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[TGS 2009]さらに詳細が明らかにされた「アバター THE GAME」と「R.U.S.E.」。ユービーアイの新作タイトル説明会レポート
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印刷2009/09/27 00:01

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[TGS 2009]さらに詳細が明らかにされた「アバター THE GAME」と「R.U.S.E.」。ユービーアイの新作タイトル説明会レポート

画像集#005のサムネイル/[TGS 2009]さらに詳細が明らかにされた「アバター THE GAME」と「R.U.S.E.」。ユービーアイの新作タイトル説明会レポート
 Ubisoft Entertainmentの日本法人であるユービーアイソフトが東京ゲームショウ2009(以下,TGS 2009)に合わせて行った説明会レポートの第三弾は「アバター THE GAME」PlayStation 3 / Xbox 360 / ニンテンドーDS)(以下,アバター)と「R.U.S.E.」PC / PlayStation 3 / Xbox 360)をお届けしよう。ちなみに第一弾は「アサシン クリード II」で,第二弾は「スプリンターセル コンヴィクション」となっている。バラバラに掲載しないで,まとめておけばよかったと思うが,後の祭りである。

 それはともかく,アバターは映画のライセンスもので,R.U.S.E.は日本展開が未定,しかもアバターでは3Dが,またR.U.S.E.はタッチセンサーによる入力が売りの一つと,やや色モノっぽい雰囲気が漂わないではない。ところが……というわけだ。


アバター THE GAME


 ジェームズ・キャメロン監督が久々にメガホンをとる「アバター」は,地球を遠く離れた衛星パンドラを舞台に,人間と異星人との戦いを描く壮大なSF大作らしい。“らしい”と書くのは,作品の内容に関しては徹底的な秘密主義がとられ,物語の細部はあまり明らかになっていないからだ。はっきりしているのが,映画アバターが最新のテクノロジーを使った3D映画になるということと,Ubisoft Entertainmentが早い段階からその技術開発に協力してきたということ。

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 2009年6月のE3で初公開されたゲーム版アバターだが,スニークプレビューでは103インチの大型プラズマディプレイを使った3D映像がメディアに公開され,その激しい飛び出しっぷりに度肝を抜かれたりした。さらに,独特の植生や動物相を持ったパンドラもエキゾチックで美しく,その点は大きな魅力の一つだった。
 ただ,ゲーム性に関しては非常にシンプルなシューターという雰囲気があり,続く8月にドイツで開催されたGamescomでも同じシーンが出てきたため,ますますその感を強くしたりなんかした。

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画像集#001のサムネイル/[TGS 2009]さらに詳細が明らかにされた「アバター THE GAME」と「R.U.S.E.」。ユービーアイの新作タイトル説明会レポート
 ゲームの説明をしてくれたのは,本作のアニメーションディレクターを担当するブレント・ジョージ(Brent George)氏。モニターはさすがに103インチとはいかなかったが,120Hzの表示が可能で,メガネをかけると立派に飛び出して見える。ブレント氏は,E3およびGamescomで見せたのはまだ“プレα”といったバージョンで,あれから大幅に進捗したという。数多く集まっていた海外メディアの中にもE3やGamescomを取材した人がおり,彼らもプレイフィールの変化に驚いていたのが印象的。というか,プレαを見せたのは逆効果だったのではないだろうか。
 ただ撃ちまくって進んでいくのだろうと思っていたが,実はミッションベース。今回はアバターを使ったプレイを見せてもらったが,プレイヤーキャラクターは長老からとある植物を回収してこいという命令を受けて飛び出していった。ちなみに,プレイヤーが選べるのは人間(ソルジャー)とパンドラの住民であるナヴィ,そしてアバターだ。アバターはストーリーの中核となる存在で,人間の意志を持ったナヴィという感じ。
 そのため,ソルジャーはパンドラのあらゆる生物から問答無用で攻撃を受けるが,なんとかいうオーラをまとったアバターは仲間と見なされるのだ。

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 アバターはソルジャーのようにヘリコプターで移動することはできないが,馬みたいな生物にまたがって進んでいける。ミッションのために行くべき方向はミニマップに表示され,また話すべき相手も吹き出しが出るなど,最近のゲームでは普通だが,行き場所に迷ったり,やるべきことが分からなかったりといったことのない親切設計だ。
 やがて,遠くでソルジャーとナヴィが戦っている様子が見えてくる。人間とナヴィが戦争状態にある衛星の全地表は,20近い地域に区切られており,それぞれの地区をどちらかの勢力が実効支配しており,あちこちで戦闘が散発的に発生している。プレイヤーが何もしていないときでも世界は動き続けているのだ。

