関連して,ATI RadeonベースのGPGPU的な応用に関する内容がいくつか語られた。

 そのなかで注目したいのは,米ArcSoft製のビデオ再生ソフト「Total Media Theatre」だ。詳細は語られなかったが,同ソフトには,GPUによるアップスケーリング支援を実現する「SimHD」エンジンが搭載されており,いわゆるSD解像度(720×480ドット)のDVD-Videoを,1080p(1920×1080ドット)のHD解像度まで補間処理を行って,高精細感を与えながら拡大できるという。

SimHDエンジンの概要。有効/無効時を比較できるデモモードも用意される
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 現在のところ,その発売時期や価格などは明らかになっていないものの,ブース内で行われていたデモは,ぱっと見てもどちらがSimHDを介しているか分かるほど,高精細なものになっていた。

日本AMDブースで行われていたデモ。一目見て分かるほどの違いが生じている
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 ポイントは,Blu-rayではなく,より一般的なDVD-Videoの高画質化に寄与するということだろう。高解像度ディスプレイを手に入れたPCゲーマーにとって,相応に意義深いソフトといえ,リリースされれば,ATI Radeonの大きな付加価値となりそうだ。

LoiLoScopeのユーザーインタフェース
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 また,個人的に面白いと感じたのは,国内発ベンチャーであるLoiLo製のビデオ編集ソフト「LoiLoScope」である。特筆すべきはそのインタフェースで,RTS的とでもいうか,とにかく斬新かつ直感的。そのイメージは,ムービーで見てもらったほうが分かりやすいと思うので,(LoiLoのWebサイトからリンクされているのと同じ)YouTubeのムービーを貼り付けてみた。



 LoiLoScopeは,SD解像度版がフリーソフトウェアとして公開されているので,興味のある人は試してみるといいだろう。HD解像度に対応したバージョンは,10月中旬に発売予定となっている。
 ただ残念なのは,今のところATI RadeonのGPGPU機能が使われているわけではないこと。セッションでAMD HDパートナーとしてLoiLoが紹介された経緯もあったため,それを聞いたときにはズッコケそうになったが,将来のバージョンで対応予定とのことだった。


10月1日に基調講演を予定するRick Bergman氏が

ATI Radeon HD 4670品不足の理由を説明


Rick Bergman氏(Senior Vice President and General Manager, Graphics Product Group,AMD)。日本AMDの森本“紳士”竜英氏(奥)を通訳に,ショップの代表者と意見交換を行っていた
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 なお,CEATEC JAPAN 2008では,明日10月1日にAMDのRick Bergman(リック・バーグマン)上級副社長兼ジェネラルマネージャーによる基調講演が予定されているが,30日には,同氏が秋葉原を訪れ,ショップの代表者と意見交換をしたり,販売予定の製品にサインを入れたりして回った(関連記事)。「ATI Radeon HD 4850」搭載グラフィックスカードの製品ボックスなどはさておき,なぜか卵にまでサインさせられる上級副社長というのは,なかなか見れたものではないので,写真で紹介しておきたい。

玄人志向の製品ボックスにサインしたり,卵にサインしたりするBergman氏。正確を期せば,後者は「eggling」と呼ばれる,殻を割って育てる観葉植物だが,まあ,見た目は同じだ
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TWOTOP秋葉原本店では,さっそくサイン入りのPCケースを展示していた。興味のある人は,一度見に行ってみるといいかもしれない
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 なお,TSUKUMO eX.で九十九電機の代表取締役社長である鈴木 淳一氏の質問に答える形でBergman氏が発言した内容によると,現在「ATI Radeon HD 4600」シリーズが品不足なのは,PCB(Printed Circuit Board,要するにカードの基板)の製造が追いついていないためだそうだ。

 「世界規模で,非常に大きな需要があるため,もう少し待っていてほしい」(Bergman氏)。

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    ATI Mobility Radeon HD 4000

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    ATI Radeon HD 4600

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