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World of Warcraft: Cataclysm

World of Warcraft: Cataclysm
公式サイト http://www.worldofwarcraft.com/cataclysm/
発売元・開発元
発売日 2010/12/07
価格 39.99ドル(通常版),79.99ドル(コレクターズエディション)
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このゲームの読者の評価
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  • Cataclysmは、カイゼンし続けるBlizzardの真摯な姿勢の結晶化 100
    • 投稿者:Longsword(男性/50代)
    • 投稿日:2011/04/19
    良い点
    Cataclysm(天変地異)と題してあるとおり、今回の大ボスであるDeathwingによって初期WoWゾーンであるAzerothが引き裂かれたという設定により、クエストや地形などが全面改修され、より面白みを増しています。

    この改修によって、Lv1〜60までのプレイはより楽しく、よりストレスなく楽しめるようになりました。

    Lv60〜Lv70までは、別世界のOutlandに行く必要がありますが、そちらは今回手が入っていないので、このレベル帯のクエストなどについてはちょっと苦痛に感じてしまうかもしれません。
    (あまりに、Azerothの改修がよく出来ているので)

    Lv70〜78までは、Wrath of Lich King(以下WoLK)の舞台であるNorthrendでレベルを上げて、そこから再びAzerothの新舞台に戻ってくることになります。

    Cataclysmでは、毎回の拡張でやっていますが、レベルアップに必要な経験値を減らす調整が入り、新規プレイヤーであっても、スムーズにCataclysmのレベル帯である81〜85のコンテンツに追いつけるようにしてあります。
    そういった地味な調整を毎回きちんとしているところは、さすがBlizzardだと思います。

    Cataclysmでの大きな改良点は、やはりGuild関連です。
    今回の拡張から、10人版Raidと25人版Raidで獲得できる装備が全く同じになりました。
    ですから、良い装備を獲得するために、25人版Raidをする必要がなくなり、結果大きなGuildに所属する必要がなくなりました。
    また、25人でRaidを開催するのは、人数を集める点で難しかったのですが、10人であれば集めやすく、その点も今回の改良点として非常にプレイヤーの受けが良いです。

    その代り、若干Raidの難易度は上がっています。
    WoLKでカジュアル化したRaidが、Burning Crusaderの頃のようなRaidに戻りました。
    Raidで得られるEpic Gearは、誰でも得られるものではなく、ある一定のプレイヤーレベルに達したものだけが得られる、「価値ある」装備であると、Blizzardも明確にコメントしています。

    この背景にはもう一つの要因があり、従来ゲームの中で知り合ってGuildを形成していたのが、昨今ではWoWが非常にメジャーなゲームとなったが故に、実生活の知り合い同士でグループを作って遊ぶようになったというSNS的な要素が色濃くなり、無理に25人版コンテンツを遊ぶために知り合い以外の人をGuildに入れて、Guildのマネジメントで揉めるよりは、気心の知れた10人程度の仲間で無理なく遊んでもらうことで、揉め事が発生する確率を下げるという目的もあります。

    そういうGuild指向を強めるために、Guildのレベルというシステムも導入されました。
    Guildのレベルを上げると、様々な追加スキルや特典を獲得することができ、またGuildのReputation(評判)というシステムも導入することで、Guildを渡り歩くとせっかく貯めたReputationが無駄になってしまいます。

    Guildレベルの上昇は、メンバー数に依存しないようになっており、小規模のGuildでも全く大人数のGuildと遜色なく特典を得られるようになっています。(人数より活動の活発さの方が重要)

    Guildに所属せず、一匹狼だと楽しめないのかというと、そんなことはなく、コンテンツ拡張が入る毎に、5人版インスタンスで獲得できるポイントで、一つ前のEpic Gearが入手できるようになっているので、一匹狼であっても、またRaidをしない人でも、時間を待てばEpic Gearは入手できるようになっています。
    ただ、街の中で最新のEpic Gearを装備できるのは、Raidに注力して討伐に成功したプレイヤーだけ、という事です。

    こういった改良により、Cataclysm以降は、小さなGuildが増えており、また一方で野良でのRaid(Pick Up Group、PuGとWoWでは称されます)はあまり見かけなくなりました。
    最近、ようやくちらほらと、サブキャラ用のRaidとしてPuGの募集が見かけられるようになりました。

    5人版のインスタンスも難易度が上がり、Cloud Control(以下CCと略)が必須となりました。WoLKでは、5人版インスタンスの難易度が装備の充実によってどんどん簡単になってしまい、得てしてチームワーク無視のプレイでもクリアできてしまう事が多々ありましたが、Cataclysmではそういうプレイをすると全滅するようになっています。