 また,この支配地域は積極的に広げることも可能で,そのためには自分が占領している地域から,隣接する相手の地域に部隊や兵器などを移動すればいいだけ。うまくいけば,その地域が自分のものになる。戦闘は伴わないが,これにはクレジットを消費する。自分が占領すればミッションがやりやすくなるのだが,予算との兼ね合いというわけだ。
 しかも,それぞれの地域には「戦闘力アップ」とか「防御力アップ」といったボーナスがついており,「こっちに部隊を展開すれば,防御力が高いけど,ほしいのは戦闘力。しかし地域が隣接していないので,まずこっちに部隊を動かして……うーん金がない」と頭を使うことになりそうで,ちょっとしたミニゲーム仕立てという雰囲気。これはこれで面白そうだ。なお部隊の移動は,マップにある専用の機械を使って行うことになる。

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 武器や防具は,経験値を使ってアップグレード可能。経験値はミッションのクリアで得られるが,それとは別に,同じ武器を長く使っていることでランクが上がったりもするとのこと。アップグレードもマップ上の専用のマシンを使って行うが,それ以外にも,マップ間をテレポートできたり,武器をリチャージしたりなど,いろいろな機能を持った機械(アバター/ナヴィの場合,機械というより木のような有機的なものだが)があって,聞いているほうも実はちょっとこんがらがっているのだが,けしてシンプルな撃ち合いだけではないというところはよく分かった。

 それ以上に興味深いのが,ゲームのストーリーだ。アバター/ナヴィ側でプレイすればよく分かるが,「悪いのは人間」である。突然衛星に押し入ってきて動物達を皆殺しにするのだから,やられるほうはたまらない。
 人間側でプレイすれば,必要な資源を確保したいだけなのに,「問答無用で襲ってくるから防戦しているのだ」という理屈が成り立つだろう。ナヴィはともかく,植物や猛獣と話し合って説明することはできない。「正義と悪は絶対ではなく,立場によって変わってくる」とブレンド氏は言う。カリカチュアライズされた姿ではあるが,これは現在の世界が直面するジレンマを思わせたりする。そんな世界に果たして,ハッピーエンドはありうるのだろうか?

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 マルチプレイモードは搭載されるが,それがどういうものになるかは「今はまだ言えない」(ブレンド氏)とのこと。もっとも,ブレンド氏によると「映画の公開にあわせるので,12月のリリースは絶対に遅らせるわけにはいかない」とのことなので,追加情報は今後,次々に出てくるだろう。ちなみに,日本語版はPlayStation 3,Xbox 360,そしてニンテンドーDSで,2010年1月7日に発売される予定だ。

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 また,気になる3Dだが,必要なモニターさえあれば家庭でも見られるが,さすがに普及しているとは言いがたいので,どれくらいの人がその恩恵にあずかれるかはちょっとよく分からない。とはいえ,文章で書くと,もう「飛び出して見える」としか書けず,隔靴掻痒の感が強いが,実際に見てもらうとやっぱりおお! と思ってしまうはずだ。カプコンの「バイオハザード 5」PC版が「NVIDIA 3D Vision」に対応していたりして,ゲームの今後のトレンドになる可能性もある。TGS 2009のユービーアイブースには,3D表示が楽しめる特別試遊台が一つ用意されているので,一般公開日となった本日(9月26日)はなんだかものすごい行列ができていたが,百聞は一見にしかず。立ち寄った人はぜひ体験してほしい。

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R.U.S.E.


 フランスのEugen Systemsが開発中の「R.U.S.E.」PC / PlayStation 3 / Xbox 360)は第二次世界大戦をテーマにしたリアルタイムストラテジー(RTS)だ。日本での展開は発表されていないが,今回の説明会には登場していた。

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 紹介してくれた本作のプロデューサー,Samuel Sacques氏によると,R.U.S.E.は「(PC版もリリースされるが)コンシューマ機におけるRTSの可能性」を追って作られたタイトル。ポインティングが重要になるRTSのシステムを,いかにコンシューマ機のコントローラーでストレスなく行うかについては,例えばElectronic Artsの「Command and Conquer 3」PC / Xbox 360)でボタン/スティックのアサインを工夫するなど,各社がいろいろと工夫し追求している。

 Ubisoftが2009年にリリースした「エンド ウォー」PlayStation 3 / Xbox 360)では,その課題に対して「音声入力」を試みたが,R.U.S.E.では,「タッチセンサー」の導入が考えられている。2009年6月4日に掲載したレポートにもあるように,E3 2009では特殊なタッチスクリーンを使った展示が行われたが,ディスプレイの価格が2万5000ドル(約224万円)もするというから,おいそれとは買えるものではない。とはいえ,こうしたチャレンジを続けるところがUbisoftの個性の一つであるような気もする。

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 ゲームシステムについては,2009年8月24日に掲載したGamescomのレポートにも書いたように,リアリズムより「ハイテク版ボードゲーム」という雰囲気だ。欧米では,2010年Q1の発売を目標として開発が進んでいる。
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