    それなりに熱が入っているプレイヤーであれば、できるだけ良い装備を早期に整え、最良の装備状態にしたいと思うのは自然な流れです。
    そのために得てして、どっぷりとゲームに浸かってしまうような事になりがちなのですが、上記で述べたとおり10人版と25人版のRaidで獲得できる装備が共通になったことで、25人版をやる必要がなくなり、プレイする時間を節約できるようになりました。
    またEpic Gearを購入できるValor Point(以下VP)について週当たりの上限値が設定されました。このVPは、RaidでBossを一体倒す毎に、もしくは5人版インスタンス(Heroic版)をクリアすることで獲得できます。
    ですから、Raidをやっている人はRaidだけで週あたりの上限値に達するので、もっとVPを得よう!と無理に5人版インスタンスに時間を費やす必要がなくなりました。このあたりは、地味に実生活に良い影響があると思います。
    USでアンケート調査されたWoWを遊ばない理由の一つに、「時間を大幅に取られてしまう、拘束されてしまう」というのがありますが、その点に対処した改善の一つです。

    UIも改善が施されており、プレイヤーが作ったAddonを参考に、優秀なものは独自に取り入れてあります。例えば、Cataclysmでは、Raid用のメンバー表示のUIが取り入れられました。また、装備の平均レベル表示が取り入れられました。

    キャラクタのTalentや装備についても、WoLKでの何かに一点集中というやり方では通用しないように手が加えられて、ゲームとして頭を使うように仕向けられています。
    例えば、TankはStaminaを積み上げることが定番だったのですが、それではTankとして十分に機能できないようになっています。Damage Dealerと同様にHitやExpertiesといった攻撃を当てるために必要なステータスも上げないと、Threatをキープできなかったり、敵のスキルをInterruptできずに全滅の要因になります。
    またダメージを軽減するステータスにも気を配らないと、HPは多いけどダメージをどんどん受けてHealerのmana(MP)がすぐ枯渇させてしまう"Mana Sponge"と称されるTankになってしまうという具合に、プレイヤーにバランスを考えるように仕向けています。

    Damage Dealerも、単純に攻撃力を上げるためだけのステータスだったり、攻撃のみのプレイだったりすると、上手くいかないように仕向けています。
    その点は、Healerのヒール仕様を難しくすることで、Damage Dealerもダメージを受けないように工夫したり、自分でヒールしなければならないように仕向けています。
    特定のスキルの利用で済んでいたWoLKと違い、より自分のClassやTalent Spec、スキルを理解し、より多くの自分のスキルを活用しなければいけないようになっています。
    この件についても、Blizzardが明確に公式Blogの中で上記の方針を述べています。
    悪い点
    25人版RaidのPuGは、他のGuildの人やフリーの人と知り合う良い機会でそれなりに面白かったので、それが無くなったのはちょっと寂しいですね。
    そういう場で良い人を見つけてGuildに勧誘する事が多かったので、Guildの人員を補充したり増やすのも、ちょっと不便になったかもしれません。
    その点については、今度出る4.1でGuildメンバー募集用のUIが追加されて改善されるそうなので、そこに期待です。

    あと、5人版インスタンスで得られるEpic Gearを購入できるポイントが日次なので、Raidよりインスタンスを中心に活動している人は、毎日ログインせざるを得ないのが厳しいです。しかし、この点についても4.1で、日次ではなく週次での獲得ポイントに変更されるため、週末にまとめて5人版インスタンスを複数回遊んで、週あたりの上限値までポイントを獲得できるようになります。
    (そういう細かい改善活動が、やっぱりBlizzardらしい、良いところです。)
    総評
    人間関係で必要以上に煩わしい思いをすることがないように、またプレイそのものに集中できるようにしつつ、一方でよく考えないといけない要素やプレイヤースキルの要求難易度をちょっと上げてゲームの面白みを増した、それがCataclysmだと私は思います。

    売上がまた記録を更新し、アカウント数も増えもせず減りもしなかった状況から再び増加に転じたのを見れば、今回のCataclysmの改修がぴったりBlizzardの意図したとおり、プレイヤーのニーズにマッチしている何よりの証拠だと思います。
    人間関係での揉め事(英語ではDramaと称される)が減り、どっぷり時間を費やして遊ばなくても第一線プレイヤーとして遊べるようになり、プレイヤーが離れる要因が減りましたし。

    村社会と称される日本人Guildも徐々に分裂して、小さなGuildが増えてきているので、日本人プレイヤーにとっても、今回の拡張での改善点は良かったのではないでしょうか?
    プレイ時間
    3〜4年
    グラフィックス サウンド 快適さ/運営 熱中度/ストーリー ボリューム
    5 5 5 5 5
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